研修受講後に違いを実感!効果的な研修の組み立て方を解説
公開日:2024年03⽉05⽇最終更新日:2024年03⽉05⽇
研修プログラムは人材育成の重要なステップであり、その設計と実施には戦略的な考え方が求められます。
カリキュラムの構築や効果的な方法について、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、以下の3つについて解説します。
1) 研修プログラムが成功する秘訣
2) 研修プログラム設計の明確なステップ
3) 受講後の評価とフィードバックの重要性
新人育成にあたって、充実した研修プログラムを構築し、社員のパフォーマンスを向上させるための一助となれば幸いです。
研修受講後に差を生む! 効果的な研修プログラムの構築
研修受講の目的と効果
研修の目的は、新たなスキルや知識を身につけること、さらには受講者が自身の役職や職務に対する理解を深め、自己改善のための戦略を立てる能力を養うことです。
一方、効果とは研修が受講者の実務能力向上に結びついたかどうか、すなわち職場でのパフォーマンス向上が実現できたかを指します。
特に、米IBMの研究によると、従業員のスキルが10%向上すると、その組織のパフォーマンスが8.2%向上すると言われています。これは、研修プログラムが正しく構築されている場合に限ります。
研修受講の目的と効果を明確に理解し、それに基づいた研修計画を立てることが重要となります。
成功事例の分析
成功事例の分析は、効果的な研修プログラムの構築に欠かせません。業界内で秀でた成果を上げている企業の研修方法を参考にすることで、既に有効性が検証された手法を取り入れることが可能です。
例えば、Googleは独自の研修プログラム「Google’s Career Guru Program」にて、一対一のキャリア開発セッションを広範に導入し、従業員のスキルアップとキャリア成長を促進しています。
同様に、マイクロソフトも「Microsoft Learn」を開始し、従業員が新たなスキルやテクノロジーを学習できる独自の学習プラットフォームを提供しています。これらの事例から、個別のニーズに対応した学習方法や自身で学習を進めるためのプラットフォームの重要性が見えてきます。
研修ニーズの正確な把握方法
研修ニーズの正確な把握は、効果的な研修プログラムを構築するキーとなります。最初に、企業のビジョンや目標、そしてそれを達成するために必要なスキルや知識を見極めることが求められます。
さらに、対象者の現状のスキルレベルや知識を評価して、研修の目標を適切に設定します。ここで重要なのは、一方的な上からの指示ではなく、対象者自身の意見や希望も取り入れることです。
質問票やインタビュー、グループディスカッションなどを通じて、受講者のニーズや期待を引き出し、それを研修プログラムに反映させることで、結果的に高いモチベーションと効果的な学習が生まれます。
研修受講後の目標設定
研修受講後の目標設定は、受講者が研修で得た知識を仕事に活かすための重要なステップです。具体的な目標を設定することで、受講者は研修で覚えたことを実務にどのように応用するか、具体的な行動計画を作る手助けとなります。
また、目的意識を持つことで学びの質が向上し、研修終了後も自己啓発を促進します。具体的な目標が設定されると、その達成度を測ることも可能になり、結果的には組織のパフォーマンス向上に寄与します。
企業例で言えば、IBMでは研修受講後の目標設定とその達成度を評価の一部とし、これが研修の成果を最大化する助けとなっています。
研修内容のカスタマイズ
研修内容のカスタマイズは、受講者のニーズに応じた効果的な研修を実現するために欠かせません。企業独自の文化や環境、そして目指すべきスキルや知識を踏まえ、研修内容を組み立てることで、研修受講者が最大限の学びを得られるようにします。
例えば、Googleでは専門分野に合わせたカスタムトレーニングを提供し、従業員の成長を支援しています。ポイントは、受講者一人ひとりの成長を見据え、組織のビジョンや目標達成に対する貢献を可能にする研修内容のカスタマイズです。
これにより、研修がただの時間の補填でなく、成果を生む実践的な学びの場となります。
参加者のモチベーション向上戦略
参加者のモチベーション向上戦略は研修プログラム成功の鍵となります。例えば、具体的なキャリアパスを示し、その達成に向けて研修がどのように役立つかを理解させることで、受講者は自分の成長を実感し、学びへの意欲を維持します。
また、賞賛やフィードバックを通じて、受講者の達成感を高め、自信を持たせることも重要です。さらに、ゴール設定や自己評価の機会を設けることで、自己効力感を高め、積極的な学習姿勢を形成します。
これらの戦略は、受講者が学習目標を達成する過程で自己成長を経験し、新たな挑戦に対する意欲を引き出すために有効です。
研修プログラム設計のステップ
研修プログラム設計の過程は、優れた成果を生むための重要なステップです。適切に設計された研修は、参加者のスキルを向上させ、その後の業績に大きな影響を与えます。
ここからは、研修プログラムを設計する上で効果的なプロセスを6つのステップに分けて解説します。
ステップ1|研修目標の設定
研修プログラムを設計する最初のステップは、研修目標の設定です。この段階では、企業が具体的に何を達成したいのかを明確にしましょう。
たとえば、社員のスキルアップ、新規ビジネスの展開に必要な知識の獲得などが目標になるかもしれません。IBMの事例では、特定の技術研修プログラムを通じて、社員のスキルレベル向上と業績の改善を目指し、その結果、顧客満足度の向上と売上増加につながったと報告されています。
目標設定は、研修の方向性を明確にし、その成功を測定する基準を設けるために不可欠です。
ステップ2|対象者の特定
対象者の特定は、研修プログラムの効果を最大限に引き出すために重要なステップです。まず、研修の目標に合わせて最適な対象者を明確にします。
