若手社員育成のポイントは?特性や傾向と指導に必要なスキルを解説!
公開日:2024年03⽉19⽇最終更新日:2024年03⽉19⽇
若手社員の育成を任されている人のなかには「最近の若手はどう育てればいいかわからない」「接し方が難しい」と考えている人もいるでしょう。
自分が若手だったころとは似ても似つかないため、自分が先輩にしてもらったように接するのをためらっている人もいるかもしれません。
若手社員を育成するには、その特性や傾向をきちんと把握することが重要です。
この記事では、近年の若手社員の特性や傾向だけでなく、指導に必要なスキルや育成のポイントを解説します。
若手社員の特性と傾向
先輩社員が「近頃の若手は……」とボヤきたくなるのは、いつの時代も変わりません。しかし、それでは若手社員を育成することはできません。
まずは、若手社員の特性を傾向を把握しましょう。
報・連・相が苦手
近年の若手社員は、報告・連絡・相談といった基本的なコミュニケーションをするのが不得手な傾向があります。
「社会人なのだから、報・連・相ができて当たり前」と思う人もいるでしょうが、いずれもそれなりにスキルが必要なことです。
特に、近頃の若手社員は「自分がどう見られるか」を非常に気にします。
「このようなことを報告してがっかりされるのではないか」
「連絡内容を間違えたらどうしよう」
「相談したら馬鹿にされるかもしれない」
といった考えから、自発的に報・連・相を行うのを避ける傾向にあります。
一方、自分に自信があるために報・連・相を行わないタイプもいます。
彼らはデジタルネイティブ世代で、非常に高い情報収集スキルを持っています。自分が収拾した情報が100%正しいと信じて疑わないのも、近年の若手社員の特性です。
どちらかというと受け身
若手社員の多くは、自発的に動くのが苦手な傾向にあります。自分から何かを始めるのではなく、相手が行ったことを受けて動く傾向が顕著です。
この背景には、人よりも目立つことを避けたいという願望や、努力を認められた経験の少なさがあると考えられています。
指導する側としては逐一細かい指示を出さなければならないため、非常に面倒に感じるでしょう。
はじめのうちは細かく対応する必要がありますが、対応しすぎると本人の成長機会を奪ってしまうことにつながるので、さじ加減が難しいところです。
簡単に心を開かない
自分の本心を話せる相手が少ないのも、近年の若手社員の特徴です。
デジタルネイティブ世代の若手社員は、対面でのコミュニケーションよりもメッセージアプリやSNSを通じたコミュニケーションの方が得意な傾向があります。
グループチャットやSNSにおいて、大多数と異なる意見を述べることは他人から攻撃されるリスクを高めることに他なりません。
そのため、自分の本心を隠して、建前の意見を述べることが多くあります。
以前は「社員は家族」という感覚で働いていた人は「共に働く人間に心を開かないなんて信じられない」と思うかもしれませんが、自分の本心を隠すことは彼らの処世術のひとつなのです。
プレッシャーに押しつぶされやすい
最近の若手社員は、プレッシャーに押しつぶされやすい傾向があります。特に「絶対に間違ってはいけない」というプレッシャーを自分自身にかけ続け、心を病んでしまう人が少なくありません。
これは、彼らのコミュニケーションの場がSNSなどに偏っていることが原因です。
SNSでは、間違ったことを言うとすぐに炎上してしまいます。それを避けるため「間違ってはいけない」というプレッシャーをかけ続けている人が多いのです。
人間は、強いプレッシャーに長期間耐え続けられるようにはできていません。若手社員を教育する際は、どこかで「間違ってもいい」「失敗はやり直せる」と理解してもらう必要があります。
認められたい気持ちが強い
SNSが身近な世代である彼らは、強い承認欲求を持っています。少しのことでも「すごい」と思われたい、「あなたは特別だ」と認めてもらいたい気持ちが強いため、認められない状況が続くと途端に意欲を失ってしまいがちです。
人に認められるためなら必死に努力しますが、その努力が認められないと分かるとすぐに意欲を失ってしまうので、接し方に悩む先輩社員は多いでしょう。
明確な答えを求めがち
若手社員の多くは、何事も白黒はっきりつけたがる傾向が顕著です。
YESかNOか、0か1か、正しいか正しくないかをはっきりさせないと気が済まず、曖昧な状態が続くと不安になることもあります。
