リエゾン型人材とは?育成方法やおすすめの研修を紹介

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リエゾン型人材とは?育成方法やおすすめの研修を紹介

リエゾンは、フランス語で「仲介」や「橋渡し」という意味です。企業の連絡窓口やリエゾン業務を担う部署は「リエゾンオフィス」や「リエゾンセンター」、従業員は「リエゾンスタッフ」と呼ばれ、他業種や他部署との橋渡しをする人・部署のことを指します。

昨今、リエゾン型人材の育成がますます重要になってきていますが、活用するメリットや、どのように育成すればよいかわからない中小企業の担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、リエゾン型人材を活用するメリットとともに、育成方法や育成に役立つおすすめ研修を紹介いたします。

リエゾン型人材とは

リエゾン型人材とは、異業種の企業や外部組織、社内の他部署との橋渡しを担う人材を指します。

かつてフランスの軍隊には、部隊間の連携をスムーズに行うため「リエゾン・オフィサー」という下士官がいました。

リエゾン型人材も、その下士官と同じように、他の企業・部署とのスムーズな連携に欠かせない存在です。

他の企業や部署などとの橋渡しをするというと「連絡係」や「調整係」と同一視されることもありますが、リエゾン型人材が行う業務と連絡係・調整係の業務はまったく異なります。

リエゾン型人材の業務と連絡係・調整係の業務の違いは以下のとおりです。

リエゾン型人材の業務

関係各所への連絡、関係者間の調整、関係者間の関係向上

  連絡係の業務

決定事項の連絡

  調整係の業務

複数の意見の調整

連絡係は、あくまでも関係各所へ決定事項を連絡するのが仕事です。しかし、リエゾン型人材の場合、連絡をするだけでなく、関係者の意見を聞いて調整することも求められます。

調整係は、複数の意見をまとめ、調整し、全員が納得できる地点に導くのが仕事です。リエゾン型人材の仕事とよく似ていますが、リエゾン型人材の仕事には調整だけでなく異なる組織に属する人たちの関係を良くすることも含まれます。

近年ビジネスを取り巻く環境は大きく変化しており、異業種や他部署間で連携が必要になるケースが増えています。リエゾン型人材のニーズは一段と高まっていますが、育成に課題を抱えている企業が少なくありません。

リエゾン型人材を採用しようとしても、即戦力のリエゾン型人材は引く手数多で、中小企業の場合そもそも応募がなかったり、採用に至らないケースもあります。

今後、企業を成長・発展させていくのであれば、ぜひ早期に自社でリエゾン人材の育成に取り掛かりましょう。

リエゾン型人材を活用するメリット

リエゾン型人材に注目が集まっている背景には次の3つのことがあります。

  • 市場におけるニーズの変化
  • CSR活動やSDGsへの取り組みの活発化
  • ビジネスのグローバル化

これらに含まれる課題を解決するには、リエゾン型人材を積極的に活用しましょう。

リエゾン型人材を活用すると、次のようなメリットが得られます。

  • 企業の再成長・再発展のきっかけになる
  • CSR活動などを通して企業イメージアップが図れる
  • ビジネスのグローバル化に対応できる

詳しくみていきましょう。

企業の再成長・再発展のきっかけになる

ビジネスのスピードが加速するのに伴って顧客のニーズはどんどん多様化し、企業を取り巻く経済環境が大きく変わってきていると感じている方も多いでしょう。

そこで注目されているのが、これまで関わりのなかった異業種や他部署との連携です。

これまで成果を上げてきたやり方が通用しなくなり、成長・発展が鈍っている企業の場合、リエゾン型人材の活用が再成長・再発展の起爆剤になる可能性があります。

というのも、リエゾン型人材の仲介によって他業種や他企業と連携が可能になると、新規ビジネスを創出するチャンスが増えるからです。

「連携するだけならリエゾン型人材を使わなくても可能なのでは?」

と思うかもしれませんが、リエゾン型人材を活用することで双方のアドバンテージを共有しながら、双方の利点を生かしたビジネスを創出しやすくなります。

これまでターゲットとしてこなかった顧客層にアピールしたり、革新的な事業戦略を打ち出したりすることで、売り上げアップも見込めるでしょう。

また、リエゾン型人材は企業内の他部署と連携する際にも活躍します。部署間の関係が良くなれば、協力して業務にあたることができるようになり、結果として企業全体の生産性もアップしやすくなります。

