ビジネス文書の質を高めるテクニックと文章力の高め方
公開日:2023年11⽉13⽇最終更新日:2023年11⽉13⽇
業務のなかでビジネス文書を書くと
「文章がうまく書けない」
「何度も書き直しを指示される」
と悩んでいる人は、少なくありません。もっとスムーズに、わかりやすい文章が書けたら……と思っている人もいるでしょう。
ビジネス文書は、ポイントを押さえれば誰でもそれなりに質の高いものが作れます。
しかし、さらにビジネス文書の質を高めたいとなると、文章力そのものを向上させることが重要です。
この記事では、質の高いビジネス文書が作れる要になるテクニックのほか、文章力そのものを向上させるコツを解説します。
ビジネス文書の質を高める5つのメリット
業務に必要なビジネス文書の質は、高ければ高い方が良いことは言うまでもありません。まずは、ビジネス文書の質を高める5つのメリットを解説します。
情報の抜け漏れによる再連絡のコストがかからなくなる
ビジネス文書には、報告書や稟議書、企画書といった書類だけでなく、メールやチャットの文面も含まれます。これらの質を高めると、情報の抜け漏れが防げるだけでなく、再連絡のコストも省けるでしょう。
職場でのコミュニケーションがとりやすくなる
職場でのコミュニケーションがとりやすくなるのも、ビジネス文書の質を高めるメリットです。
誰が見てもわかりやすいビジネス文書が作れるようになれば、情報が誤解されにくくなります。
誰もが同じ認識を持てるようになるので、社内外問わずよりスムーズなコミュニケーションができるようになるでしょう。
チェックにかかる時間や手間が省ける
ビジネス文書の多くは、上司のチェックが入ります。人によっては、何度書いても上司からやり直しを指示され、ビジネス文書に苦手意識を持っているのではないでしょうか。
ビジネス文書の質を高めると、チェックにかかる時間や手間が省け、やり直しを指示されることも減ります。
ビジネス文書を作成する人も、それをチェックする人も時間に余裕ができるので、業務の効率化が図れるでしょう。
連絡ミスによるトラブルの発生が防げる
書類やメール・チャットでのやり取りは、記録として残ります。
ビジネス文書の質が高まれば、正しい情報をスムーズに伝えられるようになるため、連絡ミスによるトラブルが起こりにくくなるでしょう。
説明や提案に説得力が出る
ビジネス文書のなかには、稟議書や企画書など自分のアイデアを相手に提案するための文書もあります。そうした文書を作る際に、根拠を明確にしながらわかりやすく相手に自分の考えを伝えられれば、説明や提案に説得力が出ます。
「なぜこの提案をするのか」
「なぜこうなったのか」
を相手が納得できるように伝えられれば、商談や交渉を有利に進めることもできるでしょう。
きちんと伝わるビジネス文書の作成に役立つ5つのテクニック
ここからは、伝えたいことが相手にきちんと伝わるビジネス文書を作成するためのテクニックを紹介します。
次の5つのことを意識するだけで、ある程度ビジネス文書の質が高められるので、試してみてください。
- 結論を最初に書く(PREP法)
- 文章は短く区切る(一文一意)
- 箇条書きや番号を活用する
- 数字や具体例を積極的に盛り込む
- 図や表を活用する
結論を最初に書く(PREP法)
ビジネス文書を書く際は、必ず結論から始めましょう。結論から始める文章の書き方を「PREP法」といいます。
PREP法は、結論→理由→具体例→結論の順番で展開する文章作法です。結論を最初に述べ、その理由や具体例で結論を補足してから最後に再度結論を述べることで、文章全体に説得力を持たせられます。
また、長い文章を最後まで読まなくても、最初のほうで言いたいことがわかるため、相手に要点が伝わりやすいのもポイントです。
PREP法は、自分のアイデアを提案するときだけでなく、何かを報告するときなどにも応用できるので、覚えておきましょう。
文章は短く区切る(一文一意)
文章を書くときは、短く区切ることを意識しましょう。ひとつの文章に盛り込む内容は、ひとつだけに絞ることが重要です。
たとえば
「今日は天気が良かったので、溜まっていた洗濯物を片付けた後、近所のスーパーに買い物に出かけて、少し高い牛肉を買って、夕食は豪華にステーキを食べました。」
