対面形式の研修のメリットと特長を生かして効果を最大化する方法とは
公開日:2024年06⽉14⽇最終更新日:2024年06⽉14⽇
パンデミック以降オンラインの研修が一気に広がりましたが、逆に対面形式の研修の利点も見直されるようになりました。ではその利点とはどのようなものなのでしょうか。
この記事では、対面形式の研修について解説します。以下の点を具体的に解説していきます。
・対面形式の研修のメリット
・具体的な対面研修活用方法
・組織全体の連帯感を育む方法
・対面研修の準備と運営
研修の企画担当者の方はご一読ください。
対面形式の研修のメリット
まず、対面形式の研修のメリットについて解説します。以下の点が挙げられます。
・直接コミュニケーションの強化
・講師のリアルタイムなサポート
・受講者間のネットワーキングとコラボレーション
・実技研修やワークショップの有効活用
・その場での疑問解決とフィードバック
1つずつ見ていきましょう。
直接コミュニケーションの強化
対面形式の研修は、その即時性により直接コミュニケーションを強化します。
具体的には、参加者同士や参加者と講師間での即座のやり取りが可能であるため、話し合いを通じて深い理解を得ることが可能です。また表情や音声のトーン、ボディランゲージなど非言語的な要素を通じて相手の気持ちや意図を読み取ることもできます。これらの要素は、電子メールやチャットなどの非対面形式のコミュニケーションでは得られにくい情報です。
一方で、このような直接コミュニケーションは相手を尊重し適切に反応するためのコミュニケーションスキルを必要とします。この点も対面形式の研修が提供する重要な機会と言えるでしょう。対面研修の場では、企業内のコミュニケーションの質を高めるための効果的な訓練が可能となります。
講師のリアルタイムなサポート
対面形式の研修では、講師のリアルタイムなサポートが可能となります。これにより受講者は即座にフィードバックを受け取ることができ、理解が浅い部分や誤った理解をすぐに修正することが可能です。また講師は受講生の反応を直接観察し、理解度や興味の深さを把握することもできます。これは、オンライン形式の研修では得られない大きなメリットです。
このようなリアルタイムなサポートは、受講生の学習効果を大いに高めるでしょう。
受講者間のネットワーキングとコラボレーション
対面形式の研修は、受講者間のネットワーキングとコラボレーションを促進する絶好の場となります。これは、個々の受講者が互いの知識や経験を共有し新たな視点や解決策を見つける機会を提供するからです。新しい知識が他者から直接伝えられることで受講者は一方的な学びだけでなく他者との意見交換を通じて深い理解を得ることができます。
また専門的な課題に対する共同作業は、受講者が協働する能力を鍛え、組織全体の連携を向上させる効果も期待できます。
実技研修やワークショップの有効活用
実技研修やワークショップの活用は、対面研修の一大特徴であり、職場での即時的な課題解決を促進します。
方法の例としては、実技トレーニングを重視し新製品の試用や店舗運営の体験などを通じて、実際の職場環境に近い体験を提供します。これにより実際の課題に対する具体的な解決策を開発する能力を向上させることが可能です。またほかの方法では、エンジニアリングのワークショップを実施し最新の技術トレンドに対応するための練習の場を提供する方法があります。
これらの事例からも、対面研修の中での実技研修やワークショップの効用は明らかでしょう。
その場での疑問解決とフィードバック
対面形式の研修は、その場での疑問解決とフィードバックが大きなメリットとなります。特にIT系の研修では専門的な知識やスキルが求められるため、疑問点や理解できない部分があった場合、すぐに質問して解決できる環境は学習の効率を高めます。
また講師からのリアルタイムなフィードバックにより間違いを正すことが可能です。これにより受講者は自身の理解度を把握しながら、質の高い学習を進めることができます。
企業で実施される対面研修では、これらの要素を最大限に活用することで確実にスキルアップを図ることができるのです。
具体的な対面研修活用方法
次に、具体的な対面研修活用方法についてです。以下の側面からまとめます。
・インタラクティブなディスカッションの導入
・グループワークの効果的な実施
・ハンズオンセッションの具体例
・実践的なケーススタディの導入
・ロールプレイングゲームの効用
順に見ていきましょう。
インタラクティブなディスカッションの導入
インタラクティブなディスカッションは、対面形式の研修で特に効果的な手法と言えます。議論による深い理解促進や、多角的な視点獲得に対する強力なツールとなるからです。ディスカッションには、自分の意見を述べ、他者の意見を理解し対話を通じて新たな知識を発見するといった有用性が伴います。
具体的には、ディスカッションのテーマを事前に提示し参加者に自分の意見をまとめてくるよう指示すると良いでしょう。またディスカッションの進行役(ファシリテーター)は、参加者全員が発言できる環境を整え、意見が一方的にならないように留意することが重要です。
グループワークの効果的な実施
グループワークは、同僚間のコミュニケーションスキルを強化しチームワークを促進するための効果的な手段です。
まず課題を設定し各グループに分けて解決策を考えさせます。このとき具体的な目標を設けることが重要で、それが受講者のモチベーション向上につながります。
また役割分担を設けることで各メンバーが責任を持つことができ、実践的な経験を積むことができます。
最後に全体での発表とフィードバックの時間を設けることで受講者は他のグループのアイデアを学び、自身の視野を広げることができます。
ハンズオンセッションの具体例
ハンズオンセッションは、実際の作業を通じてスキルを学ぶ研修方式です。
たとえばソフトウェアエンジニアリング研修では、受講者が実際にコードを書き、テストを実行し問題解決することを学びます。またセールス研修では、受講者が実際の購買シナリオを模擬し顧客との対話を通じて営業スキルを向上させることができます。
