研修オリエンテーションとは?目的と失敗しないためのポイント
公開日:2024年04⽉25⽇最終更新日:2024年04⽉25⽇
新入社員が入社してくると、一般的に初めに行うのがオリエンテーションです。オリエンテーションは、新入社員にとっては期待や不安の入り混じった初めの初めで参加するものです。できる限り不安を取り除きつつ、将来への希望を感じられるようなオリエンテーションを行いたいところです。
この記事では研修におけるオリエンテーションについて解説します。この記事を読むことで以下の内容が理解できます。
・研修オリエンテーションとは
・具体的な内容
・効果的な設計方法
・成功させるためのポイント
研修担当者の方はぜひご一読ください。
研修オリエンテーションとは
研修オリエンテーションとは、新入社員が企業で働くための基本知識や必要なスキルを習得し組織内での自己位置を理解して仕事への意識を高めやすくするためのプログラムです。これは、異なる背景からの人々を一つの組織の一部として統合し一貫したパフォーマンスと目標達成に向けて向かわせることを目指して行われます。また良好な職場環境を形成し、新入社員が企業のビジョンや目標に対して認識を持つことを助ける重要な機能を持っています。
研修オリエンテーションの目的
研修オリエンテーションの目的は新入社員が自身の役割と企業の期待を理解しスムーズに業務に入ることを支援することです。
具体的には企業文化やポリシーなどの基本情報を伝達することで新入社員が企業に適応しやすくする目的があります。また社会人基礎力やコミュニケーション能力の向上を促進し新入社員が自身の成長につながるスキルを身につける機会を提供します。最後にチームビルディングの機会を設けることで新入社員が他のメンバーとの関係を築き、自己の役割を理解するための基盤を築くことを目的としています。
研修オリエンテーションの内容
次に、研修オリエンテーションの内容についてまとめます。以下の点があります。
・新入社員が知るべき基本情報
・社会人基礎力の養成
・コミュニケーション能力の向上
・チームビルディングの重要性
・組織理解と企業文化の伝達
1つずつ見ていきましょう。
新入社員が知るべき基本情報
新入社員が知るべき基本情報とは企業のビジョンやミッション、業務内容、業界の特性など、その会社で働くために必要不可欠な情報のことを指します。これらは新入社員が組織にスムーズに溶け込むための指針となります。
また自社の製品やサービス、競合他社についての知識も重要です。これにより、自社がどのような価値を提供してどのように競争優位性を保っているのかを理解することができます。重要なのはこれらの情報をただ伝えるだけではなく、新入社員がそれを理解し自身の業務に活用できるような形で提供することです。
社会人基礎力の養成
社会人基礎力の養成は研修オリエンテーションの要とも言える部分です。社会人としての基本的なマナーやビジネススキル、仕事の進め方や時間管理の方法など、新入社員が身につけるべき知識や技術がここに含まれます。これらは個々の業務スキルだけでなく、企業全体としての生産性や業績向上にも寄与する重要な要素であり、新入社員が早期にこれらを習得することでスムーズな職場適応と活躍が期待できます。
たとえば大手IT企業では新入社員を対象に「ビジネス基礎研修」を実施し企業全体のビジネススキル習得に努めています。こうした研修を通じて、新入社員は必要な社会人基礎力を身につけることができます。
コミュニケーション能力の向上
コミュニケーション能力の向上は新入社員の研修において重要な要素です。コミュニケーションがうまくいくことで、社内のモラル向上や業績改善にも繋がります。具体的に活用できる方法として、ロールプレイやグループディスカッションを取り入れることがあります。これにより新入社員は、他のメンバーと意見を交換し共感し合う機会を持つことができます。
これらの経験を通じて、新入社員は社内外のコミュニケーションに必要なスキルを身につけることができるのです。
チームビルディングの重要性
