社会人なら押さえておきたいコミュニケーションのコツとテクニック
公開日:2024年02⽉13⽇最終更新日:2024年11⽉05⽇
就職活動などでは、コミュニケーション能力が高いことが良しとされています。しかしながら、苦手意識を持つ人も多いでしょう。
この記事では、社会人が押さえておきたいコミュニケーションのコツや、コミュ障の人でも実践しやすいテクニックを紹介します。
職場の人とうまくコミュニケーションが取れない・自分が伝えたいことを思うように伝えられないと悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーションとは?
コミュニケーションとは、ラテン語で「共通したもの」や「同じものを持つ」という意味の「コミュニス」から来る英語です。
辞書的に解説すれば、
・自分の意思を伝達すること
・交流を図ること
・情報や意思を伝える手段
ということができます。
「コミュニケーション能力が高い人」と聞くと、多くの人は「誰とでも仲良くできる人」「知り合いが多い人」といった印象を抱くでしょう。
しかし、誰とでも仲良くできる・知り合いが多いというのは、コミュニケーション能力の高低を示すものではありません。
コミュニケーションの本質は、相手を尊重しながら自分の意見や気持ちを伝えることにあります。
コミュニケーション能力を高めたいと思うなら、コミュニケーションの本質をきちんと捉えておくことが重要です。
社会人がコミュニケーション能力を高めるべき理由
社会人がコミュニケーション能力を高めるべき理由は、いくつかあります。ひとつずつみていきましょう。
信頼関係を構築し、仕事を円滑に進めるため
ビジネスにおいて、物事をスムーズに進めるためには、関係する人と良好な関係を築く必要があります。その際カギになるのが「信頼関係」です。
何を考えているかわからない人や、その人となりが掴めない人を信頼するのは難しいと言わざるを得ません。
そこで大切になってくるのが、自分が何を考えていて、どのような人間であるかを伝えるコミュニケーションです。
相手と適切な距離で深く関わることで信頼関係が構築できれば、ビジネスもスムーズに進むでしょう。
仕事に必要な情報を正確に共有するため
仕事に必要な情報を正確に共有するためにも、コミュニケーションは重要です。どのような仕事でも、ひとりで完結するわけではありません。情報の共有や引継ぎを怠れば、当然良い結果は得られないでしょう。
仕事に必要な情報を多くの人と正確に共有することは、仕事に対する安心感にもつながります。「自分ひとりで抱え込まなくて良いのだ」と思えれば、今よりもっと働きやすくなるでしょう。
チームワークを向上し、ビジネスを加速するため
仕事のチームワークを向上させるのにも、コミュニケーションは重要です。企業は基本的に組織で動きます。確かな結果を出すためには、全員の足並みをそろえることが欠かせません。
日頃から充分にコミュニケーションを取っておくことで、メンバーが気軽に相談できる環境が作れます。また、何気ない雑談から新しいアイデアやイノベーションが生まれることもあるでしょう。
社会人が押さえておくべきコミュニケーションの5つの基本
ここからは社会人として押さえておくべき5つの基本を解説します。
自分から積極的に挨拶をする
コミュニケーションの基本は、挨拶です。まずは自分から積極的に挨拶をしましょう。
初対面の相手でも、さわやかな挨拶ができればそれだけで第一印象がぐっと良くなります。初めての挨拶で「この人は話しやすそうな人だな」「感じの良い人だな」と思ってもらえれば、その後の会話もスムーズに切り出せるはずです。
挨拶をする際は、できるだけ明るい声で、はっきりと発音しましょう。相手の目を見て挨拶できれば、さらに印象が良くなります。
人の目を見るのが苦手な人は、相手の額の辺りを見るようにすると、気まずさがやわらぐでしょう。
報告・連絡・相談を密に行う
ビジネスにおいて「ほうれんそう」は非常に重要です。報告・連絡・相談はこまめに行い、自分が何をしているか・何をするかを周りの人と共有しておきましょう。
報告・連絡・相談をする際に大切なのが、結論や話の要点から話すことです。
最初に結論や話の要点を話しておくと、自分が伝えたいことが正確に伝わりやすくなります。
一方、先輩社員も報告・連絡・相談がしやすい環境づくりを心がけましょう。
社会人になってしばらくは報告・連絡・相談をするタイミングがつかめない人も少なくありません。
「ここまで終わったら報告してほしい」
「このようなことが起きたら連絡してほしい」
「困っていることがあれば相談してほしい」
と前もって伝えておけば、チーム内のコミュニケーションがより活性化されるでしょう。
自分の中で話をまとめてから伝える練習をする
相手と積極的にコミュニケーションを取ろうとするあまり、自分の中で話をまとめる前に話しかけてしまう人がいます。しかし、それでは自分の伝えたいことを正確に相手に伝えるのは難しいと言わざるを得ません。
