Case Study株式会社ビジュアルソフト
内製していた研修を、東京ITスクールに外注。
貴重なエンジニアのリソースを削らず、大満足
管理部 部長
畠中昌代
管理部 部長
畠中昌代
「新人研修を受けた社員はその後の立ち上がりが早く、とくにインフラコースの受講者2名はすでに実務で活躍しています。Javaコースの受講者もエンジニアとしての土台が育ちました」と話すのは、管理部の畠中昌代さんです。実はこれまで内製化していた研修を、なぜアウトソーシングしたのか。その結果、どんな変化があったのか、などを伺いました。
地元・北陸を中心に支持される「人間力」あるエンジニア集団
最初に、ビジュアルソフトについてご紹介ください。
畠中様 当社は福井市に本社を置くシステム開発会社です。一次請けとして直接クライアントから受注するプライム案件と共に、二次請けとなるサブコン案件の両方のビジネスモデルを展開しています。
プライム案件を担当するのはソリューションビジネス事業部で、福井県を中心とした北陸地方のお客様がほとんどですが、年々県外のお客様からのご依頼も増加しています。システム開発だけではなくコンサルティングやWebサイト構築、インフラ構築、ハードウェア販売なども手掛けています。
サブコン案件のうち、行政システムや大手民間企業などを担当するのが第1システム開発事業部、電子カルテなど医療関係を担当するのが第2システム開発事業部です。
モバイルやVR関連の部署もあると伺いました。
畠中様 はい。モバイル事業部は主にアプリ開発を手掛けていて、iOSとAndroidの両方に対応しています。また北陸の会社では珍しく、VR関連の開発にも積極的に取り組んでいます。
このように、多岐にわたる業界に向けてソリューション提供やシステム開発をしているのが当社の特徴です。システムエンジニアだけではなくインフラエンジニア、Webディレクター、コンサルタント、営業などさまざまな業種がいて、一気通貫で事業を展開しています。
※上記の内容は「ソリューションビジネス事業部」の特徴になります。
採用状況はいかがでしょう。福井県内の方が多いのでしょうか?
畠中様 県内ふくめた北陸出身者が多いですね。
現在はグループ全体で約140名の社員がいて、そのうち120人ほどが開発関連の業務に就いています。地元学生の採用が多く、いまの社員の9割は北陸出身者です。システム開発会社は首都圏に集中していますが「自分が育った地域で働きたい」「住み続けたい」と考える学生は多く、仕事で東京などへ行く場合は、いずれは福井に戻ることを前提とした長期出張の形をとっています。
採用そのものは順調で、今年度は11人が入社しました。うち9名が福井県出身者です。
採用で重視していることは?
畠中様 人間力です。文理は問いませんが、そこはよくみています。
技術は入社後に身につけることができますが、コミュニケーションスキルや仕事をやり抜く忍耐力などは、学生時代までの経験がものを言いますからね。おかげ様で、「細かく丁寧にやってくれる」「よく気がつきしっかりしている」などクライアントからの評価は高く、名指しで指名されるエンジニアがいるほどです。
また、当社は4つの事業部でビジネスモデルが異なり、身につける知識や技術も異なります。そうしたこともあり、近い将来までのキャリアを選択し、採用試験に合格すると希望部署に配属される「事業部エントリー方式」を導入しています。入社後もミスマッチが少ないので離職率は低いと思います。
採用後はどのように育成していますか。
畠中様 長年、社員が講師となり社内で技術研修を2ヶ月間行い、地元の企業にお願いするマナー研修も実施してきました。
技術研修はオラクル社が認定する開発者向け資格の「Java Silver」の合格を目指すもので、これまで10年近くは全員が合格しています。手前みそになりますが素晴らしい内容で、他社から依頼があり合同研修をすることもありました。
ただ、この内製してきた研修が、成果を出す一方で、課題でもあったのです。
担当者や事務局の丁寧な対応が決め手に。
内製研修の課題は何だったのでしょう?
畠中様 講師役のエンジニアの負担が大きかったことです。
担当社員は2ヶ月間、朝から夕方まで教えるので自分の仕事は後回しになり、どうしても残業が続きました。「貴重な人材を2ヶ月間、とられるのはキツい」と現場サイドから要望意見が出ていました。
内製化研修は、先輩・後輩の間でコミュニケーションにつながったり、教える立場になることで忘れていた知識を思い出したり、極めて良い経験にはなります。しかし、限界がありました。
またとくに地方はエンジニア不足が深刻ですからね。内製研修で貴重なリソースを割かれるのは、経営側も大きな課題と感じていたのです。
そこで22年度に、新人Java研修とインフラ研修を初めてご利用いただきました。弊社を選んでいただいたきっかけは?
