SES企業のエンジニア採用が難しい理由と成功するための実践ポイント

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SES企業のエンジニア採用が難しい理由と成功するための実践ポイント

「求人を出しても応募がこない」「ようやく採用できても、すぐに辞めてしまう」、SES企業の人事担当者から、こういった声を聞く機会がここ数年で増えています。 

エンジニア採用が難しいのは、SES企業だけの問題ではありません。ただ、SESというビジネスモデルには、採用を一層困難にする特有の構造があります。採用媒体を増やしても、エージェントに費用をかけても改善しないと感じているなら、そもそもの戦略を見直す必要があるかもしれません。

SES採用の難しさは、エンジニア不足という市場全体の問題と、SESならではの構造的なジレンマが重なり合うことで生じています。この二重の壁を理解した上で打ち手を考えることが、改善への第一歩です。

本記事では、SES企業がエンジニア採用で苦戦する背景から、未経験採用・育成設計・単価向上の連動という実践的な視点まで、順を追って整理していきます。

SES採用がうまくいかないと感じたら、まずここを確認

SES採用がうまくいかないと感じたら、まずここを確認

多くの企業が陥りやすい採用活動のつまずきポイント

採用活動がうまくいかないとき、「自社の採用条件が悪いから」と結論付けてしまう企業は少なくありません。確かに年収や福利厚生は重要ですが、それだけが原因とも限りません。

採用がうまくいかない企業に共通するつまずきポイントを整理すると、おおむね以下のようなパターンに分類できます。

つまずきのパターン 具体的な状況
母集団形成の問題 求人媒体や手法が固定化され、同じ層にしかリーチできていない
求人票の訴求力不足 条件の羅列になっており、「入社後のイメージ」が伝わらない
選考フローでの離脱 面接回数が多い、レスポンスが遅いなど、途中で辞退される
ターゲット設定のズレ 経験者のみを対象にしており、応募母集団が極端に狭い
採用後の定着不足 入社後の育成・フォロー体制が整っておらず、早期離職が続く

これらは単独で起きているケースもあれば、複数が絡み合っているケースもあります。「応募数が少ない」「面接辞退が多い」「入社後すぐ辞める」など、どの段階で問題が起きているかを把握することが、改善の出発点になります。

採用担当者が陥りがちなのは、「とにかく母集団を増やせばよい」という発想に飛びつくことです。求人媒体を追加し、エージェントを増やし、スカウト送信数を増やす。これらは確かに母集団の数には影響しますが、選考途中の離脱や内定辞退、早期離職が続いているなら、問題はその手前にあります。採用費を積み重ねるほど消耗する状況を変えるには、「どこでなにが起きているか」を正確に把握した上で、ピンポイントで手を打つ必要があります。数字で採用プロセスを可視化することが、改善の起点になります。

SESという働き方が求職者に誤解されやすい理由

SES採用が難しい理由のひとつに、「SESという働き方が求職者にネガティブなイメージで捉えられやすい」ということがあります。

「客先常駐だから会社への帰属意識が薄れる」「スキルが偏りやすい」「単価が低い案件に押し込まれるのでは」といった先入観を持つエンジニアは、転職市場に一定数存在します。こうした誤解が、SESという業態での求人に対する応募意欲を下げている面は否定できません。

この誤解を払拭するには、求人票や面接の場で「うちのSES企業では、入社後にどんな環境が用意されているか」を具体的に伝えることが重要です。案件の種類・規模・使用技術、キャリアパスの実例、エンジニアの声などの情報があると、候補者の「不安の解像度」が下がります。

求人票は条件を提示する場であると同時に、会社の姿勢を伝える場でもあります。「SES=労働力の提供」というイメージを崩す情報発信をしている企業とそうでない企業では、応募者の反応に差が出てきます。

誤解を解消するために有効なのは、「在籍エンジニアのリアルな声」を発信することです。どんな案件を経験したか、入社前と後でキャリアがどう変わったか、といったストーリーは、抽象的な説明よりもずっと説得力があります。採用サイトや求人票に掲載するだけでなく、SNSや社員ブログでの発信も、中長期的な採用ブランディングとして機能します。

また、SESへのネガティブなイメージを持つ求職者のほとんどは、「SESが悪い」というよりも「SESでの働き方がよくわからない」という状態にあることが多いものです。正確な情報をていねいに伝えることができれば、ネガティブな印象を持っていた求職者が「この会社は違うかもしれない」と感じるきっかけになります。