コミュニケーションが苦手な人ほど、目的のない会話や着地点の見えない会話が苦手です。いつまでもだらだらと続く、結論の出ない会話は相手の貴重な時間を奪うものでもあります。
まずは、自分の中で話をまとめてから相手に伝えることを心がけましょう。繰り返し練習することで、少しずつ上達していきます。
伝えることが多くなる場合は、前もってメモに箇条書きで書き出しておくだけでも、伝えたいことを簡潔に伝えられるようになります。
相手の話をしっかり聞く
人は誰しも自分の話を相手に聞いてもらいたいものです。自分ばかりが話すことは避け、相手の話をしっかり聞くよう心がけましょう。
話を聞いていることを相手に伝えるためには、適度な相槌が欠かせません。
相槌を打つのが苦手な人は、相手の目を見てうなずくことからはじめてみましょう。
仕草や表情にも注目する
私たちは、言葉だけでなく仕草や表情でもコミュニケーションを取っています。仕草や表情などは「ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)」といわれ、対面でのコミュニケーションの質を大きく左右します。
コミュニケーションの質を高めたいなら、ノンバーバルコミュニケーションにも気を配ることが重要です。
たとえば、自分が一所懸命に話をしているとき、相手が憮然とした表情をしていたら「この人とは話をしたくないな」「何か不快にさせることを言ってしまったのではないか」と感じる人が多いでしょう。そうなった場合、安心して会話を続けることは困難です。
一方、適度に相槌を打ってくれたり、笑顔で楽しそうに話しを聞いてくれたりする相手とはもっと話がしたいと感じるはずです。
コミュニケーションスキルを高めたいなら、自分が話しやすい人・話しがしたいと思われる人になるよう仕草や表情を工夫してみましょう。
コミュニケーションスキルを高める+αの会話テクニック
よりさまざまな人と、円滑にコミュニケーションを取りたいなら、基本に加えて+αのテクニックを活用してみましょう。
次のテクニックは、コミュニケーションが苦手な人でも実践しやすいものです。普段の会話の中で少し意識してみてください。
相手の気持ちを一度受け止める「バックトラッキング」
バックトラッキングとは、相手が言ったことを繰り返すことで、相手に安心感を与えるテクニックです。
言ったことを繰り返されると、相手は「この人は自分の話をしっかり聞いてくれている」と感じます。そのため、安心して会話ができるようになるのです。
バックトラッキングには3種類あります。
1.相手がやったことや行った場所など「事実」を繰り返す
2.相手の感じた「感情」を繰り返す
3.相手の話を要約して繰り返す
相手が何を話したがっているかを考えて、バックトラッキングを実践してみましょう。
相手の考えを引き出す「オープンクエスチョン」
相手から話を引き出すには、オープンクエスチョンが効果的です。
質問には、YESかNOで答えられる「クローズドクエスチョン」と、YESかNOで答えられない「オープンクエスチョン」があります。
クローズドクエスチョンはYESまたはNOで答えればそれで終わってしまいますが、オープンクエスチョンは回答からさらに話を広げることが可能です。
オープンクエスチョンで質問するときは、「何が(What)」と「なぜ(Why)」を意識してみましょう。
この2つはオープンクエスチョンの中でも次の会話を繋げやすい強力な質問です。
話しやすい雰囲気を作り出す「ペーシング」
話やすい雰囲気づくりも大切です。相手と心地よくコミュニケーションできるよう、ペーシングを実践してみましょう。
ペーシングは、相手の話すスピードや声のトーンに合わせることで、安心感を与えるテクニックです。
相手が早口で話しているときは、自分も早口で話す。
相手が小さな声で話しているときは、自分も声のボリュームを落とす。
以上のことを心がけることで、相手は「なんとなく居心地が良いな」「安心できるな」と感じやすいといわれています。
相手と信頼関係を気付く「ポジティブな声かけ」
どんな人でも、自分を否定されると嫌な気分になるものです。相手には積極的にポジティブな声かけをしましょう。
相手を認める・尊重する・褒める・ねぎらう言葉をかけることは、それだけで相手の気持ちを満たす効果があります。
「〇〇さんのおかげで助かりました! ありがとうございます」
「〇〇さんが着ている服はいつもセンスが良いですね! 私も欲しくなりました」
「〇〇さんはいつも頑張っていますよね。頭が下がります」
など、「私はあなたをちゃんと見ているよ」とポジティブな言葉で伝えることが需要です。
相手に自分の意見を無理なく伝える「アイメッセージ」
相手に自分の意見を伝えるときは、ぜひ「アイメッセージ」を活用してみましょう。アイメッセージは主語を自分にして発信するメッセージです。
「〇〇さん、この書類をチェックしてください」
と言われるよりも「この書類をチェックしてもらえると(私は)助かります」と言われる方が、なんとなく印象が良いと感じませんか?
