【社内研修】全員が学び、成長するための仕組みづくりをしよう
公開日:2024年02⽉27⽇最終更新日:2024年03⽉19⽇
労働力が不足していくと予想される昨今、企業の競争力を高めるためにも、社員一人ひとりのスキルアップは不可欠です。社内研修はそのための重要な手段であり、全員が学び、自己成長できる環境を作り出すことが求められています。
しかし、一体どのようにしたら効果的な社内研修を実現することが可能なのでしょうか。
本記事では、社内研修の目的と重要性からその運営方法、そして研修後の評価とフィードバックに至るまで、包括的に解説します。
記事を読み終える頃には、
①社内研修の効果的な運営方法
②最適な研修プログラムの選択
③研修後の評価・フィードバックの重要性
この3つについて理解を深めていただけます。
理想的な研修体制の構築手順とポイントを具体的にご紹介しますので、全員が学び、成長できる社内研修の仕組みづくりへの一歩を踏み出す一助となれば幸いです。
社内研修の目的と重要性
社内研修の目的は主に2つあります。
一つ目は、社員のスキルアップと自己成長を促し、企業全体としての業績向上を図ること。
二つ目は、組織の一体感を醸成し、より良い職場環境を作ることです。
社内研修というと新人だけのものと思われがちですが、激変する社会環境やビジネス環境に対応するため、既存社員に対する研修も大変重要です。新しい技術や知識を学ぶことで、自身の成長だけでなく、企業の競争力を維持し、さらには新たな価値を生み出すことが可能になります。
全社員の学びとスキルアップは必須
市場のニーズの移り変わりに沿った新たな技術や知識の習得は、事業拡大や雇用安定の面でも必須要素です。また、各社員のスキル向上は社員満足度向上にも繋がり、社員のモチベーションを高め、離職率を下げる効果もあります。
さらに、スキルアップは個々の仕事の効率化にも寄与し、業務への自信を高め、クオリティの高い仕事を生み出す推進力となります。社員一人ひとりの成長は、組織全体の成長と直結しているので、定期的な社内研修を通じてスキルアップを図ることは非常に重要です。
研修の種類と特徴
社内研修の種類は、オンライン研修、対面研修、オン・オフ混合型研修などがあります。オンライン研修は、時間や場所を問わずに参加でき、各社員のペースで学べるメリットがあります。
一方、対面研修は、リアルタイムのコミュニケーションや実技の演習が可能で、深い理解を促します。また、オン・オフ混合型研修は、両方の長所を活かし、幅広い学習体験を提供します。
日立製作所では、新入社員向けの基礎研修をオンラインで行いつつ、実践的なスキル研修を対面で行っています。これらの種類を理解した上で、社員のニーズや企業の目指すスキルアップの方向性により最適な研修形式を選択しましょう。
社員に伝える際のポイント
社員に研修の意義と参加の重要性を伝える際のポイントは、まず研修の目的や内容を明確に説明することです。
それぞれの研修がどのようなスキルを向上させ、どのように業務に役立つか具体的に示すことで、社員が自分自身の成長やキャリアパスにつながるものと理解しやすくなります。
社員のモチベーションを高めるためには、研修参加後の評価やフィードバックが具体的にどのように行われるか、その結果が公平に評価され彼らのキャリアに影響を与えることを伝えられると良いでしょう。
重要なのはオープンなコミュニケーションです。社員が研修についての疑問や懸念を自由に表現できる環境を作ることで、研修への関心と参加意欲を高めることができます。
社内研修プログラムの導入
社内研修プログラムの導入方法には、大きく分けて内製・外注の二つの選択肢があります。
以下にそれぞれ解説していきます。
研修を内製する場合
社内研修を内製化する場合、主に二つの大きなメリットがあります。
① 社内の事情やニーズに合わせた、詳細なカスタマイズが可能
既存の教材を使用するだけでなく、特定の業績改善や課題解決のための内容へのカスタマイズが可能です。
② コストが抑えられる
外部講師のコストをカットすることで、研修費用を大幅に抑えることができます。しかし、一方で社内研修の内製化にはリソースの充足が欠かせません。
研修資材の作成や研修の運営を担う人材を社内に確保できるかどうかが重要な判断基準となります。また、教育の専門性を持つスタッフがいるか、または育てることができるのかも内製化を考える上で大切な要素となります。
研修を外注する場合
