研修の流れ攻略!成功に導く基本的・実践的テクニック
公開日:2024年04⽉25⽇最終更新日:2024年04⽉25⽇
研修を行う際に効果を高めるのは、最適化された研修の流れです。しかし最適化の実現のためには全体を俯瞰する必要があり、その考え方を理解する必要があります。
この記事では、研修の流れについて主に計画の立て方と内容の設計方法について解説します。この記事を読むことで以下の内容が理解できるようになります。
・研修の設計手順
・設計における重要ポイント
・実践的な演習の導入
・研修での学びを定着させるための方法
研修の企画担当者の方は参考にしてみてください。
研修の流れの基礎知識
まず研修の流れの基礎知識についてまとめます。以下の点について解説します。
・研修計画の立て方
・研修コンテンツの選定方法
・効果的な研修スケジュールの組み方
・研修中も高い参加意識を維持する方法
・研修の効果を最大化するフォローアップ方法
1つずつ見ていきましょう。
研修計画の立て方
研修計画を立てる際には、まず具体的な目標を明確に設定しなければなりません。この目標は「どのようなスキルを向上させるのか」「参加者にどのような成果を出してもらうのか」を考え、設けるべきです。たとえば新入社員研修の場合、目標は「会社のビジョンや価値観を理解し、基本的なビジネススキルを身につける」などになるでしょう。
目標設定後は、その達成のために必要な学習内容や方法を考え、それを時間割に落とし込むことが次のステップです。特に1日の研修時間は長すぎると効率が悪くなるため、適切なボリューム感を持つことが重要です。
最後に、研修後の振り返りを計画に含めることで参加者の理解度や成果を確認し、改善点を見つけ出すことが可能となります。
研修コンテンツの選定方法
研修コンテンツの選定方法とは、研修の目的や参加者のニーズに沿った教材を選び出す作業です。
まずは研修の主要目標を明確に設定します。たとえば新人研修なら、会社のビジョンやコンプライアンス理解を深めるような内容が適しています。次に参加者の現状と必要なスキルを得るためのギャップを洗い出し、それを埋めるために必要な教材を選びます。
具体的なテーマや教材を選ぶ際には、業界のトレンドや最新技術にも目を向け、常に更新していきましょう。組織のニーズと個々のニーズを満たすバランスを考えた選定が必要です。
効果的な研修スケジュールの組み方
効果的な研修スケジュールの組み方について語る前に、まず研修の目的と参加者のニーズを明確にすることが重要です。それに基づいて、研修期間や頻度、一回あたりの時間を設定します。長すぎると飽きや疲れが出るため、短い時間を効果的に使う研修が求められます。
日程も組む際には、作業のピーク時や休日直前など参加者の負担にならないよう配慮が必要です。また研修の内容によっては事前準備時間や自習時間、反省・振り返りの時間もスケジュールに組み込むべきです。
研修中も高い参加意識を維持する方法
研修中に参加者の意識を高く保つには、いくつかの方法が有効です。コミュニケーションを活発にするためにグループワークやディスカッションを行い、主体性を育てることが重要です。また参加者が自分の成長を実感できるよう、ルーチンの中にフィードバックの時間を設けましょう。具体的な進歩や達成感を感じられると、参加意識は自然と高まります。
さらに研修の目標や意義を明確に伝え、参加者全員がそれを共有することも重要です。これにより参加者は自分の学びが会社の成長に貢献すると認識できます。このような意識高揚は、研修の効果を大いに引き上げる一方で、参加者の自己肯定感や職場での生産性向上にもつながります。
研修の効果を最大化するフォローアップ方法
研修の効果を最大化するためには、フォローアップが欠かせません。まず研修後の行動計画を立てることが大切で、これにより研修で得た知識やスキルが実務に生かされやすくなります。また研修参加者自身の自己反省や自己評価を促すことも重要です。
研究によると、学習の70%は現場での実践から、20%は他者からのフィードバックやコーチングから、10%は教科書や研修から得られるとされています。この「70-20-10モデル」に基づき、研修だけでなく現場での実践やフィードバックの重要性を認識することが、研修効果の最大化につながります。
研修内容の設計と実施
次に研修内容の設計と実施についてまとめます。以下の点があります。
・目標設定と結果測定の重要性
・参加者のニーズに合ったコンテンツ作成
・実践的な演習の導入
・演習内容の事例紹介
・研修の効果を測定する方法
順に見ていきましょう。
目標設定と結果測定の重要性
目標設定と結果測定は、研修の成功を確実にするために必要不可欠な要素です。明確な目標を設定することで研修の進行と終了時の評価基準が決まります。その目標はSMART原則(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)に基づいて設定するべきです。
研修終了後は、設定した目標に対して結果がどうだったかを測定し、フィードバックを提供します。この結果測定は、次回の研修計画立案や改善策の検討に役立ちます。たとえばIBM社では毎年数千人の新入社員を対象にした研修を行い、目標設定と結果測定を実施。これにより研修プログラムの改善と効果の向上を実現しています。
参加者のニーズに合ったコンテンツ作成
参加者のニーズに合ったコンテンツ作成は、成功する研修の一つの鍵とされています。これは参加者が自身の課題解決やスキルアップのために具体的に何を学びたいのかを理解し、それに基づいた内容を提供することにより、参加者の学習意欲や理解度を高めることが可能となるからです。一般的な手法としては、事前にアンケートを行い参加者の期待値やニーズを把握し、それをもとにカリキュラムを設計します。
具体的な事例としては、一部の企業では新入社員の研修を行う際に、入社前にアンケートをとり、その結果を元に研修内容を作り上げています。
