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リスキリングとは?重要性や効果的な導入法を解説

公開日:2023年07⽉19⽇最終更新日:2023年07⽉19⽇

リスキリングとは?重要性や効果的な導入法を解説

近年、人材不足や人的資本経営へのシフトが進んだことにより、自ら積極的にキャリア形成を考えることが必要になってきました。そのなかで注目されているのが「リスキリング」です。

 

リスキリングは、これまでやってきたこととは異なる分野や仕事で、新しいスキルを身につけることです。

海外では以前からリスキリングが盛んに行われてきましたが、日本ではあまり浸透しておらず、ここ最近になって初めて「リスキリング」という言葉を耳にした人も多いでしょう。

 

本記事では、リスキリングの概要や重要性を解説するとともに、効果的な導入法もお伝えします。

リスキリングに役立つ講座もご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

リスキリングの定義とリカレント教育・社内教育との違い

 

リスキリングの定義とリカレント教育・社内教育との違い

 

まず、リスキリングの定義とリカレント教育・社内教育との違いを解説します。

 

 

 

リスキリングとは

リスキリングとは、これまで経験したことがない分野や仕事に関するスキルを習得する(させる)ことです。

 

経済産業省は、リスキリングを次のように定義しています。

 

“新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること”

(引用:リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―

 

 

現在は、DX(デジタルトランスフォーメーション)や人的資本経営へのシフトなどにより、企業が必要とする人材が大きく変化しようとしています。

 

従来なら、新しいスキルを持った人材を採用し、古いスキルしか持たない人を排除して時代の変化に対応していましたが、人材不足の今、それを行うのは容易ではありません。

 

そこで注目を集めているのがリスキリングです。

 

リスキリングで新たなスキルを獲得することで、これまで経験がない分野の仕事にもチャレンジしやすくなります。

リスキリングは、言い換えれば、限られた人材で時代の変化に対応するための施策といえるでしょう。

 

 

 

リカレント教育・社内教育との違い

リスキリングとリカレント教育の違いは表のとおりです。

 

 

リスキリング

リカレント教育

主導する人

企業

働く個人

目的

新しいスキル獲得のため

仕事で求められる能力を
 ブラッシュアップし続けるため

 

 

リカレント教育は、厚生労働省において

 

“学校卒業後もそれぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続ける社会人の学び”と定義されています。

(引用:リカレント教育|厚生労働省 )

 

リカレント教育の主体はあくまでも働く個人で、継続的に行われるものです。そのため、広い意味では職業に直接関係しない生涯学習もリカレント教育に含まれます。

 

社内教育は、それぞれの企業が従業員に提供する教育すべてを指します。社内教育にはリスキリングもあればアップスキリングもあり、社外研修なども含まれます。

 

アップスキリングは、今行っている仕事に関係するスキルを高めたり、よりハイレベルの資格を取得したりして専門性を高めるものです。

 

リスキリングも企業主導ではありますが、社内教育と異なり新しいスキルの獲得に重点が置かれているため、単純に社内教育との違いを述べることはできません。

 

 

 

リスキリングが注目を集める理由

 

リスキリングが注目を集める理由

ここからは、リスキリングが注目を集める理由を解説します。

 

 

ビジネスモデルが変化したから

リスキリングが注目を集めているひとつの理由は、ビジネスモデルが変化したからです。

AIの登場やDXの推進などで、これまでになかった仕事が次々と生み出され、産業構造は日々変化しています。

 

しかし、これはよいことばかりではありません。世界経済フォーラム「Tne Future of Jobs Report 2020」によると、テクノロジーの進歩によって2025年までに約8,500万人もの人が仕事を失うとされているからです。

 

同時に新しい仕事も生まれますが、それに対応するには新しいスキルの習得が欠かせません。

 

単純労働やルールに従った作業はこれからAIやロボットの仕事になっていくと考えられます。そこで、よりクリエイティブでイノベーティブな仕事をするためにリスキリングの必要性が叫ばれているのです。

