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官僚制組織の長所と短所!今すぐ知るべき企業も陥るポイント

公開日:2024年05⽉10⽇最終更新日:2024年05⽉10⽇

官僚制組織の長所と短所|今すぐ知るべき企業も陥るポイント

「官僚制組織」というと政府機関や官公庁の話のように感じるかもしれませんが、一部の一般企業にも当てはまります。メリットもありますが、デメリットも多くあります。近年のさまざまな形態の組織の誕生は、官僚制組織のデメリットへの対処と考えることも可能です。

 

この記事では、官僚制組織についてまとめます。この記事を読むことで、以下の点について具体的に理解できるようになります。

 

・官僚制組織の長所(明確さ、効率的、専門性)

・官僚制組織の短所(硬直化、ことなかれ主義)

・改革への抵抗と対処法

・企業が陥りがちなポイントと解決策

 

管理職などで理想の企業の形を考えている方は参考にしてみてください。

官僚制組織とは

官僚制組織とは、大組織における管理とコントロールの手段として、とくに大企業や政府機関で広く採用されている組織構造を指します。

 

この組織構造は、マックス・ヴェーバーが提唱したビューロクラシー(官僚制)に基づいています。階級制度、明確な役割と責任、正式なルールと手続きに基づいた運営という特徴があり、規模が大きく複雑な業務を持つ組織ではその効率性と予測可能性から採用されています。しかしこの形態は創造性や革新を制限するとの批判もあります。

 

 

 

 

官僚制組織の長所

次に、官僚制組織の長所について解説します。以下の点が挙げられます。

 

・明確な階層構造

・責任と権限の明確化

・効率的な意思決定

・専門性の高い職務遂行

 

1つずつ見ていきましょう。

 

 

 

明確な階層構造

官僚制組織における明確な階層構造は、全体の指揮系統をはっきりさせ、企業内の誰が何をすべきであるかが一目で理解できる点が評価されます。

 

たとえば大手製造業などでは製品を作る上で各部門の役割が明示されており、販売部、生産部、営業部などが連携を取りつつ、それぞれの役割を果たしています。この点が明確な階層構造の持つ大きな利点といえます。

 

また明確な階層構造は、雇用者と従業員間の期待値のズレを防ぎ、混乱を避けるために必要不可欠な要素です。そのため、初めて入った組織でもすぐに溶け込める効果もあります。

 

 

 

責任と権限の明確化

官僚制組織の特徴として「責任と権限の明確化」が挙げられます。これは企業内で各職員が担当すべき仕事や使命が明確に区分けされ、同時にその範囲内での決定権が確保されることを意味します。

 

たとえば一部門のマネージャーはその部門の業績責任を持つとともに、部門内の資源配分や方針設定の権限を持つことになります。これにより効率的な業務遂行が可能となり、また専門性を持った職員が適切なポジションに配置され、その能力を最大限に活用できる環境が整います。

 

この制度は、大企業のように多数の職員を抱える組織にとってとくに有効であり、多くの成功している企業でも採用されています。

 

 

 

効率的な意思決定

官僚制組織の中でも、効率的な意思決定という特徴は鮮明です。明確な階層構造と、それに沿った責任と権限の区分けによって誰が何を決定すべきかが明確になるため、迅速かつ確実に決定を下すことが可能です。

 

一定のルールと体系化された役職階層を決めることにより、決定権が明確となり迅速かつ的確な意思決定を可能になります。しかしこの効率的な意思決定は柔軟性や創造性を抑制する可能性もありますので、新たな対策や教育が求められます。

 

 

 

専門性の高い職務遂行

官僚制組織の一つの大きな特徴として、専門性の高い職務遂行が挙げられます。各職員は自分の役割と専門分野を持つため、その専門分野の知識・技術が高度に要求されることがよくあります。

 

たとえば会計部門の職員は会計規則や税法に関する専門知識が必要とされますし、製造部門の職員は製品開発のための技術的知識が求められます。このような専門性を持つ職員が各部門で活動することで、全体として組織の業務遂行能力が向上します。

 

しかしこの高い専門性は、部門間のコミュニケーションや協力を阻害する可能性もあります。それぞれの専門分野に深く閉じこもり過ぎてしまうと、他部門の視点や情報が見逃され、組織全体としての効率性や柔軟性が損なわれる可能性があります。

 

 

 

 

