研修題目の選び方とは?効果的な研修を計画する方法を解説
公開日:2024年07⽉13⽇最終更新日:2024年07⽉13⽇
研修を定期的に行っている場合、対象が決まっていても現在の課題に合わせた題目をどう決めるか悩むことはないでしょうか。
この記事では、研修の題目について解説します。以下の点を具体的に解説していきます。
・研修の題目は、目的の明確化、受講者のニーズ把握、成長目標の設定などをもとに選ぶ
・効果的な研修デザインには、学習スタイルの考慮、インタラクティブな要素導入、研修のタイムライン設定、評価方法の決定、フィードバック収集方法がポイント
・研修題材の選び方は、業種、業務とのリンク、ロールプレイやシミュレーションなどがポイント
研修の担当者の方は参考にしてみてください。
効果的な研修を計画する題目の選び方
初めに、効果的な研修を計画する題目の選び方についてまとめます。以下の事項がポイントとなります。
・研修の目的を明確にする
・受講者のニーズを把握する
・成長目標を設定する
・キーワードの選定方法
・具体的な題目の事例紹介
順に見ていきましょう。
研修の目的を明確にする
研修の目的を明確にする一歩目は、何を達成したいのかを明確に定義することです。これは、スコープを制限し関連性のあるコンテンツに焦点を合わせるのに役立ちます。
たとえば新人エンジニアのプログラミングスキルを向上させたい場合、研修の重心はプログラミング言語の理解やアルゴリズムの設計方法など、具体的な技術に置かれるべきです。また具体的な目標設定により、受講者が何を学ぶべきか、どのように進歩を測定するかが明確になります。
このステップは効果的な研修計画にとって不可欠であり、適切に行われていないと結果は大いに損なわれます。
受講者のニーズを把握する
受講者のニーズの把握は、研修計画における重要なフェーズです。具体的には、受講者の仕事内容や過去の研修経験、具体的に学びたいスキルなどをアンケートや面談を通じて詳細に把握します。それにより受講者一人ひとりが最大限に研修成果を得られるように計画を進めます。これは、一律の研修よりも効果的で、研修後のパフォーマンス向上に直結します。
成長目標を設定する
成長目標の設定は効果的な研修計画の不可欠な部分です。これは受講者が研修を通じてどのようなスキルや知識を獲得し、どの程度のレベルに達することを目指すかを明確にすることを指します。具体的には、受講者が研修後に何を実現可能とするのか、どの能力を向上させるのか、またその向上度合いは何パーセントなのかなど、明瞭かつ具体的な数値や目標を設定します。
たとえば営業研修であれば、「研修後3か月で営業成績を前年同期比10%上昇させる」といった具体的な成長目標が設定できます。目標設定の際にはSMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、時間限定の)を用いると、より効果的な目標を設定することが可能となります。目標が明確であればあるほど、受講者のモチベーション向上につながり、結果的に良好な研修成果を生むことになります。
キーワードの選定方法
キーワードの選定は、題目を決める際に重要なステップです。適切なキーワードを設定することで、研修の目標と内容を明確にし受講者にとって興味深く有用なものにすることが可能となります。
まず研修の目的に対応する主要なテーマや要素をリストアップします。次にそのテーマや要素に基づいてキーワードを選択します。ここで重要なのは、選ばれたキーワードが受講者の課題や疑問、興味に対応していることです。
具体的なツールとしては、Googleのキーワードプランナーや関連キーワードの検索などがあります。これらを利用しユーザーがどのようなキーワードで検索しているのか、どのキーワードが高い検索ボリュームを持っているのかを調査します。その結果をもとに、研修の題目に関連性の高いキーワードを選定しましょう。
具体的な題目の事例紹介
具体的な研修題目の事例として、たとえば「業界トレンド理解と現場力向上のためのマーケティング経済学」や「データ分析力強化のためのPython入門」などが挙げられます。これらの題目は、それぞれ研修の目的・受講者のニーズ・成長目標を明確に反映しています。前者は業界知識の深化と現場力の強化を目指し、後者はデータ分析スキル習得を目指しています。
またキーワードとしては「マーケティング経済学」「Python」が選ばれ、これらは業界のトレンドを反映しています。適切な題目選定によって、受講者は研修が自身のスキル向上に直結すると認識しモチベーションを維持しやすくなります。
効果的な研修をデザインする
次に、効果的な研修をデザインする事について解説します。以下の側面からまとめます。
・学習スタイルを考慮する
・インタラクティブな要素を取り入れる
・研修のタイムラインを設定する
・評価方法を事前に決定する
・フィードバックの収集方法
1つずつ見ていきましょう。
学習スタイルを考慮する
学習スタイルを考慮することは、効果的な研修設計の重要な要素です。これは受講者が得た知識を最大限に活用するためには、その人の学習スタイルに合わせて研修を設計することが不可欠だからです。
大まかに分けると、視覚型、聴覚型、体感型の3つの学習スタイルがあります。たとえば視覚型の人には図解や映像を多く用いる、聴覚型の人には解説音声やディスカッションを取り入れる、体感型の人には実際に体験する機会を設けるなど、受講者一人ひとりが自分の学習スタイルに合った方法で学べるよう配慮しましょう。
インタラクティブな要素を取り入れる
インタラクティブな要素を取り入れることは、研修の効果を高める重要な手段となります。具体的には、グループディスカッションやワークショップ、ケーススタディなどを活用することで受講者が積極的に参加し自分自身で考える機会を増やすことが可能です。また企業内SNSやチャットツールを活用したリモート研修も注目されています。