 

 

 

リスキリングすることで労働力不足を補えるから

リスキリングは労働力不足を補うのにも役立つと考えられています。

 

少子高齢化が進む日本では特に、労働人口の減少が顕著です。一方で、さまざまな仕事が自動化・機械化され、人材過剰となる職種も出てきています。

 

そこで、担当する仕事が失われる可能性のある従業員にリスキリングをさせることで、配置転換を可能にし、長く活躍してもらえる環境を整えようという動きが広がっています。

 

 

 

人に投資する経営のあり方にシフトしているから

近年、会社の経営は人的資本経営にシフトしつつあります。

人的資本経営とは、人材を資本として捉え、その価値を高めることで中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。

 

現在、国際社会では従業員の能力やスキルが企業価値を生み出すという考え方が急速に広まっています。リスキリングは、人材の価値を高めるのにとても有用です。

 

そのことが、日本でもリスキリングが注目されるひとつの理由となっています。

 

 

 

キャリア・オーナーシップの考え方が広がってきているから

日本において、これまでは学校を卒業して企業に入社し、定年までひとつの企業に勤め続けて定年するのが当たり前でした。

 

しかし最近は、自ら積極的に自身のキャリアについて考え、キャリアを切り開いていく「キャリア・オーナーシップ」という考え方が広がってきています。

 

何歳で就業し、何歳まで同じ企業に勤め、独立し、引退するといったビジョンは、漠然とであっても誰もが持っているものでしょう。なかには、生涯現役を希望している人もいるかもしれません。

 

リスキリングで新たなスキルを獲得することは、変化する時代に取り残されることなく生涯現役で働きたい人にとって、自分の市場価値を高める絶好の機会です。自分の市場価値が高まれば、それだけ多くの企業とマッチングしやすくなります。

 

リスキリングで新しいスキルを身につけることは、個々人の思い描くキャリアを実現する大きな助けになるでしょう。

 

 

 

 

リスキリングを行うメリット・デメリット

リスキリングを行うメリット・デメリット

 

ここからは、リスキリングを行うメリット・デメリットを解説します。

 

 

 

リスキリングを行うメリット

リスキリングを行うメリットは主に3つです。

 

  • 個人のキャリアにプラスになる
  • 生産性や業績アップにつながる
  • 人手不足に対応できる

 

リスキリングで新しいスキルを身につけることは、個人の成長だけでなく、企業の成長にもつながります。リスキリングの結果キャリアが開けることで「もっと会社のために働きたい」と思う従業員も増えるでしょう。

 

また、これからの時代、ITの専門知識を持った人材が不足することが懸念されています。そこで、注目を集めているのがリスキリングに専門的なIT技術を持った人材育成です。

 

リスキリングで従業員に新しいスキルを身につけてもらうことで、人手不足にも対応しやすくなるでしょう。

 

 

 

リスキリングを行うデメリット

個人の成長だけでなく企業の成長にもさまざまなメリットがあるリスキリングには、デメリットもあります。

 

主なデメリットは次の3つです。

 

  • 導入コスト・費用がかかる
  • 業務時間が圧迫され残業が増える可能性がある
  • 従業員のモチベーションを維持するのが難しい

 

当然のことながら、リスキリングを行うにはコストがかかります。単に研修やe-ラーニングを受けるだけでは、効果的なリスキリングは行えません。

 

リスキリングの際は、一人ひとりのキャリア観にそった教育が必要です。そのためのヒアリングなど、導入に際してのコストが大きいのはデメリットといえるでしょう。

 

また、リスキリングは業務時間内で行うのが望ましいとされています。そのため、人によっては業務時間が圧迫され、残業が増える・モチベーションが下がるといったことがあるかもしれません。

 

リスキリングを導入する際は業務効率化も行って、業務とリスキリングのバランスをとるようにしましょう。

 

 

 

