コンプライアンス研修事例!取り組むべきポイントも解説
公開日:2024年04⽉25⽇最終更新日:2024年04⽉25⽇
コンプライアンス研修は、企業の組織風土を形成し、法令遵守や倫理規定の理解を深めるために重要な役割を果たします。
しかし、研修プログラムをどのように構築すべきか、どのテーマを扱い、どのような方法で実施すべきかが分からないという企業担当者の方も多いと思います。
この記事では、実際に効果が出たコンプライアンス研修事例を元に、以下の3つのポイントを解説します。
- コンプライアンス研修の必要性とその取り組みについての具体的な理解
- 研修プログラム設計の基本的な考え方とその実際
- 研修実施時の注意点とそれを解決する具体的な方法
貴社のコンプライアンス向上に繋がる具体的なプランを描くためのご参考になれば幸いです。
コンプライアンス研修事例!取り組むべきポイントも解説
コンプライアンス研修は、企業の品位を保つため不可欠な活動です。研修に取り組む際、覚えておくべきポイントがいくつかあります。事例をご紹介しながら、それぞれを解説していきましょう。
コンプライアンス研修の必要性
コンプライアンス研修は、企業の経営を健全に維持し、組織の信頼性を保つために不可欠なものです。それは、社員一人ひとりが法令順守と企業倫理を理解し、その精神を自身の仕事に反映することにより、企業全体が社会的な信頼を得るための重要なステップです。
例えばベネッセでは、大規模な個人情報流出事件が発生しました。これを受けて、同社は研修プログラムを強化し、個人情報の取り扱いについての社員の意識向上を図りました。この事例は、企業の個人情報管理の重要性と適切な対応の必要性を示しています。
また、電通では過去に新入社員の過労死が発生し、これが社会問題となりました。この事件を契機に、同社は労働環境の見直しと合わせて、違法残業の防止に焦点を当てたコンプライアンス研修を実施しました。研修では、法令遵守だけでなく、労働者の健康と安全を守ることの重要性が強調されました。
コンプライアンス違反は社員のモラルや組織の信頼性を低下させるため、長期的な視点から見ても、企業の持続的な成長の妨げとなります。そのため、コンプライアンス研修は、企業の持続的な成長と社会的責任を果たすために重要な役割を果たしています。
研修でカバーすべき主要テーマ
コンプライアンス研修は、企業の社員一人ひとりが企業活動における法令遵守と社会的規範について理解し、自分の行動に反映させるための重要な取り組みです。
研修で取り扱うべき主要なテーマとしては、
- 企業のコンプライアンスポリシー
- 業界における法規制
- 倫理規定
- 情報管理
- ハラスメント防止
などがあります。これらのテーマは全ての企業において共通の問題であり、具体的なケーススタディを交えて詳述することで、社員の理解を助けることができます。
また、企業の具体的なビジネス慣行や内部ルールについても取り上げることで、社員が日々の業務に活かすことができるでしょう。
研修方法の選定
研修方法の選定は、企業の目指すコンプライアンス体制や目的、参加者のレベルなどに応じて変わります。
オンライン研修は手軽に取り組むことができ、各人のスケジュールに合わせて進行できる利便性があります。また、人材研修会社に委託することも一つの手段で、経験豊富な講師から直接学ぶことが可能です。
一方で、自社で対面形式のグループディスカッションやロールプレイを行うことで、より具体的な問題について深く理解することが可能です。各方法には一長一短があるため、自社のニーズや目的に合わせて最適な方法を選択しましょう。
研修プログラムの設計方法
研修内容の設計
研修内容の設計は、成功のための決定的な要素です。まず、目標設定は必須で、これがなければ企業の期待する結果を達成することは難しいです。目標を設定するときは、SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、時間制限付き)に基づいて設定しましょう。
次に、カリキュラムの作成には、対象者の知識レベル、学習スタイル、業務内容を十分に考慮することが必要です。例えば、初心者向けのビジネスマナー研修と、管理職向けのリーダーシップ研修では、内容の深さやトピックの扱い方が異なるはずです。
研修の実施方法も重要なポイントです。オンライン研修、対面研修、またはその組み合わせなど、参加者のニーズや事業の要件に合わせて適切な形態を選びましょう。
研修内容の設計は、最終的に研修の効果を大きく左右しますので、細部に至るまで時間をかけて計画することをおすすめします。
外注する際の選び方のポイント
社内で研修プログラムを構築できるだけのリソースがない場合には、外注を検討することもよいでしょう。コンプライアンス研修のプログラムを外部に依頼する際には、以下の三つのポイントを考慮することをおすすめします。
