入社6ヶ月!効果的なフォローアップ研修のコツ
公開日:2024年05⽉17⽇最終更新日:2024年05⽉17⽇
新入社員が入社から6ヶ月経ったタイミングで行うフォローアップ研修。その後の彼らの仕事におけるパフォーマンスや継続性にも影響する大切な機会です。
本記事では、フォローアップ研修を設計し実施する上での効果的な方法を詳しく解説します。
①フォローアップ研修の目的とその有効性
②研修で押さえるべき重要なポイント
③持続可能な研修体制の構築方法
この3つの重要なテーマについて学びつつ、よりよいフォローアップ研修を行うコツを得られる内容となっています。
新入社員が6ヶ月経った時点でどのようなサポートをすべきかを考える上で、本記事がお役に立てば幸いです。
フォローアップ研修とは
フォローアップ研修とは、新入社員の育成プロセスの一環として、初期研修後にある程度の期間をおいて行われる教育訓練のことを指します。
この段階では、新入社員が基本的な業務知識やスキルは身につけていることを前提とし、仕事の理解を深めたり、さらなるスキル向上を図ることが主な目的となります。
入社時の研修だけでなく、一定期間後のフォローアップがあることで、実際の業務の中で出てきた疑問や不安などを解消する機会にもなるため、新入社員たちも安心できます。企業としてしっかりと新人たちをケアできるかは、その後の定着率の向上にもつながってくるでしょう。
オンボーディング研修とフォローアップ研修の違い
オンボーディングとフォローアップ研修の違いは以下の通りです。
- オンボーディング研修・・・新入社員が会社とその文化にスムーズに適応することを目指し、主に新入社員の初期段階に行われる研修です。仕事を始める上での入門編的な内容です。
- フォローアップ研修・・・彼らがすでに獲得した知識とスキルを強化し、新たな課題に対応する能力を育てることを目指しています。中期的な成長にフォーカスし、新たな目標達成や専門性の強化を重視します。
それぞれに目的と内容が異なるので、理解した上で効果的に実施したいですね。
フォローアップ研修の目的
フォローアップ研修の目的は、新入社員が職場での自身の役割において自立した働き方を身につけることです。
新入社員が入社初期のオリエンテーションで学んだ初歩的な知識を応用し、更に深く具体的な実務に対応できるようになることを目指していきます。
またフォローアップ研修では、個々のスキルや能力に応じた個別指導を行い、従業員一人ひとりが最大限にその能力を発揮できる環境を整えることも重要になってきます。
より頼もしい戦力として成長できるように、必要な学びを得るための大切な機会ということですね。
フォローアップ研修で押さえるべきポイント
フォローアップ研修を成功させるためには、明確な目標を設定することが必要です。
以下の3つのポイントを押さえることで、より効果の高いフォローアップ研修を実現することが可能です。
① 前回の学びの復習と応用
フォローアップ研修の一部として重要なのが「前回の学びの復習と応用」です。これは、新入社員がこれまでに習得した知識や技能を再確認し、業務で接する新たな状況やタスクにどのように適用していけるかを理解するためのものです。
新たな問題解決やタスク遂行の際に、以前に学んだ内容が直接機能することを体験することで、「こんな場面でも役立つんだ」「以前のあのケースではこのスキルを使えたな」など、改めて学びの効果を実感し、これからの成長への糧となります。
こういった気づきや学びは、継続的な学習意欲やモチベーションの維持につながります。フォローアップ研修での復習は単なる知識の再確認ではなく、更に知識・技術を深め、実業務に落とし込んでいくための試みと言えます。
② フィードバックの収集と個別指導
フォローアップ研修において、それまでの業務でのフィードバックの収集は、多角的な視点で新入社員のパフォーマンスを評価し、それぞれに合わせた指導をするための大切な指針になります。
フィードバックは、上司や同僚だけでなく、プロジェクトに関わる他部署や取引先からも集め、具体的な改善策や挑戦目標を提示しましょう。新入社員自身が自己評価を行う機会も設け、自己啓発の意欲を刺激するとより効果的です。
その一方で、一律の教育ではなく、個別指導により新入社員一人ひとりの成長をサポートします。それぞれが抱える問題や課題に対して、個々の能力や経験に基づいてピンポイントで支援することで、早期の成長を促すことができます。
③ 長期的な成果と目標の設定
フォローアップ研修は一過性のものではなく、新人が成長し続けるための長期的な戦略として考える必要があります。その中心には、長期的な成果の明示と目標の設定が必要です。
まず、研修を通じて達成したい成果を明確にします。例えば、「新人が自身の業務を完全に自立して行えるレベルに達する」または「特定のスキルを一定レベルまで習得する」といった具体的な目標を設定します。これが本人、マネージャー、そして企業全体の方向性を示す大切な指標となります。
次に、これらの目標を達成するためには、定期的な評価とフィードバックが欠かせません。進捗のチェックと目標の見直しを定期的に行うことで、新人は自分がどこに立っているのか、次に何をすべきなのかが明確になります。
このように、長期的な視点で育成を考えることは、新人が自身のやるべきことを具体的に理解し、働く力を高める上での大切な要素です。
持続可能な研修体制の構築
新人の成長を考える上で、フォローアップ研修を単発のイベントと捉えるのではなく、持続可能な育成の仕組みを作り上げることが大切です。
