コミュニケーションを豊かに!質問力のトレーニング法を解説

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コミュニケーションを豊かに!質問力のトレーニング法を解説

人とコミュニケーションをとるのが苦手だと感じている人は少なくないでしょう。

「会話が続かない」

「沈黙が気まずい」

といった悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

人とスムーズにコミュニケーションをとるには、相手の話を聞くだけでなく、相手から情報を引き出すことが欠かせません。そこで大切になってくるのが質問力です。適切なトレーニングをすることで、質問力は高めることができます。

この記事では、質問力のトレーニング法や、実際の会話で使える基本のテクニックを解説します。ビジネスにおけるコミュニケーションの質を向上させたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

質問力とは?トレーニングするメリットを解説

まず、質問力と質問力をトレーニングで高めるメリットについて解説します。

質問力とは

質問力とは、コミュニケーションを円滑にするスキルのひとつです。人とのコミュニケーションにおいて、適切なタイミングで適切な問いを投げかけるスキルを指します。質問力というと、何にでも問いを投げかけることと捉える人もいますが、それは質問力とはいえません。

質問力は、物事の背景や相手の事情などを把握したうえで、より良い結果を導くために適切な問いを投げかけるスキル・能力のことをいいます。

質問力を身につける5つのメリット

質問力を身につけると、次のようなメリットが得られます。

相手に関心があることを伝えられる

人は、自分の話を積極的に聞いてくれる人に好感を持ちやすいといわれています。

質問力は、相手に「私はあなたに興味がある」「あなたのことを好ましく思っている」というメッセージを伝える際に大いに役立つでしょう。

相手に自分のポジティブな感情や印象を伝える場合、調べればわかる質問をしたり、なんでもかんでも尋ねるのは逆効果です。相手の話したい気持ちを引き出すような鋭い質問を投げかけるには、質問力を身につける必要があります。

人間関係を築くのが楽になる

質問力を身につけると、人間関係を築くのが容易になります。自分のことをコミュ障だと思っている人は、ぜひ質問力を身につけてみましょう。

質問力を身につけると、相手と会話のキャッチボールを成立させやすくなります。会話が続かない場合でも、相手に自分からボールを投げられるようになるためです。相手の感情や考えも引き出せるようになるので、相手との心理的な距離も近づきやすくなるでしょう。

会話から多くの情報が得られる

質問をすることで、会話からより多くの情報が得られるようになるのもメリットです。

会話の中で質問を繰り返すと、相手も気付いていなかった潜在的な欲求や悩みを明らかにすることができます。顧客のニーズを把握し、それに応じた提案をする必要がある営業職の人にとって、質問力は必須のスキルといえるでしょう。

アイデアを深める手助けができる

ひとりで考えていて、煮詰まってしまった経験はありませんか?何事も、ひとりで考えていると次第に視野が狭くなり、決まった結論にしかたどり着けなくなるものです。

そのようなとき、他の人から思いがけない質問を投げかけられると、一気に視野が広がって新しいアイデアが思い浮かぶことがあります。質問力を身につけると、同じチームの人の考えを深める手助けができるようになるでしょう。

問題解決の糸口が見つけやすくなる

問題解決には、なぜその問題が起きたか・どうすれば解決できるかを具体的に把握する必要があります。その糸口を見つけるのに欠かせないのが、質問や問いかけです。

適切な質問や問いかけを行うと、問題の原因や解決策を具体的に把握しやすくなります。したがって、質問力を高めることは問題解決の糸口を発見するのに非常に有用だといえるでしょう。

良い質問と悪い質問

質問力のトレーニングのために、闇雲に質問をするのはおすすめしません。質問には「良い質問」と「悪い質問」があります。

質問力を高めるには、良い質問をする習慣を身につけることが重要です。

良い質問とは、相手に尋ねなければわからない相手の感情や体験、考えなどを引き出す質問です。一方、悪い質問とは、相手に尋ねなくてもわかる、調べれば答えが出る質問を指します。

良い質問を行うと、相手からの印象がアップするだけでなく、で情報が得られるなど、様々なメリットがあります。しかし、悪い質問を行うと「調べればわかることをなぜ質問するのか」と相手の不興を買ってしまいかねません。

たとえば、取引先に訪問して「どういった事業をされているのですか?」と質問したとしましょう。この場合、相手の企業がどのような事業をしているかは、事前に調べればわかることです。そのため、取引先の人は「取引先のことを事前に調べることもしていないのか」とあなたに対して悪い印象を抱くでしょう。これは悪い質問です。

