導入の背景
- 事例にはカスタマイズされたカリキュラムが含まれる場合があります。現在の提供サービスや研修のオーダーメイドについては、お気軽にお問い合わせください。
DX推進を牽引する若手メンバーがアプリケーション開発を学習
最初に、DX戦略推進室について教えてください。
DX戦略推進室は、2020年4月にキリンホールディングスの経営企画部の中に設置された組織です。世の中のライフスタイルが多様化する中で、最新のデジタル技術を積極的に取り入れながら、どのようにしてお客さまに新しい価値をお届けできるかを考え、実行するために立ち上げられました。
バリューチェーンの幅広い領域で、30を超えるDXプロジェクトを推進しています。グループ内のすべての事業領域や、あらゆる業務を検討対象に、より現場に近い事業全体でのICT活用が企画・実行され、既存のビジネスプロセスを変えていくこと、新しいビジネス(価値)を創ることを目指しています。もちろん一気に全ての領域というわけにはいかないので、各領域における喫緊性などを総合的に判断し、優先順位を決めて取り組みを進めています。
本研修前は、プログラミングやITの知識は皆さまどの程度お持ちでしたか。
私は大学でコンピューターサイエンスを専攻しており、CやJavaでプログラミング経験がありました。ほか2名は文系の出身で、社会人になってから業務でSQLやPythonを少し使用したことのあるレベルです。そのため、3人ともプログラミングの基礎はありましたが、iPhoneのアプリ開発については、まったくの素人でした。
ノーコードのツールなどもある中で、あえてプログラミング言語を使って開発をしようと思われたのはなぜですか?
お客さま向けのアプリは、コーディングでないとまだまだ開発できない機能があると考えており、その技術を理解していくことは必須だと思っていました。また、外部ベンダーに委託する際も、基本的にコーディングで開発してもらっているため、その開発の考え方や進め方は我々も理解しておく必要があると考えました。そのため、あえてプログラミング言語で開発する取り組みを実施しました。
テックアカデミーを選んでいただいた背景を教えてください。
理由は主に2つあります。1つ目はテックアカデミーの最終課題として、自分のオリジナルアプリを開発することができる点です。一般的な入門プログラムのように、概要の理解やかんたんなプログラミングだけで終わる内容とは異なります。ハードではありますが、自分で考えたアプリを実際に実装できるスキルが身につくカリキュラムに魅力を感じました。 「自分のオリジナルアプリを開発した」と実績を明確に示せることで、社内での評価や見え方も大きく変わりますし、実際に形にした経験そのものが自信につながると考えました。
2つ目は現役エンジニアのメンターサポート体制が整備されている点です。アプリ開発の考え方は、現役で日頃アプリ開発に向き合っているエンジニアでないとわからないところがたくさんあるため、アプリ開発を実業務でどのように行っているか週2回のメンタリングでより理解を深めたいと思っていました。
PoCを実施することを意識したオリジナルアプリ開発
研修で開発したオリジナルアプリについて教えてください。
以下4つの機能をもつ心拍数可視化アプリを制作しました。
- 現状の心拍数の確認機能
- 特定期間の心拍数の平均/最小/最大の確認機能
- 心拍数のトレンドグラフ確認機能
- ユーザー通知機能(現状心拍数>最大心拍数)
iPhone画面とApple Watch画面の両方を作成することで、どちらのデバイスでもかんたんに把握できるようにしたり、AppleのヘルスケアデータベースにAPI接続をして、任意の条件でデータ取得できるよう工夫しました。
最終課題で開発したオリジナルアプリの内容はどのように決められたのですか。
まずは自分が作りたいアプリを考え、DX戦略推進室のリーダーと相談した上で決定しました。特に、今後PoCを実施することを意識して、業務に関係のあるものに絞ってテーマを決めました。
終わった後は部門内でアプリの制作実績について発表し、アプリの概要や機能、大変だった点などを共有しました。オンライン会議での報告会は非常に好評で、アプリを作ってみたくなったという声も多く上がりました。今後もiPhoneアプリの研修にメンバーを参加させて、アプリ開発ができる人材を増やしていきたいと思っています。
今回の研修は皆さまどのように学習されていましたか?