「あなた」を主語に置くと、指示や命令といったニュアンスが加わるため、人によっては不快感を覚えることがあります。
一方、「私」を主語に置くアイメッセージを使うと、自分が相手にしてもらいたいことをやわらかく伝えられるでしょう。
ビジネスで役立つコミュニケーション力を身につける方法
ビジネスで役立つコミュニケーション力を身につけるには、次の方法があります。自分が実践しやすいものから取り組んでみましょう。
コミュニケーションや心理学に関する書籍を読んでみる
最近は、コミュニケーションに関するさまざまな書籍が出版されています。まずはコミュニケーションや心理学に関する書籍を読んでみましょう。
心理学というと難しそうに聞こえますが、人の仕草や表情、口癖などの裏に隠された気持ち・感情がわかるようになると、コミュニケーションに対する苦手意識が払しょくされるかもしれません。
なかには練習ノートなどが付いている書籍もあるので、自分が興味を持ったものから手に取ってみましょう。
コミュニケーションが上手な人を観察する・真似る
職場に1人は、コミュニケーションが得意な人・コミュ力が高い人がいるでしょう。その人の言動を観察して真似るのも効果的です。
とはいっても、性格は一人ひとり違うので「あの言動は自分のキャラじゃないな」「自分がやったら変に思われるな」ということもあるかと思います。
そのような場合は、無理に真似をしなくて構いません。自分ができる範囲で、少し勇気を出して人と関わってみましょう。
コミュニケーション研修を受けてみる
書籍を読んだだけでは実践に結びつかない・周りの人の言動を真似るのはハードルが高いという人は、コミュニケーション研修を受けてみるのもおすすめです。
コミュニケーション研修では、コミュニケーションに役立つ考え方やテクニックが学べます。なかには参加者同士で学んだことを実践できる研修もあるので参加してみるとよいでしょう。
対面での研修は緊張する・参加しにくいという人は、オンラインのコミュニケーション研修がおすすめです。
コミュニケーション力向上に役立つおすすめ研修
「オンラインのコミュニケーション研修を受講してみたい」
「普段の生活でも役立つスキルやテクニックを身につけたい」
という方におすすめしたいのが、東京ITスクールの「上手な人間関係を作る、対人関係構築講座(自己変革編)」です。
こちらの講座では、自分の内面にフォーカスして、より良い人間関係を築くコツを学んでいただけます。
・気が付くと、集団で孤立してしまっている
・他人と会話のキャッチボールをするのが苦手だ
・相手の言いたいことを察するスキルが低い
という方にぴったりの内容ですので、コミュニケーションスキルを向上させたい方は、ぜひこの機会に受講をご検討ください。
ニーズに合わせてカスタマイズも可能ですので、企業様の全体研修にもご活用いただけます。
興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
コミュニケーション力を鍛えて人間関係を豊かなものにしよう!
人と人とのコミュニケーションには、これといった正解や攻略法がありません。だからこそ、
「コミュニケーション能力はもって生まれた才能」
「コミュ障な自分は人と良い関係が作れない」
と思い込んで、苦手意識を抱えている人も少なくないでしょう。
しかし、コミュニケーション能力は社会人になってからも鍛えることは可能です。
コミュニケーションが苦手ないわゆる「コミュ障」の人でも、テクニックを学んで実践することを繰り返せば、コミュニケーション能力を高めることができます。
コミュニケーション能力を高めたいなら、まずは書籍を読んだり、コミュニケーション能力が高い人の言動を真似たりしてみましょう。
あるいは、コミュニケーション研修を受講するのもおすすめです。
東京ITスクールでは、コミュニケーション能力向上に役立つ研修のほかにも、さまざまな研修を実施しています。
スキルアップやキャリアアップ、リスキリングでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。