人材育成に必要なスキルは?代表的な手法や育成のポイントも解説!

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人材育成に必要なスキルは?代表的な手法や育成のポイントも解説!

人手不足が叫ばれて久しい昨今、少しでも早く現場で活躍できる人材を育成しようと人材育成に力を入れている企業も多いでしょう。

しかし、なかなか人材が育たない・育つ前に退職してしまうといった悩みを抱えているところが少なくないのが現状です。

人材育成がうまくいかないのには、担当者のスキル不足が影響していることがあります。

人材育成はただ仕事のやり方を教えれば良いというものではありません。スキルや知識をレクチャーするだけでなく、一人ひとりに合った方法でモチベーションも高めながら目標達成に向けて伴走する必要があります。

この記事では、人材育成に必要なスキルや、人材育成のポイント・手法などを解説します。

なかなか人が育たないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

人材育成にはスキルが必要!

人材育成を担当することになった人のなかには、

「いつもやっていることを教えればいいだけ」

「見て盗んでもらうのが手っ取り早い」

と思っている人もいるかもしれません。

しかし、いつも自分が行なっていることを教える・見てもらうだけでは人材は育ちません。

早期に確かな知識・スキルを持った人材を育成するには、特別なスキルが必要です。

人材育成に必要なスキルを持たない人が育成に関わると、育成対象者のモチベーションが低下しやすくなったり、いつまで経っても成果が出なかったりします。

人材育成の担当になったなら、人材を育てるのに必要なスキルの習得を検討しましょう。

人材育成に必要な7つのスキル

ここからは人材育成に必要な7つのスキルを解説します。

現状把握スキル

人材育成をするうえで最も大切なスキルが、現状把握スキルです。

現状把握スキルには、現在の状態を把握するだけでなく、理想の状態とのギャップを埋めるために何をすべきか考えることも含まれます。

現状を把握するには、スキルマップを作成するとよいでしょう。

誰がどの程度の知識・スキルを有しているか可視化すると、育成する人材一人ひとりに合った育成計画が立てやすくなります。

課題・目標設定スキル

人の成長には、課題とその克服が欠かせません。課題を見つけ、適切な目標を設定するスキルも、人材育成の担当者には必要です。

当然ながら、育成対象者は一人ひとり性格や有している知識・スキルのレベルが異なります。そのことも加味しながら、誰にどのような課題があり、どういった目標を設定すれば成長につながるかを考えることが、育成の基本です。

目標設定には、批判的思考が役立ちます。批判的思考(クリティカルシンキング)とは、物事に対し常に「なぜ?」「本当に?」と疑問を投げかけ、多角的な視点から物事をとらえる思考法です。

常に物事を批判的に見る習慣をつけることで物事の本質が掴みやすくなるため、より本人の成長につながる目標設定ができるようになるでしょう。

リーダーシップ

リーダーシップというと、チームで何かを行う際にのみ必要なスキルと思われがちです。しかし、人材育成の場面でもリーダーシップが必要になることがあります。

この場合のリーダーシップは「育成対象者に信頼されるスキル・育成対象者を励まし導くスキル」と言い換えられます。

育成対象者に信頼されなければ「この人の言うことは本当なのか?」「この人に従っていいのか」という疑念を抱かれかねません。これでは、育成がスムーズに進まないのは明白です。

また、育成対象者のなかには失敗を繰り返し落ち込んでしまう人もいるでしょう。そのような時「大丈夫。君ならできる」「応援している」と励ます人がいれば、失敗をバネに大きく成長できるかもしれません。

