アクティブリスニング研修!社員のコミュニケーション能力向上

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アクティブリスニング研修!社員のコミュニケーション能力向上

どんなコミュニケーションでも、相手の話を傾聴する姿勢を持つことが大切です。もちろんビジネス上のコミュニケーションも同様です。その役に立つものとして近年「アクティブリスニング研修」の必要性が注目されています。しかし具体的にどのようなものなのでしょうか。

この記事では、アクティブリスニング研修について解説します。以下の点について深堀していきます。

  • アクティブリスニングとは
  • 研修プログラムの内容
  • アクティブリスニングの社内応用

企業の企画担当者の方、人事担当者の方は参考にしてみてください。

アクティブリスニングとは?

アクティブリスニングとは、話し手の言葉だけでなく非言語的な部分まで含めた全体のコミュニケーションを理解し積極的に受け止めて応えるリスニング手法のことです。

詳細について、以下の側面から解説します。

  • 共感的リスニングのスキル
  • 相手の言葉を引き出す質問
  • 言葉だけでなく非言語コミュニケーションも重視
  • 相手の感情を読み取る方法
  • パラフレーズの技術

順に見ていきます。

共感的リスニングのスキル

共感的リスニングのスキルは、相手の意見を理解し共有する能力のことを指します。これは、一度自身の視点を離れ、相手の視点に立つことでその人が何を感じ、どう考えているのかを理解することが可能となります。

このスキルは、円滑な人間関係を築くために必要不可欠であり、ビジネスシーンでのコミュニケーションを向上させるためにも活用されています。たとえば企業のカスタマーサービスでは、顧客の意見や要望をより正確に理解し満足度を高めるために活用されています。このスキルを持つことで人々と深い関係を築き、信頼関係を構築しやすくなるでしょう。

相手の言葉を引き出す質問

相手の言葉を引き出すための質問は、対話を深めて理解を促進する重要なツールです。まずは、オープンエンドの質問を活用しましょう。これは相手に独自の回答を求める質問で、相手の考え、感情、願望を明らかにし対話をより深いレベルに引き出します。「どう思いますか?」や「なぜそう感じますか?」などが例です。

次にエコーの技術を活用します。これは相手の言葉をリピートするだけでなく意味を理解し反映する技術です。また静的な質問も有効です。これにより相手は自己反省を促され、自分自身についてより深く理解することができます。これらの方法を駆使しより有意義な対話を進めてみましょう。

言葉だけでなく非言語コミュニケーションも重視

非言語コミュニケーションとは、相手の言葉以外の情報を読み取る力のことでアクティブリスニングではその重要性が強調されます。主に、表情、視線の動き、体の姿勢、ジェスチャー、声のトーンやテンポなどが該当します。

たとえば相手が言葉では積極的な意欲を示していても、声のトーンや表情から不安や迷いを察知することができます。これらの情報を適切に読み取ることで真の意図や感情に迫り、より深いコミュニケーションを実現することが可能となります。

相手の感情を読み取る方法

相手の感情を読み取る方法は、非言語コミュニケーションの一部でもあります。まずは、相手の表情や姿勢、目の動き、声の調子など、言葉以外の振る舞いに注目しましょう。特に、微細な表情の変化は大きなヒントになり得ます。また直感や勘を信じ、その人が何を感じているのか、どのような事を考えているのかをイメージしましょう。

ただし結論を急ぐのではなくその感情が正しいかどうかを相手に確認することも大切です。たとえば「あなたが落ち込んでいるように見えるのですが、私の認識は正しいですか?」と問いかけると良いでしょう。これにより相手の感情を尊重し理解する姿勢を示すことができ、より深い信頼関係を築くことが可能となります。

パラフレーズの技術

パラフレーズの技術は、相手の言葉を自分の言葉で再構築し理解度を深めたり、相手に理解していることを伝えるための技術です。パラフレーズの基本は、「あなたの言っていることは…ということでいいですか?」という形で自分の理解を述べることです。

