研修と勉強会の違いを理解して効果最大化!目的で使い分けよう
公開日:2024年06⽉14⽇最終更新日:2024年06⽉14⽇
社員の知識やスキルを高める学びの方法としては研修が一般的ですが、勉強会という形もあります。しかし両者の違いやそれぞれの使い分けなどはどのようにしたらよいのでしょうか?
この記事では、研修と勉強会について、違いや使い分け、それぞれのメリット等について解説します。以下の点を深堀していきます。
・研修と勉強会の違い
・研修と勉強会の使い分けポイント
・研修と勉強会それぞれの実践方法
・研修と勉強会の共通成功要素
企業の研修担当者の方は参考にしてみてください。
研修と勉強会の違い
初めに、研修と勉強会の違いについてまとめます。以下の側面から解説します。
・研修と勉強会の基本概念
・研修の目的
・勉強会の目的
・研修と勉強会の使い分けポイント
順に見ていきましょう。
研修と勉強会の基本概念
研修と勉強会とは、どちらも知識やスキルを伝えるための手段ですが、その目指す方向性と使用方法には大きな違いがあります。
研修は一般的には、新入社員の教育や現職の技能向上を目的とした、体系化されたカリキュラムに基づく教育活動を指すことが多いです。プロトンプランニングなどの一部企業では実践的な職場研修も行っており、具体的な業務スキルを学ぶ場として活用されています。
一方、勉強会は、特定のテーマについて自由にディスカッションし共有することを目的とした活動です。参加者は新たな知識や視点を得るだけでなく他の参加者との意見交換を通じて自身の理解を深めることもできます。
これらの知識を踏まえて、組織のニーズに応じて最適な手段を選択することが求められます。
研修の目的
研修の主な目的は、従業員が業務を遂行するために必要な知識や技術、態度を身につけることです。新入社員研修では基本的なビジネスマナーや企業理念の理解を深めることが多いですし、中堅社員を対象とした研修では管理職へのステップアップを支援するためのリーダーシップトレーニングや専門スキルの習得が目指されます。
研修は個々の従業員の成長だけでなく組織全体のパフォーマンス向上にも繋がる重要なプロセスと言えます。
勉強会の目的
勉強会の主な目的は、新しい学びや知識を共有し相互の理解を深めることです。対話やディスカッションを通じて、参加者たちは新たな視点やアイデアに触れることができます。これは一般的な講義スタイルの研修とは異なり、よりインタラクティブな学習環境を提供します。
また勉強会は従業員のキャリア発展の一環としても活用されることがあります。具体的なスキルや知識はもちろん、新たな視点や思考の柔軟性も養うことができるのが勉強会の大きな目的です。
研修と勉強会の使い分けポイント
研修と勉強会を適切に使い分けることは、人材育成の効果を最大化する上で非常に重要です。
まず研修は新たなスキルや知識を習得したい時に選びます。これは通常、専門家が指導する形式を取り、詳細な計画とコンテンツに基づいて行われます。
一方勉強会は既存のスキルや知識を深めるため、または新しいアイデアや情報を共有するために適した手法です。これは通常、参加者全員が積極的に参加し自由な議論が行われる形式を取ります。
具体的な使い分けの例としては、新入社員の研修には「研修」が、既存社員のスキルアップには「勉強会」が適していると言えます。組織の目標や従業員の需要に応じて、これらを適切に使い分けることが求められます。
研修の実践:ステップバイステップガイド
次に、研修の実践について解説します。以下の順序で行います。
・研修プログラムの計画立案
・研修対象者の選定
・研修コンテンツの開発
・研修後の評価とフィードバック
1つずつ見ていきましょう。
研修プログラムの計画立案
研修プログラムの計画立案は、その成功にキーポイントとなる工程の一つです。まずは目的を明確に設定します。目的は具体的に、明確かつ達成可能であるべきです。たとえば「Excelスキルを上げる」ではなく「ExcelでVLOOKUP関数を使ってデータを検索できるようになる」など、具体的なスキルを指定すると良いでしょう。
次に対象者の現状把握を行います。研修参加者のスキルレベル、学習スタイル、ニーズ、期待を把握することで最適な研修内容を設計できます。小規模企業では、個々の従業員と直接話すことで情報を集めることが可能ですが、大規模企業の場合、アンケート調査を利用すると効率的です。
