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【保存版】ハイブリッド型研修の全知識:導入から成功のポイントまで

公開日:2024年05⽉31⽇最終更新日:2025年03⽉28⽇

ハイブリット型研修とは?メリットと効果的に実施する方法を解説

ハイブリッド型研修:変わりゆく育成の形

 

「研修は対面が一番」

 

かつては当たり前だったこの常識も、今や大きく変わりつつあります。コロナ禍を経て急速に広まったオンライン研修、そして現在注目を集めているのが「ハイブリッド型研修」です。

 

経営者の皆さん、こんなお悩みはありませんか?

 

  • 複数拠点の社員を一度に研修したいが、一箇所に集めるのは現実的でない
  • リモートワークが定着し、全員を一か所に集めるのが難しくなった
  • オンラインだけでは、深い議論やコミュニケーションが不足している
  • コストを抑えながらも、効果的な人材育成の方法を模索している

 

本記事では、ハイブリッド型研修の基礎知識から具体的な実施方法、陥りがちな失敗例まで、網羅的に解説します。記事を読み終えると、ご自身の会社に最適なハイブリッド型研修の形がきっと見えてくるでしょう。

 

ハイブリッド型研修とは?基本的な定義と概要

ハイブリッド型研修とは、オフライン(対面)とオンラインの両方の要素を組み合わせた研修形式のことです。一般的には、以下のような形態があります:

 

 

  1. 会場参加型+オンライン同時参加型:実際の会場での研修をZoomなどのツールで同時配信し、遠隔地からも参加できるようにする形式
  2. 時間分散型:一部を対面で行い、残りをオンラインで自己学習する形式
  3. 内容分離型:講義はオンラインで、グループワークなど交流が必要な要素は対面で行う形式

 

 

特に中小企業では、限られた予算や人材でも効果的な研修を実施できる点が大きなメリットとなっています。一つの会場に集まれない社員に対しても、質の高い研修機会を提供できるからです。

 

「当社では昨年からハイブリッド型研修を導入し、地方支店の社員も含めた全体研修が初めて実現しました。移動コストの削減だけでなく、全社一体感の醸成にも大きく貢献しています」(製造業・人事部長)

 

 

 

 

ハイブリッド型研修の3つのタイプ

ハイブリッド型研修は、具体的には次の3つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

 

 

ハイブリッド型① ブレンド型(Blended Learning)

ブレンド型は、対面とオンラインの「学習方法」を組み合わせた研修スタイルです。例えば、講義部分はオンデマンド動画で学習し、演習やディスカッションなどの相互作用が必要な部分は対面で実施します。

 

特徴:

  • 学習者が自分のペースで基礎知識を習得できる
  • 対面時間を質の高いインタラクションに集中できる
  • 事前・事後学習を効果的に組み込める

 

 

中小企業では、基礎知識の学習を各自の隙間時間に行ってもらい、限られた対面研修時間を実践的なスキル習得に集中させるといった使い方が効果的です。特に業務多忙な中で研修時間を捻出するのが難しい環境に適しています。

 

 

 

ハイブリッド型② ハイフレックス型(HyFlex)

ハイフレックス型は、同じ研修内容を対面とオンラインで「同時に」提供するスタイルです。参加者は自分の都合に合わせて、対面かオンラインかを選択できます。

 

 

特徴:

  • 参加者が参加形態を選べる柔軟性がある
  • 地理的制約を超えた参加が可能
  • 一度の開催で多くの人に研修機会を提供できる

 

中小企業では、本社と支店の社員が同時に参加できる全社研修や、育児・介護などの事情で出社が難しい社員にも平等な学習機会を提供したい場合に有効です。

 

 

 

ハイブリッド型③ 分散型(Distributed Learning)

分散型は、学習を時間的・空間的に「分散」させるスタイルです。対面セッションとオンライン学習を交互に行ったり、学習者が自分の都合のよい時間に学習を進めたりします。

 

 

特徴:

  • 長期間にわたる継続的な学習が可能
  • 業務との両立がしやすい
  • 振り返りと実践のサイクルを組み込みやすい

 

 

