ノーコード開発とは?エンジニアでなくても押さえておきたいメリットやメジャーなツール
公開日:2024年02⽉21⽇最終更新日:2024年03⽉05⽇
これまでは、システム開発というとプログラミングの専門知識を持ったエンジニアだけが行えるものというイメージがありました。
しかし最近は、専門知識を持たない人でも簡単にシステムやアプリが開発できる「ノーコード開発」が広まりを見せています。
誰でも気軽に開発が行えるノーコード開発ですが、ビジネスに導入する際はあらかじめその特徴や注意点を知っておくことが重要です。
この記事でノーコード開発の概要やメリット・デメリット、導入する際の注意点を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ノーコード開発とは
まずノーコード開発がどのようなものか解説します。
ノーコード開発とは
ノーコード開発とは、サイトやサービス、アプリなどをプログラミングを行わずに開発することをいいます。誰でも簡単に扱える一方で、他のソフトウェアと連携させるのが難しく、拡張性に乏しいという特徴があります。
通常、サイトやサービス、アプリなどはプログラミング言語を使って開発されています。広く使われているプログラミング言語には、JavaやPython、PHPなどがあり、いずれも使いこなすには専門の知識が必要です。また、コードを記述しなければならないため、開発完了まで時間もかかります。
しかし、ノーコード開発はプログラミング言語でコードを記述する必要がないため、誰でも手軽に、短時間でサイトやサービス、アプリなどが開発できます。
ローコード開発との違い
従来の開発手法と異なるものには「ローコード開発」もあります。ローコード開発は、シンプルで少ないコードを記述して開発を行うことを指します。
ローコード開発でサイトなどを制作する場合は、基本的なプログラミングの知識やスキルが必要になりますが、拡張性が高いのが特徴です。
さまざまなソフトウェアと連携させられるので、大規模なシステム開発にも適しているのがノーコードとの違いです。
ノーコード開発のメリット・デメリット
ここからは、ノーコード開発のメリット・デメリットを解説します。ノーコード開発は、誰でも扱えて不具合が起こりにくいといったメリットがある一方で、自由度が低いなどのデメリットもあります。
ノーコード開発のメリット
ノーコード開発のメリットは以下のとおりです。
専門知識がなくても開発が行なえる
ノーコードで開発を行う場合、プログラミングの専門知識は必要ありません。プログラミング言語を覚える必要はなく、画面上でパーツをドラッグ&ドロップしたり、項目を選択していくだけで開発が行なえるのが魅力です。
専門知識を持ったエンジニアがいなくても、誰でもアプリなどが開発できるため、人件費などのコスト抑制にもつながるでしょう。
不具合が起こりにくい
ノーコード開発で開発した製品は、不具合が起こりにくいといわれています。
ノーコード開発では、基本的に人がコードを記述することはありません。そのため、誤字や脱字、構文の間違いに起因するエラーやバグがほとんど起こらないという特徴があります。
開発において、バグの発見と修正は最も手間がかかる工程といっても過言ではありません。
発見と修正にかける手間と時間を削減できるのは、ノーコード開発の大きなメリットといえるでしょう。
機能の拡張が簡単にできる
ノーコード開発は、プログラミング言語でコードを記述する従来の開発手法に比べると、自由度は決して高くありません。しかし、あらかじめ用意された機能を追加するだけなら、簡単に行えます。
アプリケーションなどを完成させた後でも、必要に応じて簡単に機能を拡張できるのはノーコード開発の大きな魅力です。
スピーディーな開発ができる
必要になったときすぐに製品を開発できるのもノーコード開発のメリットです。
ノーコード開発の多くは、あらかじめ用意されているパーツやテンプレートをドラッグ&ドロップしたり、項目を選択したりするだけで開発が完了するようになっています。
すぐに必要なシステムやアプリを作って試し、必要に応じて修正できるため、スピーディーにPDCAサイクルを回せるでしょう。
ノーコード開発のデメリット
とても便利なノーコード開発ですが、デメリットもあります。主なデメリットは次のとおりです。
自由度が低い
ノーコード開発は、従来の開発手法に比べて自由度が低いと言わざるを得ません。
プログラミング言語でコードを記述する従来の開発手法では、さまざまな製品を作ることができます。これまでになかったサービスやアプリであっても、コードが記述できれば実装が可能です。
しかし、ノーコード開発はあらかじめ用意されたパーツやテンプレートを選ぶ事しかできないため、柔軟な開発ができません。
用意されている機能なら簡単に追加できますが、パーツやテンプレートが用意されていない機能については実装できないため自由度は低くなります。
大きなプロジェクトには適さない
大きな開発プロジェクトには適さないのも、ノーコード開発のデメリットです。
プラットフォームが提供している機能以上のものを作ることはできないため、大規模で複雑なシステムの開発には向いていません。
セキュリティのレベルも提供されているプラットフォームに依存するため、高度なセキュリティが求められる開発にも不向きです。
他のシステムとの連携が難しい
ノーコード開発で開発したシステム・製品は、他のシステムと連携が難しいという特徴があります。
ノーコードで開発したものの仕様は、開発に利用したプラットフォームに依存します。そのため、他のプラットフォームやソフトウェアと連携できないことが珍しくありません。
開発に利用していたサービスが終了した場合、他のプラットフォームで開発を引き継ぐことが難しいため、サービス終了と同時に開発を中止せざるを得なくなるケースもあります。
ノーコード開発が適している事例
ここからは、ノーコード開発が適している事例を解説しましょう。
サイトの制作
