社員研修の計画を立てるコツを徹底解説!
公開日:2024年06⽉28⽇最終更新日:2024年06⽉28⽇
社員研修を成功させるためには、事前にさまざまな事項を検討して計画を立てることが大切です。この記事では、社員研修の計画について解説します。以下の内容についてくわしく説明していきます。
・社員研修の計画を立てる手順は、研修の目標設定→研修対象者の選定→研修方法の検討→研修のスケジュール管理
・研修の種類にはオンライン研修・オフライン研修・ハイブリッド研修・ワークショップ・ケーススタディがあり、それぞれにメリットがある
・効果的な研修プログラムを作るためには、・研修内容のカスタマイズ、講師の選定方法、インタラクティブな学習方法、実践的な研修の設計がポイント
・研修の評価と改善には、前評価と事後評価、KGI/KPIの設定、研修の再設計とフィードバック反映がポイント
研修の企画担当者の方は参考にしてみてください。
社員研修の計画を立てる手順
初めに、 社員研修の計画を立てる手順について解説します。以下の順に行います。
・研修の目標設定
・研修対象者の選定
・研修方法の検討
・研修のスケジュール管理
順に見ていきましょう。
研修の目標設定
社員研修の計画を立てる際の第一歩は、研修の目標設定です。これは、研修の方向性を明示し研修成果の評価基準を設けるための重要なステップです。
たとえば新入社員研修の目的は一般的に「社会人としての基本的なマナーや、企業のビジョンと文化を理解し自社での仕事を進めるための基本的な能力を身に着ける」ことかもしれません。一方マネージメント研修の目的は、「管理職としてのリーダーシップや人員管理のスキルを習得する」ことを目指すことかもしれません。
したがって、研修内容や方法、予算などは、これらの目標に基づいて決定されます。そのため、明確で具体的な目標設定は成功する研修の鍵となります。
研修対象者の選定
研修対象者の選定はその研修の効果を左右します。
まず新入社員、リーダー、マネージャーなど、研修を受けるべき役職や役割を特定します。社内の状況やニーズに応じて最適な対象者を見極めることが重要です。たとえば新製品の導入に伴い必要となる技術教育の場合、まずはその製品を扱う部署の社員から始めるのが適切かもしれません。またリーダーシップ研修の場合は、新たにリーダーとなった社員や今後リーダーになる可能性のある社員が対象となるでしょう。
対象者が明確になったら、スキルレベルや経験、知識なども詳細に調査し研修の内容や進め方を適切に設計する必要があります。
研修方法の検討
研修方法の検討は研修の効果を最大化するために重要なステップです。
まずは、研修の目的に応じて適切な形態を選ぶことが必要です。たとえば新入社員の基礎知識を身につけさせるためなら、講義形式のオフライン研修を選ぶと効果が期待できます。一方既存社員のスキルアップを目指す場合は、実践的なワークショップやケーススタディベースの研修が有効です。
また過去の研修結果やフィードバックを参考にして、研修の内容や形態を見直すことも重要です。必要に応じて外部の専門機関に相談し、最適な研修プログラムを設計することも一つの手段となります。
研修のスケジュール管理
研修のスケジュール管理は、プロジェクト管理の一部として重要な役割を果たします。
開始日から終了日までの期間を明確にし、研修の進行に合わせて調整を行うことが必要です。また振り返りの時間や参加者の自己学習時間も考慮に入れることで、効果的な学びをサポートします。効率的なスケジュール管理のためには、事前に研修内容を細分化し各コンテンツの所要時間を見積もることも大切です。
スケジュールの透明性を保つと、参加者のモチベーション向上や自身の成長を感じる機会を提供することができ、研修の成果を高めることができます。
研修の種類とメリット
次に、研修の種類とメリットについて解説します。以下の研修についてまとめます。
・オンライン研修
・オフライン研修
・ハイブリッド研修
・ワークショップ
・ケーススタディ
順に見ていきましょう。
オンライン研修
オンライン研修は、物理的な場所や時間に縛られることなく参加者が自分のペースで学習することを可能にします。またコスト効率も優れており、交通費や会場費用を抑えることが可能です。そのため、規模が大きい研修や地理的に分散したメンバーを対象とした研修に最適です。特に新型コロナウイルスの影響でリモートワークが一般化した現在、オンライン研修はその需要が高まっています。
一方で、実際の場でのスキルを磨くための研修や、専門的な研修などは対面で行う方が効果的という意見もあります。しかしビデオチャットを活用したグループ作業やインタラクティブな教材を使用することで、こうした課題もクリアすることが可能となります。また講師と学習者のコミュニケーションを確保するための工夫も可能です。
オフライン研修
オフライン研修は直接面会して行う教育方法で、対話の質が高まったり参加者同士のコミュニケーションが深まったりするメリットがあります。また身振りや表情といったノンバーバルコミュニケーションを通じて、理解度を確認しやすいのも特徴です。一方で、場所や時間の制約があるため、参加者のスケジュール調整が必要です。
オフライン研修は、具体的なスキル習得やチームビルディングにおいて特に効果を発揮する方法と言えます。
ハイブリッド研修
ハイブリッド研修はオンラインとオフラインの両方を融合した学習方法で、最近では急速に普及しています。
オンライン研修の利点は、場所にとらわれず時間を選ばずに学習できるという自由度の高さです。一方オフライン研修の利点は対面でのコミュニケーションや実技の練習が可能で、直接的なフィードバックを受け取れるという点です。
この二つを組み合わせたハイブリッド研修は、それぞれの利点を活かすことでより効果的な学習を実現します。
ワークショップ
ワークショップ型の研修は、参加者全員がアクティブに関与し実際に手を動かすことで学びを深める手法です。
