研修講師の心得!成功するための秘訣とは?
公開日:2024年07⽉04⽇最終更新日:2024年07⽉04⽇
自社で研修を行う場合、講師を担当することもそれほど珍しくありません。しかしふだんは講師とは異なる業務をしているなら、どんな心得をもって研修に当たればいいのかわからないのも無理のないことでしょう。
この記事では、研修講師の心得について解説します。以下の点を詳しく説明していきます。
・講師としての基本的姿勢は、教える内容への理解と深い愛情と尊敬を持つこと
・講師としての基本的な姿勢とは、何を教える以上に、いかに教えるかに重きを置くこと
・研修の時間配分やインタラクティブな要素の導入について考えておく
・プレゼンのスキルとしては、ボディーランゲージ、視線、声のトーンとペース、話し方のバリエーションなどを練習する
研修で講師を担当することになった方、実施担当者の方は参考にしてみてください。
研修講師の心得とは
初めに、研修講師の心得とは教える者として優れた技術と共感性を持つことから始まります。さらに具体的な点について、以下の通り見ていきます。
・講師としての基本的姿勢
・研修目標の設定と明確化
・プレゼンテーション技術の向上
・参加者との効果的なコミュニケーション
では、順に解説していきましょう。
講師としての基本的姿勢
講師としての基本的な姿勢とは、何を教えるかよりもいかに教えるかに重きを置くものです。
まず第一に、その知識や技術が役立つ意義や背景を、参加者が理解しやすい形で伝えることが大切です。これには、話の進め方や表現力、さらには自身の信念や情熱が反映されます。
次に参加者一人ひとりの理解度や進度を見極め、適切な指導を行う柔軟性も必要です。これは研修の質を高めるために不可欠な要素であり、それぞれの参加者が自分の成長を実感できるようサポートする役割があります。
最後にあくまで参加者が主体となることを忘れず、自分自身が学び取る姿勢も持つことが重要です。これらが講師としての基本的な姿勢となります。
研修目標の設定と明確化
研修の目標は、内容を設計しそれを達成するための戦略を明確化するための基盤となります。目標設定の初期段階では、企業のビジネス目標と研修の関連性を理解することが重要です。
次に具体的かつ達成可能な研修目標を設定し、それを明確に伝達します。これにより参加者は期待値を理解し、講師と一緒に目標達成に向けて努力することができます。
プレゼンテーション技術の向上
プレゼンテーション技術の向上は、研修講師として不可欠な要素です。ますます多くの情報がデジタル化される中、視覚的に魅力的なプレゼンテーションは参加者が集中力を保つための重要なツールとなっています。
この技術を磨くためには、まず自分の話し方や身振り手振りに注目しボディーランゲージによる情報の伝達を意識することが大切です。加えて、視覚的な要素を上手に用いる能力も必要となります。
参加者との効果的なコミュニケーション
効果的なコミュニケーションは研修講師の最重要スキルの一つです。
まず講師は自分の言葉を理解しやすく伝えることが必要です。具体的な事例を用いると、参加者は複雑な内容も理解しやすくなります。
また参加者からのフィードバックを随時受け入れ、それに対する適切な反応を示すことも大切です。具体的には、質問に対して明確な回答を提供する、感想や意見に対して適切に反応する、などです。
さらに講師は参加者全員と個別に接する時間を作ることで、より深い理解と信頼関係を築くことができます。
これらのコミュニケーション能力を身に付けることで、講師は参加者のモチベーションを高め研修効果を最大化することが可能になります。
効果的な研修デザインの作り方
つぎに、効果的な研修デザインの作り方について解説します。以下の内容があります。
・参加者ニーズの把握
・研修スケジュールの組み立て
・各セッションの時間配分
・インタラクティブな要素の導入
順に見ていきましょう。
参加者ニーズの把握
参加者ニーズの把握は、研修の成功にとって極めて重要な要素です。
まずは、参加者が何を学びたいのか、何を達成したいのかを理解しなければなりません。これは研修全体の目標設定や内容の調整に直結します。詳しくは以下の通りです。
たとえば参加者が新たなスキルを習得したいのであれば、そのスキルに重点を置いた研修プログラムを組む必要があります。また参加者が既に持っている知識や経験を上乗せして、さらなるスキルアップを図りたいなら、より高度なレベルの研修が必要となるでしょう。