エンジニア獲得が困難なのは全社共通。それでもSES企業が「より苦戦する」理由

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IT業界全体のエンジニア不足と採用競争の実態

エンジニア採用の難しさは、SES企業に限った話ではありません。IT業界全体として、エンジニアの需要が供給を大きく上回っている状況が続いています。

経済産業省の推計では、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとされており、この傾向はWebエンジニアからインフラエンジニア、クラウド人材まで幅広い職種に及んでいます。即戦力となる経験者は数が限られており、大手企業からスタートアップ、SES企業まであらゆる企業が同じ母集団に手を伸ばしている構図です。

採用予算を増やしたり、媒体を増やしたりするだけでは太刀打ちできないケースが増えているのは、この構造的な人材不足が背景にあります。採用媒体への掲載費、エージェント手数料、スカウトメールの工数——これらを積み重ねても採用できないという悪循環を経験している企業は、決して少なくないでしょう。

「同じ土俵で戦わない」という発想への転換が、採用難の時代を乗り越えるカギになります。

なお、IT人材不足の背景には、デジタル化の急加速という事情もあります。製造業や小売業など、もともとITとは距離が遠かった業界でもDX推進の担い手としてエンジニアが求められるようになり、需要の裾野は急速に広がっています。この流れはしばらく続くと見られており、エンジニア採用の難しさが短期的に解消される見通しは立っていません。だからこそ、今のうちに採用の戦略を見直すことに意味があります。

SES特有の案件依存・単価構造が生む採用の難しさ

SES企業には、一般的なIT企業の採用とは異なる固有の難しさがあります。それが「案件依存・単価構造」という問題です。

SESビジネスでは、エンジニアの稼働率と単価が直接売上に直結します。採用したエンジニアがすぐに案件に入れなければ、人件費だけが発生する赤字の期間が生まれます。この構造があるため、SES企業の採用には「できるだけ即戦力を採りたい」という圧力がかかりやすくなります。

しかし経験者採用に絞れば絞るほど、応募母集団は狭くなります。スキルが高いエンジニアほど市場での選択肢が多く、中小規模のSES企業に応募してもらうことはさらに難しくなるという構造的なジレンマが生まれます。

SES企業の採用が抱える固有の構造的課題

  1. 採用後に即案件に入れないと赤字になるため、即戦力志向が強くなる
  2. 即戦力志向が強いほど、応募母集団が狭くなる
  3. 中小SES企業は年収・福利厚生での差別化が難しい
  4. SESのイメージ問題により、経験者ほど敬遠する傾向がある

この構造を理解した上で、「では自社はどこで勝負するか」を考えることが重要です。SES企業が採用活動を改善しようとするとき、「求人票を直す」「エージェントを増やす」「面接を改善する」といった個別の打ち手に目が向きがちです。しかし、こうした施策はあくまで「表面」であり、採用が難しい本質的な原因である「SES特有のビジネス構造」に手をつけない限り、根本的な改善には至りません。

採用の難しさをビジネス構造の問題として捉え直すことで、「未経験者を育てる」「単価を上げる仕組みを整える」「育成を採用のアピールに使う」という方向性が見えてきます。SES企業として差別化できる領域は、スキルが高い経験者を高条件で奪い合うことではなく、「育てて伸ばす仕組みがある会社」として認知されることの方にあるかもしれません。

経験者採用だけに頼るとコストが跳ね上がる傾向

即戦力志向が強いSES企業ほど、採用コストが高騰しやすいという現実があります。エージェント経由で経験者を採用する場合、紹介手数料として年収の20〜35%程度が発生するのが一般的です。採用できてもすぐに辞められれば、その費用が丸ごと無駄になります。

さらに、経験者採用の競合は大手企業やメガベンチャーまで広がります。「うちで内定を出しても、より条件のよい企業から声がかかれば辞退される」という状況は、採用担当者にとってストレスが大きいだけでなく、採用活動全体の士気にも影響します。

中途採用で即戦力を採り続けることで採用コストが膨らみ、採用できた人材も定着しないという悪循環に入ってしまう企業は多いもの。こうした状況を変えるためには、「採れる人材を育てる」という発想への転換が求められます。

また、経験者採用に偏ることで生じるもうひとつの問題が、「社内の年齢・経験層の偏り」です。中途経験者ばかりが集まる組織では、会社の文化や育成ノウハウの蓄積が課題となるケースもあります。既存スキルを持つ人材は即戦力にはなりますが、会社のやり方に染まりにくい側面もあり、チームとしての一体感が生まれにくい場合もあります。

