研修嫌いの原因は何?上手な対応法を解説
公開日:2024年05⽉31⽇最終更新日:2024年05⽉31⽇
研修は効率よく社員のスキルや知識を向上させるのにはなくてはならない手法ですが、どうしても研修嫌いの社員が一定数いるものです。本人の研修効果が下がるほか、場合によっては周囲に悪影響が及ぶリスクもあります。
この記事では、社員が研修嫌いになる理由について解説します。以下の点について解説していきます。
・研修嫌いの原因としては、不安感、過去の経験、効果への疑問、時間やコスト、内容への不満などがある
・効果的に行うための対策が必要
・不安感を取り除くための下準備を行う
・対話やフィードバックを生かしたコミュニケーションも効果あり
研修の企画担当者の方はぜひご一読ください。
研修嫌いの原因とは?
まず研修嫌いの原因について解説します。以下の理由がが挙げられます。
・研修に対する不安感
・過去の悪い経験
・効果があると思えない
・時間やコストの問題
・研修内容がつまらない
順に見ていきましょう。
研修に対する不安感
研修に対する不安感は、多くの人が研修を嫌う大きな要因です。それは新しいスキルを学ぶことへの自信の欠如や、自分の弱点が露呈することへの恐怖から来るものでしょう。
たとえばIT企業の新入社員が初めてプログラミング研修を受ける場合、自分がそのスキルを身につけられるかどうか不安に思うかもしれません。また過去に研修で成果を出せなかった経験がある人は、再び失敗することを心配することでしょう。
これらの不安感は、研修に対する動機付けを損ない、研修の効果を下げる可能性があります。ですから、不安感を軽減するための対策が求められます。
過去の悪い経験
過去の悪い研修経験は、従業員が研修を嫌う大きな原因の一つとなります。無意味なアクティビティや厳しすぎる評価、理解しきれない専門用語の乱用など、研修体験がマイナスとなる場合があります。
特に過度なプレッシャーやイライラ感が伴う研修は、参与者の学習意欲を削いでしまいます。たとえば一部の企業では、研修の結果を評価に直結させ、その結果が人事評価に影響する形を取っていました。しかしこの方法は参加者に過度なストレスを与え、研修へのモチベーションを逆に低下させてしまいました。
このような過去の悪い経験は、研修に対して否定的な印象を持つ原因となります。そのため新たな研修を企画する際には、過去の失敗を学び、それを繰り返さないようにすることが重要です。
効果があると思えない
研修プログラムの効果に疑念を持つことは、研修嫌いの一因となります。従業員が、研修が自身のスキル向上やキャリア形成に寄与しないと感じると、やる気や参加意欲が下がってしまうのです。研修の効果を明示的に示すことで研修の意義と価値を理解し参加意欲を引き出すことが可能です。
時間やコストの問題
時間やコストが適切に管理されていないことも、研修嫌いの一因です。時間が惜しいと感じると、研修の効果を疑問視する傾向があります。適切な時間の管理には、具体的な目標設定や期間の見直し、オンライン研修の導入などさまざまな方法が考えられます。これらの対策を通じて、研修に対するネガティブな印象を改善してより効果的な人材育成を目指すべきです。
研修内容がつまらない
研修内容がつまらないと感じられる背景には、同じ過去の例を繰り返すような古臭いプログラムや一方的な講演型スタイルの研修が多いためです。またエンゲージメントの低さから学びの吸収率が下がり、参加者のモチベーションも低下します。
よりエンゲージングで楽しい研修を提供するために、研修プログラムの刷新や、参加者がアクティブに意見を共有し自身の経験や視点を発揮できるようなインタラクティブな形式の導入が推奨されます。さらに最新の業界トレンドや技術を取り入れることで参加者が新しい知識を得ることができ、それが日々の業務に生かせるという具体性を持たせることも重要です。
効果的な対策とは?
