研修が苦手な社員への効果的な対策法とは? 準備・研修中に分けて解説
公開日:2024年05⽉31⽇最終更新日:2024年05⽉31⽇
参加者全員が等しく深い学びを得られるように研修を行おうする際、障壁となるのが研修が苦手な社員の存在です。研修が苦手な社員にどう向き合えば、参加意識を高め満足できる研修効果が得られるのでしょうか。
この記事では、研修が苦手な社員への対処について解説します。以下の点を深堀していきます。
・研修が苦手な社員への効果的な対策法
・準備段階でやるべきこと
・研修中にやるべきこと
研修の企画担当者の方は参考にしてみてください。
研修が苦手な社員への効果的な対策法
初めに、研修が苦手な社員への効果的な対策法について解説します。以下の2点についてまとめます。
・研修の意義と目的を明確にする
・研修前の心構えと準備
順に見ていきましょう。
研修の意義と目的を明確にする
研修の意義と目的を明確にすることは、社員一人ひとりが研修に対する理解を深め積極的に参加するための重要なステップとなります。企業側としては研修を通じて期待する結果や成果、具体的なスキルアップの方向性を明示することで、社員が自身の成長と研修の関連性を認識しやすくなります。
明確な目標設定は、社員のモチベーション向上だけでなく研修を通じて得られる成果を具体化して社内外に示す貴重な手段でもあります。
研修前の心構えと準備
研修前の心構えと準備は、研修が苦手な社員が成功体験を得るための重要なステップです。まず社員自身が研修の目的と意義を理解しそれに基づいた適切な心構えを持つことが求められます。それは、新たな知識やスキルを習得するためのプロセスに積極的に取り組む姿勢、つまり「学習意欲」を養うことであり、これこそが研修の成果を最大化するものです。
また研修を受けるための具体的な準備も必要です。これには、研修内容に対する基本的な知識を事前に仕入れることや、必要な教材を準備することが含まれます。さらに日々の業務に支障をきたさないよう、研修日程の調整やタスク管理も重要な準備の一つです。
これらの準備と心構えが整った社員は、研修に対する抵抗感を軽減し積極的に学習に取り組むことができるでしょう。 その結果、研修の効果が最大化され、社員自身のスキルアップだけでなく企業の成長にも寄与することにつながります。
社員研修の成功の鍵:準備段階
次に社員研修の成功の鍵となる準備段階の対策について解説します。以下の点があります。
・社員のニーズ把握と適正調査
・効果的な研修プログラムの選定
・研修前の環境整備
・研修へのモチベーション向上
順に見ていきましょう。
社員のニーズ把握と適正調査
社員のニーズ把握と適正調査は、効果的な研修プログラムを作成する上で必須のプロセスとなります。
まず初めに、社員からフィードバックを収集しそれぞれがどのような分野でスキルアップを求めているのか、または企業としてどのようなスキルを社員に身につけてほしいのかを把握することが重要です。その上で、適正調査を行い、個々の社員がどの程度の知識や経験を有しているのかを確認します。
このような調査により研修プログラムは社員個々のニーズに合わせてカスタマイズでき、その効果を最大化することが可能となります。
効果的な研修プログラムの選定
効果的な研修プログラムの選定は、その研修が成功するかどうかを大きく左右します。まず社員のニーズと適性を把握し、それに合った研修コンテンツを選びましょう。
具体的なプログラム選定では、具体性、現実性、成果性、継続性の4つの要素を考慮すると良いです。具体性は、何を学ぶのか明確なテーマを設定すること。現実性は、社員が実際に使えるスキルを学ぶこと。成果性は、学んだ内容が成果として現れること。継続性は、研修が一回きりではなく継続的に学び続けられるプログラムであることが求められます。
具体的なニーズに基づいた研修プログラムの選定は、それぞれの社員が最大限にスキルを磨くための大切なステップです。
研修前の環境整備
研修前の環境整備は、研修が効果的に進行するためには不可欠です。これには、物理的な環境と心理的な環境の二つがあります。