チームビルディングは個々の社員が単独で行動するよりも、互いに協力し合って問題解決や目標達成を図る能力を醸成する重要な要素です。具体的には互いの長所や短所を理解しそれに基づいた役割分担やチーム内のコミュニケーションルールを確立することで高いパフォーマンスを発揮します。チームビルディングにより、社員一人ひとりが持っている能力を最大限に引き出しチーム全体の生産性向上に繋げることができます。
組織理解と企業文化の伝達
組織理解と企業文化の伝達は研修オリエンテーションの重要な要素です。新入社員に自社の価値観や働き方を理解させ、組織全体として一つの方向を見据えることでより結束力のあるチームを形成することが可能となります。具体的には企業のミッションやビジョン、組織のルールや歴史を教えることから始め、企業文化が形成された背景や、それが今日のビジネスにどのように反映されているかを解説します。
これにより、新入社員は自分が所属する組織を深く理解しその一員としてのアイデンティティを形成することが可能となります。
失敗しないためのポイント
次にオリエンテーションで失敗しないためのポイントについて解説します。以下の点が挙げられます。
・オリエンテーションの設計
・オリエンテーションの計画と準備
・内容の選定とカリキュラムの組み立て
・効果的なプレゼンテーション方法
1つずつ見ていきましょう。
オリエンテーションの設計
研修オリエンテーションの設計は成功のための重要なステップです。全体の流れを明確にした上で、具体的なコンテンツに落とし込むことが必要です。
初めにオリエンテーションの目的を明確にすることが大切です。たとえば新入社員が企業文化を理解することや、必要な社会人基礎力を身につけることが目的となるかもしれません。
次にそれぞれのセッションで何を教え、どのように教えるかを詳細に決めます。このプロセスでは参加者の能力や知識レベルを考慮し適切な教材や活動を選択することが重要です。
最後にオリエンテーションが終わったあとにどのようなアフターフォローをするかを計画します。これにより、学んだことが日常業務に生かされるようにすることが可能です。
オリエンテーションの計画と準備
オリエンテーションの計画と準備は全体の成功に大きく影響します。計画段階では新入社員が必要とする知識やスキル、期待される行動を明確に定義することが重要です。またその定義に基づいて、具体的な内容やスケジュールを組み立てる必要があります。
準備段階ではオリエンテーションを行う日のために、細部まで手配を行うことが必要です。会場の設定、参加者への連絡、資料の準備など、細部に渡る手配が成功のカギとなります。この段階での丁寧な手配が、新入社員の安心感に繋がり、積極的な参加を促します。
内容の選定とカリキュラムの組み立て
研修オリエンテーションの成功を決定づける重要な要素の一つが、内容の選定とカリキュラムの組み立てです。初めてのオリエンテーションではなにを優先して伝えるべきか、どの程度深く掘り下げるべきかを選択するのは困難です。そのため、まず研修の目標を明確に設定します。これは新入社員に何を理解してもらいたいのか、具体的なスキルを身につけてもらうことなのか、組織文化を理解してもらうことなのか等、目的を明確にした上で選定を行います。
次に適切なカリキュラムを組み立てます。それは短期間での集中的なプログラムにするのか、かけがえのない長期間にわたる研修にするのかによって異なります。
またカリキュラムは新入社員の既存の知識やスキルに配慮した上で作成することが大切です。そのレベルや経験を考慮に入れ、適切なペースで進めることで新入社員が理解しやすく、適切にスキルを身につけることが可能になります。
これらの工夫により、初めての研修オリエンテーションでも新入社員が最大限の学びを得られるようなカリキュラムを組み立てることができます。
効果的なプレゼンテーション方法
オリエンテーションの一部として行うプレゼンテーションは新入社員に対する情報の伝達手段として非常に効果的です。その中でも特に重要な点として、初めにプレゼンテーションの目的を明確に提示すること、情報を視覚的に整理して提示すること、そしてリスナーの理解度を確認しながら進めることが挙げられます。
目的は聞き手が何を学び、どのように活用するべきなのかを明確にするため、セッションの最初に示すことでリスナーの関心を引き付けることが可能です。また視覚的な情報提示はデータや事実を一目で理解するのに役立ちます。さらに、理解度の確認は必要に応じて説明のペースや内容を調整しリスナーが理解を深めるためのフィードバックを提供します。