こうしたインタラクティブな研修は、受講者同士のコミュニケーションを促進し深い理解を生むきっかけとなります。インタラクティブな要素は研修の成果を大きく左右するため、適切に設計することが求められます。
研修のタイムラインを設定する
研修のタイムラインを設定することは、研修の目標達成をスムーズに進める上で重要なポイントです。具体的には、全体の研修期間や各セッションの長さ、休憩時間などを明確にしそれに沿って各内容を進行させることで効率的な学習が可能になります。
また一部の企業では、研修の中間と終了時にレビューセッションを設け、受講者の理解度を確認しながら修正や改善を行っています。このようなタイムライン設定が、研修の質向上と受講者の満足度を高める一助となります。
評価方法を事前に決定する
研修の評価方法を事前に決定することは、研修が目指す成果を明確にし受講者の理解度や成長を把握するために重要です。評価方法を選定する上で、目標に紐づいた具体的な指標を設定することが必要で、その指標が受講者のスキル向上に寄与しているか確認することが求められます。
評価方法は、一問一答形式のテストや自己評価、他者評価など様々ですが、一方的な講義形式だけでなくケーススタディやグループディスカッションといった対話型の授業にも適用できる柔軟性も求められます。またフィードバックを受けることで改善を図ることが重要なため、研修後には受講者からのフィードバックを取り入れる方法も検討しましょう。
フィードバックの収集方法
フィードバック収集は研修の成果を評価し改善につなげるために重要です。フィードバックは、受講者の直接的な意見や感想を得るためのアンケートやインタビュー、課題やテストの結果、研修後の業務の改善状況など、さまざまな形で収集可能です。またフィードバックを収集する際は匿名性を保つことで受講者が素直な意見を出しやすくします。
フィードバックの収集と活用は、研修の質を継続的に向上させるために必要な取り組みです。
実践的な研修題材の選び方
最後に、実践的な研修題材の選び方について解説します。以下の内容に分けてまとめます。
・業種に応じた題材選び
・実際の業務とリンクさせる方法
・ロールプレイやシミュレーション
・研修資料の作成ポイント
・成果物の見える化
1つずつ見ていきましょう。
業種に応じた題材選び
業種に応じた研修題材の選び方は重要です。全ての業界が同じスキルや知識を必要とするわけではないため、研修内容はその業界の特性や課題に合わせたものでなければなりません。
たとえばIT業界であればプログラミングやセキュリティー知識、製造業であれば生産管理や品質管理、医療業界であれば医学知識やコミュニケーションスキルなどを重視することが考えられます。
具体的な研修題材の選び方としては、まず業種について理解を深め、その上で必要なスキルや知識をリスト化します。そして、それらを基に具体的な研修プログラムをデザインすると良いでしょう。この際、業界の専門家や適切な教材を活用することでより質の高い研修を実現できます。
実際の業務とリンクさせる方法
実際の業務とリンクさせる方法を探る際、まずは研修を受けるメンバーが現在どのような業務を担当しているのか、その詳細を把握することが第一歩となります。特定の業務における課題や改善点を明らかにし、それを解決するためのスキルや知識を研修で取り扱うことが有効です。たとえば営業部門の場合、営業成績を向上させるための対話スキルやプレゼンテーション技術を研修のテーマとするといった具体的なアプローチが考えられます。
また研修内容を具体的な業務シーンに結びつけることで受講者が内容を理解しやすくなります。たとえば実際のクライアントとの会議を想定したロールプレイを取り入れて、受講者が獲得した知識やスキルを具体的な業務シーンでどのように活用できるのかを体験できるようにすると効果的です。
以上のようなアプローチを取ることで受講者は研修と現場業務のつながりを感じ、研修の本質的な意義を理解することが可能となります。それにより研修の動機付けや参加率の向上、さらには研修後の業務におけるパフォーマンス向上に寄与することが見込まれます。
ロールプレイやシミュレーション
ロールプレイやシミュレーションを研修の題材にすることは、実務を想定した実践的な学習を可能にします。これは受講者が直面しうる具体的なシチュエーションを想定し、それに対応するための行動や思考を学べる方法です。
ロールプレイやシミュレーションを活用すれば、理論だけでなく実践的なスキルも研修中に身につけることが可能です。
研修資料の作成ポイント
効果的な研修資料は、受講者が理解しやすく、具体的なアクションにつなげられるものです。ポイントは以下の3つ。
まず受講者の理解度を把握しそれに合わせて内容を構成すること。無理なく理解できるよう、専門用語の説明や図解を活用しましょう。次に研修の目的や目標を明確に示すこと。これにより受講者は何を学び、何を達成すべきかが見える化されます。最後にアクティブラーニングを取り入れることです。
ワークシートやクイズなど、受講者が主体的に学習に参加できる要素を取り入れると、理解度が深まります。
成果物の見える化
成果物の見える化は、研修効果を具体的に示す重要な要素です。たとえば営業研修ならば、ロールプレイ後の営業スクリプトや、新規顧客獲得のアクションプランなどが成果物となります。これらを可視化することで研修参加者自身が自分の成長を実感しやすくなりますし、企業としても研修の成果を確認する手がかりになります。
成果物の見える化は、具体的な改善点や次のアクションを導き出すためのものであり、これによって研修の再現性や持続性も高まります。見える化の手法としては、成果物を共有する場の設け、定期的なレビュー会の実施などが考えられます。
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研修の題目選びは企業の継続的な成長に重要です。また題目が決まったら、それに対して効果的な内容の研修を実施することが求められます。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。