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COBOLからJavaへ:企業システムの未来を支える言語

公開日:2024年07⽉23⽇最終更新日:2024年07⽉23⽇

COBOLからJavaへ:企業システムの未来を支える言語

企業の情報システムにおいて、信頼性と可用性は不可欠なもの。かつて、金融機関や政府機関の基幹システムを支えてきたCOBOLは、その役割を果たしていましたが、現在ではJavaがその地位を確立しています。

 

この記事では、COBOLの歴史と課題、そしてJavaの特徴と利点、さらにはJavaの進化と未来について詳しく解説します。

 

企業システム構築におけるJavaの重要性を再認識し、その未来を見据えるための情報を得られる内容になっていますので、是非最後までお読みください。

COBOLの歴史と課題

まずはJava以前のスタンダードであったCOBOLの歴史、そしてその課題から見ていきましょう。

 

 

 

COBOLの誕生と役割

COBOL(Common Business Oriented Language)は、主に事務処理の自動化を目的として1959年に開発されました。アメリカ国防総省の支援を受け、IBMやUNIVACなどの大手コンピューターメーカーが協力して開発に携わりました。

 

COBOLの最大の特徴は、自然言語に近い英語の構文を使用することで、プログラムの可読性を高めている点です。これにより、専門的なプログラミング知識がなくても、ビジネスユーザーがシステム開発に関与できるようになりました。

 

COBOLは特に金融機関や政府機関のシステムで広く採用され、オンラインバンキングや税務処理システムなどの重要なインフラストラクチャーを支えてきました。以下はCOBOLの主な特徴です。

 

  • 自然言語に近い構文:英語のような表現でプログラムを書くことができ、可読性が高い。
  • 事務処理に特化:会計、在庫管理、給与計算など、ビジネスアプリケーションに適している。
  • 長寿命のシステム:多くのシステムが数十年間にわたって使用され続けている。

 

 

 

COBOLの課題

COBOLはその有用性も大きいですが、課題もまた抱えています。最も大きなものとしては、その稼働基盤がメインフレーム(大規模な計算やデータ処理を行うために設計されたコンピューターの一種)に強く依存していることです。

 

メインフレームは高価であり、専用の技術者が必要なため、システムの維持コストが高くなります。さらに、メインフレームからオープンシステムやクラウドへの移行が非常に困難です。

 

また、COBOLには互換性の問題も存在します。標準化されているとはいえ、各ベンダーが独自の拡張やカスタマイズを行っているため、異なるベンダー間での移植性が低くなっています。

 

具体的には以下の点が挙げられます。

 

  • ベンダー独自の拡張:各ベンダーが独自の機能を追加しているため、コードの移植が困難。
  • 日本語対応の差異:ベンダーごとに異なる日本語対応の方式が使われており、文字コードの互換性が問題となる。
  • 老朽化と人材不足:COBOL技術者の高齢化が進み、新たな人材の確保が難しい。

 

これらの問題により、COBOLシステムはデジタルトランスフォーメーション(DX)の障害となることが多く、「2025年の崖」と呼ばれる状況を生み出しています。

 

 

 

 

Javaの台頭

COBOLに代わって現在の企業システム構築で広く使われているのがJavaです。Javaは1995年にSun Microsystems(現Oracle)によって開発され、瞬く間に普及しました。

 

以下に特徴、メリットを解説します。

 

 

 

Javaの特徴と利点

Javaの最大の特徴は、プラットフォームに依存しない点です。Javaで書かれたプログラムは、Java仮想マシン(JVM)を介してどのプラットフォームでも実行可能です。

 

Javaの利点は以下の通りです。

 

  • プラットフォーム非依存性:JVMが提供されている環境であれば、どこでも同じコードが動作する。
  • 豊富なライブラリとフレームワーク:SpringやHibernateなど、エンタープライズ向けの強力なフレームワークが充実。
  • 高いパフォーマンスとスケーラビリティ:JITコンパイルによる高速な実行速度と、マルチスレッドによる高い並行処理性能。
  • 大規模なコミュニティとサポート:多くの開発者が利用しており、情報共有やサポートが容易。

 

 

 

Javaのエコシステム

Javaは広大なエコシステムを持ち、開発者の確保も容易です。特に金融分野では、Javaの実績が豊富であり、リスクの見積もりもしやすいことから、基幹系システムの開発に最適とされています。

 

例えば、SBI生命保険の池山徹取締役は、「金融分野でJavaが他の言語に置き換わることは考えにくい」と述べています。Javaのエンジニアは多く、開発人員を調達しやすい点も大きなメリットです。

 

さらに、日本のJavaコミュニティーで積極的に活動しているグロース・アーキテクチャ&チームスの鈴木雄介社長は、「Javaのような広大なエコシステムを持つ言語はほかにない」と強調しています。

 

Javaのエコシステムは、企業のシステム構築において他の追随を許さない存在となっているのです。

 

 

 

 

Javaの進化と未来

 

 

 

継続的な改善

 

Javaは常に進化を続けており、最新の技術トレンドに対応しています。特に注目すべきは「Project Amber」という取り組みです。

 

Project Amberは、Javaのコードを簡略化し、より効率的にすることを目指しています。これにより、従来のJavaが持つ煩雑なコードの記述を大幅に削減することが可能となります。

 

他にも、AI開発のためのライブラリーがJavaに対応しやすくなるように改良が進められており、Pythonで行われることが多かったAI開発にもJavaが利用される機会が増えています。

 

また、Goが持つ軽量スレッド「ゴルーチン」に似た機能もJavaに取り入れられています。これにより、Javaは並行処理の性能をさらに向上させています。

 

 

 

