PM研修とは?実施すべき理由と効果的に行なうためのポイントを解説
公開日:2023年09⽉20⽇最終更新日:2023年09⽉20⽇
PM研修(プロジェクトマネジメント研修)とは、より高いパフォーマンスが出せるチームを作る上で欠かせない研修です。
より良いチームを作るという点は同じですが、プロジェクトマネジメントはあくまでもプロジェクトに対するマネジメントなので、人のマネジメントとは異なる能力が求められます。
そのため、チームリーダーや人材育成のノウハウはあっても、PM研修のノウハウがない企業の場合、どのように実施すれば良いか悩んでいるところも少なくありません。
本記事ではPM研修の概要と実施すべき理由のほか、効果的に行うためのポイントも解説します。
おすすめのPM研修も合わせて紹介しますので、どのように研修を実施すれば良いか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
PM研修の概要
ここからは、PM研修の概要を解説します。
PM研修とは
PM研修は「プロジェクトマネジメント研修」のことで、プロジェクトを成功させるのに必要なマネージャーを育成するための研修です。
プロジェクトを成功に導くためには、時間やチームのリソースを適切に配分し、スムーズに事を進めていかなければなりません。そのためには、計画の作成や人員配置、意思命令系統の構築といったマネジメントを行う人材が必要です。
もちろん、作業の進捗も管理したり、リスクに対する対応を考えたりする必要もあります。
プロジェクトを円滑に進めるために必要なこれらのことを実施するのが、プロジェクトマネージャーの役割です。
つまり、PM研修とは「プロジェクトマネジメントに必要な知識・スキルを総合的に学ぶ研修」を言い換えることができます。
PM研修を実施すべき理由
PM研修を実施すべき理由は、主に7つです。
- プロジェクトの円滑な進行に必要な知識・スキルが学べるから
- 効率的にプロジェクト管理ができるようになるから
- リスクマネジメントのスキルが身につくから
- 業務に必要なツール・テクノロジーの知識やスキルが身につくから
- コミュニケーションスキルの向上につながるから
- 資格取得に役立つから
- キャリアアップにつながるから
プロジェクトの円滑な進行には、実に様々な能力が求められます。
最近のビジネスは多くがプロジェクト形式で進行しているので、1人でも多くの従業員がPM研修を受け、プロジェクトマネジメントスキルを身につけておくことは、ビジネスの発展にも欠かせません。
今の時代は、誰がプロジェクト管理を任されてもおかしくない時代です。
社を挙げたPM研修で共通のプロジェクトマネジメントスキルを身につけておけば、あらゆるプロジェクトを誰もが円滑に進められるようになります。
またPM研修で身につけた知識・スキルはプロジェクトマネジメント業務以外にも活かせるので、業務効率や生産性の向上も期待できます。
以上のことから、PM研修は企業が積極的に実施すべき研修であるといえます。
PM研修で身につけるべき6つのこと
では、PM研修ではどのような知識・スキルを身につければよいのでしょうか?
マネジメント研修というと、コーチングスキルやリーダシップといった能力が取り上げられがちです。
しかし、プロジェクトマネジメントは人材のマネジメントとは少し性格が異なります。
PM研修で身につけるべき能力は、以下の6つです。
- 1.プロジェクト管理能力
- 2.コミュニケーション能力
- 3.タスク・スケジュール管理能力
- 4.課題解決能力
- 5.リーダーシップ
- 6.PMBOKの知識
1.プロジェクト管理能力
まず身につけるべき能力は、プロジェクト管理能力です。
プロジェクトマネージャーは、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)をバランスよく管理することが求められます。
そのためには、品質・コスト・納期(QCD)3つの要素を可視化したうえで計画を作成し、計画を着実に実行することが重要です。
PM研修を通じて、プロジェクトを成功に導くために必要なQCDの可視化スキルや計画作成・プロジェクト推進能力を身につけることが、優れたプロジェクトマネージャーになる第一歩です。
2.コミュニケーション能力
プロジェクトの円滑な推進・成功には、コミュニケーション能力も欠かせません。
プロジェクトには、社内・社外の様々な人間がかかわります。その人々と良い関係を築くのにコミュニケーション能力が必要なことは、言うまでもありません。
コミュニケーション能力には、相手と交渉し双方が納得できる条件を引き出す・落としどころを見つけるスキルも含まれます。
3.タスク・スケジュール管理能力