その後、研修内容と方法を決定します。ここでは、対象者の学習スタイルと研修目的がマッチしていることを確認しましょう。一部の人には講義形式が効果的な場合もあれば、他の人には実践的なワークショップ形式が最適な場合もあります。
最後に研修日程を計画します。ここでは参加者のスケジュールや他の業務への影響を考慮し研修の時間と頻度を最適化します。上手く計画すれば、研修は有意義な結果を生むものとなります。
研修対象者の選定
研修対象者の選定は、研修の目的とコンテンツに大きく影響します。適切な対象者を特定することで研修の効果を最大限に引き出すことが可能となります。
まず対象者の選定には研修の目的が明確になっていることが前提となります。さらに研修対象者の選定には、個々の職務内容やスキルレベルを考慮することが求められます。たとえば見習い工員に対する研修とマネージャーに対する研修では求められる内容や技術レベルが大きく異なるため、その明確な区別が必要です。
また研修の実施時期も考慮することが必要で、新入社員への研修は入社初期に、昇進や職種変更に伴う研修はそのタイミングで行うといった具体的なカレンダープランを作ることも重要です。
これらを踏まえた上で、適切な対象者を選定し研修を企画することでその効果を最大化することが可能となります。
研修コンテンツの開発
研修コンテンツの開発は、企業の目標や研修対象者のニーズを根本的に考慮した上で行われるべきです。
まず何を達成したいのか(目標)と、どのように知識を取り入れるのが最適なのか(学習スタイル)を把握することが重要です。次に具体的な内容の設計に移ります。たとえばIT企業であれば、最新のプログラミング言語やデータベース管理についての研修が必要になるでしょう。
研修コンテンツの開発では、オンライン学習、グループワーク、対面式の講義など、学習方法を多様化させることも重要となります。これは、参加者が様々な学習スタイルを持っているため、一方向的な学習だけでは理解が難しい場合があるからです。企業事例を用いて、研修が実務に直結したものであることを示すと、参加者のモチベーション向上にもつながります。
最後に研修コンテンツは時代や環境の変化に対応できるよう、更新や改善を繰り返すことが望ましいです。その際は、研修後の評価とフィードバックを元に、どの部分を修正すべきかを判断すると良いでしょう。
研修後の評価とフィードバック
研修後の評価とフィードバックは両立するプロセスであり、研修の成功を測る基準です。まずは終了後すぐに、参加者に対し匿名でアンケートやフィードバックシートを配布し研修の内容や講師に対する意見を集めます。これにより参加者の直接的な感想や改善点を把握することが可能です。
また研修を通してスキルや知識がどれほど伸びたかを評価するため、研修前と研修後の評価テストを行うことも重要です。たとえば日本IBMでは研修前後での知識の向上率を測るテストを行い、その結果をフィードバックとして研修内容の改善に活かしています。
さらに数週間後に再度フィードバックを求めることで研修内容が実際の業務に活かされているかを確認します。このフェーズでは、上司やチームメンバーからのフィードバックを集め、参加者自身が研修で得たスキルや知識をどれだけ活用しているかを評価します。これにより研修の長期的な効果を評価し更なる改善点を見つけ出すことができます。
総じて、研修後の評価とフィードバックは研修の成功を確認するための重要なステップであり、これを適切に行うことで研修プログラム全体の品質向上につながります。
勉強会の実践:ステップバイステップガイド
次に、勉強会の実践について解説します。以下の順序で行います。
・勉強会のテーマ設定方法
・効率的な勉強会の運営方法
・ユーザー参加型勉強会のメリット
・勉強会後のフォローアップ
1つずつ見ていきましょう。
勉強会のテーマ設定方法
勉強会のテーマ設定は、その成功に必要不可欠です。参加者が最大限に学びを得られるようにするためには、テーマ選びが重要となります。
まず参加者の知識レベルや関心を考慮しそれに対応するテーマを設定してください。たとえばエンジニア向けの勉強会であれば、新たなプログラミング言語や開発手法などがテーマになり得ます。
次に特定の課題を解決するためのテーマを設定するのも効果的です。これにより参加者は具体的な目標に向かって学ぶことができ、その結果、学びのモチベーションを高めることが可能となります。
複数のテーマがある場合には、優先順位をつけて、最も関心が高いものから取り組むと良いでしょう。優れたテーマ設定は勉強会の価値を高め、参加者の満足度を向上させます。
