教育担当者必読!新人社員のOJT、効果的な進め方を徹底解説
公開日:2024年05⽉31⽇最終更新日:2024年05⽉31⽇
実際の現場で、先輩社員から直接実務を教わり、戦力として成長するためのOJT(On-the-job Training)。効果的に行う方法について、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事を読むことで、
①OJTの目的とメリット
②OJTが上手く実施できない原因
③それを効果的に進める枠組み
を学べます。新人の現場での育成についてしっかりと理解できる内容となっていますので、是非参考にしてみてください。
OJTとは?
OJT(On-the-Job Training)とは、現地で実際の業務を通し、職業訓練を実施する教育のことを指します。一般的に企業で新入社員やスキルアップを目指す社員に対して実施されます。
OJTでは、業務の実践を通じて職場の雰囲気や業務の進め方、専門的な知識や技術を身につけることができます。また、直接業務を行いながら教育を受けるため、学んだことを即座に実践することで理解を深めることが可能です。
先輩社員が教育担当となり、一人一人のニーズに合わせた指導を行うことで、新人社員はより具体的な業務理解を得られ、社内のコミュニケーションにも慣れることができます。
OJTの目的
新人社員に対するOJTの最大の目的は、実際の業務を通じて具体的な職場スキルを習得させ、早期に現場で活躍できる人材へと育成することです。
とはいえ、この目的を達成するためには、ただ業務を任せるだけではなく、教育的な視点を持つことが必要となります。
新人社員が現場に適応するためには、OJTにより他のメンバーとの関わりや業務の流れを理解することが重要です。
先輩社員の指導を通じ、業務の進め方だけでなく、企業文化や組織のルール、そしてチーム作りの精神を学ぶことが求められます。
OJTのメリット
OJT(On-the-Job Training)の実施には様々なメリットがありますが、主なものについて3つ解説します。
① 現場での業務を通して即戦力への学びを得られる
OJTでは新人社員が現場で直接業務を通して学ぶことで、理論だけでなく現実の業務に即した知識や技術を身につけることができます。
自社の業務や業界に対する理解を深め、戦力として活躍するための基盤を作る場ということですね。実際の業務を経験することで、他の教育方法では得られない貴重な知見や経験値を獲得するため、既存社員の仕事の進め方や会社の文化を理解する上でも有効です。
② 先輩社員との接点が多く、適応が容易になる
OJTは新人社員が現場の先輩から直接、実務を学べるところが魅力です。これは、ただ技術や知識を教えるだけでなく、先輩社員との密なコミュニケーションができるため、新人社員の職場への適応をスムーズにします。
新人社員が先輩社員と共に実務に取り組むことで、現場の雰囲気やチームの流れを体感でき、早期に職場環境になじむことができます。
直接の質問やフィードバックが可能なため、学習の質も向上します。先輩社員との関係性を築く過程で、新人社員は業務に対する理解を深めるとともに、コミュニケーション能力や問題解決能力など、職場で必要となるソフトスキルも自然と身に付けられます。
③ 教育する側のスキル向上にもつながる
OJTは、新人の教育だけではなく教育する側の成長とスキル向上にも効果的です。なぜなら、教育を担当する側が教える過程で自分自身の知識やスキルを再確認し、気付かなかった弱点や理解の深まりを得ることがあるからです。
それは、教えることが最高の学びとも言われる理由でもあります。また、教育を通じてコミュニケーションスキルやリーダーシップを鍛えることも可能です。このように、OJTは企業全体のスキルアップに寄与します。
OJTが上手く行かない原因
OJTはメリットがたくさんありますが、思うように進まず、悩んでいる方もいることでしょう。OJT(On-the-Job Training)が上手く行かないことの背景には、主に3つの原因があります。
① 教育に割く社内のリソース不足
OJTが上手く進まない一つの要因として、教育に割く社内リソースの不足を挙げることができます。教育を行う担当者が複数のタスクを同時にこなさなければならない場合、OJTの質自体が下がってしまう可能性があります。
