スプレッドシートとは?業務に必須の機能や効率的に学べる講座を紹介!
公開日:2024年04⽉04⽇最終更新日:2024年10⽉31⽇
広く使われている表計算ソフトにExcelがあります。しかし、最近ビジネスで活用されることが増えてきているのがGoogleスプレッドシート(以下スプレッドシート)です。
スプレッドシートとは、Excelとよく似た機能を持つツールですが、異なる部分もあります。
Excelとスプレッドシートの違いを知ったうえで、適宜使い分けるとよいでしょう。
この記事では、
・スプレッドシートとは何か
・便利な使い方
・スプレッドシートでしか使えない関数
について紹介します。スプレッドシートを使いこなしたい方は参考にしてみてください。
スプレッドシートとは?
スプレッドシートとは、Googleがオンラインで提供している表計算ソフトです。
ネットにつながっていれば誰でも利用でき、オンラインでリアルタイムに編集できるという特徴があります。
使い勝手はMicrosoftのExcelとそこまで大きく変わらないため、Excelの基本操作をマスターしている人なら、難なく使いこなすことができるでしょう。
スプレッドシートとExcelの違い
スプレッドシートとExcelには、次のような違いがあります。
・作成したデータを簡単にWeb上に公開できる
・自動で上書き保存されるため毎回保存ボタンを押す必要がない
スプレッドシートは、Web上で動作するWebアプリケーションのひとつです。そのため、URLを共有するだけで、同時に複数人で編集することができます。
処理速度はExcelの方が速いといわれていますが、単純な関数や大きくないデータを扱う分にはそこまで差はありません。
スプレッドシートでできること
ここからは、スプレッドシートでできることを解説します。
スプレッドシートは表計算に特化したWebアプリケーションです。そのため、表計算ソフトのExcelと同じようなことができます。
・表の作成
・グラフの作成
・関数を使った表計算
このほか、複数人での同時編集やExcelファイルの読み込み、PDFファイルへの書き出しなども可能です。
スプレッドシートの各セルにはコメントが入れられるので、それを使えば修正のコミュニケーションもスムーズに行えます。
スプレッドシートを利用するメリット
ここからは、スプレッドシートを利用するメリットを解説します。
ネットに接続できれば無料で使える
Excelを使う場合、Microsoft社からソフトを購入しなければなりません。多くの場合、WordやPowerPointといった他のソフトも同じパッケージに含まれているため、導入するにはそれなりにコストがかかります。
しかし、スプレッドシートはGoogleアカウントを持っていて、ネットに接続できれば誰でも無料で使えます。
できるだけコストを抑えながらExcelのような表計算ソフトを導入したい人にとって、有力な選択肢となるでしょう。
ひとつのファイルを複数人で同時に編集できる
スプレッドシートはWeb上で動作するアプリケーションなので、ひとつのファイルに同時に複数人でアクセスして編集することが可能です。
Excelファイルの場合は複数人で同時に編集することができないため、他の人がファイルを編集し終わるまで待っていなければなりません。
スプレッドシートではそういった時間のロスが生じないため、よりスムーズに業務が行なえます。
セルにコメントをつければ、リアルタイムで修正箇所がわかる・修正できるため、より効率的です。
他のGoogleツールと連携できる
Googleはスプレッドシートのほかにも、GoogleドキュメントやKeepなどさまざまなWebアプリケーションを提供しています。スプレッドシートをこれらのアプリケーションと連携させれば、さらに活用できる業務の幅が広がるでしょう。
特にGoogleフォームでアンケートをとったり、Googleアナリティクスを使っている人は、自動でデータを表にまとめられたり、レポートが作れたりするので便利です。
ネット上で簡単にファイルが共有できる
ネットに接続して使用するスプレッドシートは、ファイルの共有が簡単にできるのもポイントです。
「共有」ボタンから共有用のURLを発行し、それを相手に伝えるだけで簡単に共有できます。
閲覧のみ・編集も可・コメントのみ可など閲覧権限も定められるのも、スプレッドシートの利点です。
スマートフォンやタブレットでも利用できる
スプレッドシートには、スマートフォンやタブレット用のアプリもあります。同じGoogleアカウントでログインすれば、パソコンで使用・編集していたファイルをそのまま利用することが可能です。
データが大きくなるとスマートフォンやタブレットでは編集が難しくなりますが、データを確認するだけ・簡単な編集を行うだけなら十分可能なので、ツールや場所を選ばずに業務が行えるでしょう。
スプレッドシートのデメリット
では、スプレッドシートにデメリットはないのでしょうか?
