問題解決力を高めるには?能力を向上させるメリットとおすすめ研修
公開日:2023年10⽉12⽇最終更新日:2024年11⽉05⽇
業務に取り組んでいれば、必ず問題は発生します。人が行う業務であるなら問題をゼロにはできません。
少しでもトラブルの影響を小さくするには、トラブルが起きたらすぐに解決に向けてアクションを起こすことが肝心です。
この記事では、問題解決力を向上させるメリットと、その向上に役立つ研修も紹介します。
仕事で発生した問題の影響を少しでも小さくしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
問題の種類と問題解決力
「問題解決力」は文字通り、問題を解決する能力を指します。問題解決力を身につけることは、スムーズにビジネスを進めるうえで避けては通れません。
まずは、ビジネスにおける問題の種類と、問題解決力の定義を解説します。
ビジネスにおける問題とは
問題解決力を解説するにあたって押さえておきたいのが「ビジネスにおける問題の種類」です。
ビジネスにおける問題は、大きく3つのタイプに分けられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
発生型
発生型の問題は「すでに起きている問題」です。
その問題が起こっていることが分かった時点で何らかの被害や影響が出ていることがほとんどで、被害を広げないために早急に対処することが求められます。
具体的には、次のようなものを指します。
- ハラスメント行為
- 顧客からのクレーム
- 製品の不具合や欠陥
- 不正行為や盗難
これらの問題を解決するには、スピード感を持って問題の根本的な部分を解決することが重要です。
潜在型
潜在型の問題は「将来的に発生する可能性がある問題」のことを指します。
今は問題が起きていなくても、将来的に何らかの影響が出るため、問題が明らかになる前からリスク管理や対策を念入りに行う必要があります。
潜在的な問題で代表的なものは以下のとおりです。
- 将来の人材不足
- 競合他社の出現
- 法律や制度の変更
これらはビジネスに大きな影響をもたらしますが、事前に対策を考えきちんとリスク管理をしていれば、影響を最小限に抑えられます。
潜在型の場合、まだ被害や影響は出ていないため、先回りして予防できるのが発生型の問題との大きな違いです。
設定型
設定型の問題は「設定した目標との間に生じているズレ」のことです。売り上げ目標や成約件数といった目標を設定したものの、それが達成できないときに発生します。
設定型の問題には、具体的にどのような行動をすれば問題が解決できるのかを考え、行動計画(アクションプラン)を作成・実行することが有効です。
問題解決力とは
上記のような問題を解決するには、高い問題解決力が欠かせません。
問題解決力というと少し抽象的に感じられますが、言い換えれば「理想とする状態と現実の間のギャップを埋めるスキル」です。
問題解決力は、次のようなスキルで構成されています。
- 問題解決までの道筋を考えるスキル
- 問題の原因を分析・検証するスキル
- 具体的な解決策を実行に移すスキル
- 物事を改善するスキル
素早く適切に問題を解決に導くには、これらのスキルをバランスよく身につける必要があります。
問題解決力が低い組織が抱えやすい課題
ここからは、問題解決力が低い組織が抱えやすい課題を解説します。
問題解決力が低いと、問題が解決しないだけでなく、ビジネスにも大きな影響が出てしまいます。
特に問題解決力が低い組織が抱えやすい課題は、次のとおりです。
どの問題から解決すべきかわからなくなる
問題解決力が低い組織では、日常的に様々なトラブルが発生しています。そのため、どこから手を付ければ問題が解決するかわからない状態になっていることが少なくありません。
どんな問題でも、順番を間違えれば解決するものも解決しなくなってしまいます。
どの問題から解決すべきかわからなくなると、トラブルがトラブルを読んで雪だるま式に大きくなり、最終的にはビジネスをとん挫させてしまうリスクもあります。
同じミスが繰り返し起こりやすくなる
問題の本質・根本的な原因が解決されないと、同じミスが繰り返し発生します。
問題解決力が低い組織の場合、その場しのぎの対応をすることが多く、問題の根本原因まで解決できないことが珍しくありません。
すると、その場は切り抜けられたとしても、また同じようなトラブルが起こって対応に追われることになります。
当然トラブルが発生すればその解決に人出も時間も取られるため、繰り返し問題が発生する状況が生産性や業務効率の向上を妨げることは言うまでもありません。
対応が後手になる
問題解決力が低い組織は、問題が発生してから出ないと対応できません。そのため、対応が後手に回りがちです。対応が後手に回れば、問題が解決するまで様々な影響や被害が出ることは想像に難くないでしょう。
問題解決において、組織の課題を自分事としてとらえ、自分から進んで問題解決のためにアクションを起こすことは、問題発生の防止だけでなくモチベーション向上にも大きく影響します。
具体的かつ適切な対応が実行できない
問題解決のための策を練っても、それを実行できなければ問題は解決しません。問題解決力が低い組織は、行動計画や解決策の実行に課題を抱えていることが非常に多いといわれています。
