OJTとは?効果的に進める方法と行う際のポイントを解説
公開日:2023年08⽉08⽇最終更新日:2023年08⽉08⽇
OJT(On the Job Training)は新入社員を教育する際に取り入れている企業が多い手法です。
しかし、進め方や目的を間違うと、研修を受ける社員の能力を引き出すことはできず、モチベーションも低下させてしまいます。
本記事では、OJTの概要をわかりやすく解説するとともに、効果的に進める方法と行う際のポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
OJTとは?意味や目的をわかりやすく解説
OJT(On The Job Training)とは、日常の業務を行いながら仕事に必要な知識やスキルを学ぶ教育方法です。
日本では高度経済成長期から実施されており、社員研修の基本的な手法として半数以上の企業が採用しています。
まずは、OJTの目的とOFF-JTとの違いを解説します。
OJTの目的
OJTの目的は主に3つです。
- 研修生の能力向上
- 指導役となる社員の能力向上
- 組織の継続的なパフォーマンス向上
OJTの目的のひとつは、研修生の能力を高め企業の戦力になる人材に育てることです。確かな手ごたえが感じられるOJTを実施して成長意欲や自己実現意欲を高めることは、人材不足が叫ばれる今、優秀な人材確保にも大きく寄与します。
OJTを実施するにあたっては、指導役となる社員の能力向上も欠かせません。OJTを通じて人材育成力・指導力を高めることで、指導役となる社員のモチベーションアップ・信頼獲得にも影響を与えるでしょう。
OJTを継続的に実施することで、組織に必要な人材を効率的に育成できるようになります。スキルや知識が伝達されやすい環境を整えることは、組織のパフォーマンス向上・発展を実現するうえで避けては通れません。
OJTとOFF-JTの違い
OJTは、OFF-JT(Off The Job Training)と違って、現場で必要とされる知識やスキルのアウトプットが中心です。
一方、OFF-JTは一時的に現場を離れて、セミナーや研修などを通じて知識などをインプットを中心に行ないます。新入社員のビジネスマナー研修や、新しいスキルを身につけるための集合研修などは代表的なOFF-JTです。
人材育成や社員の能力向上には、OJTとOFF-JTの両方が必要です。さまざまな教育手法の違いをきちんと把握したうえで、自社のニーズや目標に合った教育手法で人材を育成しましょう。
OJTに向く業務・向かない業務
OJTには向く業務と向かない業務があります。
OJTに向く業務は、やり方ややるべきことが決まっていて、イレギュラーが発生しにくい業務です。求められるスキルの水準が決まっているため教える側のスキル差も生じにくく、マニュアルを使えば誰もが一定の質のOJTを提供できます。
一方、イレギュラーが生じやすい業務やプロジェクトごとに進め方が変わる業務はOJTに不向きです。業務によって対応方法が変わるため、OJTで社員を教育しようとすると、教える側・教えられる側双方に大きな負担がかかります。
OJTに向かない業務でOJTを実施する場合は、まずOFF-JTで基本的な対応を学んでもらってから、OJTを実施するとよいでしょう。
OJT のメリット・デメリット
ここからは、OJTのメリット・デメリットを解説します。OJTを実施する際は、次のメリット・デメリットをきちんと把握したうえで実施することが重要です。
OJTのメリット
OJTのメリットは、主に5つあります。
【企業側のメリット】
- 即戦力となる人材を育成しやすい
- 研修コストが削減できる
OJTは、実際の現場で行われます。そのため、積極的なアウトプットを通じて即戦力となる人材を効率的に育成できるのがメリットです。
また、指導役は同じ業務を行っている先輩社員なので、外部講師を呼んでセミナーを開催したり、集団研修を開催したりするコストが削減できるのも、企業にとっては魅力となるでしょう。
【教えられる側のメリット】
- 自分のペースで実務経験が積める
- 現場で必要な知識・スキルを直接教えてもらえる
- 職場での人間関係構築に役立つ
集団研修となると、一人ひとりのペースに合わせて知識やスキルを教えることは難しくなります。しかし、OJTならその人のペースに合わせて着実に知識・スキルを身につけられるでしょう。
