Dockerとは?できることや導入するメリットをわかりやすく解説
公開日:2023年10⽉23⽇最終更新日:2023年10⽉23⽇
Docker(ドッカー)とは、非常に扱いやすく汎用性に優れた開発環境構築技術です。動作も軽快で、ほかの開発者と同じ開発環境を簡単に共有できることから、さまざまな開発現場で使用されています。
IT開発に関わる人にとっては身近なDockerですが、新人エンジニアのなかには今一つイメージがつかめなかったり、導入するメリットがわからなかったりする人もいるでしょう。
この記事でDockerの概要や導入するメリット、学ぶ方法を解説しますので、Dockerの基礎を身につけて、スキルアップやリスキリングに繋げましょう。
Dockerとは~できることと導入するメリット~
Docker(ドッカー)とは、Docker社が開発したコンテナ型のアプリケーション実行環境を指します。従来の仮想化と違って動作が非常に軽いので、ストレスなく開発を進められるのが魅力です。
ここからは、Dockerでできることと導入するメリットを解説します。
Dockerでできること
Dockerを利用すると、主に次の3つのことが実現できます。
- ひとつのサーバー上に複数のアプリケーション実行環境が作れる
- アプリケーション実行環境の共有・移転が簡単にできる
- ほかのエンジニアと開発環境が簡単に共有できる
従来の開発環境では、仮想マシンごとにゲストOSをインストールし、1台のサーバーのような使い方をしていました。そのため、動作が重かったり、アプリケーションの実行環境を共有するのに大きな手間がかかったりすることが珍しくありませんでした。
その点、コンテナ型のDockerはゲストOSを必要としません。ホストOSのカーネルを共有するだけで、簡単に開発環境を他のエンジニアと共有したり、アプリケーション実行環境の移転・共有ができます。
また、Dockerはひとつのサーバー上に複数のアプリケーション実行環境が作れるので、サーバーの数を減らす・有効活用するといったこともしやすいのがポイントです。
開発現場に導入するメリット
開発現場にDockerを導入すると、次のようなメリットがあります。
- 動作が軽いため開発中のストレスが減る
- 分担作業がしやすくなる
- 簡単に開発環境が構築できる
Dockerの特徴の一つに、従来の開発環境に比べて起動に時間がかからないことが挙げられます。従来の開発環境はサーバーOSを起動するのに数分程度の時間がかかっていましたが、Dockerは数秒で起動できるため、ストレスフリーで開発が進められます
開発は、多くの場合複数人のエンジニアで作業を分担して行います。
従来の環境では、同じ開発環境を用意するのに手間がかかっていました。しかし、Dockerを利用すれば、Dockerファイルを共有するだけで全員が同じ環境を簡単に構築できるため、作業の分担がしやすくなるでしょう。
途中で開発メンバーに新しい人が入った場合に、簡単に開発環境を共有できるのもDockerの大きな利点です。
Dockerには、開発環境を構築するのに役立つ「Dockerイメージ」というものがあります。これを利用すれば、初めてDockerを利用する人でも簡単に開発環境が構築できるため、効率的に業務を進められます。
以上のことから、Dockerを導入することは、効率的な開発環境を作る上で非常に大きなメリットがあるといえます。
Dockerを構成する4つの要素と基本の動作手順
ここからは、Dockerを構成する4つの要素と基本の動作手順を解説します。
Dockerを構成する4つの要素
Dockerを構成する要素は、次の4つです。
Dockerイメージ
Dockerイメージは、仮想サーバーを立ち上げるために必要なテンプレートのようなものです。
Dockerイメージには、アプリケーションを実行する際に必要な変数やコマンドといったものが含まれています。そのためインストールするだけで細かい設定をすることなく、簡単に仮想サーバーが立ちあげられます。
Dockerファイル
Dockerファイルは、Dockerイメージの設計図です。プログラムを動作させるサーバーやコマンド、ミドルウェアといった情報が記載されています。
Dockerファイルを作ると、一連の手順を自動化したり、細かくカスタマイズしたりできます。共有すれば、まったく同じ環境で開発ができるようになるので、大勢で開発を行う際に必須の要素です。
コンテナ
コンテナとはDockerイメージを元に作った仮想サーバーです。
従来の仮想化では、ホストOS上にゲストOSを構築して仮想環境としていましたが、DockerコンテナはホストOS上に直接構築されています。
コンテナを使うと、CentOSやUbuntuなどのOSからアプリケーション、Webサーバーやデータベースサーバーといったさまざまな環境が作れます。
Dockerコンテナを操作する際は、Dockerエンジンのインストールが必要です。
Dockerハブ
Dockerハブは、ユーザーが作ったDockerイメージを簡単に共有・管理できるサービスです。さまざまなイメージが登録されているので、それらを使うとより簡単に仮想サーバーが立ちあげられます。
Dockerの基本の動作手順
Dockerを利用する際の手順は、次のとおりです。
1. インストールする
DockerはLinuxの各種ディストリビューションのほか、WindowsやMacOSで動作します。
Dockerを利用する際は、GitHubやDokerドキュメントからDockerをインストールしておきましょう。
2. ファイルを作成する
Dockerをインストールしたら、テキストエディタなどでDockerファイルを作成します。
Dockerファイルを作成する際に使われる主なコマンドは以下のとおりです。