新卒・未経験採用を一定数組み込んでいくことで、組織として育成のノウハウが蓄積され、「人を育てられる会社」というブランドが形成されていきます。これは中長期的に見ると、経験者採用の競争においても一定の差別化要因になり得ます。採用戦略を単年ではなく、3〜5年の視点で設計することが重要です。

エンジニアがSES企業を選ぶとき、本当に見ているもの

エンジニアがSES企業を選ぶとき、本当に見ているもの

年収・単価だけじゃない、求職者が重視する「入社後」のイメージ

転職を検討しているエンジニアが求人を見るとき、最初に確認するのは年収帯や使用技術といった条件面です。ただ、応募を決める段階では、もう一段深いところを見ている求職者が多いという実感があります。

それが「入社後に自分はどうなるか」というイメージです。

  • 最初の案件はどんな内容になるのか
  • スキルが上がれば単価や年収は変わるのか
  • 社内にサポートしてくれる人や仕組みはあるか
  • 先輩エンジニアがどのようにキャリアを積んできたか

こういった「入社後の解像度」を高められる情報が求人票や面接で提供できていると、候補者の不安が下がり、応募・承諾につながりやすくなります。

求人票や面接で伝えるべき情報の粒度として、「入社2年目の社員が今どんな案件を担当しているか」「未経験入社のエンジニアが3年後にどんなスキルを持つようになったか」といった具体的なエピソードは、候補者にとって特に参考になるでしょう。採用担当者が現場エンジニアと定期的に情報交換し、「社内のリアル」を語れる状態を保つことは、採用広報の質を維持する上でも重要です。

面接・選考で「この会社は違う」と感じてもらうための条件

エンジニアは転職活動中に複数の企業を同時に検討することが多く、選考体験そのものが企業評価に影響します。「面接で感じた雰囲気が悪かったから辞退した」という話は珍しくありません。

SES企業の採用面接で候補者がポジティブな印象を持つ場面として、よくあがるのは以下のような点です。

面接担当者が現場の実態を具体的に語れる

面接担当者が現場の実態を具体的に語れる

案件の種類や規模、使う技術、チームの雰囲気など、リアルな情報を伝えられる

選考スピードが速い

選考スピードが速い

他社の選考と並行しているエンジニアにとって、レスポンスの遅さは辞退の引き金になる

現場エンジニアと話す機会がある

現場エンジニアと話す機会がある

人事担当者だけでなく、実際に働くエンジニアと話せる選考設計は信頼感を高める

候補者のキャリアを真剣に考えている姿勢が伝わる

候補者のキャリアを真剣に考えている姿勢が伝わる

「うちに合う案件がある」だけでなく、「あなたのキャリアにとってどんなメリットがあるか」を語れる

面接回数が多い、返答が遅い、担当者が現場の話をほとんどできないといった状況は、候補者が「他の会社でいいや」と判断する材料になります。中途採用のエンジニアは転職先に「よりよい環境」を求めており、選考体験の悪さは入社前から不安を生む原因になります。

選考体験を改善する上で、まず着手しやすいのは「返答スピードの改善」と「面接設計の見直し」です。一次面接後の連絡を翌営業日中に行う、面接回数を2回以内に絞る、といった運用面の改善だけでも、候補者の印象は大きく変わることがあります。

加えて、面接の場で「候補者がなにを求めているかを引き出す」という姿勢を持てているかどうかも重要です。こちらの条件を一方的に伝える面接ではなく、候補者のキャリア観や不安をていねいに聞いた上で、「うちならこうできる」と応じる双方向の対話が、内定承諾率の改善につながります。SES採用特有のネガティブイメージを払拭するには、面接そのものが「信頼を作る場」であるという意識が欠かせません。

育成環境と成長機会の明示が応募者の安心感につながる

エンジニアが転職先を選ぶ際の判断軸として、「この会社で自分は成長できるか」という視点は、年収と並んで重要度が高いといわれています。特に20代〜30代前半のエンジニアにとっては、むしろ成長環境の方が優先される場合もあります。

SES企業が採用力を高める上で意外と見落とされがちなのが、「育成環境・成長機会の見せ方」です。「研修制度あり」という一行だけでは、候補者にはなにも伝わりません。「入社後○カ月でこういうスキルを身につけられる」「実際にこんな案件に関われるようになる」という具体性が、安心感につながります。

