Z世代が対象となる研修のポイントは?次世代を担う若者の心を掴む
公開日:2024年04⽉25⽇最終更新日:2024年04⽉25⽇
若い世代には名前を付けられるのが常ですが、今から今後しばらくの間新入社員となる世代はZ世代と呼ばれています。世代の価値観や特徴を理解することは、企業にとってもマーケティングや人材育成において非常に重要です。
この記事では、人材育成の面からZ世代について解説します。
研修担当者の方、リーダー職にある方はぜひ参考にしてみてください。
Z世代とは
まずZ世代とはどのような世代なのか見ていきます。以下の側面から解説します。
・Z世代の特徴
・Z世代の価値観の理解
・社会への期待とビジョン
1つずつ見ていきましょう。
Z世代の特徴
Z世代の特徴を理解することは、彼らに対する効果的な研修プログラムの設計に不可欠です。Z世代は1997年から2012年までの間に生まれた世代を指し、彼らはデジタルネイティブと呼ばれることが多いです。この世代の人々は、生まれつきデジタル技術に囲まれ、それを自然に活用しています。彼らは情報やコミュニケーションを迅速に取得し、共有する能力を持っています。そのため、短時間での高度な学習や自己学習が可能です。
またZ世代は多様性を尊重し、個々のアイデンティティと自己表現を重視します。彼らは、自分自身の信念と一致する価値を持つ企業やブランドに対して強いロイヤルティを持つ傾向があります。さらに彼らは社会的な問題に深い関心を持ち、積極的にその解決に取り組むことを期待されています。
Z世代の価値観の理解
Z世代の価値観を理解することは、彼らに対する効果的な研修プログラム作りの基礎となります。Z世代は情報技術の進化と共に育ってきた世代で、インターネットとデジタルデバイスが自然な生活の一部として認識されています。
また彼らは自己表現と個性の尊重、公平性と平等性、イノベーションへのオープンな態度を重視します。これらの価値観を理解し、それに基づいた学習環境を提供することでZ世代の学習意欲と関与度を高めることが可能です。
社会への期待とビジョン
Z世代が社会に対して持つ期待とビジョンは、従来の世代とは異なる唯一無二のものです。彼らはテクノロジーに育てられ、情報に対するアクセスが手軽であり、自己愛が強いとされています。そのためZ世代は社会がより透明性を持ち、個々の行動によって成り立つコミュニティ志向のものであることを期待しています。
またテクノロジーを最大限利用して個々の能力を発揮し、社会に積極的に影響を与えることを夢見ています。多様性を尊重し、環境に配慮した持続可能な社会の実現に向けて行動することも、Z世代の重要なビジョンの一つです。
Z世代対象の研修プログラムの設計
Z世代対象の研修プログラムの設計についてまとめます。ポイントとしては以下の点が挙げられます。
・Z世代に適した学習スタイル
・カスタマイズ可能なプログラム
・相互作用を重視した学習方法
順に見ていきましょう。
Z世代に適した学習スタイル
Z世代に適した学習スタイルは、主に自己主導型、相互作用、クリエイティブな学習方法です。
自己主導型学習は、Z世代が自分の学習をコントロールし非常に自立した学習者となることを奨励します。
次に相互作用学習は、Z世代が他人と協力して学ぶことを重視します。ソーシャルメディアが彼らの日常生活の一部であるため、学習プロセスにおいてもコミュニケーションと協力を重視します。
最後にクリエイティブな学習方法は、Z世代が新たなアイデアを生み出し、解決策を模索することを促します。
これらの学習スタイルは、Z世代が自己表現、協力、創造性を通じて個々の学習目標を達成するのに役立ちます。
カスタマイズ可能なプログラム
Z世代に対応したカスタマイズ可能なプログラムとは、一人ひとりの学習スタイルや興味、強みを考慮しながら、必要なスキルや知識を身につけられるよう設計された研修です。これによりZ世代は自分自身に合った形で学び、自己効力感を向上させることが可能です。
Z世代は多様性と自己表現を価値観として重視しており、カスタマイズ可能なプログラムはそのニーズにしっかりと応えるものです。
相互作用を重視した学習方法
相互作用を重視した学習方法とは、生徒同士、または生徒と教師との間におけるコミュニケーションを活発にすることにより深い学びを促進するアプローチです。Z世代はデジタルネイティブとして評価される一方で、人間関係のスキルやコミュニケーション能力の向上にも熱心です。
