組織を壊す人材の見極め方!最も影響力のある特徴
公開日:2024年05⽉10⽇最終更新日:2024年05⽉10⽇
一見有能に見える人材でも、いざ採用して勤務し始めると組織を壊すような人材だったことはないでしょうか。採用時、あるいは勤務開始後できるだけ早い時期の人材の見極めが大切です。
この記事では、組織を壊す人材について解説します。以下の点を深堀していきます。
・組織を壊す人材の特徴
・具体的な行動パターン
・組織に与える影響
・再教育の手段
企業の採用担当者の方、管理職の方はぜひ参考にしてみてください。
組織を壊す人材の見極め方
まず組織を壊す人材の見極め方について解説します。以下の点に分けて見ていきます。
・不適切なコミュニケーション
・責任逃れの態度
・ネガティブな影響力
・対人関係のトラブル
・変化への抵抗
具体的に説明していきます。
不適切なコミュニケーション
不適切なコミュニケーションは、組織内の人間関係や業務の進行に大きな悪影響を及ぼします。たとえば次のような場面が考えられます。一方的に意見を押し付け他者の意見を無視する、または明らかに聞こえているはずの発言を無視する行動、これらは他者とのコミュニケーションに必要な敬意を欠いています。また適切なタイミングで重要な情報を共有せず、業務の進行を遅らせるケースもあります。
解決策としては、これらの行動をとる人材に対して、適切なコミュニケーションの重要性を理解させる研修を実施することが有効です。
責任逃れの態度
責任逃れの態度は、組織を壊す可能性のある人材の一つの特徴です。とくに失敗や過ちが明らかに自身のミスによるものであるにもかかわらず、それを他人や状況のせいにしてしまう行動は、組織内の信頼関係を著しく損ないます。
たとえば一部のエンジニアが自身の技術不足を客観的な事実として受け入れず、プロジェクトの遅延をハードウェアの性能問題や他のチームメンバーの不手際だと主張するシーンがあります。
これは責任逃れの典型的な例で、こうした態度は組織内のコミュニケーションを阻害し結果的に生産性を低下させる危険性があります。そのため、マネージャーやリーダーはメンバーの責任逃れの態度を早期に察知し適切な対応を取ることが求められます。
ネガティブな影響力
ネガティブな影響力を持つ人材は、組織内の雰囲気や職場環境を冷やす存在とも言えます。彼らは自己中心的な態度や孤立を好む傾向にあることもあり、他のメンバーの意欲やモチベーションを低下させ、結果的に組織全体の生産性を阻害する傾向にあります。
またそのネガティブな態度はコミュニケーションの質を低下させ、組織の成果や目標達成を遅らせる可能性もあります。
対人関係のトラブル
対人関係のトラブルは、組織内のコミュニケーションを阻害し企業全体の生産性に重大な影響を及ぼすことがあります。とくに長引くと個々のモチベーションに影響を及ぼし、状況が悪化すれば離職につながることもあります。その原因としては、人間関係におけるマナーの無視、個々の価値観の違い、職場のハラスメントなどが挙げられます。
これらの問題は通常破壊的人材の存在が関与していることが多く、早期に対策を講じることが重要です。なお対人関係のトラブルへの対処法としては、第三者による調査、対話による解決、適切な研修の提供などが効果的と言われています。
変化への抵抗
組織を破壊する人材の一つの特徴として、「変化への抵抗」があります。新しいテクノロジーやシステム、方針の導入に否定的で、自身の領域や役割の変更を拒む傾向が見られます。イノベーションの必要性や改革の価値を理解せず、組織の成長や進化を阻む存在となり得ます。
エンジニアリングチームでは、たとえば新しいプログラミング言語や開発手法への取り組みを拒否するメンバーがいれば、チーム全体の技術力や効率を下げる可能性があります。変化への抵抗は、組織が変革を遂げ新たな挑戦を行なう上で障壁となるため、対策が必要です。
特定の行動パターンとそれに対する対処法
次に特定の行動パターンと、それに対する対処法についてです。以下の内容について解説します。
・噂話や陰口をたたく
・意見の相違を尊重しない
・過度な批判や否定
・成果の横取り
・不公平な評価をする
1つずつ見ていきましょう。
噂話や陰口をたたく
噂話や陰口をたたく行動は、組織全体の信頼関係を毀損しチーム内の緊張と違和感を生み出します。特定の個人やグループをターゲットにしたこのような行動は、職場の雰囲気を悪化させ、同僚間の信頼や協力を損ないます。また誤った情報が拡散されると、組織全体の判断力に影響を与える可能性もあります。