また、「スキルが上がると給与に反映されるか」という問いに対して具体的な回答ができる企業は、候補者の信頼を得やすいものです。育成環境を採用の文脈で語れるようにするには、まず社内で「なにをどう教えているか」を言語化しておく必要があります。これは採用広報としての効果だけでなく、育成設計そのものを整理するきっかけにもなります。

未経験エンジニアに活路を見出すSES企業が増えている

未経験エンジニアに活路を見出すSES企業が増えている

なぜ今、未経験採用がSES企業に注目されているのか

経験者採用の競争が激化する中で、「未経験エンジニアを採用して育てる」という方向に舵を切るSES企業が増えています。これは単なるコスト削減策ではなく、採用難の構造的な問題に対する現実的な打ち手として捉えられてきています。

未経験採用には、経験者採用にはない利点があります。応募母集団が広い点は、その筆頭です。エンジニアを目指している第二新卒、異業種からのキャリアチェンジ希望者、スクールで学んでいる社会人など、経験者採用では見えない層が存在します。また、エージェント手数料が高騰しやすい経験者採用と比べ、募集から採用までのコストを抑えられる可能性もあります。

もちろん、育成にかかる時間とコスト、現場に配属できるまでの待機期間という課題はあります。ただ、育成の仕組みを持っているSES企業にとっては、未経験採用は有効な差別化要因になり得ます。

「育てる覚悟がある企業」というメッセージは、採用広報としても訴求力を持ちます。特に「未経験でも挑戦できる環境」を求めている候補者には刺さりやすく、経験者採用の激戦区から意図的に離れることで、採用コストを抑えつつ母集団を広げるチャンスが生まれます。

未経験採用が「できない」と思われがちな3つの誤解

未経験採用に二の足を踏むSES企業から聞こえてくる声には、いくつかの共通したパターンがあります。多くは実態とは少しずれた「誤解」に基づいていることがあります。

誤解①「育成する余裕がない」

「今の体制では教える人がいない」という声は多いですが、実際に必要なのは「誰かが手取り足取り教える体制」ではありません。外部の研修リソースをうまく使い、「配属する前に基礎を仕上げておく」という設計ができれば、配属後の育成負担は下がります。育成の仕組みを「全部社内でやらなければならない」と思い込んでいるケースが多い印象です。

誤解②「未経験者では案件に入れない」

確かに高度なスキルが求められる案件には未経験者は入れません。ただ、SES企業が受注する案件の幅は広く、インフラの運用・監視、テスター、システムの保守・運用サポートなど、経験が浅くても参画できる案件は存在します。最初のステップをていねいに設計することで、未経験者でも稼働につなげることは可能です。

誤解③「採用しても定着しない」

未経験採用の定着率が低くなるのは、多くの場合「入社後のフォロー体制が不十分」なことが原因の一つです。育成環境を整え、入社後の成長実感を持てる仕組みを作ることで定着率の向上が期待できます。「採用して放置する」から「採用して育てる」への転換が、定着率改善のカギです。

育成設計こそがSES採用の成否を分ける

育成設計こそがSES採用の成否を分ける

入社後、現場に出せる人材を効率的に育てるための研修設計

SES企業における採用の成否は、採用できた時点ではなく、その後のフェーズで決まるといっても過言ではありません。入社後に案件に入れるまでの期間をどう設計するかが、採用の質を左右します。

「現場に出せる人材」とは、必ずしも全てのスキルを習得している状態ではありません。「自力で調べ、問題を切り分け、適切な質問ができる」というエンジニアとしての基礎体力が備わっていることの方が、現場では求められることが多いものです。

入社後の研修設計を考える上でポイントになるのは以下の点です。

「なにを教えるか」よりも「なにができる状態にするか」を先に定義する

「なにを教えるか」よりも「なにができる状態にするか」を先に定義する

研修の目的をスキルの羅列ではなく、配属後に「どのような動きができているか」という具体的な到達像で定義する

OJTと外部研修の役割を切り分ける

OJTと外部研修の役割を切り分ける

現場のエンジニアが教える範囲を絞り込み、基礎的なスキル習得は外部リソースに任せる

配属前の「共通言語化」を意識する

配属前の「共通言語化」を意識する

ドキュメントの書き方、質問の仕方、エラーへの対処の考え方など、チームで働く上での最低限の共通言語を研修期間中に身につけさせる

研修設計が整っていると、配属がスムーズになるだけでなく、配属先のエンジニアの「教えるコスト」も下がります。育成を属人的なOJTから組織的な仕組みへ移行させることが、SES企業の採用力を底上げします。