この3つの要素を組み合わせて行うプレゼンテーションは新入社員にとって、会社のビジョンや業務内容を的確に理解するための手助けとなります。
成功に導く研修オリエンテーションの具体的手法
最後に、成功に導く研修オリエンテーションの具体的手法についてまとめます。以下の事項が挙げられます。
・目標設定と達成のプロセス
・参加者の積極的参加を促す工夫
・オンライン研修の活用方法
・アフターフォローの重要性
1つずつ見ていきましょう。
目標設定と達成のプロセス
目的設定と達成のプロセスは、研修オリエンテーションにおいて重要な要素です。まず具体的かつ達成可能な目標を設定します。そしてそれを達成するためにはどのようなステップが必要かを明確にします。これは、参加者が自身の成長を具体的に認識して自己肯定感を高めるために重要なプロセスです。
また目標の達成状況を定期的に評価し必要に応じて調整することで、研修の進行と参加者のモチベーション維持に繋がります。たとえば大手企業では研修オリエンテーションで設定した目標を管理する専用のシステムを導入しており、それによって目標の進捗状況を可視化し達成率の向上に努めています。
参加者の積極的参加を促す工夫
研修オリエンテーションでの参加者の積極的な参加を促す工夫について語ると、まずは参加者が主体的に学ぶ環境を作ることが重要です。具体的には対話型のワークショップやディスカッション、ケーススタディなど、参加者が自分の意見を述べたり共有したりする機会を積極的に設けることが必要です。
また参加者がモチベーションを保つために、研修の積極的な参加を報われるような仕組みを設けるもの良いでしょう。たとえば参加者が研修オリエンテーションで学んだことを実践する機会を設け、その成果に対してフィードバックを与えたり、成果に対する報酬を設けるなどが考えられます。
さらに、参加者自身が自分の成長を認識できるようなフィードバックシステムも重要です。自己評価や他者からの評価を通じて、自身の成長を客観的に捉えられるようにすることで参加者は自信を持ち、学びへのモチベーションを保つことができます。
これらの工夫は参加者が自己主導的に学ぶ環境を作り、研修を通じて自己成長を達成することを促します。それが積極的な参加を実現する鍵となるでしょう。
オンライン研修の活用方法
オンライン研修は時間や場所にとらわれず参加者が学ぶことができるため、研修の活用方法として非常に有効です。
まず研修コンテンツをWeb上で提供し、参加者が自分のペースで学べる自己学習型を選ぶことが一つの方法です。また動画やビデオ会議システムを用いて、リアルタイムまたは録画した講義を行うことも可能です。これにより、教える側と学ぶ側が同じ時間を共有し質疑応答などのコミュニケーションが可能になります。
アフターフォローの重要性
研修オリエンテーションが終了すると、新入社員は一人前の社会人として職場に参加します。この過程をスムーズに進めるためにも、アフターフォローの重要性は忘れてはなりません。
アフターフォローを実施すると、新入社員は学んだ知識を実際の業務に生かすことが可能になり、また困ったときに相談できる環境が醸成されます。さらに、定期的なフィードバックがあることで自身の成長を実感しモチベーションの維持にもつながります。
アフターフォローの取り組みを通じて、新入社員の定着率向上や早期戦力化を実現しています。
東京ITスクールの研修を組み合わせよう
自社でオリエンテーションを行う場合も、組み合わせて東京ITスクールの研修をご活用ください。すべての研修を社内で行うことは、労力とのバランスを考えると効率的ではありません。経営方針や自社ならではのノウハウの研修は自社で行い、ビジネスマナーや業務上のスキルは外注するのが現実的です。
東京ITスクールはエンジニア向けのIT研修に強みがありますが、ビジネススキルなどの研修も充実しています。貴社が必要としている内容の研修がきっと見つかることでしょう。
もしもご質問やご興味がおありでしたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。