世の中の物事の多くは、白黒つけられないことがほとんどです。特に仕事では完全に白か黒かを判断できることはそう多くありません。
そのため、曖昧な状況が続く不安に耐えられず、早期に退職してしまうこともあります。
若手社員の育成にはスキルが必要
若手社員の特性や傾向を知ると「とてもではないが手に負えない」「うまく育成する自信がない」という人もいるでしょう。
若手社員を育成するには、スキルが必要です。先輩の仕事ぶりを見せて、見て学んでもらう・見て盗むといった育成のしかたではいつまでたっても若手社員が育つことはないでしょう。
若手社員の育成に必要な6つのスキル
ここからは、若手社員の育成に必要な6つのスキルを解説します。
コミュニケーションスキル
若手社員に限らず、人材を育成する際に最も重要なスキルは「コミュニケーションスキル」です。
コミュニケーションスキルというと、良い人間関係を築くスキル・テクニックと思われがちですが、この場合は正確に情報を伝えるテクニックを指します。
コミュニケーションスキルについては、こちらの記事でも詳しく取り上げていますので、興味をもたれた方はチェックしてみてください。
社会人なら押さえておきたいコミュニケーションのコツとテクニック
傾聴力
傾聴力も大切なスキルです。傾聴とは、相手の話に耳を傾け、しっかり話を聞くスキルをいいます。
ただ話を聞くだけでなく、相手に共感を示しながら話を聞くと、相手はあなたに良い印象を持ちやすくなります。
傾聴力についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてごらんください。
傾聴力とは?コミュニケーション上手になるために意識したい傾聴のコツ
論理的思考力
若手社員を育成するには、論理的思考力も身につけておく必要があります。
論理的思考力とは、物事の結果と原因のつながりを考える力のことです。これを身につけると、育成中に生じるさまざまな問題の結果と原因を分析しやすくなります。
論理的に物事を分析できれば、問題解決のための方法もおのずと見えてくるものです。若手社員のスムーズな育成には必要不可欠なスキルといえるでしょう。
目標管理能力
若手社員を育成する際は、目標を立てるのが基本です。社員一人ひとりのスキル・適性に応じた目標を立て、それを達成するにはどうすればよいか考えることが、育成の質を高めます。
適切な目標を立てるには、現状を正確に把握することも重要です。
若手社員育成に必要な目標管理能力には、現状把握能力も含まれます。
フィードバックスキル
近年の若手社員は、人から認められたいという欲求が強いです。一方、努力が認められないとすぐに意欲を失ってしまう傾向にあります。
彼らのやる気を引き出して持続させるには、フィードバックスキルが必要不可欠です。
単なるダメ出しではなく、成長につながるフィードバックを行うことは、若手社員のモチベーションを高めることにもつながります。
コーチングスキル
できるなら身につけておきたいのがコーチングスキルです。コーチングとは、対話を通じて相手の能力や意欲を引き出すテクニックをいいます。
適切なコーチングは、若手社員の自発性を高め自己成長を促すことにつながるので、コミュニケーションテクニックのひとつとして学んでおくのもよいでしょう。
コーチングについては、こちらの記事でも詳しく取り上げています。
若手社員を育成する際の6つのポイント
ここからは、若手社員を育成する際のポイントを6つ紹介します。
個人のスキルレベルに合わせた研修を実施する
若手社員とひとくちに言っても、個々人が持つスキルは種類もレベルも十人十色です。研修を実施する際は、個人のスキルレベルに合わせた研修を実施しましょう。
個々人のレベルに合わせた研修を実施することは、学ぶ意欲が向上するだけでなく、より高い効果を得ることにもつながります。
そのためには、研修計画を立てる段階で、若手社員の持っているスキルやそのレベルを把握することが重要です。
柔軟な学びのスタイルを設ける
近年の若手社員のライフスタイルは、実にさまざまです。研修を実施する際は、できるだけ柔軟な学びのスタイルを取り入れましょう。
かつては研修というとひとつの空間に人を集めて行う対面形式のものがほとんどでした。しかし最近は、動画で学べる講座やオンラインで参加できる研修もたくさんあります。
導入研修は従来の対面研修にする場合でも、そのあとは個人の習熟度やライフスタイルに合わせて学べる柔軟な仕組みを設けることをおすすめします。