現場視察型のインターンシップは、その好例です。インターン生は実際のプロジェクトに参加し、専門家と一緒に問題を解決することで相互作用を通じた実践的な学習を経験します。これは、Z世代が単なる情報伝達型の学習ではなく、相互作用による学習を求めている傾向を反映しています。そのため研修プログラムの設計では、情報をただ受け取るだけでなく、活発に議論したり、問題解決に取り組む機会を作る事が重要です。
実践的スキルの重視
次に実践的スキルの重視についてまとめます。以下の点が挙げられます。
・プロジェクトベースの学習
・チームワークとコラボレーション
・デジタルスキルの向上
1つずつ見ていきましょう。
プロジェクトベースの学習
プロジェクトベースの学習は、Z世代の学習スタイルに非常にフィットする方法と言えます。実際の業務を模したプロジェクトを通して、知識を身につけ、スキルを磨くことが可能です。
いくつかの企業では、新入社員研修としてプロジェクトベースの学習を採用しています。具体的な課題を解決するために、自ら情報を集め、問題を分析し、解決策を考え出す。その過程で自然とコミュニケーションスキルや問題解決力、ファシリテーション能力など、現代社会で求められるスキルが身につきます。またチームで取り組むことで協調性も養われ、自己肯定感も高まることが期待できます。
このように実務的な視点からスキルや知識を修得できるため、プロジェクトベースの学習はZ世代のキャリア形成に対する意欲を高める大きな要素となるでしょう。
チームワークとコラボレーション
Z世代は独特の学習スタイル、価値観や期待を持ち、その点を理解した上で、チームワークとコラボレーションを促進するための研修を実施することが重要です。彼らは独自性を尊重し多様性を重視します。そのため、チーム内で異なる意見や視点が尊重される環境を提供することが重要です。
またZ世代はデジタルネイティブで、テクノロジーを活用してコラボレーションを進める能力があります。そのためオンライン上での共同作業や情報共有がスムーズに行える環境を整備することも効果的です。
具体的な研修プログラムとしては、グループワークやチームビルディングのアクティビティを取り入れることが効果的です。
これらの取り組みを通じて、Z世代は自身の強みを活かしながら、他者と協力して目標を達成する経験を積むことが可能です。これは彼らのキャリア形成と成長に大いに寄与することでしょう。
デジタルスキルの向上
デジタルスキルの向上は、Z世代にとって不可欠な要素です。彼らはデジタルネイティブとして育ち、スマートフォンやソーシャルメディアを日常的に活用しています。しかしそれは利用者としての経験であって、ビジネスや職場で必要とされるデジタルスキルとは異なります。コーディングやデータ分析、クラウド技術など、専門的な技術を学ぶ機会を提供することが求められます。
またソフトウェアの美学、倫理、コミュニケーションの理解も重要です。このような取り組みはZ世代がデジタルスキルを身につけ、将来的なキャリアパスに役立てるためには必要不可欠です。
キャリア形成を見据えた支援
次にキャリア形成を見据えた支援について解説します。以下の点が挙げられます。
・個々のキャリアパス設計
・メンタリングとキャリア相談
順に見ていきましょう。
個々のキャリアパス設計
Z世代のキャリアパスの設計は、一人ひとりが個々の目標に向かって進行できるように個性やスキルセットに合わせてカスタマイズされる必要があります。キャリアパスはもはや一方向のステップアップだけではなく、横断的なスキル習得や多様な役職での経験など、多角的な視野を持つことが求められます。
特にZ世代は、自己表現や自己実現に重点を置き、自身のパッションに従ってキャリアを進めたいと考えています。一般的なキャリアマップを提示するだけでなく、それぞれの職員の個々の能力や目指す目標を理解し、それに応じたフレキシブルなキャリアプランを提案することが重要です。これにより、Z世代の従業員は、自身のキャリアが組織のビジョンとどのように連携し、その成長がどのように自身の成功につながるかを具体的に理解することができます。
メンタリングとキャリア相談
メンタリングとキャリア相談はZ世代のキャリア形成を支援するために必要不可欠です。メンタリングは経験豊富な職場の先輩が、職業生活の中で遭遇する困難を解決したり、新しいスキルを習得したりするための支援を提供します。
一方キャリア相談は、個々のキャリア目標を設定し、その目標を達成するための戦略を立てるためのサポートを提供します。これらのサービスは、Z世代が自分自身のキャリアパスを確立し自分の能力を最大限に活用できるようにする役割を果たします。
若者が求める研修内容とは
最後に、若者が求める研修内容とはどのようなものかまとめます。以下の点から考察します。
・新しい技術への学習
