PHPとは?プログラミング初心者におすすめの学習法と基礎知識
公開日:2024年02⽉21⽇最終更新日:2024年03⽉05⽇
エンジニアに憧れている人のなかには、PythonやJavaなどを独学で学ぼうとして、挫折してしまった経験がある人もいるでしょう。
これらの言語は、プログラミング初心者が学ぶのは少しハードルが高い言語です。
これまでプログラミングをしたことがない人は、PHPの学習から始めることをおすすめします。
この記事ではPHPの基礎知識のほか、初心者におすすめの学習法を解説しています。
エンジニアとしての一歩を踏み出す際の参考にしてみてください。
プログラミング初心者がPHPを学ぶべき理由
これまでプログラミングをしたことがない初心者がPHPを学ぶべき理由は、主に4つです。
・シンプルで習得しやすいプログラミング言語だから
・多くのサイトで使われていて、案件が豊富にあるから
・テキストエディタでも開発できるなど環境構築が簡単だから
・学習教材が豊富にあり、自学自習しやすいから
エンジニアとして案件をこなしながらステップアップしていきたい場合、PHPは最適なプログラミング言語です。
常に多くの開発案件があるため「案件がなくて稼げない」「いつまで経っても実績ができない」という事態になりにくいでしょう。
プログラミング言語によっては特殊な開発環境が必要なこともありますが、PHPはOSに標準搭載されているメモ帳やテキストエディタでも開発ができます。
以上のことから、PHPは初心者に最も適したプログラミング言語であるといえるでしょう。
PHPとは?
ではPHPとは具体的にどのようなプログラミング言語なのでしょうか?ここからはPHPの概要を解説します。
Web開発に特化したプログラミング言語
PHPとは、1994年に登場したWeb開発のためのプログラミング言語です。現在、世界中のホームページの8割近くで使用されています。
PHPを使うと、アクセスしたタイミングや状況に応じて内容が変わる「動的なホームページ」を構築できます。
PHPでできること・できないこと
PHPでできること・できないことは次のとおりです。
~PHPでできること~
・会員登録が必要なホームページの作成
・問い合わせフォームの作成
・ECサイトの作成
・Webアプリケーションの開発
・口コミサイトの開発
PHPは、アクセスしたタイミングや状況に応じて変わる動的なホームページを作るのに適したプログラミング言語です。
そのため、顧客がカートに入れた商品によって金額が変わるショッピングカートを搭載したECサイトや、サービスの予約ができるWebアプリケーションなどの開発に適しています。
一方、PHPでできないこともあります。
~PHPでできないこと~
・Webサイトのデザイン
・スマートフォンのアプリ開発
Webサイトのデザインを作るにはHTMLやCSS、Javaといった言語の方が適しています。また、スマートフォンのアプリはSwiftやJavaで開発されることがほとんどで、PHPによる開発には対応していないことが多いため、アプリ開発には向きません。
Java・HTMLとの違い
JavaもHTMLもWeb開発で使用されることが多いプログラミング言語です。これらの言語とPHPの違いを解説します。
・Javaとの違い
JavaはPHPと同じように動的なホームページを作るのに適した言語です。PHPがサーバーサイド開発(ホームぺージがあるサーバー側のプログラミング)で使われることが多いのに対し、Javaはクライアントサイド開発(ユーザーが操作したりする部分の開発)に使われます。
・HTMLとの違い
HTMLは、アクセスしたタイミングや状況に合わせて変化することがない静的なホームページを開発するのに適した言語です。
しかし、簡単なデザインのページしか作れないという特徴があります。
HTMLにはPHPを組み込むことができるので、組み合わせることでより動きがあり、見栄えのするホームページが作れるようになります。
PHPを活用した実際のサービス例
ここからは、PHPを活用した実際のサービス例を紹介しましょう。
META社が提供するSNS「Facebook」は世界で最も有名なPHPで開発されたホームページといえるでしょう。
現在はHackという独自言語で開発されていますが、2013年まではPHPで開発が行なわれていました。
ウィキペディア
ありとあらゆる情報が集められているウィキペディアもPHPで開発されたホームページです。そのユーザー数は3,500万人を超え、述べページビュー数は5億PVともいわれています。
Slack