- 研修の専門性:研修を提供する企業や団体が、対象となる分野に深い知識と経験を持っているか確認します。そのため、過去の案件やクライアントの評価をチェックしましょう。
- カスタマイズの可能性:自社のニーズに合わせた研修内容を設計できるかどうかも重要なポイントです。研修内容をカスタマイズする柔軟性があるか確認しましょう。
- アフターフォロー:研修後のフォローアップ体制が整っているかも見逃せません。例えば、評価やフィードバックの収集と活用など、研修後の改善点を共有してくれるところが良いでしょう。
これらのポイントを踏まえて、研修プロバイダーを選び、コンプライアンス研修を効果的に運用しましょう。
研修実施の際の注意点
コンプライアンス研修実施の際、気を付けなければならないのはどんなことでしょうか。
注意すべき点と、研修の有効性を高めるためのポイントを解説します。
参加者の積極的な参加を促すには
積極的な参加を促すためには、いくつかの戦略を考えることが重要です。
まず、学習内容を参加者が直接実務でのイメージと関連付けられる形にすることが大事です。具体的な事例やシミュレーションを用いることで理解を深めることができます。
次に、対話型の研修を導入すると良い結果を生むことがあります。グループディスカッションやロールプレイを通じて、参加者は自分の意見を表現し、他の人々から学ぶ機会が生まれます。
また、研修は単一のセッションだけでなく継続的なプロセスとして設計すべきです。定期的なフォローアップやリフレッシャーコースにより、学んだ知識が長期間にわたって保持されます。
実践的な学びの提供
実践的な学びを提供することは、コンプライアンス研修の重要な要素です。カリキュラムにはシミュレーションやロールプレイ、事例研究など、実際の職場の問題を解決するための訓練を取り入れると良いでしょう。
これにより、参加者は具体的な状況におけるコンプライアンスの重要性を体感でき、理解が深まります。例えば、IBMは従業員向けに「ビジネスシナリオを用いたエシカルトレーニング」を行い、高い評価を受けています。このように、実際のビジネスシーンを再現した研修は、知識だけでなく実践力を養うのに役立ちます。
定期的な研修の重要性
定期的なコンプライアンス研修の重要性は、その継続性からくる企業文化の確立と従業員の理解度向上にあります。
一回の研修では従業員全員が完全に理解し、身につけることは難しく、繰り返しの研修を通じて初めて理解が深まります。また、新たに発生する法律やリスクなどについても、定期的な研修を行うことで最新情報を従業員全員で共有することができます。
そして何よりも、定期的に行うことでコンプライアンスの重要性を繰り返し訴え、企業文化として根づけることが重要です。具体的な事例としては、大手企業では、年一回の全社研修を組み込み、新入社員研修や定期的な部署ごとの研修等を実施しています。
フィードバックの収集と活用
フィードバックの収集とその活用は研修プログラムのなかでも重要なステップです。研修の成果を測定し、改善点を発見するためには、参加者からの直接的な反応や評価を得ることが必要不可欠です。
フィードバックはアンケートや評価シート、面談などの方法で収集しましょう。また、フィードバックはただ収集するだけでなく、その結果を分析し、研修内容や方法を見直すための参考にするべきです。
研修の目標達成度を高め、更に研修プログラムを発展させるために、フィードバックの収集と活用は欠かせません。幅広い視点からのフィードバックは、プログラムの多角的な評価に繋がり、真の成果向上へと導きます。
東京ITスクールの研修プログラム
東京ITスクールでは、各企業のニーズに応じたコンプライアンス関連の研修プログラムを提供しています。これまでに13,000人以上の社員育成実績があり、質の高い研修プログラムに高い評価をいただいています。
関連研修サービスの紹介
東京ITスクールでは、コンプライアンス研修だけでなく、ITスキルやリーダーシップ育成、チームビルディングなど、企業のニーズに応じたさまざまな研修サービスもご提供しています。
また、定期的なフォローアップや個別のキャリアサポートまで、社員一人ひとりの成長をサポートするエンジニア向けのメンターサービスも展開しています。
豊富な研修カリキュラムと経験豊富な講師陣を活かし、皆さまの企業の人材育成に最適なプログラムを提案させていただくことが可能です。育成の課題をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
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SEとしてB2Cアプリ開発、金融系システム開発などを経験後、人事部で採用業務を担当。
現在は東京ITスクールの講師として新人研修から階層別研修、人事向けセミナーまで幅広く登壇。
猫を3匹飼っている猫好き。