定期的なバージョンアップ

Javaは現在、毎年3月と9月に定期的にバージョンアップが行われています。新しい機能が追加されるフィーチャーリリースと、長期サポートが提供されるLTSリリースがあります。

 

フィーチャーリリースは半年ごとに公開され、常に最新の機能を提供します。一方、LTSリリースは長期にわたるサポートが提供され、企業ユーザーにとって安定した環境を提供します。

 

以前はバージョンアップの間隔が一定ではなく、Java 6からJava 7まで4年以上、Java 8までさらに2年以上かかるなど、不定期なことがネックでした。

 

しかし、Java 9以降は半年ごとの定期的なリリースサイクルに改められました。この変更により、Javaユーザーはアップデートの計画を立てやすくなりました。

 

 

 

 

Javaの課題と対策

先のセクションではJavaの良い点を解説しましたが、もちろん課題もあります。以下に挙げていきます。

 

 

 

保守的なイメージ

Javaには「保守的なイメージ」がついていることが一部で問題視されています。特に、エンタープライズ分野でのウォーターフォール開発との親和性が高かったため、堅苦しいイメージが残っているのです。

 

グロース・アーキテクチャ&チームスの鈴木雄介社長も、「Javaには、堅苦しい会社がそんなに高くない給料でプログラマーを雇う言語というイメージがついてしまった」と述べています。

 

しかし、実際にはJavaは着実に進化しており、そのイメージは過去のものに過ぎません。現在のJavaは、他の言語に劣らない機能を持ち、企業システムの基盤として依然として信頼されています。新しい技術やトレンドに対応するための改善が続けられており、実際の使用感は非常にモダンです。

 

Javaの進化は以下の点で特に顕著です。

 

  • コードの簡略化:Project Amberなどの取り組みにより、煩雑なコードが大幅に簡略化されている。
  • 並行処理の強化:軽量スレッドの導入により、並行処理性能が向上。
  • AI対応の強化:AI開発用ライブラリーの対応が進み、Pythonに匹敵する利用環境が整備されている。

 

 

 

互換性の問題

新機能の追加に伴い、互換性の問題が生じることもあります。例えば、Java 9で採用されたモジュール機能は、内部APIの廃止を伴い、多くのライブラリーが動作しなくなるという問題を引き起こしました。この影響で、Java 8からJava 11以降のLTSリリースへのアップデートが進まないシステムも存在します。

 

しかし、こうした問題に対してもJavaコミュニティやベンダーは対策を講じており、ユーザーは計画的にアップデートを進めることが可能です。互換性の問題が発生した場合でも、適切なサポートとガイドラインが提供されるため、スムーズな移行が可能です。

 

 

 

 

Javaの将来展望

現在、開発現場の主要言語となっているJavaですが、今後についてはどうなのでしょうか。Javaよりも習得が容易な言語も増えた中、これから自社のエンジニア研修で学ばせる言語をどうするか検討しているという方も多いことでしょう。

 

結論からお伝えすると、今後もITエンジニアがまず学ぶべき言語はJavaが最有力と言えます。

 

理由を以下に説明します。

 

 

 

Javaは今後も開発現場でトップ需要

Javaは、今後も開発現場でトップの需要を誇る言語であり続けると予想されます。その理由は、以下の点にあります。

 

  • 汎用性の高さ:Webアプリケーションからエンタープライズシステム、モバイルアプリケーションまで幅広い用途で利用可能であること。
  • 成熟したエコシステム:豊富なライブラリとフレームワークが整備されており、開発効率が高いこと。
  • 強力なコミュニティ:世界中の開発者が参加する活発なコミュニティがあり、最新情報やサポートが充実していること。

 

Javaはその堅牢性と信頼性から、企業の基幹システムやミッションクリティカルなアプリケーションに最適です。また、最新の技術トレンドに対応し続けることで、将来的にもその価値を維持することが期待できます。

 

ニーズに合わせて常に進化するフレキシブルな体制も、今後ますます評価されていくポイントとなるでしょう。

 

 

 

 

エンジニア研修でまずJavaを学ぶべき理由

Javaはその広範な用途と市場での需要から、エンジニア研修で学ぶべき最重要言語の一つです。以下にJavaを学ぶべき理由を挙げます。

 

  • キャリアの選択肢が広がる:Javaのスキルを持つことで、多様なプロジェクトや職場での活躍の範囲が広がります。
  • 高い雇用機会:Javaエンジニアは今後も市場で高い需要があり、案件獲得に非常に有利です。
  • 安定したスキル基盤:Javaの知識は他の多くのプログラミング言語や技術に応用できるため、長期的なキャリア形成に役立ちます。

 

エンジニアリングの基本をしっかりと学び、実践的なスキルを身につけることで、即戦力として企業に貢献できる人材となれるでしょう。

 

 

 

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  • 実践的なカリキュラム:現場で求められるスキルを重視し、実践的なプロジェクトを通じて学べるカリキュラムをご提供します。

  • 経験豊富な講師陣:業界で活躍するプロフェッショナルが指導し、最新の技術動向や実務経験を共有し、現場で活きる学びをお約束します。

  • サポート体制の充実:学習中の疑問や不安を解消するための個別サポートが充実しており、IT未経験や文系出身者でも99%以上がしっかりとスキルを身に付け、現場で活躍しています。

 

東京ITスクールでJavaを学び、現場で即戦力として活躍できるエンジニアを目指しましょう。企業のシステム構築において不可欠なスキルを習得し、キャリアアップを実現するための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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 東京ITスクール 山口
 SESで現場PG、SEとして活躍後、受託開発のPMとして多数の開発プロジェクトを経験。
 主に金融系案件を担当。
 現在はこれまでの経験を活かして東京ITスクールのカリキュラムや教材開発業務に従事。
 趣味はサイクリング。

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