という文章だと、何を言いたいのかがいまひとつはっきりしません。
文章はひとつの意味ごとに「。」で区切ることを心がけましょう。上の文章を書き直してみます。
「今日は天気が良かったので、溜まっていた洗濯物を片付けました。
その後、近所のスーパーで少し高い牛肉を買い、夕食は豪華にステーキを食べました」
ひと連なりだった文章を2つに区切るだけでも、意味が通りやすくなります。
文章は長くなればなるほど主語と述語がねじれやすくなります。主語と述語のねじれた文章は人に誤解を与えやすく、伝えたいことが正確に伝わりにくいため、ビジネス文書では避けるようにしましょう。
文章を短く区切るにあたって、区切る場所がわかりにくいと感じた時は「主語」に注目して見てください。
主語と述語は、必ずペアになっている必要があります。主語と述語のペアを作ることを意識して文章を書くと、短く区切りやすいだけでなく、主語と述語のねじれもおきにくくなります。
箇条書きや番号を活用する
わかりやすいビジネス文書を作成するには、箇条書きや番号を積極的に活用しましょう。
場合によっては、長文を連ねるよりも箇条書きにしたり、番号を振って手順を示したりしたほうが伝わりやすいことがあります。
特に、項目を列挙する場合や手順を説明する場合は、箇条書きや番号を活用すると、見た目もすっきりして視認性がアップします。
数字や具体例を積極的に盛り込む
ビジネス文書は、見やすいだけでなく、説得力がある内容かどうかも重要です。文章に説得力を持たせるためにも、数字や具体例を積極的に盛り込みましょう。
引用できるデータがあれば、ぜひ活用してください。
図や表を活用する
図や表を活用するのも、ビジネス文書の質を向上させるのにおすすめです。特に、データを比較する際などはグラフを使うと差がわかりやすくなります。
図や表を活用する際は、図表そのものの見やすさにも配慮が必要です。
同系色でまとめてあったり、文字が小さかったりすると見にくく、図表としての役割を果たしません。
必要に応じて背景色を変えたり、数字を入れたりして相手が見やすい・理解しやすい図表の作成を心がけましょう。
ビジネス文書を書くのに必要な文章力の鍛え方
上記で紹介したポイントを意識して作成すれば、ある程度質の高いビジネス文書が作れます。しかし、さらにわかりやすい・読みやすいビジネス文書を作るには、不十分です。
さらに質の高いビジネス文書を作りたいなら、文章力そのものを底上げする必要があります。
文章力の底上げは、一朝一夕で行えるものではありません。しかし、毎日コツコツ続けることで、一生使える文章力が身につくので、できそうなことからはじめてみましょう。
本を読んで語彙(使える言葉)を増やす
文章力を底上げするにあたって最も大切なのは「語彙(ごい)力」です。語彙力とは、その人が文章や会話の中で使える単語の数を指します。当然のことながら、語彙力が高い=使える言葉が多い方が、文章を書くうえでは有利です。
語彙力を高めると、様々な言い換えができるようになります。言い換えができるようになると、より相手に伝わりやすい・わかりやすい表現ができるようになります。
語彙力を高めるには、本を読みましょう。どんな本でも構いません。興味がある本を読み、わからない単語があればその都度国語辞典で意味を調べることを習慣にすると、少しずつ語彙力が身についてきます。
長編の小説やビジネス書を読むのが苦手・面倒という人は、ポケット辞書でも構いません。時間を見つけて、1日5分でも本を読み、使える言葉を自分の中にストックしていきましょう。
順序立てて話を展開させるトレーニングをする
どんな人にも伝わりやすい文章を書きたいなら、順序立てて話を展開させるトレーニングをしましょう。
順序立てて話を展開させるには、論理的思考力が求められます。論理的思考力を鍛えるには、普段から「なぜそうなるのか」「これはどういうことなのか」を深く考えるだけでなく、それをアウトプットする習慣を身につけることが重要です。
そのためには、定期的に200~400文字のアウトプットを実践しましょう。
何かひとつテーマを決めて、200~400文字で自分の考えをまとめます。このときPREP(結論→理由→具体例→結論)を意識して内容を考えてみてください。
