【研修のスケジュール】効果を高める作り方・ポイント総まとめ
公開日:2024年03⽉19⽇最終更新日:2024年03⽉19⽇
研修を成功に導く要素の1つにスケジュール設定があります。内容の量や難易度に対して短いスケジュールだと理解することが困難になりますし、逆の場合はコスト面でマイナスとなってしまいます。適切に設定することが欠かせません。
この記事では、研修スケジュールの整理から作成までの手順を詳しく説明します。この記事では研修1回ごとのスケジュールについて扱い、具体的には以下の点について解説していきます。
研修の適切なスケジュール設定に役立つ内容です。研修の担当者の方はぜひご一読ください。
研修スケジュールの整理
一口に「研修スケジュール」と言っても、いくつかの種類があります。初めにその整理をしましょう。「研修スケジュール」は以下のように分類できます。
・1回の研修のスケジュール
・年間スケジュール
・キャリアアップに応じた中長期的なスケジュール
それぞれについて確認していきます。
1回の研修中のスケジュール
1回の研修中のスケジュールは、1回の研修を何日かけてどのような時間配分・流れで行うかというスケジュールのことです。この記事では、このスケジュールの設定について解説します。
年間スケジュール
また、1年間の研修をどのように実施していくかという年単位の年間スケジュールもあります。採用や人事評価などのタイミングに合わせて、どの研修を1年のどの時期に実施するかというスケジュールです。繁忙期などを避けつつ決めていく必要があります。
キャリアアップに応じた中長期的なスケジュール
キャリアアップに対応した中長期的なスケジュールもあります。新入社員から始まり、管理職・経営陣に向かう間のキャリアごとにどのような研修を行っていくかというスケジュールです。習得しているスキルと習得させるべきスキルをもとに、キャリアの節目節目でどんな研修を行うかというスケジュールです。
研修スケジュールの作り方
研修スケジュールの作り方は、具体的には以下のステップに分けられます。
- 過去の研修スケジュールの確認
- 研修の目的の明確化
- 研修の目標の明確化
- 予算の確認 カリキュラムの決定
- 講師と日程の調整
- スケジュールに落とし込み
それぞれのステップについて解説していきます。
過去の研修スケジュールの確認
過去の研修スケジュールの確認は、新たな研修スケジュールを作成する上で必要不可欠なステップです。過去のスケジュールを見直すことで、時間配分や内容のバランス、研修の難易度等、改善するべきポイントが明確になります。これらを踏まえ、新たなスケジュール作成に取り組むことで、研修の質と効果を一層高めることが期待できます。
また、受講者の満足度や理解度が高くうまく行ったというケースもあるでしょう。その場合は、受講者のスキル感などにズレがなければそのスケジュールと同じように設定することも可能です。ただしそのまま使えるかどうか確認するためにも、うまく行った要因の分析はしておきましょう。
研修の目的の明確化
研修の目的を明確にするためには、まずは研修を受ける予定の参加者とその背後にある組織全体のニーズを理解することが欠かせません。それは新たなスキルの習得、既存のスキルの強化、職場のチーム構築、社員のモラル向上など、多岐にわたる可能性があります。この理解がなければ、目指すべき結果は見えてこないでしょう。
例えば、あるIT企業では、新入社員の技術研修の目的を「Javaの基礎を理解する」から、「実践的なプロジェクトを通じてJavaの基本を理解し、問題解決能力を鍛える」に変更した結果、研修の効果を向上させることができました。
ただしこの時、年間スケジュールや中長期的なスケジュールにおける位置づけも意識するべきでしょう。短期的な視点だけではなく長期的な視点も持つことで、より効率良く人材の育成が可能となります。
このように研修の目的を明確にしてからスケジュールを作成することで、参加者にとって価値ある研修体験となります。
研修の目標の明確化
研修の目標を明確にすることで、受講者が研修から何を学び、どのように成長するかが具体的になります。具体的な目標設定は、研修の方向性を示すと同時に、研修に対する期待と実際の成果を繋げる役割も担います。目標は、研修の内容や講師、必要な予算などを決定する基準にもなります。
具体的な目標設定の例としては、「3ヶ月後に新規ビジネス案を提出できるようになる」や「半年でプロジェクトマネージャーとして活躍できるスキルを習得する」などがあります。目標設定は、業務の現状や受講者のニーズを理解した上で行うことが望ましいです。
予算の確認
研修の予算を確認することで、実際にどれだけの資金を研修に充てることが可能か、そしてそれにより何が実現可能で何が困難なのかを明確に把握することができます。それによりどこに予算をかけるかの方針も決めやすくなります。
