UMLとは?初心者SEが押さえておきたい基礎知識と入門に最適の講座を紹介!
公開日:2024年03⽉05⽇最終更新日:2024年03⽉05⽇
「UMLとは?」と訊かれて、すぐにどういうものか説明できる人はあまり多くありません。初心者SEはもちろん、エンジニアを目指す人のほとんどはそれが何かわからないでしょう。
UMLは世界標準の規格なので、一人前のエンジニアになりたいなら学んでおく必要があります。
この記事ではUMLの概要や活用するメリットのほか、主なUMLの特徴、UMLを学ぶおすすめの方法を解説します。
UMLという言葉をはじめて見聞きした人にもわかりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
UMLとは?
UML(ユー・エム・エル)と聞いても、具体的にどのようなものかイメージできない人がほとんどでしょう。
ここからは、UMLの概要と活用する目的を解説します。
UMLとは
UMLは「Unified Modeling Language」の頭文字を取ったもので、「統一モデリング言語」と訳されます。
UMLは、システム設計の際に描かれるモデリング図の世界標準の基準です。
モデリング図とは、分析や設計、実装といったシステム開発の流れを図で表したものをいいます。オブジェクト指向で開発を進める際に用いられ、エンジニアでない人にもシステムの仕組みなどを説明するのにとても役立つものです。
現在はUMLとして14種類の図の書き方が公開されています。これらの図を使い分けることで、システムのさまざまな側面を視覚的に捉えることができるようになるので、エンジニアとして活躍したいならぜひ押さえておきましょう。
UMLを活用する目的
UMLを活用するのは、コミュニケーションの効率化を図るためです。
システム設計でモデリング図を用いてデータの流れや処理のしかたを示すと、システムの全体像が視覚的に把握しやすくなります。しかし、図の描き方が人によって異なっては、見た人全員が共通の理解・認識を持つのが難しくなるのは避けられません。
そこで開発されたのがUMLです。
UMLは、1996年にラショナルの3人のエンジニアによって開発されました。現在はUML2.0が公開されています。
世界規模でモデリング図の書き方を統一することで、どの国のどのエンジニアが見ても同じ認識のもと開発が進められるようになります。
また、システムの仕組みを図にすると、エンジニアでない人も理解しやすくなるため、クライアントとのコミュニケーションの効率化・円滑化も図れるでしょう。
UMLを活用するメリット
UMLを活用すると、母国語や理解度に左右されることなくシステムの仕組みが把握できるというメリットがあります。
UMLは全世界共通の基準なので、UMLで描かれた図は母国語や国籍にかかわらずエンジニアなら誰もが理解できるものです。
開発の現場では、さまざまな国・キャリアのエンジニアが活躍しています。
モデリング図の描き方に統一の基準が設けられるまでは、描く人や現場によって描き方が異なっていたため、認識をすり合わせる手間が発生していました。
また、UMLができる前は、モデリング図を描いた人が現場を離れてしまうと後任者がシステムの仕組みを理解するのに時間がかかっていました。
しかしUMLでモデリング図を記述すれば、図を描いた人でなくてもシステムの全体像が簡単に理解できます。
UMLを用いることは、引継ぎの手間を軽減し、滞りなく保守・メンテナンスを行うのにも役立つでしょう。
UML構造図の種類
ここからは、UMLで公開されている構造図の種類を解説します。それぞれの特徴を踏まえたうえで、適切に使い分けることがシステムの全体像を正しく把握するコツです。
クラス図
クラス図は、UMLの中でも広く用いられている構造図です。システム開発において、分析・設計・開発すべての工程で使用されます。
クラス図は、システム中に存在するものが持っている構造と関係を示します。
コンポーネント図
コンポーネント図は、システム全体を大まかに捉える際に用いられる図です。クラス図よりもより大きな枠組みでシステムをとらえます。
プロジェクトの全体像を把握するのにも役立つため、チームごとの作業計画を把握するのにも役立つ図です。
オブジェクト図
オブジェクト図は、クラス図と似ていますが、より具体的にオブジェクトの動きをとらえられる図です。
システムが実際に動作する際のモノ・データの動きや関連を表します。
これ単体で用いられることは少なく、システム全体の理解を助けるために描かれることが少なくありません。
アクティビティ図
アクティビティ図は、データなどの処理する際に、どういった手続きをするか・どういう条件で分岐するかを示した図です。
フローチャートとよく似ているため、エンジニアでない人でも理解・記述しやすいといわれています。
アクティビティ図の特徴は、ひとつの処理にフォーカスして描かれることです。ひとつの処理の開始から終了までをピックアップして記述します。
シーケンス図
シーケンス図は、システムが動作する際に、モノやデータがどのように相互作用するかを時系列順に表した図です。上から下に向かって記述します。