良い質問とは「なぜ○○の導入を検討されているのですか?」や「○○を導入してどのようなことを実現したいのですか?」など相手にきかなければわからない質問をいいます。

こういった質問をすると、相手は「積極的に理解しようとしてくれている」「寄り添ってくれている」と感じて、あなたに良い印象を抱くでしょう。取引先に提案する側のあなたも、相手のニーズに合った提案がしやすくなることは想像に難くありません。

つまり、良い質問は相手と自分、双方にとって質問するメリットがある問いといえます。

使い分けたい質問の種類

ここからは、シーンに合わせて使い分けたい質問の種類を解説します。

オープンクエスチョン

オープンクエスチョンは、相手が自由に答えられる質問です。一般的には4W1HWhatWhereWhenWhyHow)の内容を問う質問とされています。

相手の意見や経験を聞き出すのに適しているため、相手との心理的な距離を縮めたい場合や、相手から情報を引き出したいときに使うと良いでしょう。

ただし、オープンクエスチョンは考えて答える必要があるため、相手の負担になることがあります。多用しすぎには注意が必要です。

クローズドクエスチョン

クローズドクエスチョンは、相手がYESNOまたはABCのいずれかなど、単純に応えられる質問を指します。

相手に行動を促すときに使うと効果的である一方、相手が答えた時点で会話が止まってしまうので、コミュニケーションを深めるのには適しません。

過去の出来事に関する質問

過去の出来事に関する質問は、物事の原因や根拠を聞き出すのに効果的な質問です。

しかし、Why(どうして・なぜ)ではじまる質問が多くなりやすいため、質問の仕方を工夫する必要があります。というのも、Whyではじまる質問は相手を追い詰めてしまいやすいからです。

人は「なぜ?」「どうして?」と尋ねられると、必死に言い訳を考えてしまいます。過去に対する質問を繰り返すことは、解決策の提案・発案に結びつかないことも少なくないため、慎重に行いましょう。

ただし、成功体験を持っている人に対して質問を行う場合、過去の成功に対して「Why?」の質問を投げかけることが有用なこともあります。

「なぜそれを行なったの?」

「どうしてそうしようと思ったの?」

といった問いに対する答えには、成功のヒントが隠されていることもあるからです。過去に対する質問をするときは、ポジティブな内容を引き出すよう気を配ると良いでしょう。

未来の事柄に関する質問

未来の事柄に関する質問は、問題解決の糸口をつかむのに適した質問です。「How(どうすれば)?」や「What(何)?」で始まる質問が多用されます。

過去に対する質問は「Why(なぜ・どうして)?」で始まり、原因や責任を追及するニュアンスが強いため、ネガティブなものになりがちです。

一方、未来の事柄に関する質問は「How(どうすれば・どのように)?」や「What(何)?」で始まることから、ポジティブな答えが出てきやすいという特徴があります。

「どうすれば実現できますか?」

「何が必要ですか?」

といった質問を投げかけると「こうすれば実現できる!」「これがあれば助かる」といった答えが返ってきやすいことはいうまでもありません。未来志向で問題を解決し、物事を前に進めたい場合には未来の事柄に関して質問することを意識してみましょう。

質問力のトレーニングに効果的な方法

ここからは、質問力のトレーニングに効果的な方法を紹介します。

質問力のトレーニング法1 質問が上手な人を真似る

まずは質問力が高い人を真似てみましょう。質問力が高い人は、多くの場合、人とコミュニケーションを取るのが上手です。

常に話の輪の中心にいる人や、人当たりが良いと感じる人の真似をしてみましょう。身近にそのような人がいない場合は、テレビ番組を参考にしてみてください。特に注目したいのは、番組の司会者です。名司会者といわれる人は、巧みにゲストから話を引き出します。

どのようなタイミングで、どのような質問をしているかよく観察してみましょう。

質問力のトレーニング法2 自分に投げかけられた質問を振り返ってみる

自分に投げかけられた質問を振り返ってみるのも効果的です。過去に人から投げかけられた質問で印象に残っているものを思い出してみましょう。

「あの質問は答えやすかったな。なぜだろう?」

「あれは嫌な質問だったな。なぜだろう?」

と過去の質問を振り返り、そう感じた理由を考えてみると、良い質問・悪い質問がどういったものが掴みやすくなります。自分がされて嬉しかった質問を相手にする、嫌だった質問はしないように心がけるだけでも、質問力の向上が期待できます。