解決策を考えたら、速やかにそれを実行に移し、内容の検証・分析を繰り返すという一連の流れができなければ、問題はどんどん大きくなるばかりです。
問題解決力を向上させるメリット
問題解決力が低いとさまざまなデメリットがあります。しかし、問題解決力は向上させることが可能な能力です。向上させると、次のようなメリットがあります。
個人のメリット
- 重要な課題に気付ける
- 新しいアイデアを考え付きやすくなる
- 相手を納得させられる説明力や文章力が身につく
問題解決力は、学校で学んできたスキル・能力とはまったく異なるタイプの能力です。
問題解決力を向上させると、普段の生活でも重要な課題に気付きやすくなったり、新しいアイデアを思いつきやすくなったりします。
また、問題解決力を向上させると、おのずと相手を納得させられる説明力や文章力も身につきます。これらのスキルは、プレゼンテーションの場でも大いに役立つでしょう。
組織のメリット
- 従業員自ら提案する力が上がる
- 職場内のコミュニケーションの質が上がる
- 生産性・対応力が高まる
組織が成長し続けるためには、発生した問題を解決するだけでなく、常に新しい取り組みを行っていく必要があります。
従業員の問題解決力が向上すると、常に課題を見つけ、改善しようとする企業風土が作られやすくなるため、従業員のなかから新しい提案が生まれやすくなるでしょう。
また、問題解決には密なコミュニケーションが欠かせません。事実ベースでしっかりとコミュニケーションを取れる職場環境が整えば、生産性や対応力の向上も期待できます。
問題解決の4ステップと3つの習慣
ここからは、問題の解決の手順と、解決策を考える際に役立つ3つの習慣を解説します。
問題解決の基本は、4ステップです。いたってシンプルな手順ですが、ビジネスにおける問題は複数の原因が複雑に絡み合っていることも多いため、ステップ2~4を何度か繰り返す必要があります。
|
問題を解決するには、日頃から次のことを習慣にしましょう。
ロジカルシンキングを心がける
問題の解決法を考える際に役立つ習慣のひとつが「ロジカルシンキング(倫理的思考)」です。
論理的思考は、物事を深く考えるのに役立つ思考法です。物事を結論と根拠に分けて、それらのつながりを考えながら、物事の理解を深めます。
普段から「なぜこのような結果になったのか」「なぜこのようなことが言えるのか」と論理的に考える癖を付ければ、スピーディーな問題解決につなげられるでしょう。
ロジカルシンキングのスキルを身につける方法は次の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
問題の本質・核(ボトルネック)に目を向ける
ビジネスで発生する問題の多くは、いくつもの原因が複雑に絡み合って発生しています。そのため、問題を根本的に解決するには、絡み合った原因を解きほぐし、問題の核を見つけ出すことが欠かせません。
この問題の核のことを「ボトルネック」といいます。
普段から物事の核となる部分に目を向ける習慣を身につけておけば、問題が発生した場合も速やかにボトルネックが発見できるようになるでしょう。
常にPDCAサイクルを回すよう意識する
PDCAサイクルを回す習慣を身につけるのも問題解決に非常に役立ちます。
PDCAとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(測定・評価)
- Action(対策・改善)
の頭文字を取ったもので、仮説・検証のプロセスを繰り返し、マネジメントの質を高めることを指します。
ビジネスで発生する問題は、原因が複雑に絡み合って発生していることがほとんどなので、何かインパクトのある解決策を1回行えば解決するものではありません。
積み重なった問題をていねいに解決していくには、ひとつひとつに対する解決策を繰り返し実行に移し、そのたびに検証を行うのが近道です。
普段からPDCAサイクルを回す習慣を身につけておけば、考えたいくつもの解決策を根気強く実行し、問題を解決に導く力がついてくるでしょう。
問題解決力を鍛える方法
では、問題解決力を鍛えるには、具体的に何をすればよいのでしょうか?おすすめの方法を2つ紹介します。
本を読む
最も手軽に取り組める方法が、読書です。
書店には、問題解決力を鍛えるのに役立つ様々な書籍が並んでいます。気になるものを手に取ってみましょう。
問題解決力を、実践で鍛えるというのは現実的ではありません。普段から読書を通じて様々な事例に触れ、自分の中で問題解決のイメージを作っておくと、いざ実践するとなったときもあわてずに問題解決力を発揮できるでしょう。
研修を受ける
「読書が苦手」「もっと実践的なスキルを身につけたい」という人には、研修もおすすめです。
研修のなかには、実際に問題が発生した想定で問題解決のワークを行い、実践的なスキルを身につけるものもあります。
研修は読書に比べて費用は掛かりますが、プロの講師からすぐに使えるテクニックをレクチャーしてもらえるのが魅力です。
組織全体の問題解決力底上げにも活用できるので、繰り返し問題が発生してしまう・後手の対応から脱却したいという組織・企業の方は、受講を検討してみるのもよいでしょう。
問題解決力を高めるなら東京ITスクールの研修がおすすめ!