また、マンツーマンで行われることが一般的なので、職場の人間関係構築に役立つ点も、新入社員や未経験者にとって大きなメリットといえます。
OJTのデメリット
OJTのデメリットは、主に2つです。
- 人手不足で業務とOJTの兼ね合いが難しい場合がある
- 教える側のスキル不足で十分な教育が提供できないことがある
人手不足が叫ばれるようになって久しいですが、企業によっては人手不足が深刻で、業務を行いながら後輩の指導を行う専任社員を付けられないことがあります。
無理にOJTを実施しようとすると、業務のリソースが足りなくなったり、指導役の社員に大きな負担が生じてしまうケースも少なくありません。
また、OJTの場合、教える側のスキルが不足していると十分な成果が出ません。それを防ぐには、事前に指導マニュアルなどを準備して、教える側がスキル不足にならないよう工夫することが大切です。
効果的なOJTのやり方
ここからは、OJTを効果的に進める方法をお伝えします。OJTを行う際は、次の4ステップを意識して行ってみてください。
1.実際の業務を見てもらう
まずは、指導役が実際に業務しているところを見てもらいましょう。
言葉で説明することも大切ですが、実際の業務を見てもらったほうが伝わりやすいことも珍しくありません。
実際の業務を見て、これから自分が行なうことのイメージをつかんでもらうことが大切です。このとき、やっていることを簡単に説明しながら見せると、よりイメージがつかみやすくなるでしょう。
2.業務の概要をていねいに説明する
次に、業務の概要を説明します。その際、なぜその業務を行うのかや、業務の目的も合わせて説明すると理解が深まるでしょう。
需要なポイントや注意点などをできる限りていねいに説明したり、研修者の疑問に答えたりして、研修者が安心して業務に取り組めるよう工夫してください。
危険がともなう作業の場合、安全上配慮すべきポイントがあればこのタイミングで伝えるようにしましょう。
3.実際に業務を行ってもらう
説明が済んだら、実際に手を動かして、業務を行ってもらいます。
先輩社員はついアドバイスをしたりサポートしたりしたくなると思いますが、まずはやってみてもらうことが大切です。
ただし、危険が伴う作業などもあるので、目は放さないようにしましょう。
4.業務の改善点を伝える
実際に作業をしてもらって気付いた改善点を伝えます。
このとき、単なるダメ出しにならないように注意することが大切です。
どうしてうまくできなかったのか、どうすればうまくいくのかを、具体的に伝えるようにしましょう。作業の質を上げるために必要な細かいポイントは、この段階で伝えると伝わりやすいです。
良かった点があれば積極的に褒めることも、OJTを受ける人のモチベーションを上げるのに効果的です。
OJTを行う際のポイント
OJTを行う際は、次のポイントを意識することで、より効果的なトレーニングが行なえます。OJTの質を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
指導役がサポートを受けられる環境を整える
OJTを実施する際は指導役がサポートを受けられる環境を整えましょう。
OJTは業務時間内で行われるため、指導役の社員に大きな負担がかかりやすい教育手法です。具体的には自分の業務が滞ったり、精神的・時間的な負担が生じやすいといった課題があります。
OJTを実施する場合は、指導役となる社員の業務量を減らしたり、他の社員に相談しやすい環境を整えたりして、負担を減らすよう努めましょう。
指導役のスキルを一定に保つ
指導役のスキルを一定に保つことも重要です。必要に応じてマニュアルを準備するなどして、誰が教えても一定の質のスキルが身につくような仕組みを作りましょう。
OJTの指導役には、次のようなスキルが求められます。
- コミュニケーションスキル
- 間違いを正すスキル
- フィードバックスキル
これらのスキルをさらに高めたい場合は、指導役となる社員向けの研修を実施することも効果的です。
指導役以外に相談できる相手を作る
新入社員がOJT中に生じた悩みを相談できる相手を作りましょう。
ベテラン社員は指導役としては優秀かもしれませんが、新入社員とは年が離れていることも多く、気軽に相談できないことも珍しくありません。職場に相談できる人が1人しかいないと、精神的な負担も大きく、トレーニング中につまずいた場合そこでドロップアウトしてしまうリスクも高まります。
