研修活用のチームビルディング術を解説!チーム力を最大限に引き出す
公開日:2024年03⽉05⽇最終更新日:2024年03⽉19⽇
企業の競争力を高めるためには強い組織づくりも大切な要素となります。その手法として注目されているのがチームビルディングです。チームビルディングを効果的に行うには研修が必須ですが、チームビルディングそのものやその研修についてよくわからない場合も多いのではないでしょうか。
この記事ではチームビルディングの研修について説明します。具体的には、次の点について深堀していきます。
・研修でのチームビルディングの基礎
・チームビルディング研修の計画
・実践でのチームビルディング
・研修後のフォローアップ
企業の人事や総務の担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
研修でのチームビルディングの基礎
まず、研修でチームビルディングを学ぶ際に基礎となることについて解説します。以下の3点についてまとめます。
・チームビルディングの目的
・成功のためのキーポイント
・研修プログラムの設計
1つずつ見ていきましょう。
チームビルディングの目的
チームビルディングの目的は、大きく分けて以下の3つがあります。
・信頼関係の構築
・チームメンバー間のコミュニケーションの改善
・共有価値や目標の確認
チームビルディングによりチームメンバー間の信頼が生まれることは、問題解決能力の向上に役立ちます。メンバー同士がお互いを信頼することで、一緒に課題に取り組むことが可能となるからです。
またチームビルディングは、チームメンバー間のコミュニケーションの改善にも効果があります。課題や目標に向かう際の情報交換も活発になり、問題解決や目標達成に有益です。
さらにメンバーが共有する価値観や目標を明確にすることで、一致団結したチームを作ることができます。これらを達成することで、チーム全体のパフォーマンスが向上し、組織の目標達成に寄与します。
成功のためのキーポイント
チームビルディングで成功を収めるためには、いくつかのキーポイントが存在します。具体的には以下のポイントが挙げられます。
・明確な目標設定…メンバー間で目的を共有することで、チームとしてまとまることができる
・適切な役割分担…メンバーそれぞれが自分の役割を理解し、それを遂行することがチームの生産性を高める
・オープンなコミュニケーション…問題が早期に発見され、解決へ向けた動きが早まる
・定期的なフィードバック…自己改善のきっかけとなる
・相互理解と信頼関係の構築…チーム全体のコミットメントが深まる
以上のポイントを盛り込んで研修を行うと、効果的なチームビルディングが可能です。
研修プログラムの設計
研修プログラムの設計を行う場合、まずは目標を設定してそれに基づいて具体的な研修内容を決定します。このとき、参加者のニーズやレベルに応じて柔軟にプログラムを調整することが大切です。
また研修は一方的な情報提供だけでなく、実際にスキルを使う機会も設ける必要があります。そのため、講義と実践をバランス良く組み合わせた内容にすると良いでしょう。
さらに、進行役の選定も重要なポイントです。プロのトレーナーを用意することで、円滑に研修を進めることができます。
これらを踏まえ、それぞれの企業の目指すチームビルディングの形に合わせた研修プログラムを設計していくことが求められます。
チームビルディング研修の計画
チームビルディング研修の計画は成功への道筋を示し、無駄な時間やエネルギーを節約します。以下の手順で計画しましょう。
1.研修の目標設定
2.適切な研修内容の選定
3.研修スケジュールの作成
4.研修効果の評価方法
これらのプロセスを通じて、効果的なチームビルディング研修の計画を策定することができます。順に解説していきます。
研修の目標設定
目標設定の際には、チームの現状を理解し、チームが必要とするスキルや成長を明確に定義することが大切です。また目標は具体的な内容にすることで、チームビルディングで目指すべき方向性が明快になり、結果の測定も容易になります。
例えば、コミュニケーションスキル強化を目指す場合、その具体的な目標は「ミーティングでの発言を増やす」や「フィードバックの頻度を上げる」などといった具体的な行動に落とし込むと良いでしょう。
目標設定は全体の方向性を示すだけでなく、各個人が自身の成長を感じ、モチベーションを維持するための具体的な指標にもなります。
適切な研修内容の選定