実践的な演習の導入
実践的な演習の導入は、理論知識を具体的なスキルに昇華させるために不可欠です。演習では、実際の業務状況を模擬的に再現し、参加者が直面する可能性のある問題を解決する能力を育てます。実践的な演習は、研修参加者の学習効果を高め、研修の成果を実務に直結させる役割を果たします。
演習内容の事例紹介
演習内容の事例として、大手自動車メーカーの新入社員研修では、具体的な製品開発プロジェクトを組織し、それぞれが役割を担ってプロジェクトを進行するシミュレーションが行われています。またIT企業では、コーディングのスキルを伸ばすために、具体的なシステム開発の案件をチーム単位で落とし込んで実践的に学ぶ研修が行われています。
これらの演習は実務に近い形で行われるため、業務への理解が深まり、より実践的な学びにつながります。
研修の効果を測定する方法
研修の効果を測定する方法は、具体的な指標を設定し、その達成度を評価することです。たとえば研修前と後での知識テストのスコア、参加者の意識改善の程度をアンケートなどで把握するなどがあります。
テクノロジーを活用した研修方法
次は、テクノロジーを活用した研修方法についてです。以下の方法があります。
・オンライン研修プラットフォームの活用
・インタラクティブな学習ツールの導入
・遠隔地にいる参加者の巻き込み方
順に見ていきましょう。
オンライン研修プラットフォームの活用
オンライン研修プラットフォームの活用は、参加者の学習効率の向上や学習時間の自由度を高めるだけでなく、研修運営側も管理が効率化します。またプラットフォーム上で提供される教材は、動画やテキストだけでなくクイズ形式での確認テストも用意されるなど、学習の深化をサポートします。
ただし、導入する際は事前にプラットフォームの特性やコンテンツの質をよく調べ、自社の研修目標や参加者のニーズと合致するものを選ぶことが重要です。
インタラクティブな学習ツールの導入
インタラクティブな学習ツールの導入は、参加者の理解度向上や参加意識の維持に大いに役立ちます。これらのツールはエンゲージメントを高め、研修の活性化を図ることができます。
たとえばクイズアプリ・ゲーム化された学習ツールなどは、知識の定着に効果的であり、参加者のモチベーションを高めます。またリアルタイムフィードバックを可能にするツールは、研修の進行者が参加者の理解度を即時確認するのに有用です。
ツールの導入は研修のクオリティを飛躍的に向上させることができますので、ぜひ検討してみてください。
遠隔地にいる参加者の巻き込み方
遠隔地にいる参加者を研修に効果的に巻き込む方法として、まずオンライン研修プラットフォームを利用することが挙げられます。これによって地理的な制約を超えて、参加者全員が同等の学習環境を得ることが可能となります。
またインタラクティブな学習ツールも活用しましょう。これにより双方向のコミュニケーションを促進し、参加者自身が主体的に学習に取り組む機会を提供できます。たとえば企業内で行われた研修では、遠隔地の参加者間でオンライングループディスカッションを実施し、議論を深めるためのツールを活用することで彼らの理解を深め、学習効果を高めました。
研修後の成果を定着させる方法
最後に、研修後の成果を定着させる方法についてまとめます。以下の方法が挙げられます。
・継続的な学習支援の提案
・研修参加者からのフィードバックの取り込み
・効果測定結果の分析と次回への活用
1つずつ見ていきましょう。
継続的な学習支援の提案
研修が終わったあとも継続的に学習を支援することは、新しい知識やスキルを定着させるために重要です。具体的には、定期的にフォローアップを行ったり、自習用の教材を提供したりすることで参加者が研修で学んだことを自分のものにする手助けをします。
またアフターフォローにより研修の価値を実感することで次の学習機会に向けた自発的な動機付けにも繋がります。なお、こうした活動は参加者の学習スタイルやニーズに応じてカスタマイズすることが可能で、そのための提案も行います。
研修参加者からのフィードバックの取り込み
研修参加者からのフィードバックの取り込みは、研修の質を向上させるためには欠かせない要素です。研修後に参加者へ匿名でアンケートを実施することで課題や改善点を把握できます。また各研修の終わりに「ワンポイント改善事項」を参加者から集め、次回の研修に反映させるのも有効な手段です。
効果的な研修を実現するためにも、参加者からの声を大切にしましょう。
効果測定結果の分析と次回への活用
研修の効果を最大化するには、研修後の成果を定着させるためにも、効果測定結果の分析と次回への活用が重要です。まずは、目標に対する達成度、参加者の満足度、新たなスキル習得の度合いなど、研修の結果を具体的に把握することが大切です。これを元に未達成の目標や改善点を洗い出し、次回の研修計画に反映します。
定量的・定性的なデータを活用し、検証と改善のサイクルを回し続けることでより質の高い研修を設計し、長期的な人材育成を実現できます。
東京ITスクールなら研修のカスタマイズで可能
研修の流れを設計すると、外部研修はその流れにそぐわなくなると思われるかもしれません。しかし東京ITスクールでは、企業のニーズに応じた研修のカスタマイズが可能です。設計した流れに沿うような研修が可能ですので、ぜひご活用ください。
東京ITスクールはエンジニア向けのIT研修に強みがありますが、ビジネススキルなどの研修も充実しています。貴社が必要としている内容の研修がきっと見つかることでしょう。
もしもご質問やご興味がございましたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
関連記事
講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。