たとえば、ビジネスモデルキャンバスを使った新事業アイデアのブレインストーミングやプロジェクトマネジメントのシミュレーションなどがあります。実践的な研修と同様に参加者の能動的な参加を促すことから、即戦力としての人材育成に効果的です。
ただし大人数になると進行管理が難しくなる点や、適切なファシリテーターが必要となる点が課題となりますので、ご注意ください。
ケーススタディ
ケーススタディ研修は、実際のビジネスシーンや課題を事例として取り上げ、参加者が対策や解決策を考え出す形式の研修です。企業のリアルな課題を題材にするため、学習効果が高く、理論だけでなく実践的な知識やスキルも身につけやすいメリットがあります。
業界や企業の事例を用いることでより具体的なスキル習得につながり、それが業務に直結するため、研修の効果を実感しやすいのが特徴です。
効果的な研修プログラムの作り方
次に、効果的な研修プログラムの作り方についてです。以下の側面からまとめます。
・研修内容のカスタマイズ
・講師の選定方法
・インタラクティブな学習方法
・実践的な研修の設計
順に見ていきましょう。
研修内容のカスタマイズ
研修内容のカスタマイズは、企業ごとのニーズに対応した効果的な研修プログラムを作成するための鍵となります。具体的には、まずは参加者の事前レベルと学習ニーズのヒアリングを行い、それに基づいて研修内容を調整します。
また研修テーマを業界や職種に特化することも有効です。情報技術の進歩に合わせて新しい研修内容を組み入れることで社員のスキルアップを実現しましょう。
講師の選定方法
講師の選定は研修の質を大きく左右します。
まず講師が専門性を持っているかを確認しましょう。たとえばセールス研修なら販売経験豊富な講師、プログラミング研修なら現役エンジニアなどが適切です。
次に教育・指導経験があるか、または適切な指導法を理解しているかがポイントとなります。理想的な講師は、知識を伝えるだけでなく、学習者が自分で考え成長するきっかけを提供することができる人物です。
最後に講師の人間性も重要で、学習者を理解し尊重し求めに応じる柔軟性を持つ人が求められます。
これらをもとに、講師の面接やデモレッスン、過去の評価等を参考に選定してください。
インタラクティブな学習方法
インタラクティブな学習方法を導入すると、社員の学習モチベーションの向上や理解度の深化が期待できます。
その1つがゲームやクイズを用いた学習です。またディスカッションやディベートを活用するのも効果的です。具体的な事例や問題を提示し、それについてグループで議論することで深い理解と実践力を養うことができます。
これらの方法は、受動的に学ぶのではなく能動的に問題解決を試みることで学習の効果を高めます。
実践的な研修の設計
実践的な研修の設計のためには、まず研修の目的に直結した内容を計画して職場で直ちに活用可能なスキルを含むことが重要です。
またロールプレイやシミュレーションといった学習手法を活用し、実際の職務に近い環境でのトレーニングを実施します。実習やグループワークでは、実際の業務を想定した課題を解決することで知識だけでなく実践力も身につけられます。
さらにフォローアップのシステムを設けることで、研修後もスキルの向上を継続的にサポートします。
これらの要素を組み合わせることで研修は単なる学習から一歩進んだ「実践の場」となります。
研修の評価と改善
最後に、研修の評価と改善についてまとめます。以下の点が挙げられます。
・事前評価と事後評価の重要性
・KGI/KPIの設定方法
・研修の再設計とフィードバック反映
順に見ていきましょう。
事前評価と事後評価の重要性
研修の効果を最大化するために欠かせないのが、事前評価と事後評価の実施です。
事前評価とは、研修を始める前に参加者の現状の能力や知識を評価し研修内容を最適化するための重要なステップです。一方事後評価は、研修が終わった後にその成果を確認し改善点を見つけるための評価です。これらは、研修の目的達成度を確認し研修の品質を継続的に向上させる重要な工程になります。
このように事前評価と事後評価を適切に実施することで、効果的な研修を継続的に提供し社員のスキル向上を実現できます。
KGI/KPIの設定方法
KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)の設定は、研修の成果を測るために不可欠です。
KGIは研修の最終目標を定量的に示すもので、「3ヶ月後に新入社員の90%が基本的な業務を自立してこなせるようになる」といった具体的な目標を設定します。一方、KPIは途中経過を示す指標で、たとえば「全体の研修時間の80%をクリアする」「中間テストで70点以上を取る」といった目標を設定します。
これらを用いて研修の効果を評価し、必要に応じて研修内容を見直し改善を図りましょう。
研修の再設計とフィードバック反映
研修の再設計とフィードバックの反映は、研修の効果を最大化するための重要なプロセスです。
研修終了後は、参加者からのフィードバックを活用し目的に合わせて研修内容を見直しましょう。再設計には時間とコストがかかりますが、改善によって研修の質を高め、参加者の理解とスキルの向上を図ることが期待できます。
またフィードバックの反映は、参加者が研修に対して自己投資する意識を高めます。
東京ITスクールの研修を活用しよう
社員研修の計画を立てていく際、自社ですべてをまかなうのは難しいという結論に至ることも少なくありません。そのような場合は、信頼できる外注先を見つけることが研修成功のカギとなります。
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ご質問やご興味がございましたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。