研修内容はチームの具体的な課題や目標、そして成員のスキルレベルや人間関係に応じて選定しましょう。すべてのチームが同じ研修プログラムで良い結果を出せるわけではないからです。例えば、新結成チームの場合はアイスブレイクや相互理解を深める活動、既存チームでは課題解決のスキルを向上させる研修等が適しているでしょう。
また、具体的な研修内容を選定する際は、事前の調査やヒアリングが重要です。実際の課題を抽出し、それに対する解決策を研修に取り入れることで、実効性ある研修プログラムを作成できます。
研修スケジュールの作成
研修スケジュールの作成においては、以下のポイントを守ることが大切です。
・全体のテーマと目標を設定し、それに紐づく内容を計画的に配列する
・具体的な日程を決める際には、適切な時間帯や日数を設定する
・スケジュールに余裕を持たせる
具体的な日程決めでは、参加者の都合や他の業務との兼ね合いを考慮しましょう。またスケジュールに余裕が必要なのは、研修内容によっては準備や後片付けの時間も必要となるためです。
受講者が研修に集中できる環境を整え、体力的・精神的な負担を考慮した上で、効果的なスケジュールを作成していきましょう。
研修効果の評価方法
研修効果の評価方法については、具体的な評価基準の設定と測定方法の2点がポイントとなります。
評価基準については、研修目標に直接関連する指標を定めましょう。これは具体的な行動変化や、具体的な成果(例えば、後のプロジェクトでのパフォーマンス)などで測ることができます。
評価方法の例としては、匿名化したアンケートを用いて参加者の満足度や自己評価を測る方法があります。これにより研修の直接的な受け入れ度や参加者の自己認識を確認することが可能です。さらに、定期的に経過をみて長期的な影響を評価することも重要です。これにより研修の本質的な価値、つまり持続可能な行動改善や能力向上を評価することができます。
そして、これらの結果を元に研修内容や進行方法の改善点を見つけ、次回の研修に反映させることで研修の質を継続的に高めていきます。
実践でのチームビルディング
実践でのチームビルディングは、理論だけではなく具体的なアクティビティが鍵となります。参加者が互いに理解し、協力する体験を通じて、信頼関係や一体感を育みます。ここでは以下の内容について解説します。
・アイスブレイク活動
・チームビルディングのゲーム
・チームビルディングのワークショップ
・実践的な課題解決
・チーム内コミュニケーション強化
・チームの共有価値の創造
順に見ていきましょう。
アイスブレイク活動
あらゆるチームビルディングの初めに立ちはだかるのが、参加者同士の距離感です。それを縮めるためのアイスブレイク活動は、成功するチームビルディングの根幹となる要素です。自己紹介や名前連想ゲーム、共通の趣味や体験を話すなど、参加者が無理なく自己開示できる内容が好まれます。
また、アイスブレイクという言葉からもわかる通り、活動は楽しい雰囲気の中で進めることが重要です。一人ひとりが他のメンバーへの理解を深め、コミュニケーションの壁を取り払うことで、チーム全体の結束力を高め、後の活動へつなげます。
チームビルディングのゲーム
チームビルディングのゲームは、参加者が楽しみながらチーム内の絆を強化する効果的な手段です。具体的なゲームとしては、「エッグドロップ」や「人間ノット」があります。
「エッグドロップ」は、与えられた材料で卵を包み、高所から落としても割れないようにするゲーム。共通の目標に向かって協力し、クリエイティビティを発揮することが要求されます。「人間ノット」は、参加者全員が手をつなぎ、その状態から解きほぐすというゲーム。コミュニケーションスキルやリーダーシップが問われます。
どちらのゲームも製品開発などの実務に通じるスキルを磨く機会になります。
チームビルディングのワークショップ
チームビルディングのワークショップでは、共通のゴールやビジョンを共有することが大切です。そのうえで各メンバーの役割と特性を理解し、最も効果的なチーム構成を考えます。
具体的なワークショップ例としては、ゴールセッティングワークショップや役割分担ワークショップがあります。これらのワークショップは、メンバー同士の絆を深め、互いの信頼を高めるのに非常に効果的です。
またワークショップは、チーム内の問題解決能力を向上させるための良い機会でもあります。問題解決スキルワークショップなどを通じて、メンバー全員が一丸となって課題に取り組む経験は、チーム全体の結束力を高めるだけでなく、個々の問題解決能力も向上させます。
実践的な課題解決
