リモート研修を成功させる秘訣!今すぐ実践できる5つのコツ
公開日:2024年03⽉19⽇最終更新日:2024年03⽉19⽇
パンデミックの影響もあり、近年業務のリモート化が一気に進みました。それに伴い、社員研修においても、従来の対面型の研修からリモート研修へのニーズが高まっています。
複数拠点でも同内容の教育が受けられる点や、復習が容易であることも魅力ですね。
リモート研修の効果を最大限に引き出すためには、どのような準備や施策が必要なのでしょうか。本記事では、そのための5つのコツを紹介します。
社員のスキルアップやキャリア形成に、リモート研修を活用する上でのヒントとなれば幸いです。
コツ① コミュニケーションの質を高める
リモート研修の成功には、質の高いコミュニケーションが欠かせません。
オンライン研修では、画面越しのコミュニケーションが主です。対面型に比べ刺激が少なく、集中力を保つことが難しい側面もあります。
また、受講生側が内容を理解できているか、困りごとがないかをキャッチしづらいこともあるため、講義中の声掛けや、研修終了後にフィードバックの機会を持つことも大切になってきます。
質問しやすい環境づくり
受講生が講義中に質問しやすい工夫をしましょう。区切りのよい所で適宜質疑応答の時間を設けたり、それ以外でも疑問点があったらチャットでいつでも送信してもらって構わない、と事前に声掛けをします。
受講生は「今質問していいのかな・・・?」という不安を持たずに質問することができます。わからないことをそのままにせず、着実な理解を促します。
フィードバックの機会を設ける
研修終了後、1on1やアンケートで、フィードバックの機会を持ちましょう。研修の内容がしっかりと理解できたか、業務にはどのように活かせそうか、といったことを言語化します。
このステップで、受講生本人が学んだことを仕事に落とし込むための明確なイメージが持てます。「ためになる研修だったな」で終わらないことがポイントです。
研修直後だけでなく、ある程度期間がたったときに、振り返りの機会を持ち、効果を測定していきましょう。
コツ② 研修内容の構造化
リモート研修を成功させるための重要な要素の1つは、研修内容の構造化です。目指すスキル感やできるようになってほしいことをはっきりと定め、段階的に研修を構築していくことがポイントです。
目標設定の明確化
研修を受ける際、明確で具体的な目標を設定することは、学習の効果を最大化する上で非常に重要です。目標設定は、目の前の短期的なものだけでなく、中長期的に設定するのがおすすめです。
以下はExcel研修を受けるケースの目標設定例です。
短期的な目標の設定例
- 目標: Excelの高度な関数を習得する。
- 成功基準: 3週間以内にVLOOKUP、IF関数、およびピボットテーブルの使用法をマスターし、実際の業務データを用いたレポート作成ができるようになる。
中期的な目標の設定例
- 目標: Excelの高度な関数を活用して、部門の月次報告プロセスを自動化する。
- 成功基準: 3ヶ月以内にExcelマクロやVBAスクリプトを用いて、報告書作成にかかる時間を半分以下に短縮する。
長期的な目標の設定例
- 目標: データ分析スキルを基に、データアナリストへのキャリアアップを図る。
- 成功基準: 1年以内にデータ分析関連のプロジェクトを3つ以上成功させ、データアナリストとしてのポジションに就く。
目標と達成すべきことが明確であることで、学習者の意欲も向上し、到達した際の達成感も得られます。
段階的な研修プログラムの設計
受講生が自分の技術レベルに応じて効果的に学び、成長できるようにするため、段階的な研修プログラムの設計は重要です。
ここでは新人エンジニアの育成を例に、設計方法を説明します。
初級段階
- 目的: プログラミングの基本となる概念、開発ツールの使い方、ソフトウェア開発の基礎を理解する。
- 内容例: 基本的なプログラミング言語の習得(例: Python)、バージョン管理システム(Git)の基礎、単純なプログラムの作成。
- 達成目標: 基本的なプログラムを自力で作成できるレベルに達する。
中級段階
- 目的: ソフトウェア開発の中級知識を身につけ、実践的なプロジェクトに取り組む準備をする。
