組織人と社会人~持つべき心構えや責任を考える
公開日:2024年05⽉10⽇最終更新日:2024年05⽉10⽇
「組織人」という言葉を見聞きすることがありますが、「社会人」との違いを説明できるでしょうか。あるいは、組織の中で組織人として活動する際の心構えや注意すべき点などを理解しているでしょうか。
この記事では組織人とは何か、社会人と対比しながら考察します。以下の点について深堀していきます。
・組織人の定義と、組織人として持つべき心構えと組織で成長するための責任感
・社会人の定義と、社会人としての自覚と社会人に求められるもの
・目的意識を持って業務に取り組む重要性など、組織で働く意義と目的
・業務遂行の責任と自己管理など、責任感を持って行動するということ
あらゆるビジネスパーソンの皆さんはぜひ参考にしてみてください。
組織人と社会人の違い
組織人と社会人の違いは、その働き方と思考のフレームワークに明確に表れています。組織人は、特定の組織の目標とビジョンに沿った行動を取ることが求められます。一方社会人としては、個々人が社会全体の一員としての責任とマナーを理解しそれに則った行動を取ることが必要となります。
たとえばピーター・ドラッカー氏は、組織とは共通の目的を達成するために人々が集まったものと定義し、その目的達成のためには、個々の社員が組織人としての役割と責任を全うすることが必須と述べています。一方で、社会人として求められるスキルは、自身の個人的な目標や価値観を持ちつつ、それを社会の規範や期待に照らして調整し適切に行動する能力です。
組織人とは
次に、組織人とはどのような存在か、以下の点から考察します。
・組織人としての基本的な心構え
・組織で成長するための責任感
順に見ていきましょう。
組織人としての基本的な心構え
組織人としての基本的な心構えとは、まず自分が組織の一部であり、その成功と失敗が直接自身に影響を及ぼすという認識を持つことです。組織の目標達成を自身の目標と捉え、組織の成功を自分自身の成功とするポジティブな姿勢を持つことが求められます。
また自己成長と組織成長は表裏一体であると考え自己啓発に努めると共に、他のメンバーの成長を支え協力し合うことが大切です。このような基本的な心構えを持つことで組織内での自己実現と組織の発展を両立できます。これが組織人としての基本的な心構えと言えるでしょう。
組織で成長するための責任感
組織で成長するために必要なものの一つが、自己の責任感です。責任感とは、自分の行動が他人や組織に与える影響を認識しそれに対して責任を持つ意識のことを指します。組織に所属するということは、自分一人でなくチーム全体、あるいは組織全体が結果を出さなければならないという大きな責任が伴います。この責任感が働き方を変え、自己成長につながるのです。
このように、自分の行動が結果に直結するという責任感は、自己成長にとって重要な要素となります。自分の行動がチームや組織の結果に直接影響を及ぼすという意識があると、積極的に新たな課題を見つけ出し解決策を求めるようになります。その結果、自分自身のスキルや知識が向上し組織全体としても成長することができるのです。
社会人とは
次に、社会人とは何かを以下の点から考察します。
・社会人としての自覚とは
・社会人に求められること
1つずつ見ていきましょう。
社会人としての自覚とは
社会人としての自覚とは、自身の振る舞いや行動が社会全体に影響を与えうることを意識し自分自身が社会の一員であり、共同体の一部であるということを認識することです。これには、社会的なルールや規範を理解し適切に行動すること、そして社会の一員として自分に求められる責任を全うすることが含まれます。これはどの業界や職種においても共通の認識であり、自分の行動が自身だけでなく周囲の人々や組織、さらには社会全体に影響を及ぼすという自覚が求められます。
また社会人としての自覚には、自己成長の意欲も含まれます。仕事を通じてスキルを磨き、絶えず自己を更新し続けることは、社会人として生き抜くための必須のスキルと言えます。
社会人に求められること