以上のことからリーダーシップは、育成対象者が安心して育成を受ける・担当者がスムーズに育成を進めるうえで非常に重要なものといえるでしょう。

コミュニケーションスキル

人と人とが密に関わる以上、人材育成にはコミュニケーションスキルが欠かせません。

人材育成におけるコミュニケーションスキルとは、相手と信頼関係を築くスキル・相手のやる気を引き出すスキルと言い換えられます。

育成対象者にアドバイスを受け入れてもらうには、相手との間に十分な信頼があることが重要です。

対話を通じて信頼関係を築くだけでなく、ティーチングやコーチングといったテクニックも活用しながら、相手のやる気を引き出しましょう。

論理的思考(ロジカルシンキング)能力

職人タイプには「技術やスキルは見て盗め」「感覚で覚えろ」という人が少なくありません。しかしこれでは人材をスムーズに育成することは難しいでしょう。

人材育成には「なぜこうなるのか」「どうしてこれが必要なのか」を論理的に説明するスキルが必要です。相手が納得しなければ、思うような成果は得られません。

相手に納得してもらうよう話すには、論理的思考能力が役立つでしょう。

マネジメントスキル

管理職・リーダーに必要不可欠なマネジメントスキルは、人材育成担当者も身につけておいて損はないスキルです。

人材育成担当者は、自分の業務と並行して人材育成に関わることが少なくありません。

人材育成にリソースが割かれると、どうしても自分本来のパフォーマンスが発揮しにくくなります。限られたリソースで最良の結果を得るためにも、自分自身を管理するセルフマネジメントスキルが重要になってくるでしょう。

人材育成の7つのポイント

ここからは、人材育成を成功させる7つのポイントを解説します。次のことを心がけることで、よりスムーズに人材を育成できるでしょう。

自ら成長できる仕組みを整える

人材育成をするうえで最も重要なポイントは、自ら成長できる仕組みを整えることです。人材育成計画を立てる段階で企業の意向と育成対象者の意向をすり合わせ、本人が望むキャリアデザインを考慮した計画を立てましょう。

企業と本人の意向がずれていると、モチベーションが上がらないばかりか、早期退職にも繋がりかねません。

しかし、希望するキャリアデザインに沿った人材育成計画なら、本人も自発的に学ぶ意欲がもてるだけでなく、自ら積極的に成長しようとするでしょう。

モチベーション維持に気を配る

モチベーションの維持に気を配ることも重要です。

新入社員は業務をスムーズかつ正確に行えないのが当たり前です。人によってはそれにイライラして、つい否定的な言葉をぶつけてしまいたくなることもあるでしょう。

しかし、それでは育成対象者のモチベーションはどんどん低下してしまいます。

できるだけ建設的・ポジティブな声かけを心がけるだけでなく、相手に寄り添った立場で接することを心がけてください。

長期的な視点で育成する

人材育成には時間がかかります。教えたことをすぐできるようになる・一度言われれば完璧に覚えられるという人はまずいません。

人材を育成する際は、段階を踏んで育成していくことが重要です。

この時大切なのは、経営側と現場側の意識の差を埋めることです。

経営側は「3ヶ月もあれば人材は育つ」と思っていても、現場は「このやり方では3ヶ月では何も覚えられない」と思っていることもあります。

必要に応じて経営側と現場が意見を交わし、長い目で人を育てていく意識を共有しましょう。

積極的に振り返り・フィードバック行う

積極的に振り返り・フィードバックを行うことも人材育成の重要なポイントです。やりっぱなし・教えっぱなしは最もよくありません。

どこができていて、どこができていないかを共有することは、育成対象者にとってもプラスになります。

振り返り・フィードバックを行う際は、ダメ出しに終始しないことが重要です。

「どうすれば改善できるか」にフォーカスして、建設的なコミュニケーションを心がけましょう。

スキルマップを活用する

スキルマップを活用するのもよいでしょう。スキルマップとは、従業員一人ひとりのスキルレベルを一覧にしたものです。

誰がどのスキルをどの程度有しているかがひと目でわかるため、不足している知識やスキルの習得計画が立てやすくなります。

スキルマップをチーム・部署内で共有すれば、育成対象者のモチベーションアップにもつながるでしょう。

メンター制度を活用する

メンター制度を活用するのもよい方法です。

メンターとは、新入社員の成長やメンタル面のサポートを行う先輩社員をいいます。メンターには、直属の上司とは関係がない同世代の先輩社員をつけることが一般的です。

直属の上司や育成担当者には言いづらい悩みや困りごとを相談できるメンターがいることで、職場の孤立が防げるだけでなく、仕事面・人間関係面のストレス緩和にも役立つでしょう。

