なぜ企業の新人研修ではJavaが採用されるのか?理由と特徴についてわかりやすく解説!
公開日:2023年05⽉17⽇最終更新日:2024年11⽉29⽇
新人研修で学ぶプログラミング言語において絶大な人気を誇るJava。長年にわたり開発の現場で選ばれる理由とは何なのでしょうか?
この記事では、Javaが企業の新人研修で選ばれる理由と、研修成功のためのコツを解説します。教育担当者の方は是非お読みください。
なぜエンジニアの新人研修ではJavaが選ばれるのか?
企業の新人IT研修において学ぶプログラミング言語で、圧倒的な人気を誇るJava。
数多くのプログラミング言語が存在する中、なぜJavaが採用されるのでしょうか?
本記事では、これからプログラミング言語を学ぼうとしている方や、Java自体を知らない方に向けて、Javaが絶大な需要を誇る理由、そしてその特徴について、わかりやすく解説します。
新人研修で選ばれる理由① 汎用性が高く、多くの開発現場で求められる代表的な言語
Javaとは、コンピューターシステムを動かすための代表的なプログラミング言語の1つで、私たちが日々触れている様々なアプリ、業務システムなどの開発に利用されています。WindowsやMac、LinuxなどのOSを問わず、問題なく動作することができます。
この汎用性の高さから、開発現場において非常に多く利用されています。また、Javaは企業や組織の大規模なシステム開発にも利用されることが多く、ビジネスの世界でも非常に需要が高い言語の1つとなっています。
そのため、Javaを学ぶことで、広範囲にわたるシステム開発に携わることができるだけでなく、技術者としての市場価値を大きく高めることができると言えます。
新人研修で選ばれる理由② Javaを学べば、以降の他言語の習得も楽になる
プログラミング言語において、Javaは難易度が比較的高めの言語です。
しかしながら、開発現場で最も需要の高い言語であり、仕事に直結することに加えて、プログラミングの基礎を学ぶ上で、初めにJavaを学習すればC言語やPythonといったその他のプログラミング言語の学習も容易になるという点が挙げられます。
まず初めにJavaを学んでおくことで、プログラミングスキルの基盤が作れる、ということですね。
新人研修で選ばれる理由③ オブジェクト指向プログラミングが身に付く
様々なプログラミング言語がある中でもJavaは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の実現に非常に優れた言語であることが特徴です。
「オブジェクト指向」とは、人間が日常的に物事を考える方法に近く、例えば車や動物、人物などの「オブジェクト」を作成し、それぞれに対して歩く、食べるなどの必要な機能を与えることができます。
Javaには、このオブジェクト指向プログラミングを実現するための機能が豊富にあり、オブジェクトの生成やデータの操作を簡単に実行することができます。「クラス」と呼ばれるオブジェクトの設計図を作成し、その設計図を元にオブジェクトを作り、システムに様々な機能を実装することができます。
オブジェクト指向プログラミングは、初めて学ぶ人にとっては少し難しいかもしれませんが、Javaのようなオブジェクト指向に対応した言語を学ぶことで、より簡潔で効率的なコードを書くことができますので、現場で需要が高いこともうなずけます。
新人研修で選ばれる理由④豊富なライブラリ、情報収集や問題解決のしやすさ
もう一つ、Javaが他の言語と比べて突出している点として、豊富なライブラリが用意されていることが挙げられます。
ライブラリとは、先ほどのオブジェクト指向で述べた「クラス」の設定(オブジェクトの動作に関する設定や処理)などをファイル形式でまとめたもので、一から言語を書かずとも、このライブラリを利用することで、効率的に機能の実装を行うことができます。
Javaには標準ライブラリが存在し、グラフィックス処理、ネットワーク通信、ファイル入出力などの様々な機能が提供されています。既に提供されているライブラリを利用することで、同じ機能を開発者が独自に作成する必要がなくなり、プログラム開発の効率化や品質向上が期待できます。