これらの問題を解決するためには、まずはチーム内でオープンなコミュニケーションを奨励することが重要です。また具体的な問題が発生したときには、その場でターゲットとなっているメンバーに対してフィードバックを与えることも有効です。
意見の相違を尊重しない
意見の相違を尊重しない人材は、組織の多様性や創造性を阻害します。異なる視点や意見があることで、新たなアイデアが生まれたり問題点が明らかになったりします。しかし意見の相違を尊重しない人材がいると、そのような可能性は閉ざされてしまいます。またこれは他者への敬意の欠如とも言え、組織内の人間関係を悪化させる要素となります。
対処法としては意見を出しやすい環境を作ることや、意見の相違に対してオープンな態度を持つことを強調する研修が有効です。また個々人の意見を尊重する組織風土の育成も重要です。
過度な批判や否定
過度な批判や否定は、組織にとって有害な行動パターンの一つです。不必要に他者を否定したり自分以外のアイデアや意見を引き下げたりする人は、チームの士気を低下させ創造性や革新性を阻害します。とくに正当な理由がない場合やプライベートなレベルでの批判が多い場合は注意が必要です。
対処法としては、対話を通じてそのような行動がなぜ問題なのかを理解させること、そして批判を的確で建設的なフィードバックに転換させるスキルを教えることが考えられます。これにより組織内のコミュニケーションが改善され、生産性が向上するでしょう。
成果の横取り
成果の横取りは、他人の功績や業績を自分のものとして発表する行動パターンを指しこれは組織内の信頼を根底から揺るがす可能性があります。
このような行動をとる人がいると組織内の信頼関係が崩れ、従業員間の緊張や不満が増えるだけでなく個々のモチベーションや生産性へも大きな影響を与えます。とくに手間暇をかけて成果を出した個人やチームの士気は大きく低下し、組織全体としてのパフォーマンスに悪影響を及ぼすでしょう。
対策としては、明確な評価基準の設定や功績の透明性を確保することが重要です。またフィードバックの機会を設け、問題行動を指摘しつつ改善を促しましょう。
不公平な評価をする
不公平な評価をするという問題行動は、成果が明らかにすぐれているのに主観的な好き嫌いや自己の利益に基づいて評価を下げたり、逆に自己の利益につながると考えて評価を上げるなどの行為です。これにより評価される側の社員が自己の成長や評価に対する信頼感を失いモチベーション低下につながるだけでなく、組織全体の公正性や信頼性をも揺るがせます。
この問題行動を改善するためには、公正な評価基準の導入とその適用、そして研修を通じての改善が必要です。
組織に与える具体的な影響
次に、組織に与える具体的な影響についてまとめます。以下の内容があります。
・モチベーションの低下
・生産性の低下
・チームワークの崩壊
・信頼の欠如
・社内政治の悪化
1つずつ見ていきましょう。
モチベーションの低下
組織内のモチベーションの低下は、破壊的な人材の存在が大きな原因となります。これらの人材の行動は他のメンバーのモチベーションを漸次下げ、自己投資や成果の追求を妨げます。
早期に対策を講じ、全体のモチベーションを保つことが重要です。
生産性の低下
破壊的人材の存在は、組織の生産性を著しく低下させます。彼らの負の行動パターンは他のメンバーの労働意欲を削ぎ、結果として全体のパフォーマンスが低下します。
具体的にはタスクの遂行速度の落ち込みやミスの増加、繁忙期の対応力不足などが生じます。また彼らの存在が引き起こすストレスや不満は職場全体の雰囲気を悪化させ、結果として社員の離職率も上昇します。
組織の生産性を維持し高めるためには、破壊的人材の改善策を求め実行する必要があると言えます。
チームワークの崩壊
破壊的な人材が生み出すチームワークの崩壊は、組織の生産性とモチベーションを大きく蝕む重要な問題です。
共通の目標に向かって効率的に働くためには、チーム内の信頼と協調性が不可欠です。しかし破壊的な人材が存在すると、その不適切な行動や態度によりこれらの要素が損なわれます。彼らが生み出す対人関係のトラブルや責任逃れ、不公平な評価などは、チームメンバー間の信頼と尊重の喪失を招きます。結果としてチームの一体感が低下し組織全体の効率と生産性が落ちる悪循環が生じます。
これらの影響は短期間では見えにくいかもしれませんが、長期的には組織の成長と成功を阻害する深刻な問題となり得ます。
信頼の欠如
信頼の欠如は、組織の協調性を無くし互助の精神を損なう重大な問題です。
信頼がなければ、情報共有が滞り多くの誤解や不満が生じやすくなります。これは従業員間の対立を引き起こし、結果的には生産性の低下をもたらします。たとえば一部の組織では情報の隠蔽や操作が行われ、結果的に大規模な信頼喪失という危機に見舞われるケースがありました。