人材育成の手法を学ぶ

人材育成を行うにあたっては、人材育成の手法も学んでおきましょう。広く行われている人材育成の手法は次の3つです。

OJT

OJTはOn the Job Trainingの頭文字を取ったものです。

OJTでは、上司の指導を受けながら、普段の業務を通して知識やスキルを身につけます。

育成者と育成対象者が1対1で行うのが基本です。

日常業務の中で行えてコストがかからないというメリットがある一方で、育成対象者の能力や意欲に左右されやすく、育成担当者が多忙になるとOJTが行えなくなるというデメリットもあります。

OJTは基本的なマニュアルがある業務に携わる人材を育成するのに適した方法です。

Off-JT

Off-JTはOff the Job Trainingの頭文字を取ったものです。

業務を離れて参加する研修などを指し、普段の業務で身につけることが難しい知識やスキル、社会人として身につけておきたいビジネスマナーなどを身につけるのに役立ちます。

Off-JTは、基礎知識やスキルを身につけるのに適している一方、コストがかかる・Off-JTに参加していない人の現場での負担が増えるといったデメリットもあります。

しかし、新制度・新システムを導入する場合や、新入社員などに一斉に研修を受けさせる際には非常に有用な手法です。

自己啓発

自己啓発は、個人が必要に応じて学ぶことを指します。

書籍や動画で学んだり、研修・セミナーを受けたり、資格を取得したりなど自己啓発の範囲は広く、さまざまな方法があります。

自己啓発は個人の負担が大きいため、社員に自己啓発を促す場合は、資格手当の支給や職業給付金の活用、就業時間の配慮など企業ができる限り支援することが重要です。

人材育成の質を高めるには

人材育成のスキルや手法を身につけても、企業側の仕組みが整っていなければ、活躍できる人材を育てることは難しくなります。

人材育成の質を高めるには、次のことに取り組みましょう。

人材育成しやすい仕組みを作る

まずは人材育成しやすい仕組みを作ることから始めましょう。

特に大切なのが、個人の成長を正当に評価する仕組みです。成長をきちんと評価する仕組みがあれば、自己研鑽のモチベーションが高められるだけでなく、個人の成長度合いも把握しやすくなるでしょう。

定期的に評価し、フィードバックを行うことは、育成の方向性を定めるのにも役立つでしょう。

人材育成担当者に研修を実施する

人材育成担当者に研修を実施するのも効果的です。

人材育成には、専門的なスキルが必要になります。しかし、そのスキルを独学で身につけるのは容易ではありません。

そこで活用したいのが外部講師による人材育成研修です。費用は掛かりますが、これまでさまざまな企業の人材育成を見てきた講師による人材育成のコツ・ポイントのレクチャーを受ければ、より高度な人材育成スキルが身につくでしょう。

人材育成スキルの向上に役立つおすすめ研修

「人材育成研修を受けたいが、どこに依頼すればよいかわからない」

「自社のニーズに合わせてカスタマイズしてほしい」

という方におすすめしたいのが、東京ITスクールの「尊敬される先輩になれる!人材育成のコツ講座(OJT、フィードバック編)」です。

こちらの講座では、OJTにおいてより成長につながるフィードバックの方法を学ぶことができます。

手法や具体例も知れるので、初めてOJTの指導役を任された方に特におすすめです。

興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。

育成スキルを高める研修で社員教育の質を向上させよう!

人材育成は、ただ教えれば良いというものではありません。一人ひとりのキャリアデザインを尊重しながら成長を促す必要があります。

そのためには、専門スキルが欠かせません。

人材育成に必要とされるスキルはさまざまですが、何から身につければよいか迷っている方は、OJTにおけるフィードバックスキルを身につけることからはじめてみてはいかがでしょうか?

東京ITスクールでは「尊敬される先輩になれる!人材育成のコツ講座(OJT、フィードバック編)」のほかにもたくさんの研修を実施しています。

ニーズに合わせたカスタマイズ研修も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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湯浅

東京ITスクール 湯浅

現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。趣味は温泉と神社仏閣巡り。


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