次に、効果的な対策とはどのようなものか解説していきます。以下の方法があります。
・不安を軽減する方法
・ポジティブな経験を作る
・研修の効果を可視化する
・効率的な時間とコスト管理
・面白い研修内容の開発
1つずつ見ていきましょう。
不安を軽減する方法
不安を軽減するためには、まず研修の目的や内容を明確に伝えることが大切です。参加者が何を学び、何を得ることができるのかを理解できれば、その不安は自然と軽減されます。
また事前にQ&Aセッションを設けることも効果的です。具体的な質問に直接答えることで不安や疑問を解消することができます。
さらに参加者同士のコミュニケーションを促進するための時間を設け、お互いに意見を共有したり、支援し合える環境を作ることも大切です。
これらの方法を用いることで参加者は研修に対する不安を軽減し積極的に参加することができるでしょう。
ポジティブな経験を作る
ポジティブな経験を作ることは、研修での学びや成果を最大限に引き出すための重要な要素です。一つの方法は、研修生の成功体験を積極的に作り出すことです。これは、少ない情報から解決策を見つけ出す課題を出すなど、研修生が自分の力で問題を解決できる経験を積ませることで達成できます。成功体験は自信の向上につながり、次の挑戦への意欲を刺激します。
また全体の研修期間を通じて、進捗を具体的に把握しそれを評価/称える機会を作ることも重要です。成功体験は、大きな目標達成への前向きな感情を生み出し、その結果として学習意欲の向上や自己肯定感の強化に寄与します。
研修の効果を可視化する
研修の効果を可視化することは、参加者がその必要性と価値を理解するために重要です。対象者が研修の効果を具体的に知ることで研修への意識が改善され、これらの結果が業績や生産性の向上につながると理解できるようになります。
効果の可視化は、参加者にとっても企業にとっても二重のメリットをもたらします。具体的には、目標達成状況のチェックや進捗管理を行うことで研修の成果を明確に把握することが可能です。
また実際の業績改善などの結果をフィードバックすることで参加者のモチベーションを高め、次回の研修への意欲を掻き立てることも可能です。
効率的な時間とコスト管理
時間とコストの効率的な管理は、研修嫌いを解消する重要な対策の一つです。研修の時間は長すぎると参加者のモチベーションを下げ、コストがかかりすぎると経営陣からのサポートを得にくくなるため、絶妙なバランスが求められます。
時間については、集中力のピークを考慮し90分間の研修に分割するなど工夫が必要です。コストについては、必要であれば外部の講師を活用することで社内リソースの節約と専門的な知識の取得を両立できます。また従業員のスキルアップを明確に見える化することでコストパフォーマンスの良さを証明することも重要となります。
面白い研修内容の開発
面白く、なおかつ効果的な研修内容の開発は、参加者の学習意欲を引き立てるための鍵となります。この過程では、具体的な業務シーンに直結したケーススタディを用いる、ゲーム形式での学習を取り入れる、専門家からの直接的なフィードバックを提供するなどのアプローチが有効です。
楽しみながら能力を伸ばすことができる研修内容を提供することで、参加者の満足度を高めて組織全体のパフォーマンス向上に貢献することが可能となります。
事前準備とコミュニケーション
最後に、事前準備とコミュニケーションについて解説します。以下の側面からまとめます。
・不安感を取り除くための事前準備
・目的を明確にするコミュニケーション
・対話を重視したインタラクティブな研修
・フィードバックの重要性
・実際の業務に直結する内容設定
順に見ていきましょう。
不安感を取り除くための事前準備
不安感を取り除くための事前準備は、研修がスムーズに進行し参加者が最大限に学びを得るために不可欠です。
まず研修の目的と内容を明確に伝え、期待する成果を示すことで参加者が何を学び、何を達成するべきかを理解できます。次に、使うツールや必要な資料、前提知識などの具体的情報を事前に共有することで、参加者が研修前に十分な準備をすることが可能になります。さらに研修に対する質問や疑問は事前に収集し研修開始時に解説することで、不安を軽減します。
このような事前準備は、研修に対する不安感を解消し研修への積極的な参加意欲を喚起します。
目的を明確にするコミュニケーション
目的を明確にするコミュニケーションは、研修を円滑に進め、その効果を最大限に引き出すために欠かせない要素です。まずは、研修の目的を全体的なビジョンとして示しそれを基に対話をする場を設けることが重要です。具体的な目標や期待する結果を明示することで受講者はその目指すべき方向性を理解しやすくなります。
また研修の目的を明確にすることで受講者自身の役割や研修から得られる利益を理解しやすくなります。これは、自身のキャリア成長を意識し更に研修に参加し続ける意欲を引き出す役割も果たします。
目指すべき方向性や目標については、受講者全員が同一の認識を持てるように、研修開始前や研修途中でも適時共有を行うことが効果的です。特に、研修の途中で目標達成度を確認し必要に応じて修正することで研修の効果を最大化することが可能となります。このようなコミュニケーションの取り組みは、受講者の研修への参加意欲を促すだけでなく研修が持つべき機能を十分に発揮するために不可欠なエッセンスと言えるでしょう。
対話を重視したインタラクティブな研修
対話を重視したインタラクティブな研修は、参加者の積極的な参加を促し結果的に学びの効果を高めています。実際に手を動かしたり、他の参加者とアイデアを交換したりすることでより深く内容を理解することができます。
またインタラクティブな環境は、参加者が自ら進んで学ぶ機会を提供し自発的な学習を促す役割も果たします。さらに対話を通じて新たな視点を得ることで思考が広がり、より深い理解を促すこともあります
フィードバックの重要性
フィードバックは、研修の効果的な運用に欠かせません。参加者からのフィードバックは、研修内容の改善や改良に直結する貴重な情報源です。一方研修担当者からのフィードバックは、参加者が得た知識やスキルをどの程度自身の業務に活用しているかを把握する手段となり、個々の成長を促す役割を果たします。
実際の業務に直結する内容設定
実際の業務に直結する内容を設定することで、研修が受講者の直面する課題解決に役立つものになります。具体的な業務シチュエーションを想定したケーススタディや、業務で使われるツールの操作方法などを研修に取り入れると効果的です。
このようなアプローチは参加者にとって有意義であり、また企業にとっても即戦力となる人材を育成するために必要な手段です。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。