- 内容例: データベースの基本、フロントエンドとバックエンド技術の基礎、単体テストと統合テストの実施方法。
- 達成目標: 小規模ながら実践的なウェブアプリケーションをチームで開発できるレベルに達する。
上級段階
- 目的: 高度な開発技術を習得し、大規模なプロジェクトや複雑な問題解決に取り組む能力を身につける。
- 内容例: 高度なアルゴリズム、システムアーキテクチャの設計、セキュリティとパフォーマンスの最適化。
- 達成目標: 大規模なソフトウェアプロジェクトの設計と実装において主導的な役割を果たせるレベルに達する。
各段階で設定された達成目標をクリアすることで次の段階へ進むことができます。このような段階的な設計は、リモート研修でも確実にスキルアップができるようにするための基盤となります。
ケーススタディと実践演習の組み合わせ
ケーススタディと実践演習を組み合わせるアプローチも大変効果的です。
具体的な技術課題を解決する過程を体験し、学んだ知識を実際の仕事に適用する能力を高めることができます。
具体例|新人エンジニア:データベース最適化のケーススタディ
ケーススタディ: 新人エンジニアに、ある企業のデータベースが期待されるパフォーマンスを発揮していないという実際のケーススタディを提示します。彼らは、問題の原因を特定し、最適化のための改善策を提案する任務を負います。
実践演習: ケーススタディで学んだ知識を活用し、新人エンジニアは実際のデータベースに対して提案された改善策を実装します。これには、インデックスの追加、クエリの再構成、またはデータモデリングの見直しなどが含まれます。
この組み合わせにより、新人エンジニアは実際のビジネスで直面する可能性のある問題について学び、その解決策を生み出す経験を積むことができます。
実践演習を通じて得られた経験は、新人が自信を持って課題に取り組むための基盤を作り、知識の定着と理解を深めることにつながります。
ケーススタディと実践演習の組み合わせることで、リモート研修で得た知識を実業務に応用し、効果的を最大化できるのです。
コツ③ 学習者のモチベーション管理
リモート研修は、学習者のモチベーション管理が対面型に比べ難しい部分があります。
学習の成果が本人にとってわかりやすく、意欲を高める工夫が必要になってきます。
成果に基づく評価軸を定める
成果に基づく明確な評価軸の設定は、リモート研修で学習者のモチベーション管理を成功させるために非常に重要です。
評価軸を明確にすることで、学習者は目標に向かって努力を続ける動機付けができます。その際、単に学習時間や参加率だけではなく、具体的なスキル習得や問題解決能力といった実務に直結する具体的な成果を評価軸に設定することをおすすめします。
例えば、IT営業研修の場合、新たに習得した知識を具体的な営業シーンでどう活かせたか、それがどの程度の成果につながったかを評価軸に設定します。
これにより学習者自身が自己成長を実感しやすく、長期間にわたって学習意欲を維持することが可能になります。
モチベーション向上のためのツール活用
モチベーション向上のためのツール活用は、リモート研修の効果をより高めるための助けになります。これは学習者が自分自身の学習進捗を視覚的に把握し、目標達成に向けた具体的なステップを見つける手助けをするからです。
目標設定やタスク管理ツールを使うことで個々の学習者の進行状況を追跡し、フィードバックを即時提供することが可能になります。
また、より楽しく学べるような工夫として、以下のような試みも有効です。
・ゲーミフィケーション
ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素や原理を、ゲーム以外の活動やコンテキスト(例えば、教育、仕事、マーケティングなど)に取り入れることです。
参加者のモチベーションを高め、エンゲージメント(関与度)を増加させ、楽しみながら学習や作業の効果を向上させる効果があります。ゲーミフィケーションは、ポイントシステム、バッジ、リーダーボード、クエスト、進行状況のバーなど、さまざまな方法で実装されます。
・リーダーボード
ゲーミフィケーションの一環としてよく使用されるツールで、参加者の成果やスコアをランキング形式で表示するものです。