しかし使用する際は注意が必要で、自分の解釈を押し付けるような形ではなくあくまで自分の理解を確認するという視点を持つことが重要です。

研修プログラムの内容

次に、研修プログラムの内容についてまとめます。以下の内容があります。

  • 初期イントロダクションと目標設定
  • 理論講座と実践ワークショップ
  • シミュレーションを通じた実践練習
  • ロールプレイングとフィードバックセッション
  • グループディスカッションの活用

順に見ていきましょう。

初期イントロダクションと目標設定

初期イントロダクションと目標設定のステージでは、受講者が研修の全体像を理解し自身が何を学び、どのように成長するべきかの目標を明確にします。これにより受講者は他のステージへと進む上での動機づけがはっきりとし学習へのモチベーションが上がります。

具体的な方法として、研修の目的や流れを説明し自身がアクティブリスニングを身につけることでどのようなスキルアップが期待できるかを示すことが効果的です。また受講者自身に現状と目指すべきスキルを比較し自己肯定感を高めつつ、研修への意欲を引き出すアクティビティも取り入れることをおすすめします。

理論講座と実践ワークショップ

我々の研修プログラムでは、理論講座と実践ワークショップを重視しています。

理論講座では、アクティブリスニングの基本的な定義や方法、なぜそれが重要なのかについて詳しく学びます。具体的な質問の作り方や、非言語的な情報をどのように解釈するかなどについても学びます。

次に実践ワークショップでは、これらの理論を現実の状況でどのように実践するかを学びます。シミュレーションやロールプレイングを通じて、実際のコミュニケーション状況を想定しその中でアクティブリスニングをどのように活用できるかを体験します。

この組み合わせにより理論と実践が相互に補完しあい、アクティブリスニングのスキルを総合的に習得できます。

シミュレーションを通じた実践練習

シミュレーションを通じた実践練習は、アクティブリスニングのスキルを向上させるために非常に重要なステップです。

まず学習者は設定されたシナリオの中でリアルタイムの対話を通じてアクティブリスニングの技術を適用します。これには、相手の言葉を理解し共感的な反応を示すことが含まれます。

次に状況別の適切な質問の提案や、非言語コミュニケーションの読み取り等、具体的なスキルの習得を目指します。これらのシミュレーションは、コミュニケーションのあらゆる局面でのリスニングスキルを磨くための有益な練習となるでしょう。

ロールプレイングとフィードバックセッション

ロールプレイングとフィードバックセッションは、研修プログラムの中でも特に重要な部分です。ここでは受講者が理論を具体的な行動に変える場となります。ロールプレイングでは、事前に提示されたシチュエーションを用いて、実際にアクティブリスニングを実行します。相手の感情やニーズを把握しそれに適した応答を試みる練習の場です。

フィードバックセッションでは、ロールプレイングの結果を共有し他の受講者や講師から意見を得ます。これにより自分の行動がどのように他者に影響を与え、どの部分を改善すべきかを理解します。具体的な策を見つけ、次回のロールプレイングに活かすことができます。これらのセッションにより理論だけでなく実際の場面でのコミュニケーションスキルも磨くことが可能です。

グループディスカッションの活用

グループディスカッションは互いの意見を出し合い、新たな視点やアイデアを生み出すために有効な手法です。アクティブリスニングが活用される場面の一つとしてここが挙げられます。一人のスピーカーが話すだけでは得られない多様性がここには存在します。

しかしただ話し合うだけではなく、その中で積極的に相手の意見を理解しようとする姿勢が重要です。それぞれの意見を尊重しつつ、自分の考えを他人に理解してもらうためには、自分の意見を明確に伝えることも重要です。またグループディスカッションの中で相手の感情や思考を察知しそれに適切に反応することもアクティブリスニングの一部となります。

これらのスキルを鍛えることでコミュニケーションが円滑になり、更なる結束力や創造力を生むことができます。

アクティブリスニングの社内応用

最後に、アクティブリスニングの社内応用についてまとめます。以下の点が挙げられます。

  • 会議での効果的なコミュニケーション
  • メンバー同士の信頼構築方法
  • 上司と部下の関係強化に役立つスキル
  • お客様対応における実践
  • クレーム対応の基本

