データ分析とは?メリットや主な手法を解説
公開日:2023年07⽉24⽇最終更新日:2023年07⽉24⽇
情報社会におけるデータ分析の重要性は、日に日に高まっています。
これまでもデータを活かしたビジネスは行われてきましたが、近年その重要性はさらに高まり、ありとあらゆる企業でデータの分析・活用が行われていることは皆さんもご存じのとおりです。
しかし、データ分析の重要性が叫ばれていても、実際に膨大なデータを分析し、それをビジネスに活用できる人材は多くありません。なかにはデータ分析がどういうもので、どのようなメリットや手法があるかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、データ分析の概要とともに、メリットや主な手法を解説します。
データ分析のことがわからない方・どのようにデータ分析を進めればよいかわからない方の参考になれば幸いです。
データ分析とは?
データ分析とは、さまざまなデータを収集・整理・加工・統合したあとに、分析することです。
データを分析することで、具体的には次のようなことが可能になります。
- 小売店で気候に合わせて商品の仕入れ数を調整する
- 飲食店で来客数が多くなる週末にスタッフの人数を増やす
近年、ITの発達によって、これまでとは比べ物にならない種類のデータが収集できるようになりました。
それらのデータを実際にビジネスで活用できるようにするのが、データ分析の本質といえるでしょう。
デ ータ分析スキルが重要視される理由
では、なぜデータ分析が重要視されているのでしょうか?
その理由は主に2つです。
消費者の価値観が多様化したから
データ分析が重要視される背景には、消費者の価値観の多様化が挙げられます。
インターネットやスマートフォンの普及により、自分から能動的に多種多様な情報に触れられるようになったことで、消費者の価値観が大きく変化したことは疑いようのない事実です。
インターネットが身近なものになってからは、あらかじめネットで収集した情報をもとに、ネット通販で商品を購買するのも当たり前になっています。そんな時代に、消費者一人ひとりに合ったマーケティングを行うには、より綿密なデータ分析が欠かせません。
そのため、データ分析はより消費者のニーズに合ったビジネスを展開するためのスキルとして、重要視されているのです。
ビジネスのスピードが加速しているから
ビジネスのスピードが加速しているのも、データ分析が重要視されるのと無関係ではありません。
今、世界では次々に新しい製品・サービスが生まれ、消費者のニーズに応えられなかったものが瞬く間に淘汰されています。
企業がビジネスを成功させるには、そのスピードに乗らなくてはなりません。
膨大なデータをスピーディーに分析し、ビジネスに活用できるようにするデータ分析のスキルは、これまでにないほど高まっているといえるでしょう。
デ ータ分析を行うメリット・デメリット
これからのビジネスを成功させるのに欠かせないデータ分析ですが、メリットだけではありません。
ここからは、データ分析を行うメリット・デメリットをお伝えします。
データ分析を行うメリット
データ分析を行う主なメリット次の3つです。
- 一人ひとりに合わせたマーケティングが可能になる
- 組織やビジネスの課題が可視化される
- 先入観を排除して事実に基づいた判断ができるようになる
消費者の価値観が多様化した現代において、より商品やサービスの購買・利用を促進するには、消費者一人ひとりのニーズに合ったマーケティングが欠かせません。そのためにはデータを分析し、結果に基づいたアプローチを行うのが効果的です。
データ分析を行うと、組織やビジネスの課題も把握できます。データは、誰がいつ見ても揺らぐことがない客観的事実です。
客観的事実をベースにすることで、これまで先入観にとらわれて正確に把握できなかった物事の実態をつかみ、より効果的なアプローチができるようになるでしょう。
データ分析を行うデメリット
データ分析には、デメリットもあります。主なデメリットは以下の3つです。
- 業務負荷が増える
- 分析方法が属人化しやすい
- コミュニケーションコストが増える
データ分析に取り組めば、その分業務が増えることは避けられません。収集したデータを整理・加工・統合・分析するにはそれなりにコストもかかります。
しかし、手間とコストを掛けたからといって、そのデータがビジネスに有用とは限りません。
少しでも業務負荷を減らしてデータ分析を行いたい場合は、ツールやサービスを積極的に活用することが重要です。
データ分析の場合、分析方法が属人化しやすいのもデメリットといえるでしょう。的確にデータを分析するには、論理的な思考力やプログラミングスキルのほかバックエンドスキルが求められます。これらのスキルを持った人材を育成するのは、容易ではありません。
また、データを取り扱う際のリテラシーが従業員によって異なると、データ分析スキルを持った人がその都度説明しなければならないため、コミュニケーションコストも増加します。
デ ータ分析の主な手法
ここからは、データ分析の主な手法をご紹介します。ひとつの手法でデータ分析が行われることはあまりなく、複数の方法を組み合わせて分析を行うケースが多々あるので、基本的な手法を押さえておきましょう。
アソシエーション分析
さまざまなデータから相関関係を見つけ出す手法です。次に紹介するバスケット分析も、アソシエーション分析に含まれます。
複数のビッグデータからデータ同士の関連性を見つけ出し、マーケティングなどに活用することで、上位商品の効果的な提案や併売が狙えます。
バスケット分析
消費者が買い物かご(バスケット)に何を入れるかをチェックする分析手法です。
とある商品と合わせ買いされやすい商品がわかるので、商品Aの関連商品として近くの売り場に商品Bを陳列するなどの施策が取れるようになります。
クロス集計
クロス集計は、収集したデータを属性や設問ごとに細かく分類する分析手法です。
年齢や性別、満足度などを集計するだけなので、Excelやスプレッドシートを使えば手軽に行えるのが魅力です。
クラスター分析