CSR活動などを通して企業イメージアップが図れる

最近は、社会貢献を行うCSR活動やSDGsに力を入れる企業も増えてきました。幅広い活動を行ううえで、外部組織との連携を避けては通れません。

CSR活動を行うにあたっては、報道機関や地域の人々、外部組織といったそれぞれの連携先と良い関係を築くことが成否を分けます。

そこでリエゾン型人材を活用すれば、良好な関係を築いて、スムーズに活動できるだけでなく、企業のイメージアップも図れるでしょう。

企業イメージが向上すると、それをきっかけに製品やサービスを利用する顧客が増えることも期待できます。

ビジネスのグローバル化に対応できる

程度の違いはあれど、今、ありとあらゆる業種でビジネスのグローバル化が進んでいます。海外の企業やギジネスマンとのやり取りが増え、双方の立場や意見を踏まえて様々な調整を行わなければならないケースも増加しているのが現状です。

海外企業と連携するには、言葉の壁や文化・価値観の壁を乗り越えなければなりません。

しかし言語や文化・価値観を理解することは容易ではなく、学習にも膨大な時間がかかります。

しかし、他の国の文化や価値観にも明るいリエゾン型人材を活用すれば、言語や文化・価値観の壁を乗り越えて、より良い連携が可能になるでしょう。

海外には、日本国内にはなかったニーズや顧客層があります。新たな市場開拓やリソースの有効活用が可能になれば、より企業を成長・発展させていけるメリットがあります。

リエゾン型人材に求められる5つのスキル

リエゾン型人材には、次の5つのスキルが求められます。

  • 共感や傾聴などのコミュニケーションスキル
  • さまざまな意見を整理する論理的思考力
  • まとめた意見を他者にわかりやすく伝えるプレゼンスキル
  • 異なる立場同士で条件を調整する交渉力
  • 周囲を巻き込んで物事を進めていくリーダーシップ

それぞれのスキルを解説します。

共感や傾聴などのコミュニケーションスキル 

自分の組織とは異なる事情を持った組織と連携するには、まず相手の事情を知ることが重要です。そのためには、相手の話をよく聞く必要があります。

そこで求められるのが、共感や傾聴といったコミュニケーションスキルです。

人間は誰しも、自分に共感してくれる相手に親しみを覚えます。相手に共感を示しながら、適切なタイミングで質問を挟むなどして知りたいことを引き出すのは、それなりにテクニックが求められることです。

加えて、リエゾン型人材の場合は、相手の話を理解するだけでなく、話の本質や意図、本音を見抜く聡明さも求められます。

さまざまな意見を整理する論理的思考力

できるだけ多くの人の話を聞くのがリエゾン業務の基本となりますが、聞いたことを業務に生かすには、さまざまな意見を整理しなければなりません。その際に役立つのが論理的思考力です。

論理的思考力が身についてくると、複数の意見を整理して最終的にひとつの結論を導き出せるようになります。

MECEやロジックツリーといった概念を学ぶことで論理的思考力を身につける・高めることができます。

まとめた意見を他者にわかりやすく伝えるプレゼンスキル

複数の意見をまとめた後、関係各所が納得できるように説明するプレゼンスキルも、リエゾン型人材が身につけておくべきスキルです。

どんなに上手く調整したとしても、全員が100%満足・納得できる結果をもたらすことはできません。誰もが多少なりとも妥協しなければならない箇所が出てきます。

「なぜ妥協しなければならないのか」
「妥協することでどのような結果が得られるのか」

といったことを相手が納得できるように説明するには、プレゼンスキルを高めておく必要があることは言うまでもありません。

異なる立場同士で条件を調整する交渉力

他企業・他部署と連携する場合、当たり前ですが、相手は自分と異なる立場です。異なる立場の組織の連携は、条件を上手く調整できるかどうかが成否を分けると言っても過言ではありません。

