Case Studyキセキ株式会社

代表取締役社長

坂本信輔

「小さな所帯なので、新人教育に割けるリソースを確保できないのが悩みでした。東京ITスクールの教育プログラムには大変助けていただいています」と代表取締役社長・坂本信輔さん。新人研修・キャリアコンサルティング・メンターと、社員教育プログラムをご活用いただいた経緯や成果、今後の展望についてお伺いしました。

パートナー企業からの紹介で新人研修プログラムを採用

まずは御社についてご紹介をお願いします。

坂本様　弊社は2017年9月に設立したシステム開発会社です。所属エンジニアを客先に常駐させるSES事業をメインとしつつ、一部受託開発も行っています。社員数は本年度（2023年）入社の新卒社員を含めて21名。プロジェクトマネージメントに精通しているメンバーが多いため、開発部分も含めたプロジェクト全体のコントロール支援もできるのが大きな特徴であり、強みです。

東京ITスクールのご利用は、新人研修が最初でした。御社の新人研修に何か課題を感じていたのでしょうか。

坂本様　そもそも弊社は、これまで新卒人材を採用していませんでした。創業からしばらくは、以前勤めていた会社の部下や同僚、またそのつながりから即戦力の人材を確保していたからです。ところが、途中から仕事の増加に採用が追いつかなくなってきました。採用媒体を使った中途採用も始めましたが、思うように人材が集まりませんでした。

そこで新卒や未経験者を受け入れて育成していく方向に切り替えたのですが、社内で教育する余裕はありません。「新人教育を外部にお任せできないか」と模索していたのです。

数ある社員研修プログラムの中から、東京ITスクールを選んだポイントを教えていただけますか？

坂本様　弊社が非常に信頼しているパートナー企業が「東京ITスクールを利用している」と伺ったからです。その企業の社員は教育が行き届いていると評判だったので、「弊社もぜひお願いしたい」と、東京ITスクールにご相談させていただきました。ですから他社との比較はしませんでしたね。

新人研修の成果はいかがでしたか？

坂本様　最初に新人研修を受けたのは、2022年に新卒で入社した私の知人でした。ITとは全く異なる分野の大学を卒業したので、社員研修の効果を見るにはちょうどいいかなと。新入社員研修3ヵ月と受託開発を経験できる体験型研修『リアプロ』を3ヵ月。合計6ヵ月の研修をお願いしました。

結論から申し上げると、6ヵ月通してお願いして本当によかったと思っています。本人も手応えを感じ、非常に熱心に受講していました。

また全ての課程についての評価の資料をいただけるため、「どの分野の力がついたのか」を客観的に評価できました。お客様にも「未経験ですが、この分野でお役に立てます」とアピールできたため、スムーズな受け入れにつながりました。実際、研修を終えた直後の10月から現場に入り、システム開発に従事しています。

想定よりはるかによい成果を出していただけましたので、今年の4月に入社した新入社員3名にも新入社員向けと『リアプロ』の計6ヵ月の研修をお願いしています。

若手社員に寄り添うキャリアコンサルティング

東京ITスクールには、キャリアコンサルティングのご相談もいただきました。

坂本様　はい。キャリコンに関しては、新入社員向けではなく、すでに働いてくれている既存社員に向けての取り組みです。創業初期の社員は、私の前職時代の部下など、もともと親しい人達だったので、悩み事や疑問点などがあれば、気軽に言ってくれました。

しかし、前職時代に直接接点がなかった方たちが入社しはじめて、そのコミュニケーションが減っていきました。やはり相談しにくいんでしょうね。悩みも疑問も、自分でかかえこんでしまう傾向がありました。

場合によっては、それが離職につながったりもするので「仕事上の不安やキャリアの希望などといった悩みをサポートする仕組みが必要だ」と感じるようになったのです。東京ITスクールに相談すると、試しにやってみましょうという話になったのです。

どなたがキャリアコンサルを受けたのでしょうか。

坂本様　入社から7～8年目のエンジニア2名と総務1名の計3人。新しい技術や出向先のシステムを学ぶだけで精一杯という時期を終えて、時間的にも精神的にも余裕が出てきた頃です。これからのキャリアを考えるにはちょうどいいタイミングだろうと考えました。

キャリアコンサルを受けた社員からはどのような反応がありましたか？

坂本様　事前にこれまでの経歴や資格をまとめたジョブカードを作成し、それを前提に1時間ほどのコンサルティングを受けました。

印象的だったのは、３人が口を揃えて「新しい気づきを得られた」と言っていたことです。第三者であるコンサルタントの客観的な意見に触れ、それまではうっすらと感じていた可能性や不安が明確になったようです。

とくにエンジニアの2人はとても刺激を受けていましたね。ひとりは「すごくモチベーションが上がった」との言葉どおり、積極的に先輩に質問をするようになりました。また、新入社員研修の一環として、中堅社員が教育担当者として一人ずつつくのですが、その役割にも真っ先に立候補してくれました。

もうひとりも「今の現場で覚えることが限られてきたので、新しいチャレンジをしたい」と自ら申し出てくれました。それまではあまり自己主張するタイプではなかったので、キャリアコンサルを機に、自分が進みたい方向への思いを整理できたのかもしれません。

今年度はメンター制度『キャリサポ』のご利用を開始されます。どのような成果を期待しますか？

坂本様　『キャリサポ』は一回だけ行われるコンサルティングとは違って、継続してコミュニケーションを取れる「メンター」についていただきます。

業務上の課題は先輩に聞けるけれど、人間関係の不満や将来への悩みは社内の人間には言いにくいものです。そこで、メンターの方には、第三者であるからこそ話しやすい関係を構築し、モチベーションを上げるお手伝いをしていただきたいと思っています。

また『キャリサポ』は東京ITスクールさんの階層別研修プログラム『キャリデザ』と連携するというお話も伺っています。メンターとの話を通じて浮かび上がった将来の夢や目標に対し、『キャリデザ』で必要なスキルや知識を学べるような流れができてくれるとうれしいですね。

『キャリサポ』は、キャリアコンサルを受けたエンジニア2名ともうひとりの3名からスタートし、成果を見ながら新入社員や中堅社員に対象を広げていければと期待しています。

最後に、人材育成のパートナーとして東京ITスクールに期待することがあればお聞かせください。

坂本様　新人教育およびキャリアコンサルでは大変お世話になりました。これらの成果を踏まえてご提案いただいたメンター制度の導入も非常に楽しみです。

今後は、ソフトウェア工学に関するカリキュラムの導入も、ぜひ検討いただきたい。ITの世界では次々と新しい技術が登場していますが、テストや設計の技法は今のPCの形が残る限り変わりません。技術の進歩に左右されないスキルである開発工学を学べるカリキュラムがあれば、全社員に受けてもらいたいと思います。

これは弊社だけでなく多くのシステム開発会社が望んでいると思いますので、ぜひご検討いただけると幸いです。これからも優れた人材の育成にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

これからも人材育成の分野でお力添えしつつ、新しいカリキュラムの用意へも取り組んでまいります。本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

インタビュー・文／手塚裕之

写真／小堀将生

社名	キセキ株式会社
業務内容	システム開発プロジェクトマネージメント支援、システム開発支援、システム基盤構築支援など
資本金	450万円
設立	2017年9月
URL	https://www.kiseki.systems/