中小企業では、研修後の行動変容や学習定着を促したい場合に有効です。例えば、管理職研修を月1回の対面セッションと週1回のオンラインフォローアップで構成するなど、継続的な学びをデザインできます。

 

 

 

 

ハイブリッド型研修が注目される理由:5つのメリット

ハイブリッド型研修は、なぜ今、多くの企業で導入されているのでしょうか?具体的なメリットを見ていきましょう。

 

 

 

1. 多様な働き方への対応

テレワークやフレックスタイム制など、働き方の多様化が進む中、全員が同じ時間・場所に集まることが難しくなっています。ハイブリッド型研修なら、オフィスに出社している人もリモートワークの人も、同じ質の研修を受けられます。

 

 

 

2. 参加のハードルが下がる

遠方の拠点にいる社員や、育児・介護などの事情で長時間の外出が難しい社員でも、オンラインで参加できるため、研修の機会損失が減ります。この点は特に中小企業にとって、貴重な人材の能力開発機会を確保する観点で重要です。

 

 

 

3. コスト効率の向上

会場費、交通費、宿泊費などの経費削減が可能です。特に地方に支店がある場合、オンライン参加を組み合わせることで大幅なコスト削減につながります。研修予算が限られている中小企業こそ、このメリットは大きいでしょう。

 

 

 

4. データに基づく研修改善

オンライン要素を取り入れることで、参加者の理解度や進捗状況を定量的に把握しやすくなります。例えば、視聴時間、クイズの正答率、課題提出状況などのデータを分析し、研修内容の改善に活かせます。

 

 

 

5. 研修内容のカスタマイズ性の高さ

受講者のレベルや興味に合わせて、柔軟に研修内容を調整できます。基礎部分はオンデマンド動画で学び、興味のある応用部分は対面でじっくり質問するなど、個々の学習ニーズに対応しやすくなります。

 

 

 

 

ハイブリッド型研修を成功させるための実践ポイント

理論を理解したところで、実際にハイブリッド型研修を成功させるためのポイントを見ていきましょう。

 

 

 

適切なツール選定と環境準備

ハイブリッド型研修の質は、使用するツールと環境に大きく左右されます。

 

 

 

オンライン会議ツール:ZoomやTeamsなど、安定した接続と機能を備えたものを選びましょう。特に「ブレイクアウトルーム機能」は、オンラインでもグループワークを実施するために重要です。

 

 

 

音響機材:会場の音が適切にオンライン参加者に届かないと、オンライン参加者は疎外感を感じてしまいます。指向性マイクや全方位マイクなど、適切な音響設備の準備が必要です。

 

 

 

カメラ設定:単に講師を映すだけでなく、会場の参加者や投影資料も適切に映せるよう、カメラ位置や角度を工夫しましょう。場合によっては複数カメラの活用も検討します。

 

 

 

ネットワーク環境:安定した高速回線は必須です。有線LANの活用や、バックアップ回線の準備も検討しましょう。

 

以下は、規模別の機材準備の目安です:

 

参加規模推奨機材予算目安
小規模(~10人)ノートPC、USBマイク、WEBカメラ3-5万円
中規模(~30人)PC、全方位マイク、広角カメラ、スピーカー10-15万円
大規模(30人~)PC、プロ用音響機材、複数カメラ、大型ディスプレイ30万円~

 

 

 

進行役・ファシリテーターの役割強化

ハイブリッド型研修では、対面参加者とオンライン参加者の両方に配慮した進行が必要です。特に重要なのが以下の点です:

 

  • テクニカルサポート役の配置:進行役とは別に、オンライン参加者の技術的なトラブルに対応する担当者を置くことで、研修の中断を最小限に抑えられます。
  • 参加者全員への目配り:オンライン参加者が発言しやすいよう、定期的に名指しで質問を振ったり、チャット欄の質問をピックアップしたりする配慮が必要です。
  • インタラクションの工夫:対面もオンラインも同じように参加できるワークの設計が重要です。例えば、オンラインツールを使ったアンケートやクイズなら、どちらの参加者も同じ条件で参加できます。
  • 時間管理の徹底:オンライン参加者は長時間の集中が難しいため、こまめな休憩や活動の切り替えを意識しましょう。最も重要なのは、終了時間を厳守することです。