官僚制組織の短所

次に、官僚制組織の短所についてまとめます。以下の点が挙げられます。

 

・柔軟性の欠如

・創造性の抑制

・ことなかれ主義

 

1つずつ見ていきましょう。

 

 

 

柔軟性の欠如

官僚制組織の主な短所として挙げられる柔軟性の欠如は、変化の激しい現代のビジネス環境では大きな課題となります。固定化された組織構造や明瞭な役割分担が、新たなチャレンジへの反応速度や新規アイデアの導入を遅らせる傾向にあるからです。

 

たとえばある業務改善のアイデアがあったとき、それが上層部まで伝達され、承認され、実行に移るまでに時間がかかりすぎると、その間にビジネス環境が変わってしまうこともあります。

 

このように官僚制組織では新しいアイデアに適応し素早く実行に移すことが難しくなり、柔軟性の欠如という課題につながっています。

 

 

 

創造性の抑制

官僚制組織の一つの短所として、創造性の抑制が挙げられます。その厳格な階層構造とルールに従う文化は、新しいアイデアや新規事業開発など、創造的な取り組みをなかなか導入できない状況を作り出す傾向にあります。

 

また長期的な視点や大局的な視野を持つことが難しいため、組織全体としての創造性も低下する可能性があります。たとえば大企業の一部では、新しいプロジェクトを始めるのに多数の承認が必要で、その結果創造的な提案が行き詰まることがあります。これは、官僚制組織の構造上新たな取り組みに対するリスクを避けるため、既存の枠組みに則った安全な選択を優先してしまうためです。

 

 

 

ことなかれ主義

「ことなかれ主義」は官僚制組織の主要な短所の一つで、これにより組織の柔軟性や創造性が制限される可能性があります。これはルールや規則に固執し、既存の状態を維持するために新しいアイデアや変更に抵抗する傾向を指します。このような態度は組織の進化や変革を妨げ、競争力の低下につながる可能性があります。

 

また組織内の意欲的なメンバーが自身のアイデアを抑制する環境が生まれ、結果として社員のモチベーション低下や人材の流出に繋がる恐れもあります。

 

 

 

 

官僚制組織の対応策

次に、官僚制組織の短所に対応する具体策についてまとめます。以下の方法が挙げられます。

 

・意思決定の迅速化

・横断的なチームワークの促進

・デジタル技術の活用

 

1つずつ見ていきましょう。

 

 

 

意思決定の迅速化

意思決定の迅速化は、官僚制組織の弱点の一つを克服するための重要な方法です。官僚制組織で頻繁に見られる情報の遮断や過剰な文書化による意思決定の遅滞は、組織運営の効率を低下させます。迅速な意思決定は、これらの問題を解決し企業が市場の変化に素早く対応することを可能にします。

 

迅速化の一手段としては、デジタルツールの活用が考えられます。一部の企業ではオンラインツールを使用して、全てのスタッフが同じ情報をリアルタイムで共有し迅速な意思決定を行っています。また経営層が直接全スタッフに発信しフラットなコミュニケーションを取ることで情報の歪みを防ぎ、意思決定のスピードを上げています。

 

 

 

横断的なチームワークの促進

横断的なチームワークの促進は、官僚制組織の欠点である柔軟性の欠如や創造性の抑制を克服する有効な解決策と言えます。各部署や階層を超えたチームを作り、多角的な視点からの意思決定や課題解決を図ることで新たなアイデアや創造的な解決策が生まれやすくなります。またメンバー間でリーダーシップを共有することで組織全体が主体性をもって動くことが可能となり、柔軟性も高まります。

 

組織内の横断的なチームワークの促進は、従来の組織の垣根を越えて新たな価値を創造するための鍵となるのです。

 

 

 

デジタル技術の活用

デジタル技術の活用は官僚制組織の効率化に一役買います。ツールやソフトウェアを導入することで、事務処理を自動化し人間の手間を大幅に減らすことが可能です。またクラウドストレージを利用することで情報共有が容易かつ効率的に行えます。これにより企業内でのコミュニケーションを円滑にし、意思決定の迅速化を促すことができます。

 

たとえばSlackなどのコミュニケーションツールや、Google Drive、Dropboxなどのクラウドストレージを用いることで上述の効果を実現できます。デジタル技術の活用は、現代の官僚制組織にとって重要な改革の一つと言えるでしょう。

 

 

 

 