・アイデンティティの形成支援
・社会への積極的貢献
・自己実現のためのスキルアップ
1つずつ解説していきます。
新しい技術への学習
Z世代が企業研修の中で特に重視するのが新しい技術への学習です。彼らはテクノロジーに囲まれて育ち、それを活用する能力が既に身についています。新しい技術の学習は、彼らの自然なスキルを更に強化し、新しいツールとプラットフォームを習得することで現代のビジネス環境でより効果的に機能することができます。
アイデンティティの形成支援
Z世代にとって自己のアイデンティティを理解し、一貫性のある価値観を形成することは非常に重要です。自分自身を理解し、自己の才能や強みを活かす能力はキャリア形成において不可欠な要素と言えます。
そのための支援として、自己理解を深めるワークショップや、自己認識を高めるためのカウンセリング、さらにはパーソナリティや能力を測定する心理テストの提供などが考えられます。これらを通じ、Z世代自身が自分の個性や特性、価値観を理解し、それを基にキャリアを設計する力を身につけることが可能となります。
社会への積極的貢献
Z世代は、社会的な問題に対して強い関心を持ち、それを解決するためのアクションを取る傾向があります。企業は、この価値観を理解し、研修プログラムに取り入れることが重要です。
たとえばCSR活動参加の機会を提供したり、社会課題をテーマにしたプロジェクトを設定するなど、社会貢献につながる活動を通じて学ぶことでZ世代の社会への関心を育て、その結果企業と社会の双方に価値をもたらします。これにより、彼らのモチベーションも高まり、より積極的に研修に参加するでしょう。
自己実現のためのスキルアップ
Z世代が求める自己実現のためのスキルアップは、自己理解とユニークな個性の発揮に焦点を当てたものが求められます。Z世代は自分たちの思考や価値観を大切にし、それが仕事や生活にどのように反映されるかを理解したいのです。その一環として、自己肯定感を高めるためのメンタルスキルのトレーニングや、自分の特性を理解し活かすためのパーソナリティ開発研修が重視されます。
また自分のアイデアやビジョンを現実のものにするための具体的なスキル、例えばプロジェクト管理やリーダーシップなども重要です。これらの研修を通じて、Z世代は自己実現を達成し持続的なモチベーションを維持することができます。各企業は、Z世代のニーズを満たすような、このような研修内容の提供に注力することが求められます。
創造性とイノベーション
Z世代の中には、自分自身のアイデアや考えを形にする創造性と、それを活用して新しい価値を生み出すイノベーションを重視する傾向が見られます。これは、彼らが情報化社会で生活し新しい技術やアイデアに触れる機会が豊富なためです。そのため研修においても、実際に手を動かして思考を形にする機会を提供することや、新たな問題解決のアプローチを学ぶことが求められます。
こうした要求に対応するため、最新のテクノロジーを教材に取り入れる企業も増えています。たとえばアドビシステムズは創造力を引き出すためのツールとして、同社のソフトウェアを活用した研修プログラムを提供しています。
グローバルコンピテンシー
Z世代がグローバルに活躍するために欠かせない能力は、グローバルコンピテンシーです。これは異なる文化や価値観を理解し、尊重し、効果的にコミュニケートできる能力を指します。そして、それは単に外国語を話す能力だけでなく、多様性を理解し、共感し、異なる視点から問題解決を行う力も含まれます。
たとえば多文化研修やダイバーシティ&インクルージョンの強化に力を入れることにより、社員が異なる背景を持つ人々と共に働くためのスキルを磨くことができます。このような取り組みは、Z世代が求めるところであり、そのニーズを満たす企業が成功を収めるでしょう。
Z世代にも東京ITスクールの研修を
Z世代が対象となってきた新人研修には、東京ITスクールの研修をご活用ください。若者が求める研修内容として最後にまとめたうち、「新しい技術への学習」「自己実現のためのスキルアップ」はまさに東京ITスクールが得意とするところです。
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そのほか、HTMLやCSS、Javaの基礎を学ぶ講座、Slack、Googleスプレッドシートなどのツールを使いこなすための講座、ビジネススキルとしてPDCAやタスク整理術など、書ききれないほどのZ世代の新人向け講座をご用意しています。
効果的な研修をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。