研修の提案書の通る書き方とは?誰でもできる簡単ステップ
公開日:2024年04⽉18⽇最終更新日:2024年04⽉18⽇
現場の声を聞いて現場が喜び人材育成に役立つ研修を企画しても、そのメリットや効果を会社に理解してもらわないことには研修は実現できません。実現するかどうかのカギを握るのが研修の提案書です。
この記事では、研修の提案書についてまとめます。この記事を読むことで、以下の点が理解できます。
・提案書を作るステップ
・具体的な提案書の内容
・成功のためのキーファクター
研修の企画担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
研修の提案書の簡単ステップ
まず、研修の提案書を簡単に作ることができるステップについて解説します。以下の手順になります。
- 研修提案書の目的を理解する
- 目標設定の重要性
- 読者の興味を引く導入部の作り方
- プロジェクトの概要説明
- 成果物と期待される成果の明確化
順に見ていきましょう。
①研修提案書の目的を理解する
研修提案書の目的は、研修の詳細を明確にすると同時に、提案を受ける人が研修内容とその効果を理解し、研修の価値を認めてもらうことです。そのため、研修提案書には研修の目的、内容、スケジュール、予算、評価手法などを具体的に記述することが重要です。これが成功した研修を実現する上で、最初の一歩となります。
②目標設定の重要性
目標設定は、研修計画全体を効果的に運営するための基盤となります。明確な目標を設定することで、参加者は何を学び、どのようなスキルを習得すべきか理解しやすくなります。また企業としても研修の効果測定が容易になり、ROI(投資対効果)を明確に把握することが可能です。
たとえばある企業が新人研修で「3ヶ月後には業務を自力で遂行できる能力をつける」という目標を設定した場合、研修内容、期間、講師選定等が具体的になり、期待される成果をはっきりさせることが可能となります。目指すべき方向を示すコンパスのような役割を果たす目標設定は、成功への道しるべとなる重要な要素です。
③読者の興味を引く導入部の作り方
読者の興味を引く導入部の作り方は、研修提案書作成のキーステップの一つです。そのためには、まず課題を明確にし、それがどのように関連するかを示すことが重要です。たとえば「現代の働く環境では、新たなスキルや知識を定期的に学び、適応力を維持することが必要となっています。ここで我々の提案する研修プログラムが重要な役割を果たすでしょう」というように、課題と提案の関連性を明示します。
次に提案の利点とその独自性をアピールします。たとえば「我々のプログラムは、業界の最先端のスキルを教え、参加者が即戦力となることを保証します。他社との違いは、カリキュラムが最先端の知識と実践的なスキルに重きを置いている点です」など、明確で具体的な情報を提供することで、読者の関心を引きます。
④プロジェクトの概要説明
プロジェクトの概要説明は、研修提案書作成の中心的な部分です。ここでは、提案される研修プログラムの内容、目的、課題解決に向けた方法など、計画全体を全面的に説明します。
具体的には、プログラムの種別や対象者、研修の持続期間、学ぶべき主要なスキル等を明記し、それらがどのように組織の課題解決につながるのかを視覚的に示すことが重要です。こうすることで、読者にプロジェクトの全体像を理解してもらうと同時に、その価値を明示的に伝えることができます。
⑤成果物と期待される成果の明確化
成果物と期待される成果の明確化は、研修提案書の中でも重要な要素です。これは参加者が研修を受けることにより、何を手に入れるのか、また企業が何を期待できるのかを明らかにします。
たとえばプロジェクト管理研修の場合、成果物は「プロジェクト計画書の作成能力」、期待される成果は「プロジェクトの効率的な進行」などとなるでしょう。これらを明示することで、研修の経済的価値と効果をはっきりと伝え研修の承認や賛同を得る助けとなります。
研修内容の詳細な構成
次に研修内容の詳細な構成についてまとめます。以下の内容があります。
・研修の目的と目標
・研修スケジュールの立案
・各セッションの内容詳細
・参加者の事前準備事項
・予算計画の作成
順に見ていきましょう。
研修の目的と目標
研修の目的と目標はその研修の核を形成し、全体の方向性を示します。目的は研修が達成しようとする意義や意図を明確にし、目標は具体的な期待結果を定義するものです。たとえば新人エンジニア向けの研修なら、「フルスタック開発の基礎を理解する」が目的で、「3ヶ月後には一人で小規模なシステムを開発できる」が目標になります。