改革への抵抗と対処法

組織改革は必ずしもスムーズに進むものではありません。新しい方針や方法に対する社員からの抵抗は、改革を頓挫させる大きな壁となり得ます。

 

その対処法の一つとしては、「なぜ改革が必要なのか」を十分に理解させることが重要です。具体的には、組織全体が直面している課題やそれが未来にどのような影響を及ぼすかを具体的に示すことで、改革の必要性を社員に認識させます。

 

また抵抗を示す社員の意見を尊重し、改革の一環として取り入れることも有効な対策なのです。

 

 

 

 

企業が陥りがちなポイントと解決策

最後に、企業が陥りがちなポイントと解決策についてまとめます。以下の点が挙げられます。

 

・過剰な文書化の解決策

・情報の遮断の解決策

・柔軟性の欠如の解決策

・創造性の抑制の解決策

 

順に見ていきましょう。

 

 

 

過剰な文書化の解決策

過剰な文書化の問題に対する解決策としては、「必要最小限の文書化」と「デジタルツールの活用」があります。

 

必要最小限の文書化は、必要な情報だけを端的に記録し余計な記述を避けることで効率化を図ります。逆に無駄な情報が増えると意思決定や業務進行が遅くなるため、重要な情報だけを残すことが重要です。

 

一方、デジタルツールの活用は、GoogleドキュメントやEvernoteなどのツールを使用すると効果的です。これらのツールは同時編集が可能でリアルタイムに情報の更新や共有が可能なため、円滑なコミュニケーションと迅速な意思決定を実現します。

 

これらの対策を通じて、過剰な文書化を抑制し業務効率を向上させることができます。

 

 

 

情報の遮断の解決策

官僚制組織における情報の遮断とは一部の顧客情報や業績データが共有されずに隠蔽されることで、これにより組織全体の効率と生産性が低下する恐れがあります。この問題を解決するためには、情報共有システムの導入、定期的な報告会議の実施、企業文化の改革などが考えられます。

 

情報共有システムとは、企業内で利用できるやり取りを追跡し全員が必要な情報を得ることができるようにするシステムのことです。定期的な報告会議により、各部門が自身の業績や取り組みを他のメンバーと共有し全体としての理解を深めることが可能となります。また企業文化の改革により情報の透明性を高め、情報遮断を解消することも可能です。

 

これらの対策を組織内で実践することで、情報の遮断を解消し組織全体の生産性向上を実現することが期待できます。

 

 

 

柔軟性の欠如の解決策

官僚制組織の柔軟性の欠如を解消するためには、以下の3つの戦略が有効です。まず組織内のコミュニケーションチャネルを増やすこと。次に意思決定プロセスを多様化させ、必要に応じて階層を脱線する機会を設けること。最後に従業員の自主性と創造性を奨励する企業文化の育成です。

 

通信技術を使用して従業員間の情報共有とコミュニケーションを容易にすることで、新しいアイデアや提案が連続的に流れる環境を作ることが可能です。また意思決定プロセスを多様化することも必要です。これには、特定の案件については階層を跨いだチームで意思決定を行う「タスクフォース」の設置などがあります。さらに従業員の自主性と創造性を奨励する企業文化の育成が重要です。経営陣による方針と指導は必要ですが、それだけでは新鮮な視点やアイデアは生まれにくいです。

 

これらは一例ですが、官僚制組織の枠組みを変えることなく、組織の柔軟性を向上させるための現実的な解決策を提供しています。

 

 

 

創造性の抑制の解決策

創造性の抑制への対策として、まずは「オープンイノベーション」の導入を推奨します。これは、外部のアイデアや技術を積極的に取り入れ新たな価値を生み出すためのアプローチです。大企業では既存の業務フローに囚われがちですが、スタートアップや異業種の企業と連携することで新たな視点や創造的なアイデアを取り入れることが可能です。

 

また組織内での「クロスファンクショナルチーム」の形成も有効な手段です。異なるスキルや背景を持つ人々をグループにし、互いに刺激を与え合うことで創造性を高めていきます。さらに従業員自身が新しいアイデアを出しやすい環境を作ることも大切です。そのためには、失敗を許容しリスクを冒すことを奨励する風土づくりが必要です。

 

これらの対策により、官僚制組織における創造性の抑制問題を解消することができます。

 

 

 

 

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 東京ITスクール 鈴原 
 講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
 企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
 特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
 趣味は筋トレと映画鑑賞。

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