ビジネスチャットツールのSlackもPHPで開発されています。正確にはPHPにJavaScriptやJavaを組み合わせて開発されているサービスです。
世界中の企業で使われており、今ではビジネスになくてはならないアプリケーションのひとつといえるでしょう。
WordPress
PHPが普及した背景には、WordPressの存在があります。WordPressはオープンソースのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)です。
CMSとは、Web上にアップロードする画像やテキスト、デザイン、テンプレートなどを一括管理するシステムのことで、さまざまなサイトで使われています。
PHPが扱えるようになると、WordPressを使って作られたサイトのカスタマイズもできるようになるため、一気に手掛けられる案件が増えるでしょう。
実際、PHPを使う案件のほとんどはWordPress関連といっても過言ではありません。
PHPのメリットとデメリット
ここからはPHPのメリットとデメリットを解説します。
PHPのメリット
PHPには次のようなメリットがあります。
・シンプルな構文で初心者でも学びやすい
・インターネット上の知識や参考書で自学自習できる
・フレームワークが豊富で効率的な開発ができる
PHPは、とてもシンプルなプログラミング言語です。単純な構文で記述するため、これまでプログラミングをしたことがない人も学びやすいといわれています。
複雑な言語ではないため、PHPについて解説したサイトや参考書も豊富にあり、自学自習が可能な点もメリットといえるでしょう。
PHPには、必要な機能があらかじめ入ったフレームワークが豊富にあるのもポイントです。フレームワークを使用して開発工数を短縮すれば、効率的な開発が可能になります。
PHPのデメリット
一方、PHPには次のようなデメリットもあります。
・Web以外の開発には適さない
・セキュリティ面の脆弱性がある
・自由度が高すぎる
PHPを使えば誰でも簡単に動的ホームページが作成できます。しかし、動的ホームページの作成に特化したプログラミング言語のため、スマートフォンのアプリやシステム開発には適しません。
また、プログラミングのしかたによっては、不正アクセスなどセキュリティ面のリスクが高まったりします。
PHPの構文はシンプルで、自由度が高いのも見方によってはデメリットです。同じ処理を場合でも、構文の書き方が複数あるため、コードを書く人によって構文にばらつきが出やすく、バグや不正なコードを見逃しやすいのもPHPのデメリットといえるでしょう。
PHPを記述する際に覚えておきたい文法と決まり事
PHPを記述する際は、次のことを押さえておきましょう。
PHPの基本文法
PHPの基本文法は、次の4つです。
・変数
何度も同じ情報を使うときに使用します。任意の文字列や数字を入れておく箱のようなもので、変数を設置すると必要なときに簡単に同じ情報を使用できるようになります。
・演算子
さまざまな計算を実行する際に使う記号です。演算子には四則演算を行う「算術演算子」のほか「比較演算子」や「論理演算子」があります。
・if文
WordPressで使用される構文です。if文は「ある条件に当てはまる場合は処理を行い、当てはまらない場合は処理を行わない」という命令を出す際に使用されます。
・while文
if文と同様にWordPressで使用される構文です。while文は「条件に当てはまる間は同じ処理を繰り返す」という命令を出す際に使用されます。
・関数
関数は、特定の処理をまとめたものです。関数を使用することで、複雑な構文を記述しなくても、さまざまな処理が行えるようになります。
PHPを記述する際の決まり事
PHPを記述する際は、次の決まり事を守りましょう。
・ファイルの拡張子は「.php」にする
・「<?php」で記述をはじめ、「?>」で記述を終了する
・命令コード一つひとつの末尾に「;(セミコロン)」をつける
・文字列を表示させるときは「”(ダブルクォーテーション)」または「’(シングルクォーテーション)」でくくる
PHPのコードをHTML内に組み込む場合も「<?php」から記述をはじめ、「?>」で終えるようにしましょう。
PHPのスキルを身につけるのに必要な能力
プログラミング初心者がPHPのスキルを身につけるのに必要な能力は、次の3つです。
検索能力
PHPのスキルを身につけるには、まず検索能力が欠かせません。
プログラミングを学習していると、必ず途中でエラーが起きたり、バグが見つかったりします。その際、検索能力がなければ解決方法を見つけることができないからです。