また、人員不足により教育時間が確保できない場合、新人社員のスキル向上が難しくなってしまいます。これらの問題に対処するには、専任の教育担当者を設ける、あるいは外部の研修サービスを活用するなどの対策が効果的です。
② 教育する社員のスキル不足
教育する社員のスキル不足もOJTが上手くいかない大きな原因です。具体的には、教育経験がないためにどのように指導すべきか悩む、教育能力が不足しているために適切な教え方ができない、などが挙げられます。
また、専門知識が深い社員でもその知識を他者に伝えるスキルがなければ、新人社員にとって理解しにくい教育になりかねません。教育を任される社員自身が学び続け、指導力を向上させることが求められます。指導スキルを身に付けるための研修を受講させることも効果的です。
③ 明確な教育の仕組みがない
各社員のスキル、知識、経験の違いを考慮しながらも、一貫した教育の仕組みを企業側が整えることは非常に重要です。到達すべき目標や期間、学ぶべき内容が明確でないと、新人社員は必要なスキルや知識を獲得できず、現場で困ることが増えます。
また、教育の仕組みが不明確な場合、教育者自身も目標や期待値が曖昧になり、適切な指導が行えません。これらの問題を避けるためには、教育担当者が明確なゴール設定、コンテンツの調整、進行状況のモニタリングなど、具体的な教育計画を立て、それに基づいて新人社員の成長をサポートする形で、OJTを適切に行わなければなりません。
OJTを効果的に実施する方法
ここからは、OJTを効果的に実施するための具体的なポイントについてお伝えします。
① 目的を明確にする
② トレーナーに任せきりにしない
③ Off-JTと適宜組み合わせる
④ 新入社員へしっかりフィードバックさせる
以下にそれぞれ説明します。
① 目的を明確にする
先のセクションでも述べたように、OJTの実施において明確な目的を設定することは極めて重要です。目的が明確でなければ、新人社員は何を学ぶべきかを正しく理解できず、また、指導側も方向性を見失ってしまうからです。
目的や期待値を事前に明示することで、新人社員には学びのゴールが明確になり、習得しごとをスムーズに進められるようになります。
教育担当者としては、まず最初にどのようなスキルや知識を新人社員に身につけさせたいのかを明確にしたうえで、具体的な指導内容を決めていきましょう。
② トレーナーに任せきりにしない
OJTは、新人社員が実際の業務を通じて学ぶ教育手法であり、適切に行えば組織の即戦力となる育成方法です。
しかし、全ての教育責任をトレーナーに任せきりにしてしまうことは危険です。トレーナー自身の負担を軽減する意味でも、定期的に対話の機会を持ち、進捗状況の把握や改善に向けてのフィードバックを行いましょう。
必要と思われる場面では、周囲のメンバーや上層部も必要に応じて教育に参画し、組織全体で新人を支える環境を作り出すことが成功の秘訣です。
③ OFF-JTと適宜組み合わせる
OJTとOFF-JTの組み合わせは、新入社員教育の効果を最大化するための鍵となります。OJTは実践的な知識やスキルを身につけることが可能ですが、全ての知識やスキルを現場で学ぶのは難しい場合があります。
OFF-JTでは、専門的な知識や技能を系統的に学ぶことができるため、OJTに入る前の知識・スキルの土台作りとして機能します。いきなり現場に出るよりも、OFF-JTで学んだ上で現場での実習というステップを踏むことで、スムーズに業務にも適応しやすいでしょう。
④ 新入社員へしっかりフィードバックさせる
教えてそのままではなく、その後の新人の行動や成果を見ながら、具体的なアドバイスや指導はもちろん、新人社員の頑張りを称えるポジティブなフィードバックを忘れずに行いましょう。
これにより、新人社員のモチベーション向上に繋がり、自信を育てる一方で、改善点や課題も明確に理解することができます。
また、フィードバックは一方通行ではなく、新人社員から教育者へのフィードバックも重要です。新人社員からの意見や感想を聞くことで、教育方法の改善点を見つけ出すこともできます。教育の成功はコミュニケーションにあると言っても過言ではありません。
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SEとしてB2Cアプリ開発、金融系システム開発などを経験後、人事部で採用業務を担当。
現在は東京ITスクールの講師として新人研修から階層別研修、人事向けセミナーまで幅広く登壇。
猫を3匹飼っている猫好き。