育成設計の整備は、採用候補者へのアピールにも直結します。「入社後○日間の研修があり、○○ができる状態で現場に配属される」という情報を具体的に伝えられると、候補者にとって「入社後の不安が少ない会社」と映ります。特に未経験者やキャリアチェンジを目指す求職者にとって、「どれだけ手厚いサポートがあるか」は企業選びの重要な軸になります。

育成の仕組みを「採用ページに書く情報」として意識的に言語化していくことが、求人の質を高め、ミスマッチを最小限に抑えた採用につながります。

未経験エンジニアが定着する職場環境の作り方

未経験者が入社後「技術的についていけない」「誰に相談すればいいかわからない」「思っていた仕事と違う」という不安が積み重なった結果、早期退職という判断に至るケースが多くあります。

定着率を高めるために効果的な取り組みのひとつがメンター制度ですが、制度として設けるだけでは機能しません。技術的な疑問に答えるだけでなく、「チームに馴染めているか不安」「自分の成長スピードが遅い気がする」といった話を安心して持ち出せる関係性を作れるかどうかが、制度の質を左右します。

また、定期的な1on1でのキャリア相談の場を設けることも有効です。「自分がどこに向かっているか」が見えない状態は、モチベーションを下げる大きな要因になります。半年後・1年後にどんな案件に関わっていたいか、そのために今なにをすべきかを一緒に考える機会があると、エンジニア自身が「この会社にいる意味」を実感しやすくなります。

定着率の改善は、採用コストの節約にも直結します。「一人採用するコスト」と「一人定着させるためのコスト」を試算してみると、定着への投資の費用対効果が見えてくることがあります。

職場環境の整備という観点では、エンジニア同士が知識や経験を共有し合える場作りも効果的です。社内勉強会や技術共有の場を設けることで、「同僚から学べる環境がある」という実感が生まれます。これは定着率の向上だけでなく、採用候補者に対して「成長できる環境」を具体的に示す材料にもなります。

また、定着率が高い組織は口コミや評判にも影響します。在職エンジニアが「この会社でよかった」と感じていれば、知人への紹介や転職口コミサイトへの投稿といった形で、採用ブランドの向上につながることがあります。採用と定着は、実は一本の線でつながっているのです。

育成コストを抑えながら戦力化するための外部活用という選択肢

未経験エンジニアを採用したものの、「育成する社内リソースが不足している」という状況は、多くのSES企業が直面する現実的な課題です。だからといって、育成を諦める必要はありません。外部の研修リソースを組み合わせることで、育成コストを現実的な範囲に抑えながら戦力化を進めることは可能です。

外部研修を活用するメリットは、現場エンジニアの育成負担軽減だけではありません。「配属前の基礎固め」を外部に任せることで、現場エンジニアが本来の業務に集中しやすくなります。また、体系的なカリキュラムで学んだエンジニアは「どこに知識の抜けがあるか」が明確になり、自走力が高まりやすい傾向があります。

外部研修を選ぶ際には、「知識を教えるだけ」の研修ではなく、実務に近い形での演習が含まれているかを確認することが重要です。研修終了後に「なにができる状態になっているか」が明確に示されているかどうかも、選定の基準になります。

育成に投資することは、採用コストの削減と定着率の向上という二重の効果をもたらす可能性があります。採用と育成を別のコストとして捉えるのではなく、「人材投資の一体設計」として一本の線でつなぐ視点が、限られたリソースを最も効果的に活用する鍵になります。

エンジニアの単価を上げる仕組みが「選ばれる企業」への近道になる

エンジニアの単価を上げる仕組みが「選ばれる企業」への近道になる

「単価は上がりますか?」——その問いに答えられる会社が強い

SES企業における採用競争力を考えるとき、「採用活動そのものの改善」だけに目を向けていると、根本的な課題を見落とすことがあります。採用ブランドを高める上で、「エンジニアの単価が上がる仕組みがあるかどうか」が大きく影響しているからです。

転職を検討しているエンジニアは、入社後の自分のキャリアと収入の変化を想像しながら企業を選びます。「この会社に入っても単価が上がらないのでは」という懸念があると、条件が悪くなくても選ばれにくくなります。

逆に、「スキルが上がれば単価に反映される」「より高単価な案件に提案してもらえる体制がある」という実態を伝えられる企業は、候補者の目にとまりやすくなります。これは単なる採用広報の話ではなく、エンジニアにとって「この会社に入る理由」が明確になるということです。

案件の質が上がり、スキルシートに書ける実績が増え、さらに高単価な案件に参画できる。こういう好循環が見えていると、「長く働きたい」と感じてもらいやすくなります。採用と育成・単価向上をセットで設計している企業と、採用だけに注力している企業では、中長期的な採用力に差が出てきます。

SES企業にとって単価の向上は収益に直結する問題ですが、それはエンジニア自身にとっても「自分の市場価値が認められた」という実感につながります。単価が上がる仕組みを整えることは、エンジニアにとっての働く動機を作ることでもあり、定着率の改善にも波及します。採用担当者の視点だけでなく、エンジニアの視点から自社の魅力を考え直すと、伝えるべき情報や訴求のポイントが見えてくることがあります。

エンジニアの市場価値を高める研修「リアプロ」とは?