 

 

 

参加者間のコミュニケーション促進

ハイブリッド型研修の最大の課題は、対面参加者とオンライン参加者の間に生じがちなコミュニケーションギャップです。これを解消するための工夫が必要です。

 

 

 

アイスブレイクの充実:研修開始時に、対面・オンライン問わず全員が発言する機会を作ることで、参加意識を高めましょう。

 

 

 

混合グループワーク:可能であれば、対面参加者とオンライン参加者が混在するグループを作り、コラボレーションの機会を設けましょう。

 

 

 

デジタルツールの活用:MiroやMuralなどのオンラインホワイトボードツールを使えば、対面でもオンラインでも同じように意見を出し合い、視覚化できます。

 

 

 

質問・発言の平等性確保:オンライン参加者からの質問や意見を優先的に取り上げる時間を設けるなど、声の大きさではなく内容で評価される環境を作りましょう。

 

 

 

事前・事後のフォローアップ体制

ハイブリッド型研修の効果を最大化するには、研修当日だけでなく、事前・事後のフォローも重要です。

 

 

事前準備

  • 参加者向けのシステム接続テストの機会提供
  • 事前課題や予習資料の配布
  • 研修の目的やゴールの共有

 

 

事後フォロー

  • 研修資料や録画のアーカイブ提供
  • 振り返りの機会(オンライン質問会など)
  • 実践課題の提示と進捗確認

 

特に中小企業では、研修内容を実務に活かすための上司のサポートが重要です。研修後に上司が部下と1on1を行い、学びをどう活かすか話し合う仕組みを作りましょう。

 

 

 

 

ハイブリッド型研修の失敗事例と対策

どんなに準備をしても、初めてのハイブリッド型研修ではさまざまな問題が発生するものです。よくある失敗例とその対策を紹介します。

 

 

 

ハイブリッド型の失敗例1:オンライン参加者への配慮不足

「会場の雰囲気に集中するあまり、オンライン参加者の存在を忘れてしまった」 「会場での質問ばかり取り上げ、チャットでの質問が放置された」

 

対策

  • 進行役とは別に、オンライン参加者専任のファシリテーターを置く
  • 質問タイムでは、会場とオンラインから交互に指名する
  • 定期的に「オンラインの皆さん、聞こえていますか?」と声をかける

 

 

 

ハイブリッド型の失敗例2:技術的トラブルへの対応遅れ

「音声が聞こえない」「資料が見えない」などのトラブルが発生し、研修の流れが止まってしまった。

 

対策

  • 研修開始前に十分な接続テストを行う
  • トラブルシューティングマニュアルを準備しておく
  • 技術担当者を配置し、主進行とは別にサポートできるようにする
  • バックアッププランを用意する(例:音声トラブル時のテレビ会議への切り替えなど)

 

 

 

ハイブリッド型の失敗例3:グループワークの設計ミス

対面参加者同士、オンライン参加者同士でグループを分けたら、研修の一体感が失われた。

 

対策

  • オンラインツールを全員で使うなど、参加形態に関わらず平等に参加できるワークを設計する
  • 対面・オンライン混合のグループ編成にする場合は、会場側に1台ずつデバイスを用意して、オンライン参加者とつながる
  • グループワークの時間は通常より長めに設定し、接続調整の時間を見込む

 

 

 

ハイブリッド型の失敗例4:集中力の持続困難

特にオンライン参加者から「長時間の研修で集中力が途切れた」という声が多かった。

 

対策

  • 90分以上の研修では必ず休憩を入れる
  • 講義と演習を交互に配置し、受動的な時間と能動的な時間のリズムを作る
  • オンライン参加者も体を動かせるアクティビティを取り入れる
  • 重要なポイントは研修の前半に配置する

 

 

 

 

 

業種・目的別 ハイブリッド型研修の設計例

ここでは、業種や目的に応じたハイブリッド型研修の具体的な設計例を紹介します。ご自身の会社の状況に合わせてアレンジしてみてください。

 

 

 

【製造業】安全研修のハイブリッド化

背景:複数工場の従業員に対して、新しい安全基準を周知する必要がある

 