質問力のトレーニング法3 コミュニケーション研修を受ける

自分ひとりで質問力を高めるのはハードルが高いと感じたら、コミュニケーション研修を受けるのも良いでしょう。

コミュニケーション研修では、人とコミュニケーションをとるときに使えるテクニックや、コミュニケーションの理論などを総合的に学べます。短時間で気軽に受けられる講座などもあるので、気になる人はぜひ研修を受けてみましょう。

質問力のトレーニングにおすすめの研修

質問力を高めたい人には、東京ITスクールの「質問力・傾聴力研修」がおすすめです。こちらの講座では、業務効率UPに効果的な質問力向上のコツが学べます。

「人が答えやすい質問をするのが苦手だ」

「何を質問すれば良いかわからず、相手と円滑な人間関係が築けない」

という人にぴったりの内容ですので、質問力を身につけてコミュニケーションスキルを向上させたい人は受講してみてはいかがでしょうか?講座はオンラインで開催されますので、PCとネット環境があれば全国どこからでも受講いただけます。

相手とより良い関係を築くための質問力、6つのテクニック

コミュニケーションを深めるのに質問は大いに役立ちますが、質問してばかりでは相手と良い関係を築くことはできません。ここからは、相手とより良い関係を築くのに使える6つのコミュニケーションテクニックを紹介します。

相手の答えを復唱する

相手と会話をするときは、相手の言ったことを復唱することを意識してみましょう。相手の言葉を復唱すると、相手は「共感してくれた」「受け入れてくれた」と感じるため、心理的な距離が縮まりやすくなります。

A「昨日、温泉に行ったんだ」

B「温泉に行ったの?どこの温泉?」

A「箱根だよ」

B「箱根に行ったんだ!いいね。どうだった?気持ちよかった?」

というように、相手の言ったことを会話の中で繰り返すと、相手との会話も弾みやすくなるでしょう。

自分の話は我慢する

人と話すときは、意識して聞き役に徹しましょう。なんでもかんでも自分の話題につなげようとしてしまう人がいますが、それでは相手はおもしろくありません。

特に相手に「どうだった?」などと質問した際は、「私も〇〇だった」「私は※※だと思う」など自分の意見を主張して、話題を乗っ取らないようにすることが重要です。

相手に話の先を促す

会話の中では、積極的に相手に話の先を促しましょう。

「それで?」

「どうなったの?」

など促されると、相手も話しやすくなります。話の続きを催促することで、「興味を持ってくれている」「話を聞こうとしてくれている」と相手からの印象もアップするでしょう。

違う切り口で質問してみる

ひとつの物事でも、切り口を変えれば様々な質問ができます。

5W1HWhatWhereWhyWhenWhitchHow)を意識しながら、別な切り口で質問してみると違った答えや見方が得られるかもしれません。

この時注意したいのがWhyではじまる質問です。

「なぜ?」「どうして?」という質問を繰り返すと、相手は追及されているように感じてしまい、居心地が悪くなってしまいます。Whyではじまる質問は「ここぞ!」というタイミングで使い、多用しすぎないようにしましょう。

相手を気遣う

相手を気遣うこともとても大切です。人には、答えにくい質問もあれば、答えられない質問もあります。相手が話しにくそうにしているときは「無理はしないでね」「答えなくてもいいよ」と相手を気遣う一言を添えましょう。

相手のプライベートに深入りしない

親しい友達だったとしても、プライベートな部分に土足で踏み込まれるのは嫌なものです。仲良くなったからといって、相手のプライベートに深入りすることは控えましょう。

恋愛のことやお金に関すること、宗教や家族・家庭に関することなど、プライベートな事柄を根掘り葉掘り聞くことはしないのが、大人のマナーです。

質問力をトレーニングしてより良い人間関係を築こう!

「もっと人とコミュニケーションがとれるようになりたい!」

「人脈を広げたい!」

と考えている人は、質問力を高めることを意識してみましょう。人は、自分の話を積極的に聞いてくれる人に好感を持ちます。質問力を鍛えて相手にとって嬉しい・良い質問ができるようになれば、自ずと円滑な人間関係が築けるようになるはずです。

質問力を高めるには、身近な人を真似たり、自分が過去にされた質問を振り返ったりするのが効果的だといわれています。しかし、より効率的に質問力を向上させたいなら、東京ITスクールの「質問力・傾聴力研修」を受講してみてはいかがでしょうか。

東京ITスクールではこのほかにも様々な講座を開講しています。ニーズに合わせたカスタマイズ研修も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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湯浅

東京ITスクール 湯浅

現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。趣味は温泉と神社仏閣巡り。


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