リスキリングで人気のスキル

リスキリングで人気のスキル

 

ここからは、リスキリングで人気のスキルを紹介します。

 

 

ITスキル

リスキリングにはDX(デジタルトランスフォーメーション)が大きくかかわっています。そのため、プログラミングなどのIT技術は特に人気があるスキルです。

 

プログラミングスキルは、論理的思考能力や課題解決能力なども養ってくれるため、業務効率化にもよい影響を与えてくれるでしょう。

 

 

 

デジタルマーケティングスキル

インターネットやSNS、メッセージアプリは、私たちの生活に欠かせないものになりました。それらを活用して行うデジタルマーケティングのスキルもまた、リスキリングで注目されているものです。

 

デジタルマーケティングを学ぶ中で消費者心理や物・サービスの売り方のコツが理解できるので、効率的に収益を上げられるスキルが身につくでしょう。

 

 

 

データ分析スキル

ビッグデータをはじめとした膨大なデータを分析するスキルも、DXに欠かせないスキルです。

 

データがあってもそれを有効に活用できない企業が多いので、データを分析し活用できる専門知識を有した人材は特に貴重です。

 

 

 

語学スキル

海外と取引がある企業であれば、語学スキルを学ぶのもよいでしょう。

高校や大学で外国語を学んできていても、ビジネスで通用するレベルではないことがほとんどです。

 

ビジネスで使えるレベルの語学力を有した人材は、年々需要が高まっています。

 

 

 

コミュニケーションスキル

ビジネスにおいてコミュニケーションスキルを重視する企業は少なくありません。特に、管理職ともなれば部下や同僚との信頼関係を築くことが、よい組織作りの基本です。

 

コロナ禍以前は、飲み会や食事などでコミュニケーションを取ることも珍しくありませんでしたが、最近はそれも難しく、オンラインでの業務も増えコミュニケーションの難しさを感じている人もいるでしょう。

 

今一度、自分のコミュニケーションスキルを見直し、ブラッシュアップすることで、より円滑な職場の人間関係が築けるようになります。

 

 

 

業務効率化スキル

DXを進めることは、業務効率化を進めることと言っても過言ではありません。

 

しかし企業のほとんどはまだDXに対応できる人材の育成ができていないので、業務効率化スキルを身につけることで自分の市場価値を高められます。

 

 

 

 

リスキリングを行う際のポイント

 

リスキリングを行う際のポイント

 

リスキリングを行う際は、次のポイントを意識しましょう。

 

 

 

具体的な目標を決めて取り組む

リスキリングで最も大切なことは、具体的な目標を決めて取り組むことです。

リスキリングはあくまでも人手不足の解消や、人的資本経営を行うための手段でしかありません。

リスキリングを通じて、具体的に何を成し遂げたいのかをはっきりさせたうえで取り組んでください。

 

 

 

個々人のキャリア観に応じたプランを提案する

従業員にリスキリングの機会を提供する際は、個人のキャリア観に応じたプランを提供しましょう。

キャリア観にそぐわないリスキリングをしても、スキルが活かせず無駄になってしまったり、本人のモチベーションが維持できなかったりします。

 

そのために重要なのが、事前のヒアリングです。今後どういうキャリアを歩んでいきたいのか話を聞いて、そのうえで必要なプランをいくつか提案できればベストです。

 

 

 

リスキリングの重要性を従業員と共有する

リスキリングをする際は、その重要性を従業員と共有することも大切です。

事前にリスキリングをするメリットや重要性を説明して、十分理解してもらったうえでリスキリングを進めてください。

 

なかには「今行っている業務を優先させたい」「自分には無縁の分野だから興味が持てない」という人もいるかもしれません。その場合も、互いにしっかりコミュニケーションを取って、納得した上でリスキリングに取り組むことが大切です。

 

 

 

