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新人研修で学びたいこととは?社会人として身につけたい内容を解説!

公開日:2024年06⽉14⽇最終更新日:2025年01⽉10⽇

【研修の目標設定】社員が学びたいことをどう把握して反映させるか

新卒・新入社員の研修を企画する際、どのようなことをまず学ばせればよいか、お悩みの担当者の方も多いことでしょう。

 

本記事では、業種を問わず新入社員が研修で学びたいこと、効果的な機会にするためのコツを解説します。新入社員の教育を考える上での参考になれば幸いです。

新人研修で学びたいこととは?

新人研修で学びたいことは、組織内での基本的な業務知識から、個々の成長を支えるスキルまで多岐にわたりますが、ここでは全ての業種に共通して学びたい内容について解説します。

 

 

 

会社の理念や文化:オリエンテーションの例

新人にとって、自分たちの所属する会社の理念やミッションを正しく理解することは、非常に大切なステップです。組織の一員としての自覚を深め、他の社員とのコミュニケーションを円滑にするためにも、オリエンテーションの機会を設けてしっかりと伝えましょう。

 

以下は、新入社員研修のオリエンテーションで一般的に含まれる内容を表形式でまとめた例です。

 

カテゴリ

内容

目的

会社概要

会社の歴史、沿革
事業内容、主要製品・サービス
経営理念・ミッション

会社理解を深め、共通の価値観を持つ

組織体制

組織図の説明
部門や役職の役割
社内コミュニケーションツールの使用方法

組織の全体像と自分の役割を理解する

就業規則

労働時間、休暇、給与体系
福利厚生
社内規定とポリシー

働く上でのルールを理解し、安心して業務に取り組む

職場環境案内

オフィスツアー(設備や休憩スペースなどの紹介)
防災設備と避難経路の説明

職場での快適な環境作りと安全性の確保

業務に必要な準備

パソコン、メールアカウントの設定
社内システムやツールの使用説明

実務を円滑に開始できる状態にする

仕事の進め方

業務の流れと初期タスクの説明
報連相(報告・連絡・相談)の重要性と具体的な実践例

スムーズな業務スタートと効果的なコミュニケーション

企業文化の理解

社内イベントや交流の機会の説明
社内で大切にしている価値観や行動指針

チームの一員としての一体感を醸成する

研修計画の共有

新入社員研修の全体スケジュール
目標設定と期待される成果

長期的な成長を支援する計画を明確にする

自己紹介と交流

新入社員の自己紹介
先輩社員や同僚との交流の機会

チームメンバーとの信頼関係を構築しやすくする

Q&Aセッション

疑問や不安を解消する時間の設置

安心感を与え、積極的な参加を促す

 

このような機会があることで、新入社員が会社のミッションを「自分ごと」ととらえやすくなります。モチベーションにも影響する部分なので、しっかりと実施できるとよいですね。

 

 

社会人としての基本的なビジネスマナー

社会人としての基本的なビジネスマナーを身につけることは、新人研修において最も重要な要素の一つです。これらのマナーは、職場での人間関係を円滑にし、信頼されるビジネスパーソンとしての基盤を築くために欠かせません。

 

まず、挨拶や電話応対、メールの書き方といった基本的なコミュニケーションスキルを習得することが求められます。日常の業務においてこれらは頻繁に行われるため、早期に正確な方法を学んでおくことが大切です。

 

また、適切な服装や身だしなみの整え方も重要です。ビジネスシーンにおいては、第一印象が非常に大切であり、相手にプロフェッショナルな印象を与えるためには、TPOに応じた服装選びが求められます。

 

さらに、上司や同僚とのコミュニケーションにおける敬語の使い方や、会議やプレゼンテーションの場での振る舞い方にも注意が必要です。これらのスキルは、社会人としての信頼性や評価に大きく影響します。

 

タイムマネジメントや報・連・相(報告・連絡・相談)といった、業務を円滑に進めるためのスキルも重要です。特に、新人は慣れない業務に適応していく必要があるため、効率的に時間を管理し、上司やチームメンバーと適切なコミュニケーションを取れる力が求められます。

 

こうしたビジネスマナーをしっかりと身につけることで、職場での信頼度を高め、より良い人間関係を築くことができるでしょう。

 

 