一見万能に見えるスプレッドシートですが、ネットにつながっていないと使用できないため、接続環境が不安定だったり、そもそもネット回線がダウンしていたりすると使用できないというデメリットがあります。
スプレッドシートは基本的に自動で変更点が保存されますが、接続が不安定だと保存がうまくできず、入力したデータが消えてしまうこともゼロではありません。
特にデータが大きくなったり、大人数で同時に編集したりすると接続が不安定になるため、定期的に古いデータを削除し、同時にアクセスできる人数を決めるなど工夫して対処しましょう。
スプレッドシートの使い方
スプレッドシートは、Excelと同じ感覚で使えます。普段からExcelを使い慣れている人なら、問題なく使いこなせるでしょう。
スプレッドシートはExcelファイルを読み込んで編集することもできるので、これまでExcelで扱っていたデータをスプレッドシートに移すのも簡単です。
Excelファイルをスプレッドシートで扱う場合は、GoogleドライブにExcelファイルをアップロードして使用します。ファイルを右クリックして「アプリで開く」から「Googleスプレッドシート」を選択するだけです。
また、スプレッドシートはExcelのほかPDFやOpenDocument、Webページなどに変換してダウンロードできます。
こちらは「ファイル」の「ダウンロード」をクリックし、任意の形式を選べばOKです。
スプレッドシートにしかない覚えておくと便利な関数
ここからは、スプレッドシートにしかない便利な関数を紹介します。
合計を求める「SUM関数」や、条件に合致する値を返す「IF関数」などはスプレッドシート・Excel両方で使えます。
しかし、以下に紹介する関数はスプレッドシートでしか使えません。非常に便利な関数ばかりなので、ぜひ覚えておきましょう。
SORT
SORD関数は、選択範囲のデータを昇順または降順に並び替える関数です。
=SORT(データ範囲, 並べ替える列, 昇順または降順)
の形で記述します。昇順で並び替える場合は「TRUE」、降順で並び替える場合は「FALSE」です。
以下のデータを、列Aを基準に昇順に並び替える場合は次のように記述します。
列A | 列B |
あ | 3 |
お | 4 |
え | 1 |
い | 5 |
う | 2 |
=SORT(A2:B6,1,TRUE)
列A | 列B |
あ | 3 |
い | 5 |
う | 2 |
え | 1 |
お | 4 |
データを見やすく整えたいときに便利な関数です。
SPLIT
SPLITは文字列を複数のセルに分割する関数です。
=SPLIT(テキスト, “区切り文字”)
の形で記述します。
「東京都 千代田区 丸の内 1-1」を複数のセルに分割する際のSPLIT関数は次のとおりです。
=SPLIT(“東京都 千代田区 丸の内 1-1″,” ”)
すると、自動的に次のようにセルに分割されます。
東京都 | 千代田区 | 丸の内 | 1-1 |
IMPORTRANGE
IMPORTRANGEは別のシートのデータを参照する関数です。リアルタイムで元のデータを反映させるため、複数のファイルを変更する手間が省けるほか、データの入力間違いも防げます。
IMPORTRANGE関数は次のように記述します。
=IMPORTRANGE(“スプレッドシートキー”,”範囲指定した文字列”)
スプレッドシートキーとは、参照するスプレッドシートのURLに含まれるもので「spreadsheets/d/」と「/edit#gid=0」の間に記述されているランダムな英数字です。
範囲指定した文字列は「”シート名!セルの範囲”」で指定します。
具体的には、
=IMPORTRANGE(“***”,”シート1!A1:H20)
のような形で記述します。
QUERY
QUERY(クエリ)は、別のシートにある情報を他のシートに表示させるための関数です。コピー&ペーストの手間が省けるだけでなく、自動でデータが更新されるため入力ミスも防げます。
QUERYは、ひとつのセルに入力するだけでシート全体に反映することも可能です。
基本的に
=QUERY(データ範囲,表示するデータの条件,[見出し])
の形で記述されます。
QUERY関数では、主に4つのQUERY言語で表示するデータの条件を指定します。
・SELECT:選択した範囲の中で特定の列だけ表示させる
・WHERE:選択した範囲の中で条件に合致した行だけ表示させる
・ORDER BY:選択した範囲の中のデータを並べ替える