設計例

  1. 事前学習(オンデマンド):安全基準の基礎知識をeラーニングで学習
  2. 本研修(ハイフレックス型):主要工場で実施する実習の様子をライブ配信し、各工場でも同時に実習
  3. 事後フォロー(オンライン):安全担当者によるQ&Aセッションを定期的に開催

 

 

ポイント:現場での実習が重要な製造業では、各拠点でリアルな体験ができるよう、教材や機材を事前に配布しておくことが重要です。

 

 

 

【サービス業】接客スキル研修のハイブリッド化

背景:全国の店舗スタッフの接客レベルを標準化したい

 

設計例

  1. 基礎講義(オンライン同時配信):本部講師による接客の基本講義
  2. ロールプレイング(対面+録画共有):各店舗で実施したロールプレイの様子を録画して共有
  3. フィードバック(オンライン):他店舗の動画を見ての相互フィードバック
  4. フォローアップ(ブレンド型):定期的なオンラインミーティングと実地でのOJT

 

 

ポイント:接客業では「見せる」「真似る」が重要です。動画の活用と相互フィードバックを組み合わせることで、全国どこでも同じ品質の接客を学べます。

 

 

 

【IT・Web業界】プログラミング研修のハイブリッド化

背景:技術レベルの異なるエンジニアに効率的に新技術を習得させたい

 

設計例

  1. 事前学習(自己ペース):オンラインの動画講座で基礎知識を習得
  2. ハンズオン(ハイフレックス型):対面・オンライン同時参加形式で実践的な課題に取り組む
  3. プロジェクト型学習(分散型):チームでプロジェクトに取り組み、進捗をオンラインで共有
  4. メンタリング(個別対応):上級者による個別サポートセッション(対面またはオンライン)

 

 

ポイント:IT研修では、実践的な課題に取り組む時間を十分に確保することが重要です。環境構築のトラブルを防ぐため、クラウド開発環境の活用も検討しましょう。

 

 

 

 

ハイブリッド型研修の未来と進化

ハイブリッド型研修は、テクノロジーの進化とともに今後さらに発展していくでしょう。最後に、今後の展望を見ていきます。

 

 

 

VR/ARの活用

仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を活用することで、対面研修のリアリティをオンラインでも実現できるようになりつつあります。例えば、危険な作業の安全研修や、実機が必要な機械操作研修などを、VRで安全に体験できるようになります。

 

 

 

AIを活用した個別最適化

AI技術の発展により、一人ひとりの理解度や進捗に合わせた研修内容の最適化が可能になります。例えば、苦手な部分は繰り返し学習し、得意な部分は先に進めるなど、同じ研修でも個々に異なる学習体験を提供できます。

 

 

 

マイクロラーニングとの融合

短時間で完結する「マイクロラーニング」をハイブリッド型研修と組み合わせることで、より効果的な学習体験が実現できます。例えば、対面で行う集中研修の前後に、5分程度の動画学習を毎日続けるなど、継続的な学びを支援します。

 

 

 

 

まとめ:あなたの会社に最適な研修を

ハイブリッド型研修は、単なる「対面とオンラインの組み合わせ」ではなく、それぞれの長所を活かし、短所を補完し合う「新しい学びの形」です。

 

中小企業こそ、限られたリソースを最大限に活用するハイブリッド型研修の恩恵を受けられるでしょう。大切なのは、研修の目的や参加者の状況に合わせて、最適な形を選ぶことです。

 

一度に完璧を目指すのではなく、小さく始めて徐々に改善していくアプローチがおすすめです。例えば、既存の対面研修にオンライン配信を加えるところから始め、参加者からのフィードバックを基に改善していくといった方法が現実的でしょう。

 

質の高いハイブリッド型研修で、社員の成長を支援し、会社の未来を共に創っていきましょう。

 

 

 

 

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 東京ITスクール 山口
 SESで現場PG、SEとして活躍後、受託開発のPMとして多数の開発プロジェクトを経験。
 主に金融系案件を担当。
 現在はこれまでの経験を活かして東京ITスクールのカリキュラムや教材開発業務に従事。
 趣味はサイクリング。

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