あるいは参加者の学習スタイルも把握しておくと有効です。ビジュアル型の人は視覚的な教材を好み、オーディオ型の人は音声や会話を通じて情報を得ることを好みます。このような特性を理解しそれに合わせた教材を提供することで、効果的な学習が可能となります。
一方で、参加者全体のニーズを満たすような研修を設計することは難しい場合もあります。その場合でも、個々の参加者が何を達成したいのか、どのような学習スタイルが適しているのかを理解しておけば、少なくとも各々に対して最善の方法で指導することが可能となるでしょう。
参加者のニーズを把握して研修を設計することで、一人ひとりが最大限に学びを得ることが可能となるのです。
研修スケジュールの組み立て
研修スケジュールの組み立ては、研修の成功を左右します。これはトレーニングの全体的な流れを作成し、参加者が理解しやすいように関連するトピックを一緒に配置するための重要な手段です。
まずは全体的なテーマや目標を設定しそれに応じて各セッションの内容を決定します。可能な限り、各セッションは前のセッションとつながりを持つように設計すると良いでしょう。
また一貫性を持たせるためにも、研修中の各セッションが同じフォーマットや構造を持つように設定すると良いでしょう。これにより参加者が研修の流れや期待する結果を理解しやすくなります。
さらに十分な休憩時間を設けることも忘れてはいけません。これは参加者が情報を消化し必要なら質問をするための重要な時間です。どんなに価値ある内容でも、参加者が疲れてしまってはその効果を発揮することはできません。したがって、効率的な学びのためには休憩時間もスケジュールに組み込むべきです。
各セッションの時間配分
各セッションの時間配分は、研修デザインにとって重要な要素です。脳が一度に情報を処理できる量は限られているので、適切なインターバルを設けることが必要です。一般的には、45分間~1時間のセッション後に10分~15分の休憩を設けると、参加者の理解度と集中力が保たれます。
ただしセッション内容や参加者の特性により異なる場合もあるため、臨機応変な対応が求められます。
インタラクティブな要素の導入
インタラクティブな要素の導入は、参加者が積極的に学習に参加し知識を自身で構築するための有効な手段です。
一方的な情報提供だけではなくディスカッションやロールプレイ、ゲーム、クイズなどを組み込むことで参加者は新たな視点を得るとともに、他の人の考え方も理解することができます。
またインタラクティブな研修は参加者の関心を引きつけ、集中力と記憶力を高める効果もあります。ただし活動の選択と実施には適切な計画と準備が必要です。それぞれの活動が研修の目標と参加者のニーズに合致していることを確認することが重要です。
プレゼンスキルの練習方法
次に、プレゼンスキルの練習方法について解説します。以下の点についてまとめます。
・ボディーランゲージの活用
・視線の使い方
・声のトーンとペース
・話し方のバリエーション
・質疑応答への準備
順に見ていきましょう。
ボディーランゲージの活用
ボディーランゲージは、講師としてのプレゼンテーション効果を向上させる有効な手段です。非言語コミュニケーションの一環として、身振りや表情、姿勢などが伝えたいメッセージを強化します。
たとえば、目標を熱意を持って達成したいという気持ちを表現するには、前向きな姿勢や大胆な身振りが効果的です。一方で、より深い理解や思考を促すためには、落ち着いた姿勢や穏やかな表情が適しています。
また参加者の反応を読むためのボディーランゲージの理解も重要です。参加者が興味を持っているか、理解できているかを判断する手がかりとなります。
これらのスキルは練習と経験により習得可能で、プレゼンテーションの効果を大きく高めます。
視線の使い方
視線の使い方は、研修講師がプレゼンスキルを向上させる上で重要な要素です。
まず視線で相手に対する敬意を表すことが大切です。参加者全員に順番に目を向け、自分の言葉が伝わっていることを確認します。次に視線を利用して話のポイントを強調します。特に重要なポイントで参加者の目を見つめることでメッセージの重要性を伝えることができます。また参加者の反応を観察することも重要です。視線を通じて参加者の理解度や興味を読み取ることができます。