検索能力・リサーチ能力は、PHPに限らずありとあらゆる言語で必要になります。
エンジニアはすべてのプログラミング言語を暗記しているわけではなく、必要に応じて適した構文を検索して活用しているため、プログラミングを学ぶ上で検索能力は非常に重要な能力といえるでしょう。
語学力
PHPに限らず、プログラミングの最新知識は英語でリリースされることがほとんどです。エラーの解決方法なども、日本語で解説したサイトより英語で解説したサイトのほうがたくさんあります。
そこで、PHPをはじめとしたプログラミング言語を学ぶ上で必要になるのが、英語の語学力です。
最近は機械翻訳の精度も上がってきていますが、英語を英語のまま読んで理解できるようになれば効率的かつ正確に必要な情報が得られます。
学生時代英語が苦手だったという人も、ぜひこれをきっかけに英語のスキルを身につけましょう。
Web開発の基本能力
Web開発の基本能力も欠かせません。
PHPはHTMLやCSS、Javaと組み合わせて使われることが多いので、これらの言語も学んでおきましょう。
加えて余裕が出てきたら、次の3つも学んでおくことをおすすめします。
・Linux(OS)
・Apache(Webサーバー)
・MySQL(データベースソフト)
これらはWeb開発に必要な環境を構築するものです。OSやサーバー、データベースソフトについても学んでおくと、より質の高いWeb開発が行なえるでしょう。
プログラミング初心者が本格的にPHPを学ぶには
ここからはプログラミング初心者が本格的にPHPを学ぶ方法を紹介します。
無料の学習サイトを利用する
現在は、ネット上にたくさんの学習サイトが解説されています。手始めにPHPがどのようなものか学んでみたい人は、無料の学習サイトを活用するのもよいでしょう。
無料の学習サイトを利用すれば、費用をかけずに、自分のペースで学べます。
一方、わからないところを誰かに質問したり、実際に書いたコードに対してフィードバックをもらうことは難しいのがデメリットです。
テキストで自学自習する
より本格的にPHPを学びたい場合は、テキストを購入して学ぶとよいでしょう。書店には、PHPについて解説したテキストがたくさん市販されています。
テキスト代はかかりますが、スクールに通うよりは安く学べるのがメリットです。
しかし、自学自習が基本なので、人によっては途中で挫折してしまうことがります。
専門のプログラミングスクールに通う
しっかりフォローアップを受けたい人には、専門のプログラミングスクールがおすすめです。専門のプログラミングスクールでは、プロの講師がしっかりPHPをレクチャーしてくれます。
実際にコードを書いてフィードバックを受けることもできるので、スキルも定着しやすいでしょう。
しかし、費用と時間がかかります。
研修を受ける
初心者が効率的にPHPを学ぶなら、研修を受けるのが最もおすすめです。短期間の研修なら、現場で役立つ知識・スキルに的を絞って効率的にPHPを学ぶことができるでしょう。
費用は掛かりますが、研修会社によっては研修後のフォローアップも行っていたりするため、初心者でも安心して一からPHPは学べます。
プログラミング初心者におすすめのPHP研修
効率的にPHPを学びたいなら、東京ITスクールの「基礎から学ぶPHPプログラミング習得講座(基本構文編)」がおすすめです。
こちらの講座では、1日で開発環境の構築からPHPの基本構文まで習得することができます。
「PHPを学ぶ必要があるが、何から手をつければよいかわからない」
「これまでPHPを使ったことがない」
という人も安心して学んでいただける人気の講座です。
ニーズに合わせたカスタマイズも可能ですので、興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。
PHPを学んでスキルアップ・キャリアアップを実現しよう!
世界中のWebサイトの約8割で使用されているとされるPHPは、プログラミング初心者も学びやすいプログラミング言語です。案件も豊富にあるので、エンジニアとしてスキルアップ・キャリアアップを考えている人は、ぜひこの機会に学んでみましょう。
PHPを学ぶ方法はいくつかありますが、初心者に特におすすめなのが研修をうけることです。
東京ITスクールでは、1日でPHPの基礎が身につく「基礎から学ぶPHPプログラミング習得講座(基本構文編)」の他にもさまざまな研修を提供しています。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。