気付きが得られる声かけを意識する
若手社員は
「先輩に聞けばなんでも解決する」
「仕事は指示されたことを行っていればいい」
と思っている人が少なくありません。しかし、それではいつまで経っても主体的に仕事を進めることは不可能です。
若手社員に声をかけるときは、彼らが気付きを得られるような声かけを意識しましょう。
具体的には、若手社員自身に考えさせるような声かけ・働きかけを行うことが重要です。
ポジティブなフィードバックを実践する
若手社員にフィードバックを行う先輩社員のなかには、とかくダメ出しに終始してしまう人もいます。できていない部分・不十分な部分にだけフォーカスしてフィードバックを続ければ、若手社員が意欲を失って退職するのも時間の問題でしょう。
フィードバックの際は、ポジティブなフィードバックを実践することが大切です。
良いところだけをピックアップするのではなく、できていない部分・不十分な部分も指摘してかまいません。ただし、ダメ出しに終始せず、どうすれば改善できるかといった建設的なフィードバックをするよう心がけてください。
具体的に指示することを心がける
「いい感じにお願い」
「適当にやっておいて」
といった指示出しが日常になっていませんか?若手社員に指示を出すときは、具体的に指示を出す方がお互いストレスなく仕事ができます。
「いい感じ」や「適当に」といった曖昧な指示を出されても、若手社員はどうすればいいのかわからず戸惑ってしまいます。
なかにはこのような指示が通らないことに業を煮やして、若手社員の仕事を自分でやってしまう人もいますが、それでは若手社員は育ちません。
指示を出すときは、「いつまでに」「どのように」などを具体的に伝えるようにしましょう。
仕事や研修の意義・目的を明確に伝える
仕事や研修の意義・目的をはっきりと伝えることも重要です。
自分にとって必要と思えない仕事や研修には、身が入らないものです。しかし、なぜその仕事・研修が自分に必要なのかがわかれば、積極的に取り組めるでしょう。
意義・目的を伝える際は、本人にどのようなメリットがあるのか・組織がどれだけ期待しているかも併せて伝えると、より理解してもらいやすくなります。
おすすめの若手社員育成手法
ここからは、おすすめの若手社員育成手法を解説します。
研修
研修は、業務に必要な基礎知識や基本スキルを身につけさせるのに適した手法です。
ビジネスマナーやプレゼンテーションスキルなど、業務内容を問わず必要になる知識・スキルを身につけさせるのに適しています。
1on1ミーティング
1on1ミーティングは、上司と若手社員が1対1で行うミーティングです。育成の進捗状況や現状の課題などを把握し、目標設定やキャリアを考える機会にします。
1対1で話をすることで信頼関係も生まれやすくなり、若手社員のやる気を引き出すのにも効果的です。
OJT
OJT(On the Job Training)は、実際の業務の中で仕事のやり方を学ぶ育成手法です。実際の業務で必要な知識やスキルを身につけるのに適しています。
実際の業務と並行して実施するため、指導したことをすぐに実践でき、定着しやすいのがメリットです。
一方、繁忙期などは指導する社員の負担が大きくなってしまうので、組織内でカバーし合うなどの工夫が必要になります。
若手社員の育成におすすめの研修パッケージ
若手社員の特性や傾向を考えると、
「育成が難しそうだ」
「どのように育成すれば良いかわからない」
という方もいるでしょう。
そのような方には、東京ITスクールの「チームの一員として活躍できる若手社員を育成する研修パッケージ」がおすすめです。
こちらの研修パッケージでは、チームでの成果が求められる若手技術職や営業職の若手社員を対象に、人間関係構築やPDCAサイクルの回し方、タスク整理のテクニックなどをレクチャーいたします。
2ヶ月という短期で社会人に必要な基礎知識・基本スキルが学べますので、ぜひこの機会に導入をご検討ください。
特性や傾向に合わせたやり方で若手社員を育てよう!
自分のときとは明らかに違う最近の若者の特性や傾向に戸惑っている方もいるでしょう。
若手社員を育成する際は、その時代の若者が持つ特性や傾向に合わせたやり方で育成することが重要です。
若手社員の育成で悩んだときは、ぜひ東京ITスクールにご相談ください。これまでの豊富な実績を元に、最適な研修をご提案させていただきます。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。