できれば、実際の指導に関わらない、年の近い社員に相談相手になってもらうとよいでしょう。
年の近い社員なら気軽に話せるだけでなく、自分の経験をもとに的確なアドバイスをしてくれることも期待できます。
指導役のフィードバックスキルを高める
フィードバックスキルとは、新入社員が何か行った際に、素早く改善点や良かった点を伝えるスキルです。フィードバックは、時間が経ってから行ってもあまり意味がありません。できるだけ早く行うことで、教えられる側の行動変容を促すことができます。
フィードバックスキルを高めるには、セミナーなどを受講するのが近道です。
改善点だけでなく良かった点も素早く伝えられるスキルを身につけることで、教えられる側も前向きにOJTに取り組めるようになります。
≪おすすめの講座≫
OJTに役立つ東京ITスクールの受託案件体験型Java研修「リアプロ」
ここまで、OJTのメリット・デメリットや、OJTのやり方・ポイントをお伝えしましたが、実際の業務でこれらをすべて実施するのは難しいという企業も多いでしょう。
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【体験型Java研修のメリット①】
新入社員の定着率が高まる!
東京ITスクールの体験型Java研修では、研修として受託開発が経験できます。
新人研修で身につけたWebアプリケーション構築の基礎を活かしながら現場のリアルを体験することで、問題解決力やチームワークなどさまざまなスキルを身につけることが可能です。
【体験型Java研修のメリット②】
着任先が決まりやすくなる!
体験型Java研修で行った業務は、実務経験としてスキルシートに記載できます。
そのため、新人エンジニアでも着任先が決まりやすくなるだけでなく、単価アップも期待できます。
≪リアプロで単価UPを実現したお客様の事例≫
【体験型Java研修のメリット③】
オンラインだから場所を問わず受講できる!
東京ITスクールの体験型Java研修は、すべてオンラインで行います。そのため、働く場所にとらわれず受講できるのが魅力です。
【体験型Java研修のメリット④】
助成金が活用できる!
助成金が活用できるため、実質負担ほぼ0円で受講いただけるのもポイントです。
東京ITスクールは助成金申請も無料でサポートしていますので、助成金の申請が初めてという企業様も安心してご利用いただけます。
≪助成金についてはこちらの記事で詳しく解説しています!≫
【体験型Java研修のメリット⑤】
研修の見える化で管理の手間がかからない!
評価レポートや成果報告会などを通じて研修の過程や受講生の状況を見える化しているので、受講生が今何をしているか・どんな課題を抱えているかがわかります。
スキルシートのサンプルもお送りしますので、すぐに面談に生かしていただくことが可能です。
研修は最短1ヶ月から受講可能ですが、1ヶ月ごとに異なる機能を開発するため、継続して3ヶ月受講していただくことをおすすめしています。
これまでに東京ITスクールの体験型Java研修を導入いただいた企業様は、延べ130社以上。
この機会に、ぜひ確かな定着率と単価アップにつながる体験型研修をご検討ください。
受託案件体験型Java研修「リアプロ」で効果的なOJTを!
OJTが人材育成に効果的だとわかっていても、効果的なOJTを行うのは容易ではありません。人手不足の今、指導役の社員に大きな負担が生じることもあるのが現状です。
そんなときは東京ITスクールの受託案件体験型Java研修「リアプロ」を活用してみてはいかがでしょうか。
リアプロなら、現場の負担を軽減しながら、エンジニア育成に効果的なOJTが実施できます。
現場の定着率向上・エンジニアの単価アップも期待できますので、ぜひこの機会にご検討ください。
詳しくは、お気軽に東京ITスクールまでお問い合わせください。
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現場SEとして活躍する傍ら、IT研修講師として多数のIT未経験人材の育成に貢献。
現在は中小企業を中心としたDX、リスキリングを支援。
メンターとして個々の特性に合わせたスキルアップもサポートしている。
趣味は温泉と神社仏閣巡り。