ノーコード開発が適している事例のひとつは、サイトの制作です。単純なWebサイトなら、ノーコード開発で誰でも簡単に作成できます。
現在広く利用されているノーコードのサイト制作ツールには次のようなものがあります。
- Wix
- Jimdo
- WordPress
- Shopify
- ペライチ
- STUDIO
いずれも、テンプレートを選択したり、必要なパーツをドラッグ&ドロップするだけで簡単にサイトが製作できるツールなので、利用してみるのもよいでしょう。
アプリの開発
アプリ開発にも、ノーコード開発が便利です。ノーコード開発なら、気軽に短時間でアプリを制作できます。
アプリを使い勝手の良いものにするには、何度も検証・ブラッシュアップすることが欠かせません。
ノーコード開発で開発にかかる時間を短縮できれば、検証・ブラッシュアップに割ける時間が大幅に増えます。
複雑なアプリの制作には向きませんが、シンプルで使い勝手の良いアプリを短期間で開発したい場合はノーコード出の開発が適しているといえるでしょう。
ノーコードで制作されたアプリには、次のようなものがあります。
- ブラリノ(結婚式準備アプリ)
- Beelango(言語学習アプリ)
- Nomuca(ドリンクのサブスクリプションアプリ)
- SPOTTO(企業と学生のマッチングアプリ)
業務のデジタル化
DXや業務のデジタル化の必要性が叫ばれて久しいですが、これらを実現するのにもノーコード開発が役立ちます。
ノーコード開発で業務効率を向上させるシステムを開発できれば、日々の煩わしい作業から開放されるのも夢ではありません。
現在広く使われている業務効率化ツールのノーコード開発サービスには次のようなものがあります。
- Kintone(業務生産性改善ツール)
- サスケWorks(業務効率化ツール作成サービス)
- Platio(モバイルアプリ開発ツール)
- yappli(アプリ開発ツール)
- Chat Plus(チャットボット開発ツール)
- formrun(フォーム作成ツール)
- Anyflow(業務自動化実現ツール)
広く使われているノーコード開発ツール3選
現在広く使われているノーコード開発ツールを紹介します。それぞれの特徴を踏まえて、目的に合ったプラットフォームを利用しましょう。
Bubble
世界で200万人以上の人が利用しているメジャーなノーコード開発ツールです。Microsoft社ともパートナーシップを提携しています。
さまざまなものが開発できますが、特にWebアプリの開発に強く、ドラッグ&ドロップだけで簡単に高度なアプリの開発が可能です。
UIは英語ですが、日本語の解説サイトも多く存在するため、ノーコード開発を初めて学ぶ人も学びやすいツールでしょう。
Click
アプリやWebサイトで必要とされる機能を網羅している日本製のノーコード開発ツールです。
SNSやECアプリのほか、マッチングアプリや動画配信サービスまで、ありとあらゆるアプリの開発に対応しています。
内部に決済機能を搭載しているので、アプリの収益化が簡単に行えるのもポイントです。
Adalo
さまざまなアプリ開発ができるノーコード開発ツールです。海外発のツールですが、日本語でも利用できるため、英語がわからなくても使いやすいでしょう。
特徴的なのは、Adaloの専門家に依頼できる点です。
世界中にいるAdaloの専門家に依頼することで、より複雑なアプリを開発したり、使い勝手を向上させたりできるため、他のノーコード開発ツールに比べてオリジナルの要素を多く含んだアプリ開発に適しています。
ノーコード開発のスキルを身につけるには
ここからは、ノーコード開発のスキルを身につける方法を解説します。
基本的に、ノーコード開発にプログラミングの専門知識は不要ですが、ノーコード開発プラットフォームの知識は必要です。
この機会に、自分に合った方法で学んでみましょう。
書籍や動画で学ぶ
最も気軽にノーコード開発が学べるのは、書籍や動画です。書店ではさまざまなテキストが売られていますし、Youtubeなどには動画も多数公開されています。
書籍や動画での学習は、まずはノーコード開発がどのようなもので、何が開発できるのかを知りたい人や、自分のペースでノーコード開発を学びたい人に最適です。
しかし、わからない点をすぐに質問できないため、つまずきやすいというデメリットもあります。
研修や講座を受講する
ノーコード開発のスキルを確実に身につけたい・わからない点をすぐに解消したいという人には、研修や講座がおすすめです。研修や講座では、プロの講師がノーコード開発についてレクチャーしてくれるので、開発に苦手意識を持っている人も学びやすいでしょう。
書籍や動画に比べて費用は掛かりますが、業務で使える知識・スキルを効率的に身につけたい人に適しています。
ノーコード開発が学べるおすすめ講座
「とにかく早くノーコード開発の知識とスキルを身につけたい」
「ノーコード開発を活用して業務効率を向上させたい」
という人には、東京ITスクールの「DXを加速させる!ノーコードで行う業務アプリ作成講座」がおすすめです。
こちらの講座では、DXの基礎知識からノーコードによるアプリケーション開発まで、1日で効率的に学んでいただけます。
リスキリングにもご活用いただける内容ですので、この機会に受講を検討されてみてはいかがでしょうか?
スキルを身につけてノーコード開発を使いこなそう!
これまでは、アプリやシステムの開発には専門知識が必要不可欠でした。しかし、最近はノーコードでの開発が広まり、プログラミングの知識を持たない人でも簡単にアプリやシステムが開発できます。
ノーコード開発のスキルを身につけることは、業務効率改善やDXの推進に大いに役立ちます。
この機械にノーコード開発の知識をスキルを身につけ、職場の業務効率化・DXを進めていきましょう。
東京ITスクールでは「DXを加速させる!ノーコードで行う業務アプリ作成講座」の他にもさまざまな講座を開講していますので、興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。