例えば、新入社員の採用面接スキル向上を目指すなら、新人研修を担当する人事担当者が対象者となるでしょう。また、研修対象者の現状理解が深まれば、そのニーズに合わせた具体的な研修内容を設計することが可能になります。
ここでは、彼らのスキルセット、経験、研修に対する意欲などが重要な要素となるでしょう。この情報を元にしたマッチングが、研修プログラムをより効果的にするための鍵となります。
ステップ3|適切な研修方法の選択
適切な研修方法の選択は、研修の効果を最大化する上で極めて重要なステップです。まず、研修目標と対象者のニーズを念頭に置き、それらを満たす研修方法を選択することが大切です。例えば、新入社員への基礎知識の習得を目指す場合、一方通行の講義形式よりも、受講者が実際に手を動かして学ぶワークショップ形式の方が効果的かもしれません。
また、リーダーシップ研修の場合は、ロールプレイングやディスカッションを取り入れた形式を選ぶと良いでしょう。これらは受講者が直面する課題を実際に体験し、対処法を学ぶ機会を提供します。
選択する研修方法は、最終的な研修の成果に直結しますので、研修目標と対象者のニーズをじっくりと吟味し、効果的な研修方法を選択しましょう。
ステップ4|内容と資料の開発
対象者のニーズと研修目標を踏まえた内容と教材を作り上げる段階です。
具体的な内容は、専門的な知識や技術だけでなく、対象者の職務に役立つ具体的な課題解決スキルやコミュニケーションスキルなども含む可能性があります。また、教材には、スライド、テキスト、ビデオなどの多様な形式を用い、受講者の理解を深めるための事例や練習問題も取り入れると良いでしょう。
内容と教材の開発時には、受講者の前知識や学習スタイル、利用可能な時間などを考慮に入れることが重要です。
ステップ5|実施計画の策定
体的な実施計画を作っていきます。タイムテーブルの作成や研修日の予定、使用する教材や活動の詳細な設計などが含まれます。
良い研修プログラムは組織の目標と受講者のニーズを満たすものであるため、スケジューリングと計画はしっかりと行いたいところです。また、予期せぬ事態にも柔軟に対応可能な事前の準備が成功の鍵となります。
自社での内製が難しいようであれば、外注も視野に入れて検討しましょう。
ステップ6|実施と評価
設定した目標に基づき、実際に研修を進行します。その際、参加者の理解度や満足度を把握するためのツールや手法を用いることで、仕上がりにも差が出てきます。
まとまった期間での研修の場合は特に、受講中定期的に育成担当者がコミュニケーションを取ることが大切です。
研修終了後は、参加者からのフィードバックを収集し、それをもとに研修の効果を評価します。この結果は、次回の研修設計に活かすことができます。
研修の内容がブラッシュアップされることで、以降より効果的な育成が実現可能となります。
研修において重視したいこと
研修プログラム構築のステップについて解説したところで、
このセクションでは、研修を受講する上で重視したいことについて述べていきます。
インタラクティブな学習環境の構築
インタラクティブな学習環境の構築は、研修の出来るだけ多くの効果を引き出す重要な要素です。
受講者が能動的に参加でき、思考を深め、新たな知識を吸収できるような環境を作ることが求められます。
具体的には、小規模なディスカッション、チームでのプロジェクト作業、シミュレーションゲームなど、受講者が直接関与し、対話を行う活動を組み込むことが有効です。
このような方式は、受講者が互いに協力し、互いの意見を尊重しながら、共同で問題を解決する能力を養います。また、自身の考えを他人に伝えることで、理解度が深まり、知識が定着するというメリットもあります。
ケーススタディと実践演習
ケーススタディと実践演習は、研修プログラムの中で特に重要な部分です。
これらは実際の業務に近い状況を模倣することで、受講者が理論を現場でどのように活用するかを具体的に理解するのに役立ちます。
たとえば、IT分野では、実際のプロジェクトを模したケーススタディを用いて問題解決の手法を学び、コーディングの実習を通じてスキルを身に付けることが可能です。そのため、研修受講者が自信を持って業務に取り組むことができ、研修の効果を最大限に引き出すことが可能になるのです。
フィードバックとフォローアップ
研修プログラムの成果を最大化するためには、受講後のカリキュラムだけでなくフィードバックとフォローアップが重要です。これらのプロセスは、学習の深化、振り返り、そして次のステップへの道筋を示す役割を果たします。
特にフィードバックは、受講者の理解度や達成度を把握し、より具体的な改善点や強化すべき領域を明らかにします。これにより、受講者は自己評価を行った上で、自身の学習目標に対する進捗状況を確認できます。
一方、フォローアップでは、学び取った知識やスキルが実際の業務にどのように生かされているかをチェックすることで、学習の成果を確認できます。また、これにより研修の有用性を評価し、必要に応じてプログラムを改善する基準を提供します。
受講者参加型の活動
受講者参加型の活動は、研修の有効性を最大限に引き出す重要な手段です。
アクティブラーニングの一環として、小グループでのディスカッション、ロールプレイ、ケーススタディによる解析等、受講者が積極的に参加することで、理解度を深めることが可能です。
また、対話型の学習は、異なる視点やアイデアの共有、問題解決能力の向上、チームワークの強化にも繋がります。この方法は、研修プログラムが受講者の具体的な職場の状況に適用できるかを直接確認する絶好の機会を提供します。据え置き型の授業だけではなく、受講者が能動的に参加する活動を取り入れることで、より効果的な研修となります。
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SESで現場PG、SEとして活躍後、受託開発のPMとして多数の開発プロジェクトを経験。
主に金融系案件を担当。
現在はこれまでの経験を活かして東京ITスクールのカリキュラムや教材開発業務に従事。
趣味はサイクリング。