リーダーボードは、個人またはチームが他の参加者と比較してどのようなパフォーマンスをしているかを視覚的に示し、競争心を刺激します。
これにより、参加者は自分のランキングを改善するためにさらなる努力をすることが促され、タスクに対する関与度や取り組みが高まります。
自己成長記録の促進
自己成長記録の促進は、学習者のモチベーション管理の重要な一環です。自己成長記録を持つことで、学習者は自分の進歩を可視化し、自らの成長を明確に認識することができます。
これは、自己効力感を高め、更なる活力を引き出す大きな要素となります。人材育成の現場で広く活用されている一例として、進捗管理ツールのTrelloや学習管理システムのMoodleなどがあります。
これらのツールには学習者自身が成長を記録し、振り返る機能が含まれており、自己の学びに責任を持つマインドセットを育てます。
コツ④ テクノロジーの最適活用
テクノロジーの最適化は、リモート研修成功における重要な要素です。時間や場所に縛られずに、高品質な研修を提供するためには、効果的なオンライン研修プラットフォームの選択が必要です。
使いやすさ、スケーラビリティ、安全性、そしてコースの種類や質など、多くの要素を考慮する必要があるでしょう。例えば、Zoomはビデオ通話機能が優れており、Google Classroomは教材の管理と提出を容易にするなど、各プラットフォームには特徴があります。
また、ニーズに合うコンテンツが充実しているものを選ぶことも重要です。各業界や職務に特化したプログラムや、基礎から学べるカリキュラム等、研修内容のバリエーションは新人だけでなく既存社員のスキルアップにも役立ちます。
テクノロジーの活用は、研修の質向上だけでなく、効率化やコスト削減にも貢献します。選択するプラットフォームやコンテンツは、企業の目指すゴールや研修生の需要に合致したものを選びましょう。
コツ⑤ フィードバックと改善のループ
コツ①の部分でもフィードバックについては述べましたが、成功的なリモート研修の最終ピースは、フィードバックと改善のループです。
積極的なフィードバックを研修生から求め、それを活用して研修プログラムを改善する事が重要です。研修内容が学習者にとって適切であるか、誤解を招いていないかを確認する絶好の機会になります。
また、毎回の研修後に行われるフィードバックは、次回の研修の改善点を把握するための助けになります。フィードバックから得た改善案をすぐに適用することで、次回の研修からその効果を見る事ができます。
継続的な品質向上努力は、リモート研修の成功に不可欠です。問題を解決するだけでなく、継続的に研修の質を高める取組みを行うことが大切です。
東京ITスクールで実現するリモート研修の充実
私たち東京ITスクールは、リモート研修の成功を実現する独自の仕組みを提供しています。ライブ講座とeラーニングを自由に組み合わせることで、学習者のニーズとスキルレベルに応じたカスタマイズが可能です。
また、学習進捗管理はシステムが自動的に行い、研修生の進行度や理解度をリアルタイムで把握することができます。学習者のモチベーションの維持や必要なサポートを提供するタイミングを見逃すことなく、効果的な人材育成を行えます。
ライブ講座とeラーニングを選択可能
リモート研修の成功のためには、使用するプラットフォームの選択が極めて重要です。東京ITスクールでは、参加者のニーズに応じてライブ講座やeラーニングを選択可能です。
ライブ講座には実際の講師が登壇し、リアルタイムで質問やディスカッションが行えるメリットがあります。
eラーニングは、自分のペースで学べるため、仕事と並行して学びたい方や自己学習が得意な方に適しています。
どちらの方法も、学習者が業務バランスを見ながら自身の状況に合わせて学べるため、リモート研修の効果を最大限引き出すことが可能です。
効果的なリモート研修をお探しなら、お気軽にお問い合わせください。
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SESで現場PG、SEとして活躍後、受託開発のPMとして多数の開発プロジェクトを経験。
主に金融系案件を担当。
現在はこれまでの経験を活かして東京ITスクールのカリキュラムや教材開発業務に従事。
趣味はサイクリング。