ハンズオンセッションは、理論だけでなく実践的なスキルと経験を提供し受講者のスキルを即時に強化する有効な手段です。
実践的なケーススタディの導入
対面形式の研修では、実際の業務シーンを模したケーススタディを導入することも有効です。ケーススタディはリアルなビジネスの状況を取り扱ったストーリーで、問題解決能力を養うための優れた手法と言えます。
対面研修ならではの即時的なフィードバックやディスカッションを通じて、具体的な状況で何が必要か、どう対応すべきかを学ぶことができます。適切に設計されたケーススタディは、受講者の理解を深め、即戦力として活躍できる能力を養います。
ロールプレイングゲームの効用
ロールプレイングゲームは、対面研修で効果的に利用できるツールの一つです。
このゲーム形式は、実際のビジネスシーンを再現し受講者が実際の状況に直面した際の対応方法を試す機会を提供します。これによりあらかじめ準備されたシナリオを通じて、問題解決のスキルやコミュニケーション能力を強化できます。またエラーを起こしたときのリスクも最小限に抑えられます。
ロールプレイングゲームは、実践的な学習体験を提供し効果的な研修を実現する重要な要素と言えるでしょう。
組織全体の連帯感を育む
次に、組織全体の連帯感を育む方法について見ていきましょう。次の方法があります。
・チームビルディングアクティビティの提案
・メンタリングとチュートリアルの実施
・研修後のオフサイトミーティング
・社員交流イベントの企画
それぞれ確認していきます。
チームビルディングアクティビティの提案
チームビルディングアクティビティは、対面研修の一環として有効に活用できます。これは、参加者が共同で課題に取り組むことで相互理解を深め、協調性やコミュニケーション能力を向上させる手法です。
具体的な活動としては、パズルゲームやスポーツイベント、役割分担を必要とするプロジェクトなどがあります。これらのアクティビティを通じて、参加者は一体感や達成感を味わうことができるでしょう。
メンタリングとチュートリアルの実施
メンタリングとチュートリアルは対面研修で特に力を入れるべきポイントです。メンターが受講者の疑問に直接、即時で応え、深い理解を支援することが可能です。またチュートリアルでは実務経験豊富な講師が具体的な指導を行い、受講者のスキルアップを促進します。
研修後のオフサイトミーティング
研修後のオフサイトミーティングは、対面形式の研修をより有効に活用するための重要な手段です。
緊張感のある研修場から離れ、非公式な環境で行われるこの会議により受講者は思考を整理し学んだことを深く理解する時間を持てます。また気軽な雰囲気の中で他の受講者や講師と親しくなることでより良いコミュニケーションを築く機会にもなります。
研修後のオフサイトミーティングは、学習効果を高めつつチームワークを深めるための有効な手段となります。
社員交流イベントの企画
社員交流イベントの企画は、対面研修を通じて築いた連帯感の深化に役立ちます。企画のテーマは、新たな知識や技術の共有、チームビルディング、業務外でのコミュニケーション強化など多岐にわたります。参加者にとって、自社の同僚だけでなく他部署や他企業のメンバーとの交流を深める貴重な機会となります。
対面研修の準備と運営
最後に、対面研修の準備と運営についてです。以下の側面からまとめます。
・研修場所と環境の整備
・効果的な研修スケジュールの作成
・研修資材とリソースの管理
・受講者の事前準備のフォロー
1つずつ見ていきましょう。
研修場所と環境の整備
対面研修の効果を最大限に引き出すためには、適切な研修場所と環境の整備が欠かせません。
まずは、静かで集中できる場所の確保が必要です。ノイズの多い場所では、受講者の集中力が散漫になり、研修の効果が半減してしまうからです。また研修に必要な設備や機材、インフラを整備することも求められます。たとえばプロジェクターやホワイトボード、Wi-Fi環境などが整っていることが基本です。
さらに研修の内容や形式によっては、ハンズオンで使用する具体的なツールやソフトウェアも準備しておく必要があります。これらを踏まえながら、受講者が快適に学び、最大限のパフォーマンスを発揮できる研修環境を整備することが重要です。
効果的な研修スケジュールの作成
効果的な研修スケジュールの作成は研修の成果に直結します。まず一日の流れを塊ごとに分け、その中で具体的なアクティビティを割り当てることが大切です。また実践的な学びと理論的な学びをバランスよく取り入れ、受講者が一方的に情報を受け取るだけの時間を減らすことも必要です。一方、休憩時間も計画的に設けることで受講者の集中力を保つことが可能です。
研修資材とリソースの管理
研修資材とリソースの管理は、対面研修の準備と運営において重要な要素です。
適切な資材を用意することで受講者は学習内容を理解しやすくなり、快適な学習環境が形成できます。たとえばプリントや教科書、ディスカッションやグループワーク用のツールなど、研修の種類に応じた資材を適切に揃えることが求められます。また利用するリソースも事前に確認し必要なものが揃っているか確認しておくことも大切です。
これらの管理は、研修内容をスムーズに進行させ、受講者の学習効果を高めるために欠かせない作業です。
受講者の事前準備のフォロー
受講者の事前準備のフォローは、研修の質を高める上で重要な要素です。
まず受講者には研修の目的と内容を明確に説明し理解を確認します。可能な限り具体的なスケジュールやカリキュラムを提供し、彼らが何を学び何を達成すべきかを理解できるようにしましょう。次に彼らが研修で必要とする資材や情報を提供します。必要な場合は、事前課題や参考文献を配布し実際の研修に臨む前に自主学習を奨励します。
これらの準備は、受講者が研修日に集中し最大限の学びを得られるようにするためのものであり、研修の効果を最大化するために必要不可欠です。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。