業務に直結する知識や技術

新人研修において最も重要なポイントの一つは、業務に直結する知識や技術の習得です。

 

研修を通して、新入社員が配属後速やかに業務に貢献できる準備を整えていきます。具体的には、会社の業務フローや使用するソフトウェアの操作方法、業界特有の専門知識などが含まれます。

 

例えば、IT企業であればプログラミング言語やプロジェクト管理ツールの基本操作、製造業であれば製品の品質管理手法や設備の安全操作などが該当します。

 

研修では座学だけでなく、実践的な演習やシミュレーションを通じて、理論と実務の橋渡しを行うことが重要です。これにより、新人は実際の業務において直面する可能性のある課題を事前に経験し、スムーズな業務遂行が期待できます。

 

新入社員研修では、ほとんどが未経験者であるため、無理のないペースで学んでいけるよう配慮することが大切です。身につけたい内容が多く、自社でカリキュラムを組むことが困難な場合は、外部の研修期間に委託することも一案です。

 

 

 

 

 

 

研修で学びたいことの優先順位付け

次に、学びたいことを把握したら優先順位を付けていきます。以下の側面から解説します。

 

・緊急性と重要性の評価

・部署ごとのニーズ分析

・個人目標との整合性

・組織全体の成長目標との一致

 

順に見ていきましょう。

 

 

 

緊急性と重要性の評価

緊急性と重要性の評価は、学びたい内容の優先順位付けに欠かせないステップです。一見、すべてを同時に学びたくなるかもしれませんが、限られた時間と資源を考えると全てに手を出すことは困難です。

 

ここでいう緊急性とは、学びたい内容が業務遂行にどれだけ必要とされているか、また早急に学ぶべきかを意味します。一方、重要性はその知識が社員個人のスキルアップや、企業の成長にどれだけ寄与するかを評価します。

 

この二つの要素を評価し優先順位をつけることで、効率的かつ効果的な研修プログラムを作成することが可能となります。

 

 

 

部署ごとのニーズ分析

部署ごとのニーズ分析は、各部署が直面する課題や目標を明確にしそれに合わせた学習内容を提供するための重要なステップです。

 

各部署のマネージャーとの協議を通じて、特定のスキル向上が求められるか、新たな技術の対応が必要かなど、部署特有のニーズを把握します。たとえばマーケティング部門ではデータ分析力の強化が求められるかもしれませんし開発部門では新しいプログラミング言語の習得が必要かもしれません。

 

このように部署ごとのニーズを深堀りすることで社員一人ひとりが抱える学習ニーズと、組織全体の目標とを最適にマッチさせることが可能となります。

 

 

 

個人目標との整合性

個人目標と学びたいことの整合性は、社員が働きやすい環境を作り、モチベーションを維持するために大切な要素です。社員が自身のキャリアパスを見据え、必要なスキルや知識を得ることができる研修を提供することで仕事への熱意や職場での満足度が向上します。

 

研修内容は社員の個々の目標に準じたものにすべきで、業績だけでなく個人の成長を重視した人材育成が求められます。

 

 

 

組織全体の成長目標との一致

組織全体の成長目標と社員の学習ニーズを一致させる取り組みは、全体としての生産性向上に寄与します。

 

具体的には、たとえば企業が新市場への参入を目指している場合、その業界に関する知識や技術の研修ニーズが高まるでしょう。一方、組織がAIやデータ分析力の向上を目指す場合、これらの分野に関する研修が必要となります。またスタートアップ企業では、新規事業開発やマーケティング力強化のための研修が重要となります。

 

これらの組織全体の目標とそれに関連する研修ニーズを明確にし社員一人一人の学習ニーズとリンクさせることで業績向上につながる人材育成が可能になるのです。

 

 

 

 

研修プログラムへの反映方法

最後に、研修プログラムへの反映方法について解説します。以下の方法があります。

 

・カスタマイズ研修の作成

eラーニングの活用

・外部講師の招致

・実践的なプロジェクト学習

・フィードバックの定期収集

 

1つずつ見ていきましょう。

 

 

 

カスタマイズ研修の作成

カスタマイズ研修の作成は、社員一人ひとりの学習ニーズに対応した研修プログラムを作成する方法の一つです。これにより社員の個々の能力やスキルのレベル、業務の特性、さらにはキャリアの展望に合わせた学習が可能となります。