実務に近いプロジェクト経験を積むことでエンジニアの単価アップを目指す、そうした考え方に基づいた研修として、東京ITスクールがSES企業向けに提供しているのが「リアプロ」です。東京ITスクールでは、リアプロのような現場直結のスキルアップはもちろん、新卒・中途のIT未経験者をいち早く戦力化するための基礎研修も充実しており、採用直後の立ち上がりから現場での単価アップまで、一気通貫で支援できる体制が整っています。

参考:受講者数日本No.1「新入社員のためのエンジニア研修
参考:異業種・異業界からの転職者向け「中途社員向けエンジニア研修」

リアプロは、SES企業の若手エンジニア(1〜3年目を主な対象)向けに設計された18日間の実践型研修プログラムです。特に以下のような状況を抱えるエンジニアの育成を想定して設計されています。

  • 基礎知識はあっても、実際の開発の流れがわからない
  • スキルシートに書ける経験がなく、次の案件提案が難しい

研修を通じて得た成果物をスキルシートに記載できる形にすることで、高単価案件への参画機会を広げることを目指します。毎月開講・1名から参加可能で、助成金を活用すれば費用を抑えられるケースもあります。

具体的なカリキュラムや助成金の活用シミュレーションをご希望の方は、まずは資料請求またはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

リアプロの導入メリット

助成金活用で研修費用は実質0円。教育しながら粗利も改善

助成金活用で研修費用は実質0円。教育しながら粗利も改善

配属先の選択肢が広がり、案件マッチ率と単価がアップ

配属先の選択肢が広がり、案件マッチ率と単価がアップ

従業員の定着率が向上。エンゲージメントも改善

従業員の定着率が向上。エンゲージメントも改善

まとめ:SES採用と育成設計はセットで考えるのが近道

SES企業のエンジニア採用が難しい背景には、IT業界全体の人材不足という構造的な問題と、SESというビジネスモデル特有の課題が重なっています。経験者採用の競争に疲弊しながらも改善の糸口が見えないと感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事を通じて整理してきたことを振り返ると、SES採用を変えるためのポイントは以下のように集約されます。

  • 採用がうまくいかないフェーズを特定し、打ち手を絞る
  • SESへの誤解を払拭する情報発信を採用の場で行う
  • 未経験採用を「育てる仕組みがあればできる選択肢」として検討する
  • 入社後の育成設計を整え、現場配属までのロスを減らす
  • エンジニアの単価向上を仕組みとして持つことで、採用ブランドを高める

採用と育成を切り分けて考えている限り、どちらかに投資しても効果が出にくい構造になりがちです。「採れる人材を育て、育てた人材がよりよい案件に入る」という循環を作ることが、SES企業の採用力を持続的に高めていく上での一つの考え方です。

SES採用の難しさに向き合ってきた企業が共通して気づくのは、「採用だけを変えても限界がある」ということです。採用した後の育成設計、エンジニアの単価向上の仕組み、定着率を高める職場環境、これらが整ってはじめて、採用活動の効果を高めることができます。採用担当者が孤軍奮闘するのではなく、現場・人事・経営が一体となって「どんな人材をどう育てるか」を設計することが、長期的な採用力の底上げにつながります。

「なにからはじめればいいかわからない」「社内だけでは育成に限界を感じている」という方は、一度東京ITスクールにお話を聞かせてください。研修の提供を通じて、採用した人材をいかにスムーズに現場へ送り出し、単価アップにつなげていくか。この一連の流れを一本の線でつなぐ仕組み作りを、育成の側面からバックアップします。

金坂

東京ITスクール 金坂

SEとしてB2Cアプリ開発、金融系システム開発などを経験後、人事部で採用業務を担当。現在は東京ITスクールの講師として新人研修から階層別研修、人事向けセミナーまで幅広く登壇。猫を3匹飼っている猫好き。


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