物理的な環境とは、適切な教室や設備の提供、静かな学習空間の確保など、具体的な場所や道具の準備を指します。一方、心理的な環境とは、研修に対する社員の意識やモチベーションを高める活動のことです。これには、研修の目的や内容を明確に伝え、社員が自主的に学びたいと思える雰囲気を作り出すことが含まれます。
両方の環境が整って初めて、本格的な研修が始まるのです。
研修へのモチベーション向上
研修のモチベーション向上については、以下の方法があります。
・研修のメリットを浸透させる
・個々に合った学習目標設定
・成果報酬と評価制度の導入
順に見ていきましょう。
研修のメリットを浸透させる
研修のメリットを浸透させることが重要です。研修が苦手な社員にとって、研修の目的や効果が明確でないと、その必要性を感じづらいものです。まずは研修が社員個人のスキルアップ、キャリア形成、組織の業績向上にどのように寄与するかを具体的に伝えることから始めましょう。
個々に合った学習目標設定
個々に合った学習目標設定は、研修へのモチベーション向上に欠かせない要素です。社員一人ひとりのスキルレベルや仕事のニーズは異なりますので、社員ごとに目標を設定しそれを達成していく過程で自己成長を感じられるようにすることが重要です。主に、以下の3つのステップで目標設定を行います。
- 具体的なスキルや知識の習得を目指す
- 自身の弱みを克服したいという目標を掲げる
- 仕事で直面する具体的な課題を解決するための目標を設定する
たとえばある大手製薬会社では、新入社員研修において、新人ごとに異なる学習目標を設定しその目標に向かって学ぶ環境を整備しました。これにより新人一人ひとりが自身に必要なスキルを習得しやすくなったと評価されています。
成果報酬と評価制度の導入
成果報酬と評価制度の導入は、学習意欲を引き出す重要な手段です。新しいスキルを習得したり、研修の目標を達成したりした場合に、明確な報酬があると、社員のやる気は自然と高まります。
また評価制度は、社員が自分の成長を具体的に把握し自己改善の方向を見つける手助けになります。
研修中の対策
最後に、研修中の対策について解説します。以下の方法があります。
・効果的な研修の進行方法
・研修効率を高める技術
・研修中のフォローアップ
それぞれについて見ていきましょう。
効果的な研修の進行方法
効果的な研修の進行方法については、以下のように細分化できます。
・初心者にもわかりやすい説明
・インタラクティブな参加型研修
・実践を通じた学習方法
それぞれについて見てきます。
初心者にもわかりやすい説明
初心者にも理解できるような研修の進行は適切な説明から始まります。専門的な表現や難解な業界用語の使用は避け、研修内容を具体的かつシンプルに伝えることが大切です。さらに研修内容をビジュアル化することで理解度を高める効果もあります。たとえば複雑なプロセスや手続きを図解する、関連性のある概念をマインドマップで視覚的につなげるなどが考えられます。
また具体的な事例を交えた説明は初心者の理解を深めることが可能です。たとえば一部の企業では新入社員研修で自社の商品開発過程を体験させ、業界知識を実感とともに学ばせているという事例があります。こういった事例を挙げることで理論だけでなく具体的な実践を通じた学習が重要であることを示すことができます。
これらの手法を活用することで研修の初心者でも容易に理解しスキルを身につけることが可能です。
インタラクティブな参加型研修
インタラクティブな参加型研修は、参加者が能動的に関わることで理解を深め、実践力を身につけるための有効な手法です。たとえばグループディスカッションやロールプレイ、シミュレーションゲーム、問題解決型学習などがあります。これらは、ただ聞くだけではなく自身で考え行動することで学びが深まり、実体験を通じて学習内容が脳に定着する効果があります。
また他の参加者と協力することでコミュニケーション能力や協調性も同時に育てることが可能です。このように、インタラクティブな参加型研修は、能動的な学びと実践力の向上を目指す研修において、非常に効果的な手法と言えます。
実践を通じた学習方法
実践を通じた学習方法は、社員の理解度向上やスキル習得に特に効果的です。研修の内容を具体的なタスクやプロジェクトに落とし込むことで理論だけでなく実際の業務で必要となるスキルを直接経験することができます。