社会人として求められるのは、まず基本的なマナーやエチケットです。これには挨拶や身だしなみ、時間管理などが含まれ、どの業界、どの職種においても共通して必要とされる資質です。また専門知識や技術はもちろん重要ですが、それだけでなくチームワークを促進するコミュニケーション能力や業務を遂行するための責任感、自己管理能力も不可欠です。
さらに社会人として期待されるのは、自己啓発の意識です。技術や知識は日進月歩で進化していきますので、自分の専門領域において最新の情報を常にキャッチアップし自身のスキルを向上させ続ける意識が求められます。これが、自分自身の価値を高め組織に貢献するための重要な要素となります。
組織で働く意義と目的の理解
次に、組織で働く意義と目的の理解についてまとめます。以下の点が挙げられます。
・組織のビジョンと個人の目標の整合性
・目的意識を持って業務に取り組む重要性
・組織の一員としての誇り
・個人の価値を組織に活かす方法
1つずつ見ていきましょう。
組織のビジョンと個人の目標の整合性
組織のビジョンと個人の目標を整合させることは、個々の社員が自身の成長と企業の成功を同時に追求できる重要なポイントです。ビジョンとは企業が目指す最終的なあり方や理念であり、個人の目標はその中で自身がどう存在し何を達成したいかを示すものです。
企業のビジョンと自身の目標が一致しているということは、自分自身の成長が組織の成長に直結しているということを意味します。これにより業務に取り組むモチベーションや働きがいを感じることができます。
目的意識を持って業務に取り組む重要性
目的意識を持って業務に取り組むことは、組織で働く上で非常に重要です。それは自分自身が手掛ける業務の価値を理解し、その業務が組織全体の目標達成にどのように貢献しているのかを把握することで、より効率的で意義ある働き方を可能にします。
たとえばある企業では「目的地までの道筋を常に明確にする」ことが大切にされています。それは製造工程だけでなく全社員が自分の業務に目的意識を持ち、その目的が組織の目標と一致することを保証するためです。その結果、全社員が一体となって組織のビジョンを実現しようと努力します。これにより業績は向上し社員の働きがいも増します。
つまり目的意識を持って業務に取り組むことは、組織全体のパフォーマンス向上と社員の満足度向上に直結します。
組織の一員としての誇り
組織の一員としての誇りとは、自身が所属する組織を尊重しそのビジョンやミッションに共感しその達成に貢献することに価値を見いだす気持ちのことです。組織の一員としての誇りは、適切な行動規範の遵守や、高いモラルを維持する原動力となります。また組織の一員としての誇りは、自身が達成した業績が組織全体に貢献していると感じることで育まれます。
したがって、組織のビジョンや目標に対する理解を深め、自身の業績がどのように組織全体に寄与しているかを理解することが重要です。
個人の価値を組織に活かす方法
個人が持つ価値を組織に活かすためには、自己理解と戦略的な行動の二つが重要となります。自己理解とは、自分の得意なことや苦手なこと、価値観や人間性、モチベーション等を深く知ることです。これにより自分の強みを活かした仕事方法や自己改善が見えてきます。
次に戦略的な行動とは、自己理解を基にした自分の行動を組織の目標と連携させることです。具体的には、自分の能力やスキルをどの業務でどのように活かすか、どのような役割を果たすことで組織の目的達成に貢献するか等を検討します。こうしたプロセスは、自分自身の成長と組織の発展を両立させるための重要なステップと言えます。
これらの方法を実践することで、個人が持つ価値を最大限に組織内で発揮し組織全体の成長に寄与することが可能となるでしょう。
責任感を持って行動する
次に、責任感を持って行動するということについてまとめます。以下の側面から考察します。
・責任感を育む具体的な方法
・業務遂行の責任と自己管理
・問題解決における主体性
・組織内コミュニケーションのコツ
・変化を乗り越える柔軟性
1つずつ見ていきましょう。
責任感を育む具体的な方法