タスクやスケジュールの管理能力も研修を通じて身につけるべき能力です。
プロジェクトマネージャーは、常にプロジェクトの進み具合を把握しておく必要があります。なぜなら、納期や予算の制約がある中で、最良のパフォーマンスを出すことが、プロジェクトマネージャーに求められていることだからです。
今・誰が・何をしているかを常に正確に把握することは、人材配置や計画の変更・調整にも影響を及ぼします。
PM研修では、プロジェクトメンバーのタスクやスケジュールを管理するテクニックを学ぶことが重要です。
4.課題解決能力
プロジェクトを進めていくと、必ず途中でトラブルやアクシデントが起こります。プロジェクト完了までひとつも問題が起こらないことは極めてまれです。
そこで、求められるのが課題解決能力です。PM研修では、プロジェクト内で起こる様々な問題を解決する方法を学びます。
5.リーダーシップ
マネジメントスキルを身につける上で欠かせないのが、リーダーシップです。プロジェクトをスムーズに成功に導くためには、コミュニケーションを通じてメンバーのモチベーションを高め、人を巻き込みながら計画を進めていく必要があります。
PM研修では、そのために必要な理論やテクニックを学びます。
6.PMBOKの知識
PMBOK(ピンボック)とは「Project Management Body Of Knowledge」の頭文字を取ったもので、プロジェクト管理の基礎となる考え方のことです。
プロジェクト管理に必要な知識やテクニックが体系的にまとめられており、プロジェクト管理の世界基準として活用されています。
PMBOKは4年ごとに改定されるため、常に最新の知識にアップデートする必要があります。
グローバルにビジネスを展開する企業でなくても、世界標準のプロジェクト管理知識を得ておくことは非常に重要なので、定期的なPM研修を通じてアップデートするようにしましょう。
効果的なPM研修を行う5つのポイント
ここからは、効果的なPM研修を行う5つのポイントを解説します。
研修を実施する際は、次の点を意識して実施しましょう。
- 対象者に合わせて研修の内容を変える
- PM研修を行う目的を明確にする
- 実践する場を設ける
- 受講者が受講しやすい形式で行う
- 経験豊かな講師の研修を受ける
対象者に合わせて研修の内容を変える
PM研修には、一般的な内容の研修と専門的な内容の研修があります。研修を実施する際は、受講者のレベルに合わせて内容を変えましょう。
これまでプロジェクトマネジメント経験がない人を対象にした研修の場合、マネジメントの基礎を学ぶ一般的な研修がおすすめです。
すでにマネジメントを経験したことがある人には、PMBOKのアップデートを目的とした研修など、専門的な内容を学んでもらいましょう。
PM研修を行う目的を明確にする
PM研修を行う際は、研修前に目的を明確にして共有することが重要です。
なぜ学ぶ必要があるのか・学ぶことでどのようなメリットがあるのかといったことはもちろん、研修で学んだことを活かして何を行いたいのかも明確にしておきましょう。
目的があいまいなまま研修を行っても、学んだことが身につかず、思うような成果が出なくなってしまいます。
必要に応じてプレ研修を行うなどして、学ぶ人全員が明確な目的をもって学べるようにしましょう。
実践する場を設ける
研修を実施したら、実践できる場を設けることも大切です。研修で学んだことは実践を通じて定着します。
研修中にディスカッションやワークを通じて実践してもらうだけでなく、実際にマネジメント業務に携わる機会を設けるなど、学んだことを実践できる場を積極的に設けてください。
実践後は必要に応じてフォローを行うことで、より知識やスキルが定着しやすくなります。
受講者が受講しやすい形式で行う
PM研修は、主に3つの形式で行われます。それぞれのメリット・デメリットも踏まえて、受講者が受講しやすい形式で実施しましょう。
それぞれの形式のメリット・デメリットは次のとおりです。
- 対面形式
会場に人を集めて行う従来の研修です。
参加者がコミュニケーションを取りやすいため、ディスカッションやワークもスムーズに行えるというメリットがあります。
一方で、移動に時間がかかるなど参加する従業員に負担がかかりやすいのがデメリットです。
- オンライン形式
オンライン形式は、ZoomやMicrosoft TeamsといったWeb会議ツールを使用して行う研修です。
オンライン上で実施されるため、参加者が多くても一度に実施できるというメリットがあります。
しかし、コミュニケーションが一方的になりやすいため、ディスカッションやワークをするのには向きません。
- eラーニング形式
eラーニング形式は、学習管理ツール上で配信される動画教材などを使って行う研修です。