畠中様 去年、2021年の11月くらいに3社ほどの研修会社から営業の電話があり、そのなかのひとつが東京ITスクールでした。
3社とも詳しく内容を聞いたところ、「新入社員に対してJavaを教える」内容そのものは、正直、横並びで変わらなく感じました。そこで見積もりをお願いすると、まずA社は圧倒的に高く、B社は助成金のサポート内容があやふやで、不安に思えたのです。
それに対して東京ITスクールは、助成金に関する専属のサポート部門や専門システムが用意されていた。何よりも決め手になったのは、見積もりの前後で触れた営業・事務スタッフの対応の良さでしたね。営業の方は一方的にサービスを提案するのではなく、「今までの研修はどうだったか」をどこよりも丁寧にヒアリングし、それを加味した最適な研修プログラムをいただきました。事務局の方も同様で、私の細かい質問に何回も応えてくれました。
心づかいのある言葉、接客を目の当たりにして、「こういう会社なら新人を任せても大丈夫だ」と判断したのです。
2ヶ月間の研修でエンジニアとしての土台が育つ
研修についてお聞きします。新人対象のインフラ研修は、実機を使いサーバ・ネットワークの基盤構築を学ぶコースでした。こちらの感想は?
畠中様 2名が2ヶ月間受講し、現在はすでに実務についています。
大学でネットワークについて学んだ理系出身の学生に感想を尋ねたところ、「学生時代は座学のみだったので、実機に触れながら研修を受けられたのは非常によかった」と答えていました。配属後の出だしもスムーズだったと聞いています。もう1名は文系出身のIT未経験者ですが、出遅れることなく業務をこなしていて、インフラ研修は当社としても高く評価しています。
残り9名はJava研修を2ヶ月間受けていただきました。
畠中様 多岐にわたる内容を学ぶことができ、非常によかったと聞いています。他の会社の方も
受講する集合研修だったので、良い刺激にもなったと思います。理系出身者からは「Springについて学べたのが良かった」という意見もありました。
研修後には「Java Silver」の資格取得に向け10日間の内製研修を実施しましたが、すでに土台が出来上がっていたので理解は早く、3日間の勉強で合格ラインの到達する者もいました。そういった社員は他の同期を教えるなど、自然とサポート体制が生まれたのも良かったと思います。
学習管理システムの「LMS」は、受講者のモチベーションの向上・維持にとても役立ったと実感しています。講師の方が日報にしっかりコメントを入れてくださったので、理系出身者などできる社員はますますやる気になり、そうではない社員はアドバイスを受けることでやる気が維持できたようです。
新人向け研修は「7つの習慣」を導入したプログラムも用意させていただきました。
畠中様 コンパクトにまとまった内容だったので、「どこまで伝わるかな」と思った面もありました。
ただ、先に述べた毎年実施している地元企業によるマナー研修を、東京ITスクールの研修後に実施したところ、「今年はみんな優秀ですね」との声をいただきました。もしかしたら、こうしたプログラムの影響かなと感じています。
今回はオンラインでの受講でしたが、いかがでしたか。
畠中様 当初は心配していました。というのも、内製研修をしながら「研修中のコミュニケーションで、社員同士が極めて仲良くなる」効果を実感していたからです。「オンラインでは、コミュニケーションがとりづらく、こうした効果が出せないのでは?」と。
そこで、弊社の参加メンバーは、あえて出社して合同でオンライン研修を受けるスタイルにしました。その効果とともに、オンラインでもチームによる演習などが数多くありますので、演習を通じて親睦は深まり、すぐに仲良くなっていましたね。
今回は初めてのご利用でしたが、東京ITスクールへご要望はありますか。
畠中様 受講者の声は総じて好評だったのですが、手を動かし実務に活かすことがメインの研修でしたので、「Javaを用いたWebアプリケーション構築のスキルは十分学べたが、もう少し概要や基本的な考え方の部分が知りたかった」という感想もありました。『7つの習慣』に関するカリキュラムも素晴らしいですが、もっと全体像を知りたかったという声もありました。ぜひ、ご参考いただければと思います。
貴重なご意見ありがとうございます。
畠中様 もっとも、全体的には大変満足しています。先に「プログラムの内容は横並びで変わらなく感じた」と言いましたが、昨年度の研修のリーダーや講師、役職者による検討会では、「これだけ充実した内容で受けられるのはうらやましい」「自分たちが受け直したい」と言っていましたからね(笑)。
今後もお世話になりたいと思います。
本日はありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします!
インタビュー・文/大正谷 成晴
社名 | 株式会社ビジュアルソフト |
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業務内容 | ソフトウェア開発/ソリューション/クラウド・インフラ/アプリ開発など |
資本金 | 3000万円 |
設立 | 1996年6月 |
URL | https://www.vss.co.jp/ |