効率的な勉強会の運営方法
勉強会を効率的に運営する方法はいくつかあります。
まずリーダーとしての役割を明確に持つこと。ファシリテーターやモデレーターがいると、議論がスムーズに進むように指導できます。次に参加者全員が自分の意見を言う機会を設けること。これにより全員が参加していると感じ、より活発な議論が生まれます。またテーマに対する予習を推奨すると、内容に深く踏み込んだ議論が可能になります。さらに適切な時間管理を行うことも重要。開始時間、休憩時間、終了時間を明確にすることで参加者が自分の時間を効率的に使うことができます。
これらの運営方法を適切に行うことで勉強会はより生産的で有意義なものとなります。
ユーザー参加型勉強会のメリット
ユーザー参加型勉強会は、参加者が積極的に意見や知識を共有し合うことで自由度が高く、深い学びが得られる場となります。その最大のメリットは、実践的な学びです。組織内外の広範な視点から得た知識や経験を共有することで他の参加者との交流を通じて新たな視点やアイデアを得ることができます。
またネットワーキングも強力なメリットです。参加者同士が意見交換を行うことで関係性を深め、組織の壁を超えたつながりを生むことが可能になります。
3つ目は自己成長です。他者からフィードバックを得たり、他者の意見に触れることで自分自身の思考を深め、自己成長につながります。
勉強会後のフォローアップ
勉強会が終了した後に行う「フォローアップ」は、実りある勉強会を実現するために欠かせないステップです。参加者に対して、勉強会で学んだ知識を日々の業務にどのように活用しているか、定期的に尋ねることで学んだことの定着を助けます。また勉強会の内容に対する感想や勉強会自体の改善点も同時に把握することができます。
研修と勉強会の共通成功要素
最後に、研修と勉強会の共通成功要素についてです。以下の点が挙げられます。
・目標設定の重要性
・効果的なコミュニケーション手段
・従業員のモチベーション向上方法
順に見ていきましょう。
目標設定の重要性
目標が明確に設定されていると、参加者が求められるスキルや知識を具体的に理解でき、それに向かって進む動機付けが生まれます。またプログラム運営者にとっても、目標を達成するための具体的な計画を立てやすくなり、プログラムの効果を測定する基準を設けることができます。
目標設定は研修や勉強会の効果を最大限に引き出すために欠かすことのできないステップです。
効果的なコミュニケーション手段
効果的なコミュニケーション手段は、研修と勉強会の実施で欠かせない要素です。具体的には、事前の内容説明、途中経過の共有、そして研修や勉強会後のフィードバックが重要となります。
たとえば事前の内容説明により参加者が何を学ぶのか、どのような価値を得られるのか理解し自身の学びに意欲を持つことが可能です。また途中経過の共有は参加者が自身の進捗を把握し必要であれば学習方法を調整する機会を提供します。そして、研修や勉強会後のフィードバックを通じて、参加者は自身の理解度や問題点を明確にし次の学習に生かすことが可能です。
これらのコミュニケーション手段を活用することで研修と勉強会はより効果的な学習環境となります。
従業員のモチベーション向上方法
従業員のモチベーション向上は、研修や勉強会を成功させるために重要な要素です。モチベーションの向上に有効な手段として、「明確な目標設定」、「フィードバックの提供」、「達成感の経験」の三つを挙げます。
「明確な目標設定」は、従業員が自身の成長を具体的にイメージできるようにするために不可欠です。具体的で達成可能な目標が設定されていると、日々の業務や研修が自身のスキルアップに繋がっていると感じ、モチベーションの維持や向上に効果的です。
「フィードバックの提供」は、従業員の成長を促すために重要です。自身の行動が組織にどのような影響を与えているかを理解することでモチベーションを維持し更なる成長を促すことができます。
「達成感の経験」は、継続的なモチベーションの源になります。目標達成やタスクの完了時に達成感を感じることで自己効力感が向上し次なる挑戦に対する意欲が湧きます。
これらの手段を用いることで従業員のモチベーションを効果的に向上させ、研修や勉強会の効果を最大化することが可能です。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。