ビジネス文書の質を高めるテクニックと文章力の高め方
公開日:2023年11⽉13⽇最終更新日:2024年11⽉08⽇
日々の業務で、
「文章がうまく書けない」
「何度も書き直しを指示される」
と悩む人は少なくありません。
この記事では、仕事での文書作成におけるテクニックのほか、文章力そのものを向上させるコツを解説します。
文章の作成が苦手な方へ
社内での連絡事項が発生したときや、取引先への案内や依頼をしたいとき、メールやコミュニケーションツールなどでの文書のやり取りを必要とすることが頻繁にあります。
ビジネス上でのやりとりですから、相手に失礼のないように、なおかつ正確・簡潔に内容を伝えなければなりません。
しかしながら、以下のようなお悩みを持つ人も非常に多いようです。
- 伝えたい内容をうまく文章に落とし込めない
- 文章が冗長になり、何が言いたいのかがわかりづらい、読みにくい
- 正しい言葉遣いがわからない(尊敬語・謙譲語の適切な使用など)
案内や依頼内容がうまく相手に内容が伝わらないと、何度もやりとりが発生したり、結局口頭で確認することになったりと、お互いストレスにもなります。
逆に、いつもわかりやすい文章が書ける人は、文書作成で何を心がけているのでしょうか。
以降のセクションで、文書作成の基本的な書き方や、文章力の高め方について解説していきますので、是非お試しいただきたいと思います。
ビジネス文書作成の基本:伝わりやすい書き方
ここからは、伝えたいことが相手にきちんと伝わるビジネス文書を作成するための基本を紹介します。
ビジネス文書作成の基本① 結論を最初に書く(PREP法)
基本的に、ビジネス文書を書く際は必ず結論から始めましょう。結論から始める文章の書き方を「PREP法」といいます。
PREP法は、結論→理由→具体例→結論の順番で展開する文章作法です。結論を最初に述べ、その理由や具体例で結論を補足してから最後に再度結論を述べることで、文章全体に説得力を持たせられます。
また、長い文章を最後まで読まなくても、最初のほうで言いたいことがわかるため、相手に要点が伝わりやすいのもポイントです。
PREP法で書かれた文例を参考にしたり、報告・連絡用のテンプレートを作って、文章作成の際に活用するのもおすすめです。
ビジネス文書作成の基本② 文章は短く区切る(一文一意):例文あり
文章を書くときは、短く区切ることを意識しましょう。ひとつの文章に盛り込む内容は、ひとつだけに絞ることが重要です。
たとえば
例文①
「今日は天気が良かったので、溜まっていた洗濯物を片付けた後、近所のスーパーに買い物に出かけて、少し高い牛肉を買って、夕食は豪華にステーキを食べました。」
という文章だと、何を言いたいのかがいまひとつはっきりしません。
文章はひとつの意味ごとに「。」で区切ることを心がけましょう。上の文章を書き直してみます。
例文②
「今日は天気が良かったので、溜まっていた洗濯物を片付けました。
その後、近所のスーパーで少し高い牛肉を買い、夕食は豪華にステーキを食べました」
ひと連なりだった文章を2つに区切るだけでも、意味が通りやすくなります。
文章は長くなればなるほど主語と述語がねじれやすくなります。主語と述語のねじれた文章は人に誤解を与えやすく、伝えたいことが正確に伝わりにくいため、ビジネス文書では避けるようにしましょう。
ビジネス文書作成の基本③ 箇条書きや番号を活用する
わかりやすいビジネス文書を作成するには、箇条書きや番号を積極的に活用しましょう。
案内したい内容が複数あったり、手続きについてフェーズ毎に説明したいような場合には、長文を連ねるよりも箇条書きにしたり、番号を振って手順を示したりしたほうが伝わりやすいでしょう。
ビジネス文書作成の基本④ 読む相手が社内・社外かで挨拶文、書き出しを使い分ける
社内での業務上のコミュニケーションと、社外のクライアントやユーザーとのやりとりでは、用いるべき挨拶、言葉遣いも変わってきます。
【社内でのメール連絡の例】
「お疲れ様です。〇〇です。△△の件で1点確認させていただきたいです。」
【社外へのメール連絡の例】
「平素は大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。
先日△△様よりお問い合わせいただいた〇〇の件で1点確認させていただきたくご連絡いたしました。」
このように、相手と自分の関係性によって挨拶文も使い分ける必要があります。