順に見ていきましょう。

会議での効果的なコミュニケーション

アクティブリスニングは、会議での効果的なコミュニケーションを向上させる強力なツールです。組織内での意思疎通は、情報の正確な伝達と各メンバーの感情や意見の理解に大いに依存します。アクティブリスニングを用いることで各メンバーが言いたいことをしっかりと理解しそれに基づいて討論を進めることが可能になります。

またアクティブリスニングは、他者の意見を尊重し理解しようとする姿勢を示すことで信頼関係の構築にも寄与します。その結果、互いに意見を尊重し合う風土が育ち、より建設的な議論が期待できます。総じて、アクティブリスニングは会議の質を高め、組織内のコミュニケーションを円滑にする重要な要素と言えるでしょう。

メンバー同士の信頼構築方法

メンバー間の信頼を構築するためには、アクティブリスニングの能力が求められます。一方的な会話ではなく相手の話を理解しそれに基づいて反応することにより深い信頼関係を築くことが可能となります。

具体的な方法としては、まずは相手の話を最後まで静聴することです。次にその話の要点を噛み砕いて自分の言葉で再度伝えられるようになることが重要です。これにより自分が相手の意見を理解し尊重していることを明示的に示すことができます。

また自分の意見を述べる際にも、相手の話を理解し反映させることで相手は自分が理解されていると感じ、信頼関係が強化されます。信頼はコミュニケーションの基礎であり、それがチーム作りの土台となります。

上司と部下の関係強化に役立つスキル

アクティブリスニングにより、上司は部下の意見や感情を適切に理解しその反応を適切な形で返すことが可能となります。これにより部下からの信頼が得られ、コミュニケーションがスムーズになるのです。

また部下も上司からの言葉を正確に理解することで具体的なアドバイスを受け取りやすくなります。これにより部下は自分のスキル向上に努めることができるのです。たとえば一部の企業では、月に一度、上司と部下が1対1のミーティングを実施しアクティブリスニングのスキルを活用して成果や問題点を共有しています。

なお、こうしたスキルは人間関係の構築に欠かせないものであり、組織全体の雰囲気作りにも貢献します。早い段階でアクティブリスニングの重要性を理解し適切なトレーニングを積むことでより良い職場環境が築かれるでしょう。

お客様対応における実践

アクティブリスニングは、お客様対応における実践でも非常に有効です。しっかりと話を聞き出すことでお客様の本当のニーズを把握することが可能となります。また相手の意見を尊重し理解しようとする姿勢を見せることで信頼関係を築くことができます。

具体的な実践方法としては、まずお客様が話し終わるのを待つことが重要です。途中で割り込むと、相手を尊重していないと感じさせてしまう恐れがあります。次に適切な質問を投げかけることでお客様からさらに詳しい情報を引き出すことが可能となります。最後にパラフレーズを使って自分が理解した内容を伝え、確認を取りましょう。

これによりお客様からの情報を適切に理解できているか確認するとともに、相手の言葉を尊重していることを示すことができます。

クレーム対応の基本

クレーム対応の基本とは、まず相手の話を落ち着いて聞き、理解することから始まります。アクティブリスニングのスキルを用いれば、クレームを声高に訴える顧客の背後にある本当のニーズを引き出すことが可能になります。また共感的にリスニングし顧客の感情を尊重することで紛争を解決に向かわせるための信頼関係を築くことができます。

さらに相手の言葉だけでなく非言語コミュニケーションも重視しましょう。顔の表情やトーン、身体言語から、言葉にならない顧客の感情やニーズを読み取ることが求められます。一方で、自分自身も言葉と非言語コミュニケーションで一貫性を持つことで顧客からの信頼を勝ち取ります。

このように、アクティブリスニングはクレーム対応における非常に重要なスキルと言えます。対話を通じて顧客の問題を理解し解決に向けて共に歩んでいくことで顧客との強固なつながりを築くことができるのです。

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鈴原

東京ITスクール 鈴原

講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。趣味は筋トレと映画鑑賞。


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