1,000文字あればそれなりに自分の考えもまとめられるでしょう。しかし、毎日1,000文字のアウトプットを続けるというのは容易ではありません。
順序立てて話を展開させるにあたって、思考とアウトプットはセットです。どちらか一方が書けても、スキルは身につきません。
自分が無理なくアウトプットできる文章量で構わないので、考えたことを書き出すことを日課にしてみましょう。
「文章を削る力」を高める
ビジネス文書は、小説やエッセイと違い、エモーショナルである必要はありません。わかりやすいビジネス文書を作るには「文章のダイエット・シェイプアップ」を意識しましょう。
文章のダイエット・シェイプアップとは、無駄な単語や表現を徹底的に削ぎ落すことです。
その力を養うには、新聞の記事やコラムの書き写し・リライトが効果的です。
新聞の記事やコラムは、限られたスペースに情報を余すことなく掲載する必要があるため、徹底して無駄が省かれています。
まずは興味がある記事やコラムを書き写し、無駄のない文章がどういう文章かをつかみましょう。
・主語と述語の間に単語が少ない
・主観的な表現が少ない
・遠回しな表現が少ない
など、いくつか気付いたことがあればメモを取っておいてください。
それを踏まえて、実際に自分で文章を書いてみましょう。小説の一説でも、自分が過去に書いた文章でも構わないので、自分でリライトしてみてください。
すでに完成されているはずの文章でも、自分でリライトすると意味が変わってしまったり、主語と述語がねじれてしまったり、かえって文字数が多くなってしまったりするはずです。
ひと通り掛けたら、今度は文章を削っていきます。
無くても意味が通じる単語・表現や、もっと簡潔に言い表せる表現があるところを修正してください。
このトレーニングを繰り返すことで、自分の言いたいことを率直に文章で表現できる力が身につきます。
過去に自分が書いた文章を添削する
文章は、書きっぱなしが最もよくありません。どんな文章でも、誰かに読んでもらって、添削をしてもらって初めて整ったものになります。
もし身近に文章の添削をしてくれる人がいれば、ぜひお願いして添削してもらいましょう。
身近にいない場合は、自分が過去に書いた文章を添削してみてください。
古い文章であればあるほど、気付きや学びが多くあるはずです。
さらに文章力をアップさせたいなら講座を受講するのがおすすめ
ここまで文章力をアップさせる方法をお伝えしましたが、なかには
「毎日実践するのは難しい」
「自分にできるかどうか不安」
という人もいるでしょう。
そのような場合は、東京ITスクールの「文章力習得講座」がおすすめです。
ビジネス文書作成の基礎が90分で身につく!
東京ITスクールの「文章力習得講座」では、90分でビジネス文書作成の基礎を身につけられます。
講座の内容は以下のとおりです。
- 文章を書く上で重要なこと
- 分かりやすい文章を書くため必要なこと
- 一文一意
- 文章構成
- 表現力
経験豊富な講師がわかりやすくレクチャーしますので、文章力に自信がない方や文書作成に苦手意識がある方におすすめです。
オンデマンド講座だからどこからでも受講可能
東京ITスクールの「文章力習得講座」は、オンデマンド講座です。PCとネット環境さえあれば、どこからでも受講できます。
「身近に研修を受けられる場所がない」
「会場まで行くのが面倒」
という方も、自宅やオフィスで気軽に受講いただけます。
文章力を高めてワンランク上のビジネス文書を作成しよう!
ビジネス文書は、ある程度のレベルまでなら、ポイントを押さえれば誰でもそれなりのものが作れます。しかし、さらに質を高めたいとなると、文章力そのものを向上させなければなりません。
文章力を向上させる方法はいくつかありますが、どれも即効性があるものではなく、毎日コツコツ続けることが重要です。
より手っ取り早く文章力を向上させたいなら、東京ITスクールの「文章力習得講座」がおすすめです。こちらの講座では、文章を書くうえで押さえておきたいテクニックやノウハウを学んでいただけます。
東京ITスクールではこのほかにも様々な講座を開講していますので、興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。