研修の専門家に外部から持ち込む社内研修の外注は、新たな視点や専門知識を提供し、従業員のモチベーションや学習意欲を高める有力な選択肢です。メリットとしては以下の二つです。
① プロフェッショナルによる高品質な研修の提供、トレンド技術にも対応可能
外注は特定の領域に精通したプロフェッショナルが最新のトレンドや情報を持って指導することで、高品質な研修を提供することが可能です。
②社内のリソースを圧迫せず、通常業務に影響しない
また、社内の人事や教育担当者が研修の企画や運営に時間を取られず、通常業務に専念できるというメリットもあります。
しかし、外注する場合も企業自体が目指すべき目標や、従業員が必要とするスキルは明確に理解しておく必要があります。
研修内容の選定や組織のニーズに合わせた調整は、外部の専門家に完全に依存するのではなく、企業側で行うことが理想的です。
外注する際は、コストや期間、目指す成果といった観点から研修の内容や提供業者を選び、社内での研修計画に基づいて進めることが重要です。
結論|リソースの有無と、学ばせたい内容で判断しよう
社内研修を導入する際、最初に考えるべきはリソースの有無と学ばせたい内容です。
まず、社内の人材や時間といったリソースが豊富にある企業は、自社で研修プログラムを開発・運営することが可能です。これにより、自社の文化やニーズにぴったり合った研修を提供することができます。
しかし、専門的な知識や手間が必要な研修は、リソースが足りない場合や社員の業務を圧迫する恐れがある場合には、外部のプロに依頼するのが理想的です。
特にテクニカルスキルや新しいテクノロジーについての研修は、専門的な知識と経験を持つ外部の研修会社に委託するケースが多いです。これらの判断基準を踏まえ、研修内容と目指す成果に最適な形式を選ぶことが重要です。
社内研修の運営方法
ここからは、社内研修の具体的な運営方法について解説していきます。
社内研修の内容と受講対象者の選定
まず、企業の業務ニーズや目標から必要なスキルや知識を明らかにし、それに基づいて研修の内容と受講対象者を決定します。
例えば、業務効率化のためのITスキル向上や、組織の風土改善のためのコミュニケーション研修などです。
受講者の選定には、社内の役職やキャリアパス、新規プロジェクトの参加者など、多様な視点から見る必要があります。
事前にアンケートを採るなどして各社員のスキル感や担当業務を把握し、今後どのようなスキルを身に付けてほしいか、本人のキャリアへの意向も踏まえて検討し、受講すべき研修内容を明確にしましょう。
受講方法の検討
受講方法を検討する際には、対象者の現状の業務の状況を考慮して決めましょう。
従来の対面式研修やワークショップは、インタラクティブな学習体験を提供しますが、場所や時間の制約から全社員に受講の機会を提供するのが難しい場合があります。
一方、ウェビナーやオンラインコースなどのデジタル研修は、場所を問わず、自分のペースで学べる利点があります。
しかし、自己学習の進行度が見えにくいため、受講状況を確認し、必要に応じてフォローする仕組みを考えることが大切です。
私たち東京ITスクールの研修には専用の学習管理システム(LMS)があり、教育担当者の方がそれぞれの社員の学習進捗を一目で把握できるようになっています。必要に応じてメッセージを送ることなどもでき、学習者とのコミュニケーションツールとしても活用することが可能です。
企業の規模や目指す学習成果、社員の状況を考慮し、ベストな研修形式と受講状況の管理方法を選択しましょう。
スケジュールの決定
スケジュールの決定は、社内研修の成功を左右する重要な要素の一つです。まずは、研修の目的や内容、参加者の業務スケジュールと調整しながら、理想的な時間帯や期間を設定しましょう。
また、研修の密度も考慮に入れることが必要です。密度が高すぎると、参加者の負担を増やすだけでなく、研修の内容が十分に吸収されない可能性があります。
一方で、あまりに緩やかすぎても研修の効率が落ち、質の高い学習結果を得られないかもしれません。オンライン研修の場合はスケジュールの融通がきく場合が多いので、大まかな期限を切り、その間どのように受けるかは本人のペースに任せるなどの対応をするとよいでしょう。
社員にとって通常業務を行いながらの学びは、多少なりと負担も伴うものです。無理のないペースで進められるように配慮したいですね。
研修の実施
計画と準備が整った後は、いよいよ研修の実施です。受講者が目の前の学びに専念できるように、スムーズな運営が求められます。