実践的な課題解決として具体的な業務や現場で発生し得る課題を設定し、それをチーム全体で解決する方法もあります。この方法では、メンバー同士の連携、コミュニケーション、問題解決能力の向上を図ることが可能です。現実的な課題を共有することで、一体感を生み出し、チーム能力を向上させることが期待できます。
チーム内コミュニケーション強化
チーム内コミュニケーションの強化では、互いの意見を尊重し、誤解を避けるために効果的なコミュニケーション技術を身につけることが必要になります。
たとえば相手とのコミュニケーションを円滑にするための技術に「アクティブ・リスニング(相手の話をきちんと理解すること)」や「フィードバックの技術(建設的な意見を伝える方法)」などがあります。これらの技術により、チーム内での誤解や対立を最小限にし、より効率的に仕事を進めることが可能となります。
チームの共有価値の創造
共有価値の創造では、チーム全体が共有する価値観や理念を明確にし、それに基づいて行動することでチーム内の結束を強めます。共有価値があると、困難な状況に直面した際にもチーム全体が一つの方向に向かうための指針となります。
この共有価値を創造するためには、メンバー全員の価値観を尊重し、オープンなコミュニケーションを重視することが重要です。
研修後のフォローアップ
研修後のフォローアップは、チームビルディング研修が持続的な効果を発揮するために欠かせません。研修の後も定期的に参加者の状況を確認し、必要に応じて追加の指導や助言を行います。これは、学んだスキルや知識が日常業務にどのように活用されているかを評価し、理解を深める良い機会になります。
また、参加者の反省や自己評価を促すことで、自己啓発を支援して研修で得た知識を更に強固にします。研修の効果を長期的に持続させるためには、このようなフォローアップが不可欠なのです。
エンジニアのチームビルディング研修なら東京ITスクールへ
東京ITスクールは、エンジニアのチームビルディング研修において経験と実績を持っています。多彩なプログラムを通じて、エンジニアの持つ技術力を最大限に引き出すためのチームワークを醸成します。
最先端のIT技術だけでなく、チームビルディングに役立つコミュニケーション能力やリーダーシップを育てる研修も充実しています。一緒に働く仲間を理解し、信頼関係を築くことで生まれる協調性は、プロジェクトを成功に導く重要な要素です。東京ITスクールの研修は、それを実現するための具体的な方法と知識を提供します。
タックマンモデルで学ぶ「チームビルディング」養成講座
東京ITスクールの「チームビルディング養成講座」は、タックマンモデルを用いてチームビルディングの知識とスキルを身につけられるプログラムです。
タックマンモデルとは、チームの発展過程を5段階「形成、嵐、規範、成績、解散」に分けて説明した心理学的モデルで、その過程を理解することでチームが直面する問題を解決したり、より効率的なチームビルディングを進めることが可能になります。
この講座では、模擬的なチーム演習を通じて、各ステージでどのようなアプローチが有効なのか実感しながら学べる点が特長です。組織の中で即戦力となるチームを育成するためには、理論だけでなく実践の場が必要です。これらを織り交ぜた本講座は、理論と実践のバランスが取れているため、参加者の満足度も高いと評価されています。
リーダー向けなど立場別の研修
東京ITスクールでは、チームの立場に応じた各種研修をご用意しています。チームをまとめるリーダー向けの研修をはじめ、フォロワーシップやパートナーシップ、メンバーシップの講座も提供。
メンバーの立場に応じた研修を受けることで、それぞれの立場からチームを強化することが可能になります。
対人関係のスキルアップができる研修
さらに立場を問わず活用できる対人関係のスキルを磨く研修も多数あります。傾聴力・共感力・質問力などのほか、対人関係構築や報連相など、課題に応じた研修を受講することで個々のスキルアップが可能です。ひいては企業全体にもよい影響が及び、スパイラルに好転していくことが期待できます。
社員育成に課題をお持ちの方は、お気軽にお問合せください。
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講師としての登壇・研修運営の両面で社員教育の現場で15年以上携わる。
企業のスタートアップにおける教育プログラムの企画・実施を専門とし、
特にリーダーシップ育成、コミュニケーションスキルの向上に力を入れている。
趣味は筋トレと映画鑑賞。