・GROUP BY:任意のデータを指定した方法で集計する
たとえば、「選択した範囲(A1:H20)の列Dと列Hだけ表示させる」場合のQUERY関数は次のとおりです。
=QUERY(A1:H20,”select D,H”)
同様に「選択した範囲の中で、条件に合致するデータだけを表示させる」場合のQUERY関数はWHEREを使って記述します。
=QUERY(A1:H20,”WHERE A1:A20=100″)
以上のように記述するとA1:H20のなかで、A1:A20の値が100のものだけを表示することが可能です。
ARRAYFORMULA
ARRAYFORMULAは配列数式から返された値を複数行・複数列で表示するための関数です。
たとえば、スプレッドシートのデータをもとに「テストの点数が80点以上の場合は合格、以下の場合は不合格」と表示させるとします。
数件であればIF関数を使用しても構いませんが、数百、数千件のデータを処理するのに、セルひとつひとつにIF関数を記述するのは手間です。
しかしARRAYFORMULAを使用すれば、1ヶ所のセルに一度記述するだけでスプレッドシート全体に関数を適用することができます。
ARRAYFORMULAの記述は次のとおりです。
=ARRAYFORMULA(配列数式)
※配列数式:複数のセルを対象に、ひとつの数式で処理をする式
「テストの点数が80点以上の場合は合格、以下の場合は不合格」と表示させるためには、次のように記述します。
=ARRAYFORMULA(IF(A1>=80,”合格”,”不合格”))
IMPORTXML
IMPORTXMLは、Webページ上のデータをスプレッドシートにする関数です。
基本的に次の形で記述されます。
=IMPORTXML(“URL”,”Xpathクエリ”)
Xpathクエリとは、Web上のどのデータを取得するかを指定するもので、Google Chromeのデベロッパーツールから取得できます。
デベロッパーツールのElementsタブには、そのページのHTMLコードが書かれています。Webページから取得したいデータにカーソルを合わせると、該当する部分のコードがハイライトされるので、その部分をコピーしましょう。
ペーストしたら、Xpath部分の「”(ダブルクォーテーション)」は「’(シングルクォーテーション)」に書き換えてください。
スプレッドシートの使い方を学ぶには
使いこなせるととても便利なスプレッドシートですが、これまで表計算ソフトを使ったことがない人は少し難しそうに感じるかもしれません。
スプレッドシートの使い方を学ぶなら、次の方法がおすすめです。
書籍やWebで学ぶ
できるだけコストをかけずに学びたいなら、書籍やWebで学ぶのがよいでしょう。最近は、初心者向けにわかりやすく書かれたテキストや、無料の学習サイト・レクチャー動画なども広く公開されています。
自分のペースで学べるというメリットがある一方、人によっては挫折してしまうことがあるのがネックです。
スクールや研修で学ぶ
早く、確実にスプレッドシートのスキルを身につけたいなら、スクールや研修で学ぶのがおすすめです。
書籍やWebで学ぶのに比べて費用は掛かりますが、プロの講師によるレクチャーが受けられるので確実にスキルが身につきます。
最近はオンラインで学べる講座も開催されているので、自分が学びやすいスタイルで学べるのも魅力です。
スプレッドシートの使い方が学べるおすすめの講座
「1日も早くスプレッドシートを使いこなせるようになりたい!」という方におすすめなのが、東京ITスクールの『速習!「Googleスプレッドシート」習得講座』です。
こちらの講座では、スプレッドシートを使ったことがない方を対象に、スプレッドシートの基礎をわかりやすくレクチャーいたします。
基本操作や関数なども学んでいただける人気の講座です。ぜひこの機会に受講をご検討ください。
スプレッドシートの使い方をマスターして業務効率化を実現しよう!
業務で表計算ソフトを使ったことがある人は多いと思いますが、スプレッドシートと聞くとなんとなく「Excelとは違うもの」「使いこなせそうにない」と感じているのではないでしょうか。
スプレッドシートには、Excelにはないさまざまなメリットがあり、使いこなせるようになれば業務効率が大幅に向上します。ぜひこの機会に、スプレッドシートのスキルを身につけてみませんか?
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。