リスキリングに取り組みやすい環境を作る

リスキリングには周囲の理解が欠かせません。リスキリングを受ける人だけでなく、その周囲の人にもリスキリングの重要性・必要性を説明しておきましょう。

部署内でリスキリングの重要性・必要性が共有されていれば、おのずと協力体制が生まれます。

 

 

 

従業員の自主性を尊重する

これまで関わってきた分野とまるで違う分野のスキルを習得する場合、大きなストレスがかかります。いくら「君のキャリアに必要なんだ」といっても、本人の意欲がなければ続けることは困難です。

 

リスキリングを実施する際は、できるだけ挙手性にするなど、やる気のある人が自主的に取り組めるようにしましょう。

自分から手を挙げた人なら、より積極的に学習に取り組んでくれるはずです。

 

 

 

モチベーションを維持する仕組みを作る

モチベーションを維持する仕組みづくりも大切です。

 

勉強会やサークルなど互いに切磋琢磨できる場を設けたり、意欲的に取り組んだ人に対する表彰制度などを設けることで、従業員のモチベーションが維持しやすくなります。

 

 

 

補助金や助成金を活用する

リスキリングの導入にはそれなりの費用がかかります。少しでも負担を減らすために、補助金や助成金を積極的に活用してください。

 

企業が従業員に対してリスキリングの機会を提供する場合は、受講費用やテキスト代の一部を負担することで、従業員の経済的な負担を緩和し、リスキリングを促せるでしょう。

 

 

 

 

リスキリングにおすすめの講座5選

リスキリングにおすすめの講座5選

 

ここからは、東京ITスクールが実施しているリスキリングにおすすめの講座を5つご紹介します!

 

 

Excelを用いたデータ活用講座(統計、分析編)

表計算ソフトのデータを分析・活用できるスキルを身につける講座です。

7時間の研修で、統計の基本から回帰分析までトータルに学べます。

 

Excelを用いたデータ活用講座(統計、分析編)(リスキリング)

 

 

DXを加速させる!ノーコードで行う業務アプリ作成講座

ノーコードツールを用いて簡易的なアプリケーションを作成できるスキルが身につきます。

DXとノーコードの関係性がわからない人や、ノーコードツールを用いた開発手法を知りたい人におすすめです。

 

DXを加速させる!ノーコードで行う業務アプリ作成講座(リスキリング)

 

 

業務改善のための「ITサービス活用」講座

近年ビジネスで利用されているITサービスの基礎がわかる講座です。

日々の業務にふさわしいITツールを用いて業務効率化に取り組みたい人におすすめします。

 

~ITサービス、デジタルツールの基礎を理解する~業務改善のための「ITサービス活用」講座

 

 

Googleサービスを活用し、OAスキルに富んだ社員を育成する研修パッケージ

GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートの使い方をマスターしたい人にぴったりの講座です。

2カ月かけて基礎から業務で使えるスキルを習得します。

 

Googleサービスを活用し、OAスキルに富んだ社員を育成する研修パッケージ

 

 

上手な人間関係を作る報連相講座

職場の人間関係に悩む親友社員におすすめの講座です。5時間の研修で、相手に伝えたいことがしっかり伝わるコミュニケーションスキルを身につけます。

 

上手な人間関係を作る報連相講座

 

 

DX人材の育成にはリスキリングが不可欠!

 

DX人材の育成にはリスキリングが不可欠!

 

これからさらにDXが進むのは間違いありません。変化していく時代に取り残されないためには、リスキリングで新たなスキルを身につけることが必要不可欠です。

 

リスキリングを行う際は、具体的な目標を決め、従業員が自主的を尊重しましょう。モチベーションを維持しやすい環境づくりも大切です。

 

東京ITスクールでは、リスキリングに活用できる研修をご用意しております。興味がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

 

【東京ITスクールのリスキリング研修を見る】

 

 

リスキリング研修 - 東京ITスクール

 

 

 

 

 

 東京ITスクール 湯浅
 現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
 現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
 メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
 趣味は温泉と神社仏閣巡り。

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