目的と目標を明確にすることで、研修の組織者、参加者、スポンサー全員が一致した理解を持って行動でき、研修の成果も評価しやすくなります。
研修スケジュールの立案
研修スケジュールの立案は研修の成功に直接影響を与える要素の一つです。良いスケジュールは全体の流れを明確にし、参加者が各セッションとその目的を理解するのに役立ちます。
まず目標達成に必要な時間を見積もり、具体的な日程を立てるところから始めます。次に各セッションの順序を決定します。必要に応じて、セッション間に休憩時間を設けて参加者の疲労を防ぐことも大切です。最後に、スケジュールは参加者に事前に配布し、必要に応じて調整を行います。これにより、参加者は自分の時間を適切に管理し、研修を最大限に活用することができます。
スケジュールの立案は、組織の目標達成に繋がる効果的な研修を実施するために不可欠なステップです。
各セッションの内容詳細
各セッションの内容について詳細に話すことは、研修提案書作成の重要な部分です。内容は、具体的かつ具体的な知識やスキル習得のためのものでなければなりません。
たとえばエンジニア研修の場合、セッションではプログラミング言語の基本から応用まで、ツールの使用方法、チームでの開発手法等を含めるべきです。参加者が各セッションで何を学び、どのようにその知識やスキルを職場で適用できるかを明確にすることで、提案書の説得力を高めます。
また各セッションの学習時間や必要な準備を明記することも重要です。これらの情報は、参加者が研修に向けて自分の時間を適切に計画するのに役立ちます。
参加者の事前準備事項
参加者の事前準備事項について説明します。研修の成功には、参加者が研修の目的と内容を理解し、適切な準備をして参加することが重要です。たとえば具体的な学習目標を設定する、参考資料を事前に読む、質問や議論のためのメモを作るなど、具体的な準備事項をリストアップして参加者に提供しましょう。
さらに参加者が持つべき基礎知識やスキルを明示することも大切です。これにより、参加者は研修に臨む準備を具体的に行うことができ、効果的な研修参加を実現できるでしょう。
予算計画の作成
予算の計画は研修提案書作成の非常に重要な部分です。予算は研修を実施するための資源をどの程度割り当てるかを決定する要素であり、それがプロジェクトの成功度を大きく左右します。
まず全体の予算を知っておくことが大切で、それから研修内容、参加者の人数、設備、教材、講師費等が含まれます。予算の項目ごとに正確な見積もりを出し、余分なコストが発生しないように計画します。
予算計画は研修の質と効果を高めるために重要なステップとなります。
予測可能なリスクとその対応策
次に、予測可能なリスクとその対応策について解説します。以下の点が挙げられます。
・予期せぬ問題の特定
・問題発生時の対応策
・継続的なフォローアップ計画
1つずつ見ていきましょう。
予期せぬ問題の特定
研修計画の段階で予期せぬ問題の特定は、後で大きなトラブルを避けるために必要不可欠なステップです。スタート前に考えられる問題を洗い出し、それぞれに対して対策を立てることで、研修がスムーズに進行し参加者が計画通りの学習を得られます。
問題が起きる可能性がある領域としては、技術的な障害、人材の欠如、予算の超過、時間管理の問題、参加者のモチベーションの低下などがあります。
問題発生時の対応策
研修の進行中に問題が発生した場合の対応策は、あらかじめ計画段階で整備しておくことが重要です。まず研修中に起こりうる問題を特定し、それぞれの問題に対する具体的な解決策を事前に準備します。たとえば参加者の理解が進まない場合、追加教材の用意や個別指導の予定を立てておくことが考えられます。
また早期に問題を特定し即座に対応するためには、研修の進行中も常に参加者の理解度を確認する体制を整えることも重要です。これには定期的なフィードバックの収集や小テストの実施などが有効です。
さらに問題が発生した場合でも研修をスムーズに進行させるために、代替の研修プログラムや教材もご用意しておくと良いでしょう。これにより、予期せぬトラブルに対する柔軟な対応が可能となります。
以上のような対策を講じることで、万全の体制を整えた研修を実施することが可能となります。それにより、参加者全員が目標を達成するためのサポートを提供することができます。