クラスター分析は、データの中から特徴が似たものをグループ化する分析手法です。市場やターゲットを分類したり、市場における自社の立ち位置を確認したりするときに用います。
顧客の嗜好を把握するのにも役立つので、マーケティングの精度を高めたい場合にも有用です。
因子分析
因子分析は複数の変数データに共通している原因・因子を見つける分析手法です。複数の事象の背後にある共通事項を把握することは、顧客の心理を理解するのに役立つほか、顧客により効果的なアプローチをしたい場合に用いられます。
決定木分析
決定木分析は、これから起こるであろうことの予測を繰り返し、複数の結果を導き出す分析手法です。
分析結果をツリー状に展開できるため誰が見ても結果がわかりやすく、複数の選択肢の中からベストなものを選びやすいといったメリットがあります。
複数の分析手法と組み合わせやすいのもポイントです。
ABC分析
ABC分析は、要素にA・B・Cのランクを付けて分析します。
たとえば、購買額が月に10万以上の顧客はAランク、5万以上10万未満ならBランク、3万以上5万未満ならCランクのようにランク付けをすることで、サービスやアプローチの優先度を把握することができます。
利益拡大のための施策を考えるのに有用な分析手法です。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析は1つの問いに対する回答をYESまたはNOの2択で整理し、ある事象が発生する確率を予測する分析手法です。
確率の分析だけでなく、マーケティングの精度を把握するのにも役立ちます。
主成分分析
主成分分析は、複数のデータを要約し、少数のデータにする分析手法です。主成分分析を行うことで、膨大なデータもわかりやすくなって効率的に分析を行えるというメリットがあります。
主成分分析が用いられるのは、顧客満足度や商品の評価、効果的な人材配置などを把握したい場面です。
一方、分析者の思考や判断といった主観が入りやすいデメリットがあります。
グレイモデル
グレイモデルは明瞭なデータ(白データ)と不明瞭なデータ(黒データ)から、あいまいなデータ(灰色データ)を予測する分析手法です。
多くの場合は、リスクマネジメントとして他の分析手法と組み合わせて用いられます。
Excel でデータ分析をより簡単に行う方法と注意点
ここまでさまざまな分析手法を紹介しましたが、Excelを使えばより簡単にデータ分析が行なえるようになります。ここからは、どうすればExcelでデータ分析が行えるのかを、注意点も含めてお伝えします。
データ分析アドインを利用しよう
Excelで手軽にデータ分析を行いたい場合は、データ分析アドインを活用しましょう。データ分析アドインは、「ファイル」の「オプション」から簡単に追加できます。
ファイル→オプション→メニューの中の「アドイン」をクリックしてください。
ページ下部の「設定」を選択するとダイアログボックスが表示されるので、「分析ツール」にチェックを入れましょう。
OKをクリックすれば、メニューバーのデータタブに「データ分析」が追加されます。
データ分析アドインを使うと、19種類の手法でデータを分析できます。
分析したい事柄と分析方法を組み合わせて、手法を選びましょう。
最小・最大値や平均値を知りたいときは「基本統計量」、データの分布を視覚的に把握したい場合は「ヒストグラム」を使用すると便利です。
アドイン利用時の注意点
とても便利なデータ分析アドインですが、いくつか注意点もあります。使用する際は、次のことを頭の片隅に留めておきましょう。
- 専門的な分析方法を試したいときには適さない
- 処理できるデータ量に限界がある
- ファイルの属人化が起こりやすい
Excelのデータ分析アドインを使えば、基本のデータ分析が手軽に行なえます。しかし、より専門的な分析方法を試したい場合や、複数の分析方法を複雑に組み合わせたい場合は、役不足であると言わざるを得ません。
より専門的なデータ分析を行いたいときは、ビジネスインテリジェンスツールを使用するのがおすすめです。
Excelのデータ分析アドインを使用する場合、データ量が多くなればなるほどファイルが重くなり、最悪の場合データにアクセスできなくなってしまうおそれもあります。ワークシートとしてデータを保存する都合上、分割して保存すると管理がしにくくなる点も注意が必要です。
Excelを使ってデータ分析を行う際は、担当者以外も結果にアクセスできるようにしつつセキュリティ対策も万全に行なう必要があるでしょう。
Excel を使ったデータ分析スキルを身につけるおすすめ研修
「Excelを使ってデータ分析を行いたい!」と思っても、どうすればより効果的な分析ができるか・どうすれば分析結果をビジネスに役立てられるかわからず不安に思っている方もいることでしょう。
そんな方には、東京ITスクールの「Excelを用いたデータ活用講座(統計、分析編)」がおすすめです。
この講座では、データの分析方法が分からない方やデータの活用法に悩んでいる方に向けて、データ分析・活用の基礎をわかりやすくレクチャーします。
新入社員の方はもちろん、中堅社員の方のリスキリングにもおすすめの講座ですので、データ分析スキルを身につけたい方はぜひこの機会に学ばれてみてはいかがでしょうか?
データ分析スキルを身につけてビジネスの課題を解決しよう!
インターネットやスマートフォンが身近になり、膨大な情報が行き交う現代に置いて、データ分析スキルはますます重要になってきています。
しかし、高度なデータ分析スキルを持った人材はまだ少なく、採用・育成には膨大なコストがかかるのが現実です。
そんなときは、Excelのデータ分析アドインを活用してみましょう。アドインを活用することで、誰でも手軽にデータ分析が行なえます。
より高度なデータ分析スキルを身につけたい方や、データ分析の基礎をしっかり学びたい方は、東京ITスクールの講座を活用いただければ幸いです。
ビジネスに役立つデー分析スキルを身につけて課題を解決し、ビジネスをさらに発展させていきましょう!
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。