リエゾン型人材には、どこかひとつの組織だけが利益を享受するのではなく、すべての組織がなるべく平等に利益を享受できるよう粘り強く交渉・調整するスキルも求められます。

周囲を巻き込んで物事を進めていくリーダーシップ

リエゾン型人材には、周囲を巻き込んで成果を出すリーダーシップも必要です。受け身ではなく、「何をすべきか」を考え自ら積極的に動くことで、よりスムーズな調整ができます。

リエゾン型人材を育成するには

ここからは、リエゾン型人材を育成する方法をお伝えします。リエゾン型人材を育成するのに効果的だと言われているのは、以下の3つのことです。

  • マインドセットを行う
  • 異業種交流会に参加してもらう
  • 他の部署と意見交換の機会を設ける

マインドセットを行う

いくら異業種交流会や意見交換会などを開催しても、リエゾン型人材として育成したい本人の意欲が伴っていなければ、思うような成果は得られません。

リエゾン型人材を育成する際は、候補者に事前のマインドセットを十分に行ないましょう。

なぜリエゾン型人材を目指すのかを理解してから異業種交流会や意見交換会に参加すれば、より多くの学び・気付きが得られるでしょう。

異業種交流会に参加してもらう

異業種交流会への参加も、リエゾン型人材の育成に欠かせません。

異業種交流会は、普段関わることのない異業種の人の話を聞くまたとない機会です。

異なる立場の意見をくみ取れるようになるには、多様な考え方や価値観を学ぶ必要があります。

異なる業界の話を聞くことで視野が広がり、多角的な視点も持てるようになるでしょう。

異業種との連携を目指している場合は、ぜひ積極的に異業種交流会に参加してもらい、異業種とのつながりを作ってもらいましょう。

他の部署と意見交換の機会を設ける

企業内では、積極的に他部署と意見交換する機会を設けましょう。他部署の意見も聞くことは、自部署とは異なる考え方や仕事の進め方を知るきっかけになります。

リエゾン型人材は部署間の連携を深める役割も担うため、自部署だけでなく様々な部署の事情にも精通しておくことが重要です。

意見交換の機会を設ける際は、ランチタイムなどを利用してざっくばらんに話せる雰囲気を作るのがポイントです。

適切な研修を受講する

これまでに紹介した内容を、外部の研修サービスで効率的に学ぶのもよい方法です。

内容をよく精査し、自社のニーズに合ったカリキュラムを提供している研修会社を選びましょう。

その他の育成課題についても相談に乗ってくれるところであれば、育成面での幅広い課題についてアドバイスを得ることも可能です。

ボリュームや費用面だけにとらわれず、幅広い視点で検討しましょう。

リエゾン型人材育成には東京ITスクールの研修がおすすめ!

リエゾン型人材は、これからますます必要性が高まってきます。リエゾン型人材の育成は一朝一夕でできるものではないので、これからを見据えて早めに育成を始めたいですね。

しかし、適切なマインドセットができていないと、せっかくの機会も無駄になってしまいます。

効果的な育成はどのようなものが望ましいのでしょうか。

リエゾン型人材の育成にお困りの方は、ぜひ東京ITスクールの研修をご活用ください。東京ITスクールでは、様々な研修を通じてリエゾン型人材に必要なマインドを身につけていただけます。

「リエゾン型人材を育成する必要性は感じているが、何をすればよいかわからない」
「プロジェクトを活性化させたい」

という方は、ぜひ東京ITスクールの研修をご活用ください!

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湯浅

東京ITスクール 湯浅

現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。趣味は温泉と神社仏閣巡り。


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