例えば社員を講師として活用することで講師にかかる費用を削減し、むしろ教材や参加者の食事や交通費に予算を振り向ける方法があります。また、一部の研修は公的補助金を活用することも可能です。
これらを踏まえ、予算確認は具体的な研修計画を立てる上での大きな手がかりとなるでしょう。
カリキュラムの決定
目標や目的を明確化した上で、それを達成するためのカリキュラムを設計します。その際考慮するべきは、参加者のスキルレベルや知識、研修期間、その他の制約などです。
例えば、受講者の現在のスキルレベルと目標スキルレベルを把握した上で、どの技術をどの順序で学ぶべきか、どのようなプロジェクトを経験すべきかを詳細に計画します。これにより効率的な学習経験が提供され、研修のゴールも明確になります。
講師と日程の調整
セミナーやワークショップの成功には、専門知識を持つ適切な講師が必要となります。また、参加者全員が出席できる日程を設定することも大切です。講師選びでは、その専門性と教え方の合致、また研修の目的に合った人選が求められます。
一方日程については、可能な限り早い段階で確定させて参加者に通知することで、各自のスケジュール調整をスムーズに行えます。ただし社外の講師を依頼する場合は希望の日時が空いているかどうか確認しなくてはなりません。早めのスケジュール決定が望ましいと言えるでしょう。
スケジュールに落とし込み
一度、全ての要素が揃ったら、それらを具体的なスケジュール表に落とし込みます。研修日程、各セッションの目的、目標、時間割、講師名、場所などを一覧にして見やすい形にしましょう。
この時、重要なのは全体のバランスです。講義と実習の比率、基礎と専門のバランス、新人と経験者の研修カリキュラムの兼ね合いなど、全体を俯瞰してバランスがとれているか確認しましょう。
また、スケジュールは可能な限り具体的な内容を記載し、その進行のイメージが掴めるようにすることが重要です。より効果的な研修を実施するために、このスケジュール作成工程は非常に大切なステップとなります。
スケジュール作りのポイント
次に、スケジュール作りのポイントを解説します。次の点が挙げられます。
・時間に余裕を持たせる
・社外に委託する部分を先に固定する
・優先すべき内容を決める
・振り返りの時間を取る
これらのポイントを踏まえつつ、スケジュール作りを進めていくことが求められます。1つずつ見ていきましょう。
時間に多少余裕を持たせる
研修の効果を最大限に引き出すためには、研修スケジュールに余裕を持つことが肝心です。例えば、深く学びたいテーマが突然出てきた時や、予想外のディスカッションが発生した場合に、無理なく対応できる余裕が必要になります。また、研修中に体調不良で休む参加者が出た場合も、スケジュールの調整が可能となります。
余裕を持つことで、研修がスムーズに進行し、参加者が研修の目的をしっかり理解し、最大限に取り組むことが可能となります。一方で、余裕がないスケジュールは、予定通りに進まなかった場合、全体の進行を乱す可能性があります。
社外に委託する部分を先に固定する
社外に委託する部分を先に固定することは研修スケジュール作りの重要なポイントです。これは、社外講師や専門家が関わる部分は、その人々のスケジュールに依存するためです。先にこれらを固定することで、講師の都合に合わせた日程調整が可能となり、計画的なスケジュール作りが可能になります。
優先すべき内容を決める
研修スケジュール作成においては、その中心となる「優先すべき内容」を決めることが重要です。一言でいえば、「先に知っておかないと次に進めない」基礎的な内容を優先させます。具体的には次の例が挙げられます。
・企業の目標やビジョン、キャリアで決まる育成したいスキルや知識
・受講者が求めるスキル習得や知識習得
・時間や予算、教育リソースなどの制約条件も考慮に入れる
例えば新人なら、実践的なスキルよりはまずビジネスマナーや自社のビジョンや方針を教えましょう。
このように、企業の目標やビジョン、受講者のニーズ、制約条件をトータルに考えることで、より効果的な研修スケジュールを作成することが可能になります。
振り返りの時間を取る
振り返りの時間を設けることは、受講者が自らの習熟度や理解度の自覚を深め、研修効果の向上につながります。また学習した内容や量を改めて確認することで、達成感や自信も生まれます。
具体的な行動としては、振り返りの時間をスケジュールに組み込み、その際のファシリテーションや評価シートの用意など、研修の設計段階から考慮しておくと良いでしょう。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。