どんなに充実した研修内容でも、それを繰り返し適用し、組織全体で取り組む体制がなければ、その効果も限定的なものになってしまいます。
以下、持続可能な研修体制を構築するためのポイントを3つ解説します。
① 継続的な教育プログラム
継続的な教育プログラムは、新入社員のスキルアップと成長をサポートする最善の手段です。人材育成は一度きりの取組みではなく、継続的な努力が必要です。
新入社員は自身のスキルセットを磨くだけでなく、企業のビジネス環境の変化に対応するためにも、常に新しい知識とスキルを身につけることが求められます。
継続的な教育プログラムは、新入社員が職場で成功を収めるための道筋を示し、職務における自信と満足度を向上させる役割も担っています。これらが結果的には組織全体のパフォーマンス向上につながります。
② 上司や同僚からの支援の形
上司や同僚からの支援も欠かせません。上司からは、新人のスキルやパフォーマンスの評価、具体的なフィードバックやアドバイスを得ることができます。
現場で新人を見守る上司は、新人が直面するであろう課題や困難についてよく理解していることから、研修内容をより実務にフィットするものにする上で大きく貢献してくれます。
一方、同僚からは、日々の業務における具体的なアドバイスやヒントを得ることができます。また彼らとの交流は、新人が職場に溶け込んでいく過程をサポートします。
これらの支援が効果的に機能するためには、開放的なコミュニケーション環境の構築と、それぞれの役割と責任を明確にすることが重要になります。
③ 研修内容の定期的な見直しと調整
フォローアップ研修は移り変わる環境の中で組織と新入社員両方の成長を促進する重要なプロセスです。研修内容はデータやフィードバックに基づいて周期的に更新されるべきです。
新規プロジェクト、技術の更新、業界のトレンドなど、社内外の変化に対応するための新しいスキルや知識を学習する機会を適切なタイミングで提供することが重要となります。
また、研修の結果から得られるデータを通じて、目標達成の度合いや弱点、改善すべきエリアを明確にし、それに応じて研修内容を調整します。
このプロセスはコンテンツが新鮮で関連性が保たれ、新入社員が最新のトレンドや必要なスキルに対応できることを確保します。定期的な見直しと調整は研修の質を確保し、新入社員の持続的な成長をサポートするために不可欠です。
フォローアップ研修を成功させるために
フォローアップ研修の成功の鍵を握るのは、
① 効果的なコミュニケーション技術
② 適切なモチベーションの維持
③ 具体的な事例を通じた学びの深化
この3つのポイントを押さえましょう。以下に一つずつ解説します。
① 効果的なコミュニケーション技術
フォローアップ研修における効果的なコミュニケーション技術は、新入社員の学習効果を大幅に高めます。まず、わかりやすい説明と具体的な指示が重要です。曖昧な部分が多いと、受け手の混乱を招き、学習効果も思うように出ません。
新入社員からの質問を快く受け付け、それを適切に対応することも重要です。新入社員が自身の理解度を確認し、疑問点を解消する機会を積極的に提供しましょう。
最後に、励ましの言葉をかけたり、よくできた部分をほめることも重要です。「自分たちの頑張りをしっかりと見てくれている」と感じられることは、新入社員の自信とモチベーションを高めます。必要な指摘はしっかりと行い、改善された部分や努力についてはしっかり認めてほめる。このバランスが重要になります。
東京ITスクールでは指導者、リーダー向けの研修も多くご用意していますので、受講いただくこともおすすめです。
③ モチベーション維持の秘訣
モチベーション維持は、フォローアップ研修で確実に達成すべき要素です。大切なのは、個々の新入社員が自己成長や能力開発に対して積極的になり、社内での役割や持続的な学習を維持する意欲があることを確認することです。
モチベーション維持を促すための一つの方法は、「スモールステップ」の成功体験を積むことです。つまり、小さな達成感を設定し、頻繁に達成する環境を作り出すこと。これにより、新入社員は自己効果感を強化し、自信を持つようになります。
また、新入社員自身が自らの学習結果を評価するためのフレームワークを提供することも大切です。これにより、新入社員は自分自身の成長を確認し、自分自身の価値に自信を持つことができます。
率直なフィードバックと具体的な指導を通じて、新入社員が研修の過程で達成したことを共に喜び、新たな目標に向かって動けるようにサポートすることが重要です。
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東京ITスクールでは、フォローアップ研修も含めた新人研修サービスを提供しております。私たちのプログラムは、社員一人ひとりが企業の中で頼もしい戦力となる上でのステップを力強くサポートいたします。
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ビジネススキル、コミュニケーションスキル、そして専門技術の習得まで、幅広い内容を網羅。また、我々は長期的な視点に立ち、研修後のフォローアップもしっかりと行っています。新人の育成に課題をお持ちでしたら、是非お気軽にご相談ください。
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SEとしてB2Cアプリ開発、金融系システム開発などを経験後、人事部で採用業務を担当。
現在は東京ITスクールの講師として新人研修から階層別研修、人事向けセミナーまで幅広く登壇。
猫を3匹飼っている猫好き。