現在は、問題解決力を向上させるために様々な研修が実施されています。企業の担当者様のなかには「どの研修がよいのかわからない」「短期間で効率的に問題解決力を向上させたい」という方も多いのではないでしょうか?
そのような場合におすすめしたいのが、東京ITスクールの「全体最適のための問題解決力習得講座(基本編)」です。
問題解決のカギは「考え抜くこと」
問題解決において最も重要なことは、解決に至るまで考え抜くことだと言われています。
問題解決力の低い組織・人は、往々にして考え抜くことが苦手です。少しでも複雑な問題にぶつかると、考えることを投げ出してしまいます。
しかし、それでは問題は解決しません。
東京ITスクールの「問題解決力習得講座(基本編)」では、物事を深く考え抜くのに役立つフェルミ推論やロジックツリー・イシューツリーといったテクニックも学んでいただけます。
新社会人の方にも理解しやすい内容です。
東京ITスクールは講師陣の質に自信あり!
東京ITスクールで教壇に立つ講師陣は、今も第一線で活躍するエンジニアが中心です。
エンジニアが講師を務めていると聞くと「内容はわかりにくくないか」「フォローやサポートが十分でないのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。しかし東京ITスクールの講師陣は全員が講師カリキュラムを受講し、厳しい認定テストをパスした講師ばかりです。
その質の高さから、リピートでご利用いただく企業様も多数いらっしゃいます。
オンライン講座で全国どこでも受講可能!
東京ITスクールの「問題解決力習得講座(基本編)」は、オンライン講座です。PCとネット環境があれば、全国どこからでも受講いただけます。
3時間で集中的かつ効率的に問題解決の基礎が学べる講座ですので、忙しい方にもおすすめです。
問題解決力を向上させて仕事の質を高めよう!
ビジネスをしていれば、誰しも必ず問題にぶつかります。その場限りの対応でやり過ごしていると、被害や影響が大きくなってから途方に暮れることになりかねません。
二度と同じ問題を繰り返さない・被害や影響を最小限に食い止めるには、初めて問題にぶつかったタイミングでしっかり解決策を考え、実行に移すことを意識しましょう。そのためには、問題解決力を向上させることが重要です。
問題解決力を向上させる事には次のようなメリットがあります。
■ 個人のメリット |
|
■ 組織のメリット |
|
ビジネスの問題は、多くの場合複数の原因が複雑に絡み合って発生しています。そのような問題をスムーズに解決したいなら、日頃から問題解決力を養っておくことが重要です。
問題解決力を養うには、次の3つのことを心がけてみてください。
- ロジカルシンキングを心がける
- 物事の本質・核(ボトルネック)に目を向ける
- 常にPDCAサイクルを回すよう意識する
そのうえで、読書をするなどして、問題解決力の底上げに取り組みましょう。より効率的に問題解決力を高めたいなら、研修会社の研修を受けるのもおすすめです。
東京ITスクールでは、「問題解決力習得講座(基礎編)」のほかにも様々な研修を実施しています。問題解決力向上以外に、社員教育や人材育成でお困りの企業様はお気軽にご相談ください。
システム開発会社発、IT人材の採用から育成まで!社員研修なら東京ITスクール
東京ITスクールは、IT人材の採用から育成までを包括的に支援する法人向け人材育成・紹介サービスです。
システム開発事業に長年携わってきた私たちならではの、現場で即戦力として活躍できる確かなプログラムをご提供します。
- IT人材の採用から育成までをトータルで支援
- 新人~管理職まで、階層別の学びをご用意
- 実践豊富なカリキュラムで現場即戦力を育成
関連記事
現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。