私は20時頃にメンタリング、夜と週末に主に学習するスタイルでした。育児と並行して研修を受講しているメンバーもいたのですが、朝に学習して夕方にメンタリングを受講するなど上手く時間を調整していました。業務量は極力減らさずに、空き時間や業務時間前後・週末の時間を使って進めていきました。
進捗管理やモチベーションの維持について教えてください。
参加した3人のメンバーで毎週進捗の共有をして励まし合っていました。今週はどこまで進んだとか、どの辺の難易度が高いといった情報を共有していました。160時間程度の学習を1人で進めていくのは精神的にもかなりハードだと思います。そういった意味で、この情報共有の場は、モチベーション維持につながっていました。
メンターサポートが、研修後も実務で役立った
学習中のつまずきなど、メンターサポートを活用してどうやって乗り越えられましたか。
私はメンターの方との週2回30分の定期的なメンタリングで、まとめて質問していました。 学習を進めていく中で出てきた不明点やエラーをまとめておき、30分のメンタリングの中で画面を投影しながら細かく教えていただきました。すぐに回答がほしいときは、チャットも使っていましたが、メンターとの意思疎通のしやすさはメンタリングの方がやりやすかったです。
最後の課題のオリジナルアプリ開発の段階では、聞きたいことを事前にメモして星印を付けて上から一つずつ聞いていきました。具体的に、このコードはどうしてエラーが出るのか、このコードをもっときれいに書く方法はないかといった内容です。かなりしつこく細かく聞いてしまいましたが、メンターの方は常に優しく教えてくれました。
メンタリングで印象に残っていることについて教えてください。
一番は、メンターの方からはアプリ開発の技術だけでなく、実務での開発の進め方や考え方について教えていただいたことです。メンタリングまでに質問の準備ができないときは、実際のアプリ構築の体制や難しいポイント、実務で使えるスキルを身につける方法などを教えていただきました。
また、オリジナルアプリ開発の際には、コーディングだけではなく、「コーディングに入る前に、どんな機能を持たせるかをしっかり言語化し、書き出してから着手するといい」と教えていただいたのが今でも印象に残っています。遷移図や機能を定義してから開発をはじめないと、後々ぐちゃぐちゃになってしまう、と教えてもらいました。そのアドバイスに従い開発を行ったので、コーディングも比較的スムーズに行うことができました。また、メンタリングの時間に実際に投影しながらコーディングを教えてもらうことで、プロのエンジニアの考え方を学ぶことができたと思います。
実務で、当社の研修を受けていただいた後に学習の成果を実感された点はありましたか。
アプリ開発を行う際、必要な期間や工数、実装できる機能のボリューム感を見極める視点が養われました。まだ自分たちで直接開発するまでには至っていませんが、外部のベンダー企業へ開発を依頼する際にも、必要な工期や規模感についての的確な肌感覚が身についたと実感しています。
今後は若手メンバーでアジャイル開発を牽引していく
今後の目標を教えてください。
アプリ開発を伴うPoCを行う際に、社内でクイックにアプリを開発する体制を構築したいと思っています。
お客さまに最終的に提供するアプリまでは、まだまだ作りきれないですが、自分たちで必要最低限の機能を持ったアプリを作って、社内でテストするといったことを目指したいです。開発するときには単独ではなく、チーム開発で効率的に進めていきたいですね。
また、WebデザインやUI・UXは、アプリ開発やToCサービスを展開する以上は必要になってくるスキルだと思っているので今後機会があれば参加したいと思っています。
ほかの企業が研修を実施する上でのアドバイスをお願いします。
私たちの場合は、同じ部署の仲間同士で一緒に情報共有や切磋琢磨しながら、研修を受講できたことが参加者全員がオリジナルアプリまで完走し切れた要因だと思っています。160時間程度の学習時間が必要なので、個人で取り組むよりも、仲間同士で参加した方が、モチベーションの高まりや学習スピードも速くなると思います。また、業務と並行して実施する負担が大きいため、周囲もサポートできる環境を作ってあげるとよいと思います。