特に数か月単位のような長期間にわたる研修の場合は、定期的に困りごとがないかのヒアリングや、レポートの提出に対する担当者のレスポンスが必要です。受けさせっぱなしで放置ということがないようにしましょう。
受講者が受講中疑問や不安なことが出てきた場合に、気兼ねなく話すことのできる体制も整えておきたいところです。
研修を受ける側、管理する側双方にとってやりやすい方法で進めていきましょう。
社内研修後の評価とフィードバック
研修と同じくらい大切なのが、研修後の評価とフィードバックです。これにより、得られた結果や問題点を客観的に把握し、次回の研修の改善につなげることが可能になります。
研修参加者のフィードバック収集
研修が終わったら、参加者からのフィードバックを積極的に収集しましょう。ここでは、研修の内容や講師の指導スキル、受講環境など、総合的な意見を募るのが一般的です。匿名でのフィードバック収集を行うと、率直な意見も得られます。
研修効果の測定方法
研修の効果を測るためには、事前と事後の比較が有効です。具体的には、テストのスコアや、業務遂行能力の向上、行動変容の度合いなどを評価します。
研修の問題点の特定
フィードバックをもとに、研修の問題点を特定します。例えば受講者が内容を理解し切れなかった、実務に活かしにくい、といった点があれば、それらを改善のポイントとします。
改善策の検討と実施、継続的な学びをサポートする
問題点とそれに対する改善策を具体的に検討し、実施していきます。また、一度の研修だけでなく、定期的な学びを継続するためのサポートも重要です。
研修参加者のフィードバック収集
社内研修が終了した後、参加者のフィードバック収集は、研修コンテンツや運営方法の改善につながる重要なステップです。研修終了後にすぐに行うのが理想的で、感想や学んだ内容の適用方法、理解度、不明点など多角的に意見を聞くことで具体的な改善点を見つけられます。
また、匿名性を保つことで、率直な意見が得やすくなるでしょう。これは、参加者が自分の弱点を公にしたくない場合や、率直な意見がバックファイアすることを恐れている場合に特に有効です。
確実な改善のためにも、フィードバック収集は欠かせないプロセスとなります。
研修効果の測定方法
研修の効果を測定するためには、具体的な測定基準とツールが必要です。一般的には、直後の反応、学習結果、行動変化、結果への影響という4つの段階で評価を行います。
反応は受講者アンケートで、学習結果はテストやクイズ、行動変化と結果への影響は業績やパフォーマンス指標などで測定できることが多いです。
研修の目的達成度や効果の高さを数値化することで、改善点を見つけられます。
研修の問題点の特定
研修の問題点を特定するためには、まず全ての参加者から客観的なフィードバックを得ることが必要です。参加者が研修から何を得たのか、何が不十分だったのかを理解することが重要です。
また、研修の内容、組織への影響、コスト、時間等の側面からも問題点を洗い出すことも必要です。
具体的には、
- 研修内容が参加者のスキルレベルや要望に合っていない
- 研修の効果が職場に反映されていない
- 研修の費用対効果が低い
- 研修に参加するために多くの労働時間を奪っている
といったことが考えられます。これらの問題点を特定し、対策を考えることで、より効果的な社内研修を行うことができます。
改善策の検討と実施、継続的な学びをサポートする
社内研修の問題点が特定できたら、次は改善策の検討と実施に移ります。具体的な問題点に基づく改善策を立て、実行することで、研修の質を向上させることができます。
例えば、内容理解の困難さを指摘された場合は、より具体的な事例や視覚的な教材の導入を考えると良いでしょう。
通常業務とのバランスが課題であれば、研修時間外の自主学習支援や eラーニングなど、学びを継続して行える環境づくりも重要です。これらの改善策を通じて、社員全体のスキルアップと組織の成長を促進しましょう。
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社内研修に課題をお持ちの方は、是非お気軽にお問い合わせください。
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SEとしてB2Cアプリ開発、金融系システム開発などを経験後、人事部で採用業務を担当。
現在は東京ITスクールの講師として新人研修から階層別研修、人事向けセミナーまで幅広く登壇。
猫を3匹飼っている猫好き。