これらの方法を活用することで研修講師としての視線の使い方はより効果的になり、参加者とのコミュニケーションも深まるでしょう。
声のトーンとペース
声のトーンとペースはプレゼンテーションの成功を大いに左右する要素です。適切なトーンは聴衆の注意を引き、ペースは情報の理解を助けます。
まずトーンは、話す内容に即したものを選びましょう。たとえば新しいプロジェクトの説明にはエネルギッシュなトーン、深刻な問題の報告には落ち着いたトーンが適しています。一方、ペースは早すぎず遅すぎない中間の速度が理想的で、特に重要なポイントでは少し速度を落とすと効果的です。
これらをマスターすることでより鮮明で印象的なプレゼンテーションが可能になります。
話し方のバリエーション
話し方のバリエーションは、講師のプレゼンテーション能力を大きく左右します。一貫したトーンやリズムでは、参加者の注意を引き続けることは難しいです。
話し方のテクニックとしては、物語を交える、問いを投げかける、適切なユーモラスなエピソードを挿入するなどがあります。また重要なポイントを強調するために声の高低やスピードを変えることも効果的です。
これらのテクニックは参加者の興味を引き、理解を深め、研修の価値を高めます。
質疑応答への準備
質疑応答の準備は、研修講師としての重要な部分です。まずは事前に可能な限り多くの研修内容に関連する質問を想定し、それらに対する適切な回答を準備しておくことが求められます。
また参加者からの予想外の質問にも対応できるように、関連知識のブラッシュアップを怠らないことも重要です。想定外の質問が来た場合でも、それを次回の研修内容に反映させることで研修のクオリティを上げることが可能です。
研修ツールとテクノロジーの活用
最後に、研修ツールとテクノロジーの活用について見ていきます。以下の側面からまとめます。
・効果的なスライド作成
・オンラインプラットフォームの選び方
・マルチメディアの利用
順に見ていきましょう。
効果的なスライド作成
効果的なスライド作成は研修運営における重要な一部です。
一つのポイントは、情報を簡潔且つ明瞭に伝えることにあります。多くの情報を詰め込むことは避け、主要なポイントのみに焦点を当て、視覚的に易しいレイアウトを使用しましょう。また文字だけでなく図やグラフを活用することで視覚的な理解を助けることができます。
適切な色彩選択やフォントサイズも視覚的な視認性に影響を及ぼしますので、これらも考慮に入れてください。
オンラインプラットフォームの選び方
オンラインプラットフォームの選び方は、研修の目的や参加者の技術レベルによります。全体的に見て、簡単な操作性、堅牢なセキュリティ、高品質な音声とビデオ、参加者との相互作用を可能にするツールが必要です。ZoomやMicrosoft Teamsは、他の多くの機能とともにこれらを提供しています。
また特に技術的な研修の場合は、コーディング作業をリアルタイムで共有できるようなプラットフォームが有効です。選び方のポイントは、参加者の利便性と研修の必要性を最大限に満たせるかどうかです。
マルチメディアの利用
研修の質を高めるためには、マルチメディアの利用が欠かせません。ビデオやオーディオ、アニメーションなど、さまざまなメディアを用いることで視覚や聴覚に訴えかけることができます。これは、参加者の注意を引きつけるだけでなく、理解を深め記憶に焼き付ける助けにもなります。
またマルチメディアはオンライン研修でも効果を発揮します。ZoomやMicrosoft Teamsなどのプラットフォームで、ビデオやアニメーションを共有し対話形式の討論を展開することで参加者の理解と参加意欲を引き上げることが可能です。またディスカッションやケーススタディを用いたグループワークにも活用できます。マルチメディアの活用は、研修の効果を大いに高める強力なツールです。
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内製の講習は社員が研修の講師となる必要があります。内製でしかできない内容はそれが最適の方法ですが、すべての研修を社内で行おうとするのは難しいことも多いでしょう。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。