たとえばあるIT企業では新入社員研修の一環として、実際に会社のシステム改善プロジェクトに参加するものがあります。これにより新入社員は、理論を学ぶだけでなくそれをどのように具体的な業務に活かすかを理解することが可能です。また問題解決能力や意思決定スキルなど、現場で必要となるスキルの養成にも役立ちます。
研修効率を高める技術
研修効率を高める技術は、より具体的には次の2つが挙げられます。
・デジタルツール活用
・マルチメディア資料の提供
それぞれについて見ていきます。
デジタルツール活用
デジタルツールの活用は、研修効率を高める重要な手段の一つとなります。たとえばオンライン学習プラットフォームを用いることで、社員は自分のペースで学ぶことができ、場所や時間の制約を受けることなく研修を受けることが可能です。また研修内容の管理や進捗の把握も容易となります。
さらにデジタルツールを使ったコラボレーションツールの活用もオススメです。ビデオコンファレンスツールや、共有ホワイトボードアプリを使えば、遠隔地の社員同士でもリアルタイムのコミュニケーションが可能となります。
デジタルツールの効果的な活用は、研修の質を高めるだけでなく社員の学習意欲やモチベーションも向上させる効果があります。
マルチメディア資料の提供
マルチメディア資料は、研修の効率を高める一方で、視覚的な理解を補完し記憶の定着をサポートします。パワーポイントや動画、インタラクティブなソフトウェアなど、異なる形式のメディアを組み合わせることで情報の理解度が向上します。
これにより視覚的学習者から対話型学習者まで、様々な学習スタイルに対応することが可能です。また複数のメディアを用いることで一方的な学びから双方向の学びへとシフトすることが可能となります。
研修中のフォローアップ
最後に、研修中のフォローアップはさらに以下の通り分けることができます。
・質問タイムの積極活用
・定期的なフィードバック
・社員間の情報共有
順に見ていきましょう。
質問タイムの積極活用
質問タイムを積極的に活用することは、研修の成果を高める重要なポイントです。研修中に生じる疑問や不明点をその場で解消することで理解が深まり、学習効率も向上します。また質問すること自体が次の学習ステップへのきっかけになります。
質問タイムの設定は、研修の質を高めるだけでなく社員の自己啓発を促す大切な機会にもなります。
定期的なフィードバック
定期的なフィードバックは研修の品質を維持し社員の学習効果を確認するための重要な手段です。フィードバックは参加者が自身の理解度を把握したり、自己改善のための具体的な指針を得られるようにする役割があります。
また研修提供者にとっても参加者の理解度や興味の度合いを把握し研修プログラムの改善に繋げる重要な情報源となります。
定期的なフィードバックは研修の成功を保証するための必須の要素といえるでしょう。
社員間の情報共有
社員間の情報共有は、研修効果を最大化する重要な要素です。共有する内容は、研修中に得た新たな知識はもちろん、それをどのように業務に活かそうと考えているかなど具体的なアクションプランも含まれます。これにより社員同士で刺激を与え合い、自身の学びを深めることが可能です。また情報共有は組織全体の知識レベルを向上させ、業績向上にも寄与します。
具体的な方法として、定例のMTGでの共有、社内SNSの活用、手軽に情報を共有できるチャットツールの活用などがあります。これらの手法を活用し社員が自らの学びをアウトプットする機会を増やすことが、社員一人ひとりのスキルアップに繋がります。
東京ITスクールの研修サービスの活用
ここまで述べてきたような対処をすることで、研修が苦手な社員も参加意識を高めることができるでしょう。さらにノウハウのある研修会社が提供するサービスを組み込むことで、より確実に参加意識を高めることができます。
その際は、東京ITスクールの研修をご活用ください。東京ITスクールでは、実践的な内容を経験豊かなプロ講師が指導します。
東京ITスクールはエンジニア向けのIT研修に強みがありますが、ビジネススキルなどの研修も充実しています。貴社が必要としている内容の研修がきっと見つかることでしょう。
もしもご質問やご興味がございましたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。