モノ・データがどういう順番で、どのように関わるかを可視化できるため、分析にも役立つ図です。
ユースケース図
ユースケース図は、利用者からみてそのシステムで何ができるかを表した図です。
誰が・何に対して・何をするかを記述することで、システムの要件分析をしやすくしてくれます。
誰が・何に対して・何をするかを示すだけなので、エンジニアでなくても理解しやすい図です。
コミュニケーション図
コミュニケーション図は、シーケンス図と同じようにモノやデータの相互作用を示す図です。シーケンス図が時系列順に記述するのに対し、コミュニケーション図はモノやデータ間の関係にフォーカスして記述します。
シーケンス図のモノ・データは横一列に並べなければなりませんが、コミュニケーション図では縦横自由に配置できるので、モノ・データの関係がより把握しやすくなります。
ステートマシン図
ステートマシン図は、ある状態から次の状態に移る際のモノ・データの動きを表す図です。
機能実装の際に用いられることが多いため、主にエンジニアが使用します。
複雑に見える動きをロジカルかつシンプルに表せるため、人や組織の動きを図解する際に役立つ場合もあります。
配置図
配置図は機能を実装する際に使用されるシステムの物理構造を表した図です。ハードウェア同士の通信関係を可視化して、システムの構造を考える際に使用されます。
どこに何のコンポーネントがあり、それがネットに接続している必要があるかどうかがひと目でわかるため、システムの運用・管理者にとって必要不可欠な図です。
パッケージ図
パッケージ図は、さまざまな要素をパッケージという単位で表し、それぞれの関係を示すために描かれる図です。
パッケージには図や文書、クラスなどが含まれ、一般的にファイルフォルダーの形で表されます。
パッケージ図は、サブシステムやモジュール間の構造とかかわりを示す際に記述されます。
UMLについて学ぶには
エンジニアとして押さえておきたいUMLについて学ぶには、いくつか方法があります。自分に合った方法で学習してみましょう。
書籍やサイトで自学自習する
最も手っ取り早くUMLについて学びたいなら、書籍やサイトで自学自習するのがおすすめです。書店にはたくさんの関連書籍が並んでいますし、ネットには無料で学べるサイトもたくさんあります。
研修やセミナーを受けるのに比べるとコストもかかりませんし、自分の都合が良い時間に好きなだけ学ぶことが可能です。
ただし、書籍やサイトで自学自習する場合、次のようなデメリットがあります。
・わからないところが出てきても質問できる人がいない
・人によっては途中で挫折してしまうことがある
・知識・スキルを身につけるのに時間がかかる
UMLについてとりあえず基本的な知識を身につけたい、できるだけコストをかけずに学びたいという方にはおすすめです。
研修やセミナーを受ける
より専門的な知識・スキルを身につけたいなら、研修やセミナーを受講するのがおすすめです。現在はさまざまな企業が社会人を対象にした研修・セミナーを開催しています。
研修やセミナーでは、講師がレクチャーしてくれるのでわからないところはすぐに質問できます。
一方、次のようなデメリットもあります。
・費用が掛かる
・会場まで足を運ばなければならない
・時間が決まっている
研修やセミナーは、自学自習だと挫折してしまいそうな人や、効率的に現場で使える知識・スキルを身につけたい人におすすめです。
UML入門に最適なおすすめ講座
「エンジニアとしてスキルアップしたい!」
「UMLについて学びたいが、何から手を付ければ良いかわからない」
という方におすすめしたいのが、東京ITスクールの「UML講座」です。
こちらの講座では、UMLの基本から代表的な図の描き方、レビューやその手法まで学べます。
1日で効率的に現場で役立つ知識・スキルが身につけられるおすすめの講座です。
ニーズに合わせたカスタマイズ研修も可能ですので、興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。
UMLの知識・スキルを身につけてSEとしてのキャリアをスタートさせよう!
UMLが開発されるまで、モデリング図は人や組織によって描き方が異なり、それがスムーズな開発の妨げになっていました。
しかしUMLが開発されてからは、全世界標準の基準でモデリング図が記述されています。
エンジニアとしてスキルアップしたいなら、UMLの知識・スキルを身につけることは避けて通れません。
UMLについて学ぶなら、書籍や学習サイトでの自学自習もよいですが、研修やセミナーを受講するのがおすすめです。
研修やセミナーなら、わからないところもすぐに質問できます。
東京ITスクールでは、1日で代表的なモデリング図が描けるようになる「UML講座」のほかにもさまざまな講座を受講いただけます。
ニーズに合わせたカスタマイズ研修も可能なので、お気軽にご相談・お問い合わせください。
関連記事
現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。