また、ライブラリの提供者が定期的に更新を行うことで、新しい機能や修正されたバグが利用できるようになるため、プログラマは自分で全ての機能を開発するよりも、より高度で安定したアプリケーションを開発することができます。
技術者のコミュニティなど、情報収集のできる場もたくさんあるため、開発中につまづいても、問題解決がしやすいことも選ばれる理由のひとつです。
新人研修で選ばれる理由⑤業界での絶大な信頼性、需要の高さ
これまで述べてきたような理由から、開発現場でのJavaの需要は非常に高く、また、多くの開発者により日々ライブラリもブラッシュアップされているため、今後もビジネスにおいて幅広く求められていくであろう言語であることが言えます。
Javaはその可用性から大規模なシステムにも幅広く対応することができ、セキュリティ面の機能も強いため、Javaによってつくられたシステムに対する信頼性も高く評価されています。
このように企業がJavaを新人研修で必修言語として採用する理由は、Javaが汎用性、現場での需要、機能において非常に優れており、最も仕事に直結しやすいことから、現場での共通言語となりうること、そして「現場で活躍するエンジニア」としての第一歩を踏み出すための大切な基礎となる言語であるから人気がある、ということがわかります。
新人研修でJavaを学ぶ際に課題となること
学ぶ上でメリットしかないと言っても過言ではないJava。多くの開発現場で活躍してもらうためにも、是非研修で初期に身に付けておきたいプログラミング言語です。しかし、初めてプログラミングに触れる新人や、他の言語に慣れた人にとって、Java学習には乗り越えるべき課題もあります。
ここからは、新人がJavaを学ぶ際に直面する主な課題とその解決方法について解説します。
①プログラミング未経験の壁
Javaはオブジェクト指向を採用しているため、プログラミング未経験者には概念が難解に感じられることがあります。特に「クラス」「オブジェクト」「継承」などの概念は抽象的で、現実世界と結びつけるのが難しいと感じる人が多いです。
克服方法としては、以下のようなものがあります。
・身近な例で説明する: 「クラスは設計図、オブジェクトはその製品」といった比喩を使い、抽象的な概念を視覚化します。
・簡単な演習から始める: Hello Worldのプログラムのような、成果が目に見えるシンプルな課題を解くことで、達成感を得られるようにする。
適切なフォローアップや質疑応答の時間を取ること、必要に応じて補講を行うなどのサポートがあれば、未経験でも十分に身に付けていく事が可能です。1からエンジニアを育てたいとお考えであれば、無理なく学べる適切なペース配分、理解力に応じたフォローアップが必須と心得ましょう。
② Java学習のための環境構築の難しさ
Javaを学ぶには開発環境(JDKやIDE)が必要です。しかし、環境構築は手順が多く、エラーが発生した際に原因を特定するのが初心者には難しいという問題があります。
克服方法としては、
・事前に準備された環境を提供する: 研修用の仮想環境やクラウド環境を用意することで、学習に専念できる環境を整えます。
・動画やドキュメントを用意: 環境構築の手順を動画や図解入りのドキュメントで説明し、初心者でも迷わず進めるようにします。
学習準備の段階でもつまづいてしまう人もおおいので、丁寧に行えるとよいでしょう。
④ 学習ペースの個人差
課題: 学ぶスピードには個人差があります。進捗の早い人と遅い人の間でギャップが生じ、モチベーションが低下することがあります。
克服方法としては、
・グループワークを取り入れる: 進捗が遅い人には他のメンバーが助ける仕組みを作り、協力して課題を解決させます。
・段階的なカリキュラム設計: 基礎的な部分を全員で習得した後、応用課題は個人ペースで取り組めるようにします。
新人向けJava研修成功のポイントとは?効果的な研修設計の秘訣
新人向けのJava研修は、単にプログラミングスキルを教えるだけでなく、新人の成長を促進し、職場で即戦力として活躍できるようサポートすることが重要です。
しかしながら研修を成功させるには、適切な設計と運営が不可欠です。新人向けJava研修を成功に導くためのポイントを以下に解説します。
Java研修のゴールを明確に設定する
研修の目的を明確にすることで、参加者が「何を達成すべきか」を理解し、学習の方向性を見失わないようにします。