継続的なフォローアップ計画
継続的なフォローアップ計画は、研修参加者が学んだ知識・スキルを職場で活用し続けるための重要なプロセスです。計画を立てることで、参加者が学んだ内容を実践し、継続的にスキルを向上させることが可能となります。
具体的には、研修後に参加者のパフォーマンスを評価しフィードバックを提供することで、スキルの定着と向上を促します。また参加者のニーズに合わせて追加の教育や研修を提供し、スキルの継続的な向上を支援します。
継続的なフォローアップ計画を実践することで、研修の効果を最大化し組織のパフォーマンス向上に貢献することが期待できます。
成功のためのキーファクター
最後に、成功のためのキーファクターとなるものについて解説します。以下の点が挙げられます。
・ターゲット参加者の明確化
・実施期間と頻度の選定
・効果的なファシリテーターの選定
・フィードバック収集方法
順に見ていきましょう。
ターゲット参加者の明確化
ターゲット参加者の明確化は研修成功の鍵となります。参加者がどのようなスキルや知識を持っているか、またその人たちがどのような研修に最も反応するかを理解することは、研修内容が彼らのニーズに正確に対応できることを保証します。
たとえばエンジニアリングの研修を提供する場合、参加者がプログラミングの初心者なのか、それとも既に一定の経験を持つ中級者なのかを知ることは非常に重要です。このように参加者のスキルレベルや需要を明確に把握することで、より効果的で効率的な研修計画を作成することができます。
実施期間と頻度の選定
実施期間と頻度の選定は、研修の成功に重要な要素です。期間は参加者が新たな知識やスキルを吸収し、それを現場で活用できるだけの時間を設けるべきです。一方で、頻度は研修の目的や参加者の業務時間、学習速度に応じて調整が必要です。
実施期間と頻度は研修の目標達成に大きく寄与するため、慎重な計画が必要です。
効果的なファシリテーターの選定
研修の成果は大いにファシリテーターの選定に依存します。ファシリテーターは、参加者が研修の内容を理解し、自身のスキルに活かせるように導く役割を果たします。そのため、経験豊富でコミュニケーション力の高いファシリテーターを選ぶことは成功に直結します。
一流企業の中には、AppleやGoogleといったように、内部で専門のファシリテーションチームを用意している所もあります。これらの企業は、ファシリテーターの育成にも力を入れており、それが高いパフォーマンスを持続する秘訣の一つとされています。しかし、すべての企業がこれを実現できるわけではありません。その時に役立つのが、外部のプロに依存することです。
研修のファシリテーターを選ぶ際は、その人が過去に何を達成してきたか、どんな評価を受けているかを確認することが重要です。またその人がどのように人々とコミュニケーションを取り、困難を克服するためのアイデアをどのように提供してきたかも確認しましょう。これらの情報をもとに、あなたの会社の研修に最適なファシリテーターを見つけることができます。
フィードバック収集方法
フィードバックの収集は研修の成功を測るために欠かせない要素です。まずフィードバックの形式を定めましょう。アンケート調査や直接のフィードバックセッションなど、手法は様々です。収集する情報には、研修の有効性、参加者の満足度、改善点などが含まれます。
次にフィードバックのタイミングを決めます。研修終了直後だけでなく、数週間後の段階でも意見を聞くことが重要であり、長期的な効果を見極めるためには、3ヶ月後や6ヶ月後など、定期的なフィードバックが必要です。
最後に、収集したフィードバックを分析し、研修内容の改善や再設計に活用します。たとえば年間を通じて従業員からのフィードバックをもとに研修プログラムを改善し続ければ、従業員のスキル向上を実現できるでしょう。
東京ITスクールの研修のご提案
提案書の書き方がわかったら、外注する研修としては東京ITスクールの研修をご提案ください。東京ITスクールの研修は、長年ブラッシュアップをし続けている内容をプロの講師が提供しています。
東京ITスクールはエンジニア向けのIT研修に強みがありますが、ビジネススキルなどの研修も充実しています。貴社が必要としている内容の研修がきっと見つかることでしょう。
研修をお探しでしたら、お気軽にご連絡ください。
関連記事
講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。