相手が社内の人であれば、業務の状況など把握している場合が多いため短くても伝わりますが、社外の人とのやりとりの場合は事情を知らない相手が対応する場合もあるため、経緯や関係者などの概要を含めたほうがスムーズです。
また、既にに何らかのやりとりや相手からのアクションがあった場合などは、「先日はお忙しい中〇〇いただき、ありがとうございました。」等のお礼の言葉を添えるとより好印象です。
ビジネス文書作成の基本⑤ お願い事、依頼内容は明確にする
ビジネスシーンでは、相手に依頼したいことやお願い事があっても、失礼のないようにと、つい回りくどい言い回しになってしまうこともあるでしょう。
もちろん、マナーのある丁寧な言葉遣いは大切ですが、要点が伝わらないようでは問題です。
【例文】
「恐れ入りますが、〇〇いただくことは可能でしょうか」
「お手数ですが、〇月〇日までにご返答いただきたくお願い申し上げます」
このように、相手を慮る言葉を挟んだうえで、具体的な依頼内容や日付を提示し、アクションを促します。
金額に関する案内やこちらのミスによるフォロー等の場合は、言いづらい内容のこともあると思いますが、必要なことはしっかりと言い切ることを心がけましょう。
文章力の鍛え方
上記で紹介したポイントを意識して作成すれば、ある程度質の高いビジネス文書が作れます。しかし、さらにわかりやすい・読みやすいビジネス文書を作るには、まだ不十分です。
さらに質の高いビジネス文書を作りたいなら、文章力そのものを底上げする必要があります。毎日コツコツ続けることで、一生使える文章力が身につくので、できそうなことからはじめてみましょう。
上手な人の書き方を真似る
日々やりとりをしている人の中には、文書作成の上手な人がいるはずです。その人の送ってくれたメールや書類などをよく読んで、どのような書き方をしているかを観察しましょう。組み立て方や言葉遣いなど、よい部分を真似て自分で文章を作成してみることで、コツがつかめてくるはずです。
文書作成が上手な人は、改行や箇条書きの使い方が適切だったり、「ご連絡が2点ございます。」と冒頭に大枠の内容が想定できる一文を入れてから詳細を述べるなど、相手が読みやすいようにするためのさりげない工夫をしているものです。社内・社外に関わらず、読む相手のことを考える「思いやり」も大切なポイントです。
シチュエーション別に模範となる例文を調べて参考にすることもよいでしょう。
【参考リンク】
ビジネスメール 文例(引用元:ビジネスメールの教科書 https://business-mail.jp/example)
本を読む習慣を採り入れる
日常的に本を読み、様々な文章に触れることで、自然と語彙力が向上します。文章の作成が苦手な人は、インプットの量も少ない傾向があります。ビジネス関連の書籍でなくとも、小説やエッセイなど、自身の興味のあるジャンルのもので構いません。
日々触れている言葉は、自然と会話や文章の中に出てきてくれるものです。色々な表現を採り入れることで、文章力だけでなく自身の感性も磨かれ、仕事にもよい影響があります。読書が苦手という方も、1ページからでも読んでみましょう。
日々短い文章をアウトプットする練習をする
ビジネス文書でなくとも、短い日記を付けたり、考えを文章でアウトプットしてみましょう。繰り返し行うことで、文章を書くスピードも内容もブラッシュアップされていきます。200字程度にまとめる等のルールを作ることで、簡潔に内容を伝える練習にもなります。
文章作成の上達は慣れによるところが大きいので、日々何度も繰り返しながら力を付けたいところです。
さらに文章力をアップさせたいなら講座を受講するのがおすすめ
ここまで文章力をアップさせる方法をお伝えしましたが、なかには
「毎日実践するのは難しい」
「自分にできるかどうか不安」
という人もいるでしょう。
そのような場合は、東京ITスクールの「文章力習得講座」がおすすめです。
ビジネス文書作成の基礎が90分で身につく!
東京ITスクールの「文章力習得講座」では、90分でビジネス文書作成の基礎を身につけられます。
講座の内容は以下のとおりです。
- 文章を書く上で重要なこと
- 分かりやすい文章を書くため必要なこと
- 一文一意
- 文章構成
- 表現力
経験豊富な講師がわかりやすくレクチャーしますので、文章力に自信がない方や文書作成に苦手意識がある方におすすめです。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。