from | 元となるコンテナを指定する |
cmd | コンテナのデフォルトの実行コマンドを定義する |
run | コンテナを作成する際にコンテナ内で実行させるコマンドを指定する |
entrypoint | コンテナのエントリーポイントを定義する |
expose | コンテナで利用するポート番号を定義する |
env | コンテナに渡す環境変数を定義する |
3. イメージを作成する
Dockerファイルを作成したら、それを元にDockerイメージを作成します。
ファイルからイメージを作成する際は、次のコマンドを使いましょう。
docker build |
Dockerイメージは、Dockerハブから既存のものをダウンロードすることもできます。Dockerファイルを作成するのが難しい場合はそちらを試してみるのもおすすめです。
Dockerハブからイメージを生成する際は、次のコマンドが役立ちます。コマンドを入力する際は「docker image + コマンド名 」で入力しましょう。
pull | 最新版のDockerイメージをハブからダウンロードする |
ls | Dockerイメージの一覧を表示させる |
rm | Dockerイメージを削除する |
push | Dockerイメージをハブにアップロードする |
4. コンテナを起動する
Dockerイメージが作成できたら、いよいよコンテナを起動します。
コンテナの起動コマンドは以下です。
docker run |
コンテナ操作で役立つコマンドには、他にも次のようなものがあります。いずれのコマンドも「docker container + コマンド名 」で実行できるので覚えておくとよいでしょう。
start | コンテナを起動させる |
rm | コンテナを削除する |
stop | コンテナを安全に停止させる |
kill | コンテナを強制的に停止させる |
restart | コンテナを再起動させる |
ls | コンテナの一覧を表示させる |
Dockerを学ぶ方法
非常に便利で、これからますます使われるようになるDockerのスキルは、スキルアップやリスキリングにぴったりのスキルです。単価アップにもつながるので、これからもエンジニアとして第一線で活躍し続けたいなら学んでおいて損はないでしょう。
Dockerを学ぶ方法は主に2通りです。自分に合った方法で学んでみてください。
独学で学ぶ
書籍やWebページなどを活用して独学で学ぶのは、開発の基礎知識がない人にはハードルが高いかもしれません。しかし、自分のペースで学べるため、ある程度開発の知識があってまとまった学習時間が取れない人には適しているでしょう。
独学で学ぶ場合、セミナーなどを受講するのに比べて費用が掛からないのもポイントです。
一方、人によっては自学自習の習慣が身につかず、途中で挫折してしまうこともあります。確実にスキルを身につけたいなら、次の方法がおすすめです。
研修や講座を受講する
独学で学ぶのが不安な人や開発初心者は、Dockerの研修や講座を受講するのがおすすめです。独学で学ぶよりも費用はかかりますが、プロの講師に教えてもらえるので、知識やスキルが定着しやすいでしょう。
講座によってはハンズオンで実際に操作しながらDockerの基礎を学べたり、受講後にわからない部分を質問したりできることもあります。
研修や講座を選ぶ際は、費用やスキル習得にかかる時間だけでなく、講師の質やサポート体制もチェックすることが重要です。
できるだけ現役のエンジニアがレクチャーしてくれる講座を選ぶようにすれば、現場で役立つ活きた知識・スキルが身につきます。
Dockerを学ぶなら東京ITスクールがおすすめ!
「独学でDockerを学ぶのは挫折しそうで不安」
「書籍やWebページだけでは理解が追い付かない」
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講師陣は現役エンジニアが中心!
東京ITスクールの講師陣は、第一線で活躍する現役エンジニアが中心です。いずれの講師も厳しいトレーニングを積み、認定試験をパスしているため、質の高い講義が受けられます。
PCとネット環境があれば全国どこからでも受講可能!
こちらの講座は、オンライン講座です。PCとネット環境があれば、場所を問わず受講いただけます。
スキルを身につけて報酬アップ・キャリアアップを実現しよう!
効率的な開発には、環境を整えることが重要です。Dockerは従来の仮想化と違い、起動がスピーディーで、他の開発メンバーと簡単に開発環境が共有できることから、今後ますます広く使われるようになっていくと考えられています。
「これからも第一線で活躍し続けたい!」
「スキルアップ・報酬アップにつながるスキルを身につけたい!」
という人は、この機会にDockerのスキルを身につけてみてはいかがでしょうか?今注目のスキルを身につければ、転職や独立もしやすくなるでしょう。
とはいっても、書籍やWebサイトなどで独学で学ぶのは限界があります。これまで開発に携わってこなかった人や新人エンジニアには、ハードルが高いのも事実です。
そのようなときは、東京ITスクールの「Dockerコンテナ活用講座」の受講をご検討ください。
第一線で活躍するエンジニアが中心の講師陣が、基礎からていねいにレクチャーしますので、1日で効率的にDocker導入に必要なスキルや活用法が身につきます。
東京ITスクールではほかにもさまざまな講座が受講いただけますので、スキルアップ・単価アップ・リスキリングを考えていらっしゃる方はお気軽にお問い合わせください。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。