いつでも好きな場所で受講できるため、自分のペースで学習できるというメリットがあります。
一方、ツールを導入するのにコストがかかるほか、双方向的なコミュニケーションができずリアルタイムの質疑応答などができない点はデメリットです。
経験豊かな講師の研修を受ける
PM研修を実施する際は、講師の質にこだわりましょう。できる限り経験豊富な講師に依頼することが重要です。
自社に適した人材がいない場合は、外部企業に委託するのもよいでしょう。
研修会社の講師は、これまで様々な企業で研修を行ってきています。専門性の高い内容もわかりやすくレクチャーしてくれるので、おすすめです。
自社でPM研修を行うのが難しいときは外部企業に委託しよう
自社でPM研修が行なえるなら、それにこしたことはありません。しかし、自社で研修を行うとなると、準備に人手が必要だったり、講師に適任の人材がいなかったりする企業もあります。
そのような場合は、外部企業に研修を委託するのがおすすめです。
外部企業に研修を委託するメリット・デメリットを解説します。
PM研修を外部企業に委託するメリット
研修を外部企業に委託するメリットは主に2つです。
研修準備にかかるコストを抑えられる
プロの講師による質の高い研修が受けられる
研修を実施する際には、資料を作ったり、カリキュラムを考えたり、事前に様々な準備をする必要があります。人手不足が叫ばれて久しい昨今、通常業務を行いながら研修準備を行うのが難しい企業も多いでしょう。
しかし外部企業に研修を委託すれば、研修準備やカリキュラムの考案は、研修企業が行なってくれます。
また、外部企業の講師はプロです。これまでの経験をもとに、難しい内容も分かりやすく教えてくれるでしょう。
しかし、外部企業に依頼するのには、デメリットもあります。
- 費用がかかる
- 自社のニーズに合わせた研修が受けられないことがある
外部企業に研修を委託した場合、自社で研修を実施するのに比べてどうしても費用がかさみます。しかし、中には助成金が活用できる企業もあるので、少しでも費用を抑えたい場合は積極的に助成金を活用しましょう。
ニッチなニーズを抱えている企業の場合、外部企業のカリキュラムでは対応しきれないことがある点も注意が必要です。事前に何度も打ち合わせを重ねるなどして、少しでも自社のニーズに合った研修が受けられるよう工夫しましょう。
委託する外部企業を選ぶポイント
研修を委託する外部企業を選ぶポイントは主に5つです。
- これまでの実績をチェックする
- 助成金が活用できるかチェックする
- 予算内で実施できるかチェックする
- カリキュラムのカスタマイズができるかチェックする
- 実施前後のフォロー体制が整っているかチェックする
特に念入りにチェックしたいのは、フォロー体制の有無です。
研修を実施する前後にマインドセットやフォローアップを行ってくれる企業なら、より自社の負担を軽減させながら効果的な研修が実施できるでしょう。
PM研修を委託するなら東京ITスクールがおすすめ!
「自社で研修を実施するのはむずかしいからどこかに委託したい!」
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- メンバーのモチベーションを上げる方法がわからない
- プロジェクトメンバーとの交渉が苦手
という方に最適な内容です。
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「こんな場合はどうすればいいんだろう」といった不安に応える内容ですので、次の日から現場で役立つ知識・スキルが身につきます。
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最近はオンラインやeラーニングで行われるPM研修も増えていますが、東京ITスクールでは対面でのPM研修にこだわっています。
直接講師と顔を合わせる対面形式なので、質問もしやすく、ディスカッションやワークなどアウトプットの場も設けやすいと好評です。
PM研修でマネジメントスキルを向上させよう!
プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクトマネジメントの知識・スキルが必要不可欠です。プロジェクトマネジメント以外の場面でも役立つ知識・スキルなので、ぜひ一人でも多くの従業員にPM研修を受講してもらいましょう。
しかし、企業によってはPM研修のノウハウがなかったり、人的リソースを割くのが難しいこともあるでしょう。
そのような場合は、外部企業に研修を委託するのがおすすめです。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。