 

具体的には、社内のエキスパートによる教育や業務指導、外部の専門家を招いてのセミナーや、仕事に直結したプロジェクトを通じた実践的な学習などが含まれます。

 

カスタマイズ研修の作成は、ターゲットとなる社員の学習ニーズを正確に理解し一人ひとりに合った内容を設計することが必要です。そのためには、事前のヒアリングやアンケートを活用してニーズを把握しそれを反映したプログラムを設計することが重要です。また研修の効果を確認し必要な改善を行うためにも、研修後のフォローアップやフィードバックの収集も欠かせません。

 

 

 

eラーニングの活用

eラーニングの活用は研修プログラムにおいて重要な要素になります。これは、社員が自由な時間に学び、自分のペースで理解を深めることができるからです。また進行度の確認や復習も容易で、一人ひとりの理解度に応じた適切なフィードバックが可能です。

 

これらの理由から、eラーニングの活用は企業の研修効果を向上させる有効な手段と言えます。

 

 

 

外部の研修講師の招致

外部講師の招致は、特化した知識やスキル、視点を取り入れることができる優れた方法です。業界の専門家や第一線で活躍している実務者を招くことで社員の学びに幅と深みを与えることが可能になります。

 

ただし外部講師を効果的に活用するためには、社員の既存のスキルレベルや学習ニーズを踏まえた上で、適切な講師を選定する必要があります。

 

 

 

実践的なプロジェクト学習

実践的なプロジェクト学習を研修プログラムに組み込むことで社員は自身の学びを直接職場での成果につなげることができます。たとえば社員が自身のアイデアを具現化するためのリソースを提供する方法があります。社員は新規プロジェクトを立ち上げ、自立学習を進め、その結果を組織全体で共有することで、自分自身のスキル向上だけでなく組織の成長にも寄与します。

 

こうした取り組みは、社員のモチベーションを高めるとともに、新たな知識やスキルの習得を促進します。また企業としても社員の具体的な成果を目の当たりにすることで、研修の効果を具体的に把握することができます。

 

 

 

定期的なアンケートやヒアリング、研修のフィードバック

より効果的な研修プログラムのためには、定期的なアンケートやヒアリング、そして研修のフィードバックが不可欠です。まず、アンケートは参加者の匿名性を保ちながら、研修の内容や講師の質、資料の充実度について率直な意見を集められるようにしましょう。

 

参加者が実際にどのように感じているのか、何が効果的で何が改善の余地があるのかを把握することができます。

 

ヒアリングはアンケートでは掴みきれない個別の意見を深く掘り下げるための手法です。特に、研修後のフォローアップとして、参加者がどのように学びを実践に活かしているのか、またどの部分で困難を感じているのかを直接聞く場として有用です。

 

さらに、研修のフィードバックは、講師やプログラムの企画者にとっても貴重な情報源となります。フィードバックの結果を基に、次回の研修内容を調整し、より効果的なプログラムを提供することができます。

 

また、フィードバックのプロセスを通じて、参加者が研修の改善に貢献しているという意識を持つことができ、組織全体の研修に対するエンゲージメントを高める効果も期待できます。

 

これらのプロセスを継続的に実施することが、研修の質を向上させる上で非常に効果的です。

 

 

 

 

学びたいことを明確にして、効果的な研修を 

 

いかがでしたか?研修を効果的にするためには、まず研修で学びたいことを明確にすることが重要です。従業員一人ひとりのスキルセットやキャリア目標を理解し、それに基づいた研修内容を設計していきましょう。

 

また、育成を研修だけで考えず、中長期的な目線でフォローしていくことも大切です。組織全体の戦略や目標に沿ったスキルアップができるよう、フィードバックを通して研修内容を定期的に見直していきましょう。適切な評価と改善を繰り返していくことで、ノウハウも蓄積され、よりよい研修が可能になります。

 

自社で1から企画することが困難な場合は、外部の研修企業を活用するとよいでしょう。豊富なノウハウがあり、カリキュラムも柔軟にカスタマイズが可能です。 

 

 

 

 

 

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 東京ITスクール 鈴原 
 講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
 企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
 特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
 趣味は筋トレと映画鑑賞。

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