具体的な方法としては、
・学習目標の設定: 例えば、「基本的なJava文法を理解する」「簡単なプログラムを独力で開発できる」など、達成可能な目標を設定します。
・業務との関連付け: 研修で学んだ内容が、実際の業務でどのように活用されるかを説明することで、モチベーションを向上させます。
段階的なカリキュラムを設計する
新人の多くはプログラミング初心者であるため、基礎から応用へと段階的に学べるカリキュラムが重要です。
具体的な方法:
・基礎編: 変数、データ型、条件分岐、ループなど、プログラミングの基本概念を学ぶ。
・応用編: オブジェクト指向、例外処理、コレクションフレームワークなど、実務で必要なスキルを習得。
・実践編: 小規模なプロジェクトを通して、プログラム設計やデバッグのスキルを養う。
細かく単元を区切り、受講者の集中力が持続できるような配分を心がけましょう。
Javaの学習をサポートする環境を整備する
学習に集中できる環境が整っていることで、研修の効率が格段に向上します。自身でも学習ができるように補助資料や質問可能な環境を準備しましょう。
・事前の開発環境構築: 事前にセットアップ済みのPCや仮想環境を提供し、受講者がスムーズに研修を開始できるようにします。
・学習リソースの提供: サンプルコードや分かりやすい資料、研修中にアクセスできるQ&Aプラットフォームを用意します。
実務に近い演習問題を提供する
理論だけでなく、実践的な課題を解くことで理解が深まり、学んだ知識を定着させることができます。
たとえば、
・小規模プロジェクト: 「顧客情報管理システム」や「簡単な計算アプリ」など、実務に応用しやすい課題を設定します。
・コードレビューの実施: チームメンバーや講師とコードをレビューし合い、プログラミングの質を高める。
適切なフィードバックを行う
学習の進捗を把握し、適切なフィードバックを与えることで、受講者のモチベーションを維持できます。
具体的な方法としては、
定期的なチェックポイント: 各学習フェーズの終了後にテストや振り返りを実施し、理解度を確認します。
個別指導: 学習が遅れている受講者には、個別指導や補講を提供します。
チーム学習と個人学習を組み合わせる
ポイント: 個人学習で集中して取り組む時間と、チームで協力し合う時間をバランスよく配分することで、スキルの習得を加速させます。
たとえば、
・ペアプログラミング: チームメンバーと一緒に課題を解決し、協力しながらスキルを磨く。
・ハッカソン形式の課題: 研修の最終日に、チームで成果物を発表する形式の課題を設定する。
研修後のフォローアップを行う
研修終了後も学びを継続でき、適切なフォローが受けられる仕組みを提供することで、スキルが職場で定着します。適切なケアがあることによる安心感は、その後の定着率やモチベーション向上にもつながります。
具体的な方法としては、
・オンライン教材の提供: 自宅や職場で復習できるよう、教材やビデオを共有します。
・メンター制度の導入: 現場配属後にサポートしてくれるメンターをアサインし、実務での疑問を解決します。
新人向けJava研修を成功させるには、計画的なカリキュラム設計と適切なサポート体制が鍵です。
また、研修で得たスキルを実務で活かせるよう、研修後のフォローアップも忘れずに行うことが重要です。効果的な研修を通じて、新人が自信を持って次のステージへ進めるようにサポートしましょう。
Javaは新人研修で学んでおきたい言語No.1!
いかがだったでしょうか?
企業がJavaを新人研修で必修言語として採用する理由は、Javaが汎用性、現場での需要、機能において非常に優れており、最も仕事に直結しやすいことから、現場での共通言語となりうること、そして「現場で活躍するエンジニア」としての第一歩を踏み出すための大切な基礎となる言語であることがおわかりいただけたと思います。
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SEとしてB2Cアプリ開発、金融系システム開発などを経験後、人事部で採用業務を担当。
現在は東京ITスクールの講師として新人研修から階層別研修、人事向けセミナーまで幅広く登壇。
猫を3匹飼っている猫好き。