これを回避するためには、オープンなコミュニケーションを促進し信頼できるリーダーシップの存在が必要となります。
社内政治の悪化
社内政治の悪化は組織の生産性を大きく損ないます。破壊的人材が存在すると、特定の人間関係や立場を利用して自己利益を追求したり他人を排除したりする行為が増え、その結果社内政治が激化します。このような環境は他の社員のモチベーションを低下させ、組織全体の業績を低下させる可能性があります。
また社内政治が悪化すると決定過程が透明性を欠くようになり、企業の信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。したがって、破壊的人材が社内政治の悪化を引き起こす可能性があると認識し、これを抑制するための適切な対策を講じることが重要です。
破壊的人材の再教育とチーム組織の再構築
最後に、破壊的人材の再教育とチーム組織の再構築について解説します。以下の側面からまとめます。
・破壊的人材の特定とフィードバック
・チーム構築のための研修プログラム
・組織文化の再定義
・チームビルディング活動の強化
順に見ていきましょう。
破壊的人材の特定とフィードバック
組織を破壊する可能性のある人材の特定は、事前に問題を防ぐための重要な一歩です。この過程では、前述したような悪影響を及ぼす可能性のある行動パターンを把握してそれを示す様々な指標を設定します。その後組織内のメンバーに対して定期的な評価を行い、破壊的な行動を示す人材を早期に発見することが可能となります。
また問題のある人材を特定したら、適切なフィードバックの提供が必要となります。ここで重要となるのは、問題点を明確に伝えつつもその人材の自己肯定感を傷つけないような建設的な方法でフィードバックを行うことです。
具体的には人材の行動について具体的な事例を挙げ、それがどのように組織に影響を及ぼしているかを説明し、改善のための具体的なアドバイスや提案を行うことが効果的です。これにより問題のある人材も自己改善の意識を持つきっかけとなり、組織全体の改善につながる可能性があります。
チーム構築のための研修プログラム
チーム構築のための研修プログラムは、破壊的な人材の再教育と組織再構築に有効な手段です。これらのプログラムは、コミュニケーション能力の向上やリーダーシップスキルの育成、問題解決力の強化など、組織を健全にするための要素を育てます。
これらの研修は、個々の能力向上だけでなく組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。なおプログラムの導入にあたっては、各社の組織文化やニーズに合わせたカスタマイズが重要となります。
組織文化の再定義
組織文化の再定義とは、企業が現在の問題を解決し新たな組織風土を創り上げるための重要な手段です。組織文化とは「その組織が何を大切にしどのように行動するか」を示す考え方や価値観のことを指します。ネガティブな人材の影響から組織を守るには、コミュニケーション、責任感、尊重、公平性などを重視する組織文化を再定義することが効果的です。
組織文化の再定義を通じて、不適切な行動を排除し組織全体として望ましい行動を促すことが可能となります。
チームビルディング活動の強化
チームビルディング活動の強化は、組織における人間関係やコミュニケーションを改善し組織の生産性を向上させるための重要な手段です。
具体的な方法としては、チームメンバー間の信頼を深めるエクササイズや、共有の目標に向かって協力するプロジェクトを企画する等があります。またワークショップやトレーニングを定期的に行うことでメンバー同士が互いの強みや弱みを理解し助け合う文化を育てることが可能となります。
東京ITスクール研修への導入
組織を壊す人材の再教育に困ったら、東京ITスクールをご活用ください。
組織を壊す人材は、採用時に見抜くか気付いたらできるだけ早く再教育するかで対処しなくてはなりません。東京ITスクールでは、再教育を担当するリーダーの組織づくりに役立つ講座をご用意しています。
●~最高のチーム・職場環境を作る!~タックマンモデルで学ぶ「チームビルディング」養成講座
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もしもご質問やご興味がございましたら、些細なことでもお気軽にご連絡ください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。