責任感を育む具体的な方法はいくつかあります。まず一つは自己啓発です。自分のスキルや知識を常に更新し業務遂行能力を高めることで自信を持ち、その結果として責任感が養われます。たとえば本を読む、オンラインコースを受講する等のセルフラーニングが有効です。
二つ目は、自分の業務が組織の目標にどのように貢献しているのかを理解することです。これにより、あなたの仕事が他の人や組織全体にとってどれほど重要であるかを認識し、責任感を感じるようになります。
三つ目は、定期的な自己反省です。自分がどのように業務を遂行したか、何がうまくいったのか、何が改善できるのかを振り返ることで、より良い業務遂行に繋げることができます。これにより自己の業務に対する責任感を養うことができます。
これらの方法は、一人ひとりが自主的に進めることで組織全体の成長にもつながります。組織人としての成長と責任感を高めるために、これらの方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
業務遂行の責任と自己管理
業務遂行の責任と自己管理は、組織人としての基本的な能力です。業務遂行の責任とは、自分が担当している業務を最後まできちんと完遂すること、間違いがあった場合はそれを受け入れて改善する主体性、そして自分の業務が組織全体にどのような影響を及ぼすのかを理解しその結果に対して責任を持つことを指します。
一方、自己管理とは、時間管理や健康管理はもちろん、自分の感情やストレスを適切にコントロールし仕事やプライベートでのバランスを保つことを指します。自己管理ができる社員は、自己の生産性を高め、組織の生産性向上にも寄与します。
問題解決における主体性
問題解決における主体性は、組織人として欠かせない能力の一つです。問題に対して主導的に対応し解決を目指す行動力が求められます。具体的には、問題の発見や定義から解決策の提案、実行、改善のフローを自身で進めることができることです。主体性が高ければ、問題が発生した際にもパニックになることなく冷静に解決策を考え、行動に移せます。
このような主体性を持つと、自身の成長だけでなく組織全体の成長にも貢献することができます。問題解決力は組織の成長を牽引する原動力となりますので、主体性を育てることは社員一人ひとりの重要な任務と言えるでしょう。
組織内コミュニケーションのコツ
組織内コミュニケーションのコツとは、オープンな心構え、リスペクト、そして明確な情報伝達を組み合わせることです。まずオープンな心構えを持つことは、他の人々の意見や視点を理解し尊重することを意味します。
またリスペクトは、他人の価値を認識しその専門知識を尊重することです。明確な情報伝達は、自身の思考を他人にきちんと伝える能力を指します。これには、自分の意見をはっきりと述べる技術、質問を用いて他人の視点を理解する技術、そして自分の考えを具体的な例で裏付ける技術が含まれます。これらを組み合わせることで組織内でのコミュニケーションが円滑に進みます。
変化を乗り越える柔軟性
変化を乗り越えるための柔軟性は、組織人として不可欠な能力です。
組織は常に変化しその変化に素早く対応できるかどうかが、個々の社員だけでなく組織全体の成長にも影響を与えます。そのため自身のなかで固定化した考え方や行動パターンを見直し、新しい視点や方法を取り入れる柔軟性が求められます。具体的には、自分の業務だけでなく他部署の仕事にも関心を持つことや、固定した業務範囲に囚われずに新たな課題を見つけ出す行動力などが必要です。
このような柔軟性を持つためには、まず自己理解が重要です。自分の長所や短所、価値観を理解することで自身の行動や判断の傾向を把握し自己改善を図ることが可能になります。また他者を理解することで異なる視点や方法を学び、自分の考え方や行動パターンを拡張することができます。
さらに新しい情報や知識を積極的に取り入れることも重要です。自分の専門外の情報にも触れることで視野を広げ、多角的な思考を養い、変化に対する対応力を高めることができます。
このように柔軟性は、個々の成長だけでなく組織全体の革新にも寄与する重要なスキルと言えるでしょう。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。